「好きなことを聞かれても、うまく答えられない」
「自分の好きなことって、何だろう?」
そう考えているとしたら、自分と向き合う機会かもしれません。
近年、『好きなことで生きていく』という価値観が注目される一方で、“好きなことを、どのように見つければよいのか?” に関する情報は、不足しています。
「プロフィールなどに『好きなこと』を書く欄があると、何を書けばいいのか困ってしまう」
という人も、少なくないのです。
この記事では、「好きなこと」の探し方と、それを深めていくためのステップを解説します。
好きなこと探しのインスピレーションになるように、「好きなことの例・一覧リスト」もご紹介しますので、参考にしてみてください。
自分を知り、好きなことを見つけて、充実した毎日を実現しましょう。
目次
1. なぜ「好きなこと」を探すのか?その意義と定義
最初に「好きなこと」を探す意義について、触れておきましょう。
意義を理解できていると、好きなこと探しの取り組みに、集中しやすくなるからです。
1-1. プライベートや仕事の重要な決断に役立つ
まず挙げられるのが、「的確な意思決定」のサポートです。
「自分の好きなことは何か?」
という自己探求の問いに答えることは、プライベートや仕事など、人生において重要な決断を下すうえで役立ちます。
たとえば、あなたが今、転職先を探しているとしましょう。
「好きなこと」に対する理解は、満足度の高い仕事を選ぶ、有益なガイドとなります。意欲的に集中できる仕事を見極めて、望むキャリアや収入を実現できます。
あるいは、プライベートにおいては、自分と気の合う友人やパートナーを見つけやすくなります。人生の支えとなる人間関係を築く、基盤となるでしょう。
総じていえば、人生のあらゆるシーンで、自分にとって望ましい意思決定をしやすくなるのです。
好きなことが明確であるほど、日々の選択や決断がより明確に、迅速になります。無駄な悩みを減らし、行動力を上げることにつながります。
1-2. 毎日が充実する
次に、好きなことが明確になると、毎日が充実します。
身近に「自分の好きなこと」がはっきりしている人がいれば、その人の様子を思い浮かべてみてください。充実した毎日を送っているように見えるのではないでしょうか。
なぜかといえば、理由として、次の3つのポイントが挙げられます。
- モチベーションが高くなる
「好きなこと」を発見すると、それが自然とモチベーションを引き出します。新たな趣味への情熱、仕事のやりがい、さらなる学びへの意欲を育てる原動力となります。 - ストレスが減る
「好きなこと」に没頭する時間は、日常の悩みやプレッシャーから心を解放し、リセットする効果があります。心のバランスを保ちやすくなり、ストレスが軽減されます。 - 成長できる
好きなことに時間とエネルギーを投資すると、新たなスキルや能力を発見する可能性が広がります。それぞれの「好き」が積