「時間管理に苦手意識がある」
「もっと時間管理がうまくできるコツを知りたい」
詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
そんな方へ、本記事では時間管理が上達する本質的な考え方からテクニックまで、わかりやすく解説します。
なぜ時間管理がうまくいかないのか?
時間管理の上級者になるためには何をしたら良いのか?
そんな疑問に余すことなくお答えしますから、時間管理の初心者から上級者まで、新たな発見や学びが得られるはずです。
本記事のポイント
- 時間管理できない人が持っている弱点と対策を解説
- 人生を好転させる時間管理術の実践方法を5ステップで紹介
- 上級者向けの時間管理テクニックまで身につく
時間管理が上達すると、その分、仕事・プライベート・人生での成功や幸せを掴みやすくなります。
時間管理ができずにパニックになる毎日は手放して、自分の思い通りにコントロールする楽しさを味わってください。さっそく始めましょう。
目次
1. 時間管理のすすめ〜時間管理で得られる5つのメリット
時間管理のコツをお伝えする前に、
「なぜ私たちは時間管理に取り組んだ方が良いのか?」
について、よく理解しておきましょう。
「時間管理は、自分にとって得」と胸にストンと落ちて理解できると、それだけで時間管理がうまくいくようになるからです。
時間管理は、あなたに以下のメリットをもたらします。
- アウトプットの質が高まり成果が出る
- 焦ったり慌てたりせず毎日を心穏やかに過ごせる
- 自由な時間が増えて仕事もプライベートも充実する
- 約束を守る人間として周囲から信頼される
- ビジネスの成功や人生の幸福を手に入れやすくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. アウトプットの質が高まり成果が出る
1つめのメリットは「アウトプットの質が高まり成果が出る」ことです。
例えば、同じひとつの“企画書”というアウトプットでも、時間管理がうまくできずに一夜漬けで体裁だけ整えた企画書と、時間管理がうまくできて十分に吟味して作った企画書では、その質がまったく異なります。
これと同じことが、仕事でも勉強でも趣味でも、ありとあらゆることに当てはまります。
「より良いものを作りたい」
「自分の仕事の質を上げたい」
…と求めるならば、時間管理が叶えてくれます。
1-2. 焦ったり慌てたりせず毎日を心穏やかに過ごせる
2つめのメリットは「焦ったり慌てたりせず毎日を心穏やかに過ごせる」ことです。
時間管理ができない人の毎日は、心が安まる暇がありません。常に心の中に焦燥感が貼り付いて、余裕がないのです。
余裕のなさから家族やパートナーにイライラをぶつけてしまう、「忙しい、忙しい」と頻繁に口走って嫌われるなど、人間関係にも悪影響を与えます。
時間に追われてパニックになったり、頭が真っ白になったり、狼狽したり——冷や汗をかき続けるつらい毎日から解放してくれるのが時間管理です。
時間管理を上手にすればパニックになることもなく、穏やかに安心して、毎日を自分のペースで過ごせます。
1-3. 自由な時間が増えて仕事もプライベートも充実する
3つめのメリットは「自由な時間が増えて仕事もプライベートも充実する」ことです。
私たちの1日は誰もが24時間で、26時間、28時間——と増やすことはできません。
しかし「1日の中の、自由に使える時間」は時間管理によって増やすことができるのです。
自由な時間を、今より2時間、4時間、6時間——と増やせたら?と想像してみてください。仕事もプライベートも充実するでしょう。
「時間がないからできない」と諦めていたことを、諦める必要性がなくなります。増えた自由な時間で、何でもできるからです。
1-4. 約束を守る人間として周囲から信頼される
4つめのメリットは「約束を守る人間として周囲から信頼される」ことです。
時間管理ができていない人は、周囲から「時間にルーズな人」と敬遠されやすくなります。
というのは、時間管理のミスによって遅刻したり、仕事などの期限を破ったりするからです。つまり、人との約束を破る、あるいは破りそうになることが多いため、信頼されないのです。
逆にいえば、自己管理がうまい人は、いつも人との約束を守れます。
最終的な仕事の納期や提出物の締切はもちろんですが、ちょっとした資料送付の約束や打ち合わせの時間など、細々した面までルーズさが見られません。
時間管理をきちんとしているだけで周囲から信頼され、評価が高くなるのです。これはとてもお得です。
1-5. ビジネスの成功や人生の幸福を手に入れやすくなる
5つめのメリットは「ビジネスの成功や人生の幸福を手に入れやすくなる」ことです。
あなたは、以下のどちらが良いですか。
- 時間に追われて、不本意に自分の人生の時間を消費していく。
- 時間をマネジメントして、自分が思うように人生をコントロールしていく。
当然、後者の方が良いでしょう。
時間管理ができないと、時間の奴隷として一生を終えることになります。主導権を握れない人生は、成功体験も幸福感も得にくく、不幸せといわざるを得ません。
時間管理をすれば、ここまでに挙げた4つのメリットを思う存分に享受できます。
一言でまとめるなら、時間管理は、ビジネスの成功や人生の幸福を手に入れるための、非常にパワフルな手段なのです。
目の前のことにギリギリで追われる毎日から解放され、長期的な視点で、手にしたい成功や幸せに近づいていけます。こんなにパワフルな手段を、使わない手はありません。
2. 時間管理できない人が持っている5つの弱点と対策
「時間管理をやった方が良いことは理解できた。でも、自分は時間管理が苦手でうまくできない」
…と感じる方もいるかもしれません。
時間管理ができない人からよく聞く声として、
「時間管理ツールやいろいろなテクニックも試したけど、全然ダメだった」
というものがあります。これは典型的な失敗例です。
ツールやテクニックは、基本的な時間管理ができる土台があってこそ生きるもの。まずはその土台を作らなければ、使いこなせません。
時間管理ができない人の土台には、欠けているものがあります。5つの弱点として以下にまとめました。
- 「時間=リソース」と認識できていない
- 時計やスケジュール帳を無意識下で避けている
- 時間感覚がズレている
- 先延ばし癖がある
- 「NO」と言えない
「時間管理ができない」という自覚がある人は、土台を補修するつもりで読み進めてください。
2-1. 「時間=リソース」と認識できていない
1つめは「時間=リソースと認識できていない」です。
リソースとは資源のこと。“時間とは、限りある資源”なのですが、この感覚がしっくりと理解できているでしょうか。
私たちの最も身近にある資源は「お金」です。
「お金を管理せず、計画や考えなしに適当に使うのは良くない」という感覚は多くの人がしっくりくるはずですが、まったく同じことが時間にもいえるのです。
お金を「予算管理」「家計簿」「資金計画」などで管理するように、時間も管理しなければなりません。
対策
- 時間とお金を同列に扱うように意識を変える
- お金を管理するように時間を管理する
対策は、とにかく「意識を変えること」に尽きます。
“時間はリソース、限りある大切な資源である”という捉え方が、自分の中で当然となるまで、何度も何度も自分のマインドセット(思考パターン)を修正してください。
2-2. 時計やスケジュール帳を無意識下で避けている
2つめは「時計やスケジュール帳を無意識下で避けている」です。
時間管理ができない人は、時間を限りある大切な資源と捉える意識に欠けていると同時に、“時間に限りがあること”を直視したくないという現実逃避の心理を持っています。
お金で例えるなら、貯金残高が少ない現実に対峙するのが嫌で、銀行の通帳を見なくなる心理に似ています。現実を直視できずに逃避しているから、ますます浪費がひどくなり貧乏になるカラクリです。
同じことが時間管理でも起きています。
時間管理が苦手な人は、時計やスケジュール帳を見ることの重要性を頭で理解しても、無意識に避けようとします。だから、どんなツールやテクニックを導入してもうまくいかないのです。
対策
- 無意識で避けていることに明確に気付き、今後は回避行動を意志の力で止める
対策は「自分は無意識に現実逃避の心理を抱えていたのだな」と理解したうえで、今後は無意識の行動に気付いていくことです。
自分の無意識に気付けば、意志の力で回避行動をストップできるようになります。
2-3. 時間感覚がズレている
3つめは「時間感覚がズレている」です。
時間感覚とは、体感で時間を感じ取ることを指します。
例えば、時間感覚が正確な人は、時計を見なくても「3分がどれくらいか、1時間がどれくらいか」といった感覚を持てます。
時間感覚はある程度、生まれ持った性質も影響するといわれており、時間管理が苦手な人の中には時間感覚が大きくズレている人も珍しくありません。
時間感覚がズレていると何が起きるかといえば、
「作成したスケジュールに沿って、Aのタスクを1時間やろうと思ったら、いつの間にか2時間経っていた」
というように、計画を立てた後の“実行”の段階でつまずいてしまいます。
対策
- 自分の時間感覚が正確ではない可能性を認識し、自分の感覚に頼らないと決める
- 常に時計を見る習慣を作る
対策としては、「自分の時間感覚は正確ではないかもしれない」と認知するだけでも状況はずいぶん良くなります。
多くの人が自分の時間感覚のズレに気付かないまま、「なぜ、時間が足りないのだろう?」と不思議に思っているからです。
その謎が解けたら、自分の時間感覚を信用せずに、時計を見て確認する習慣を作れるはずです。
2-4. 先延ばし癖がある
4つめは「先延ばし癖がある」です。
前述の時間感覚のズレと同じく、計画を立てた後の“実行”の段階でつまずきやすいのが、この先延ばし癖です。
せっかくスケジュールや計画を立てても、その実行を先延ばしてしまうので、計画どおりに事が進みません。
先延ばし癖を持ったまま時間管理のテクニックやツールを駆使しても、時間管理ができない現状は変わらないのはそのためです。
対策
- 先延ばし癖をなくすために「やる気」「意志の弱さ」を高めるアプローチを先に行う
対策としては、先延ばし癖の解消を先に行いましょう。
おすすめは「やる気」と「意志の弱さ」の両面からアプローチを行っていくことです。役立つ記事を以下にリンクしますので、参考にしてみてください。
- 【やる気を出す方法】即効簡単テクニックと根本的に自分を変える方法
- 「やる気がでない」ときにやってはいけないNG行動と正しい3つの対策
- 勉強のやる気を出す方法16選!やる気が続く勉強法&対処法も紹介
- 意志が弱い人が人生を思い通りにコントロールするたった1つの方法
2-5. 「NO」と言えない
5つめは「『NO』と言えない」です。
これが最後のポイントとなりますが、自分よりも他人の都合を優先してしまう人は、時間管理がうまくいきません。
「急な仕事の依頼」への対応は致し方ないとしても、同僚からの飲みの誘い、友だちからの遊びの誘い、パートナーからの頼まれごと……など、大きなことから小さなことまで断れないため、時間管理が他人都合でめちゃくちゃになります。
なぜNOと言えないのか?といえば、その理由は自己肯定感が低いからです。
自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定的に捉える感覚のことです。自己肯定感が低い人は、自分で自分を認められない分、他人の目が気になって、NOが言えなくなってしまいます。
対策
- 「自己肯定感」を高める
対策としては、自己肯定感を高めるための取り組みをしましょう。具体的な方法は以下の記事で解説していますので、じっくりと読んでみてください。
3. 人生を好転させる時間管理術の実践テクニック
時間管理できない人の弱点を前述の対策で補うと、基本的な時間管理ができる土台ができあがってきます。
そうなれば、時間管理の実践に移りましょう。5つのステップで解説します。
- ステップ1【現状把握】毎日の時間の使い方を1週間記録する
- ステップ2【課題発見】改善点を見つける
- ステップ3【計画作成】1日分のタイムスケジュールを作成する
- ステップ4【振り返り】1日を見直して気付きを得る
- ステップ5【時間管理の継続】明日のタイムスケジュールを作る
3-1. ステップ1【現状把握】毎日の時間の使い方を1週間記録する
1つめのステップは「毎日の時間の使い方を1週間記録する」です。このステップの目的は現状把握になります。
毎日、自分がどのように時間を使っているのか、1週間の記録をつけましょう。
ノートを1冊準備して手元に置き、小まめに記録を付けながら1週間を過ごします。
少々面倒に感じるかもしれませんが、まずは現状を把握することがとても大切です。ここは手を抜かずに、できるだけ正確な記録をするようにがんばりましょう
3-2. ステップ2【課題発見】改善点を見つける
2つめのステップは「改善点を見つける」です。このステップの目的は、どこを改善すれば時間管理が現状よりうまくいくようになるのか、課題を発見することになります。
ステップ1でがんばって記録したノートが、ここで役立ちます。1週間分の記録を見返しながら、赤ペンで突っ込みを入れていきましょう。
一度でも良いので、自分の時間の使い方を見える化してみると、本当にたくさんの有益な発見が得られます。
「ここでの発見は人生を変えるほど、自分にとって大切な発見になる」と思えば、ステップ1をがんばる気力が湧いてくるはずです。
3-3. ステップ3【計画作成】1日分のタイムスケジュールを作成する
3つめのステップは「1日分のタイムスケジュールを作成する」です。
必ず、ステップ1・2を実践してからスケジュール作成に取り組んでください。多くの人は、ステップ1・2をやらずに、いきなりスケジュール作成をするので失敗します。
ステップ2で発見した自分の課題を念頭に置いてスケジュールを作成することが大切です。
また、いきなり1週間分・1ヶ月分——といった大きな単位で作るのではなく、最初は1日分(=明日の分)だけ作ればOKです。
慣れないうちから長期間のスケジュール作成に取り組もうとすると、挫折の危険が高くなるので注意しましょう。
3-4. ステップ4【振り返り】1日を見直して明日の工夫を見つける
4つめのステップは「1日を見直して気付きを得る」です。
ステップ3で作成したタイムスケジュールの1日が終わったら、振り返りを行いましょう。
タイムスケジュール通りにタスクをこなせたのか?
スケジュールに組んでいなかった想定外の出来事は何があったのか?
うまくいったことは?
うまくいかなかったことは?
このようにして振り返っていくと、良かった点・悪かった点が見えてくるはずです。
そこから「明日はどうすればもっと良くなるか」を考え、「明日の工夫」として箇条書きにしてください。
振り返りの例
- うまくいかなかったこと:企画書の仕上げ中に話しかけられることが多く集中できなかった
- 明日の工夫:集中したいタスクは皆が出社する前の時間帯に移動する
3-5. ステップ5【時間管理の継続】明日のタイムスケジュールを作る
5つめのステップは「明日のタイムスケジュールを作る」です。
ステップ4で見つけた“明日の工夫”を反映させて、改良版のタイムスケジュールを作りましょう。これがまさに時間管理するということです。
慣れてきたら、1週間分・1ヶ月分と、より大きな単位でのスケジュールを作成していきますが、慣れるまでは1日ごとにタイムスケジュールを作るのがおすすめです。
3-6. 補足:次のステップではツールの活用を検討する
補足として、タイムスケジュールを自分で工夫して作れるようになってきたら、次のステップでより効率的にスケジュールを作ためのツール活用を検討しましょう。
詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
4. 上級者向けの時間管理テクニック5選
ここまでは時間管理が苦手な方に向けて基本編をお届けしてきました。
本章では基本をマスターできている人、より高みを目指したい上級者に向けて、時間管理のテクニックを5つ、ご紹介しましょう。
- タスクを断捨離する
- 習慣化で自分を自動操縦する
- フロー状態に入って時間感覚を変える
- 集中力が高まる条件を知っておく
- 睡眠中の時間を有効活用する
4-1. タスクを断捨離する
1つめのテクニックは「タスクを断捨離する」です。
時間管理上級者になると、単に今あるタスクを問題なくこなせるようになるだけでなく、
「もっと時間を作りたい、増やしたい」
「自由に使える時間を捻出するためにはどうすれば良いか」
が重要テーマとなるはずです。
世の中にはたくさんのタスク管理術がありますが、最も有効なのはタスクを減らすこと。これに尽きます。
やめても問題ないタスクはどんどんやめる
そのタスクは、本当にやる必要のあるものですか?
時間管理の上級者は、常にタスクを断捨離しています。
タスクの必要性を、常に疑いましょう。やめても問題ないタスクは、どんどんやめることです。
自分以外の人・ツールができるタスクはやらない
タスク自体は必要のあるもの(やめられないもの)だとしても、そこで諦めてはいけません。
やめられないのなら、「他の人に委託できないか?」と考えることです。自分以外の人やツールができるタスクはやらない、と決めましょう。
部下に振れるタスク、ツールを導入すれば自動化できるタスク、外注できるタスクは断捨離対象です。
生活を例に取れば、以下のイメージです。
- 洗濯干し→ツール(洗濯乾燥機)
- 床掃掃除→ツール(ロボット掃除機)
- 食器洗い→ツール(食洗機)
- 水回りの掃除→外注(家事代行)
- 料理→外注(UberEATS)
上記はあえて極端な例を挙げていますが、ありとあらゆるタスクについて、自分でやらないで済む方法を考えましょう。すると、自由に使える時間は必ず増やせます。
4-2. 習慣化で自分を自動操縦する
2つめのテクニックは「習慣化で自分を自動操縦する」です。
ラクに時間管理をこなしていくためには、いかに省エネ運転でタスクをこなせるか?が重要です。
かけるエネルギーを最小限にし、自分のコンディンションにかかわらず確実にタスクをこなしていくために最も有効なのは「習慣化」です。
上級者の時間管理術は、習慣化なしに語ることはできません。
習慣化の特徴
- その行動をするのが当たり前に感じる。
その行動をしない方が気持ち悪いと、違和感を覚えることもある。 - 意志の力が必要ない。無意識のうちに行っていることもある。
- がんばらずにずっと継続できる。むしろやめようと思っても、やめられない。
習慣化の具体的なやり方は、以下の記事で詳説しています。
せひ時間管理と習慣化は、セットで身につけていきましょう。
4-3. フロー状態に入って時間感覚を超える
3つめのテクニックは「フロー状態に入って時間感覚を超える」です。
前半で、時間管理が苦手な人は時間感覚がズレている人が多いという話をしたのですが、逆に時間管理の達人も時間感覚がズレていることがあります。
というのは「フロー状態」に入って、普通の人ならその時間内で成し遂げられないような圧倒的なパフォーマンスを発揮してしまうのです。
フローとは超集中状態のことで、以下のときに起きやすくなります。
- 明確な目標に向き合っているとき
- 自分が好きなことをしているとき
- 他人にどう思われるかを気にしていないとき
より詳しく知りたい方には、以下の入門書がおすすめです。
M.チクセントミハイ『フロー体験入門―楽しみと創造の心理学』
4-4. 集中力が高まる条件を知っておく
4つめのテクニックは「集中力が高まる条件を知っておく」です。
フロー状態とまではいかなくても、私たちの集中力は、一日のなかで上下しています。
「どんなときに自分の集中力が高まるのか?」
という“集中力を確保する条件”を熟知しておくことは、時間管理においてとても重要な視点です。
時間管理の上級者を目指すなら、「会社で」「カフェで」…といったざっくりした条件ではなく、徹底的に細かく把握しましょう。
例えば、以下の条件です。
- 気温は?
- 湿度は?
- 気圧は?
- 服装は?
- 椅子の種類は?高さは?
- デスクの高さは?
- パソコンを置く位置は?
- 座り方/姿勢は?
- 部屋の明るさは?
- モニターの明るさは?
- 音は?(BGM/無音/ノイズキャンセリング/雑音)
- 香りは?
- 手元に置く飲み物は?
- 前日の食べ物は?
- サプリメントは?
- 睡眠時間は?
- 前日/当日の運動は?
- 入浴方法は?シャワーの温度は?
- 瞑想や呼吸法は?
“自分の集中力が高まる条件”を細かく知るほど、精度の高い時間管理が可能になります。
条件に合う時間帯に重要タスクを持っていく、あるいは逆に重要タスクがある時間帯に集中力の照準を合わせるといった、緻密な調整ができるからです。
4-5. 睡眠中の時間を有効活用する
5つめのテクニックは「睡眠中の時間を有効活用する」です。
最後にマニアックなテクニックをご紹介しましょう。
多くの人は「睡眠時間をいかに削って、時間を捻出するか?」という思考回路に陥っています。
しかしながら、もともと6時間しかない睡眠時間を2時間削ったところで、捻出できるのは2時間だけです。
そのうえ、睡眠時間を削り過ぎれば日中のパフォーマンスが著しく落ちますので、まったくおすすめできません。
それよりも、十分な睡眠時間を確保したうえで、寝ている間にもタスクをこなすことを考えましょう。どういうことかといえば、潜在意識の活用です。
具体的には、明日やるべきこと・解決すべきこと・考えたいことなどの“さわり”を、寝る前にイメージします。
例えば、明日「新商品の企画書」を書くのであれば、「どんな新商品がいいだろうか?」と念じてから寝てください。
睡眠中の脳は記憶を整理しているので、寝る前に念じたことは、膨大な記憶から整理されて必要な情報が出てきやすくなるのです。
実際、起床時の夢から覚めるか覚めないか…のタイミングで「ひらめきやインスピレーションが降りてきた」という話は多く聞きますが、これも睡眠中の潜在意識がなせる技といえます。
睡眠中の時間を有効活用できれば、8時間寝たとしても、その8時間は無駄ではありません。睡眠時間を活用していない人よりも、8時間も時間を増やせると考えましょう。
5. まとめ
時間管理は私たちの人生に大きな「得」を与えてくれます。
- アウトプットの質が高まり成果が出る
- 焦ったり慌てたりせず毎日を心穏やかに過ごせる
- 自由な時間が増えて仕事もプライベートも充実する
- 約束を守る人間として周囲から信頼される
- ビジネスの成功や人生の幸福を手に入れやすくなる
時間管理できない人が持っている5つの弱点と対策をご紹介しました。
- 「時間=リソース」と認識できていない
- 時計やスケジュール帳を無意識下で避けている
- 時間感覚がズレている
- 先延ばし癖がある
- 「NO」と言えない
人生を好転させる時間管理術の実践テクニックはこちらです。
- ステップ1【現状把握】毎日の時間の使い方を1週間記録する
- ステップ2【課題発見】改善点を見つける
- ステップ3【計画作成】1日分のタイムスケジュールを作成する
- ステップ4【振り返り】1日を見直して明日の工夫を見つける
- ステップ5【時間管理の継続】明日のタイムスケジュールを作る
上級者向けの時間管理テクニック5選として以下をご紹介しました。
- タスクを断捨離する
- 習慣化で自分を自動操縦する
- フロー状態に入って時間感覚を超える
- 集中力が高まる条件を知っておく
- 睡眠中の時間を有効活用する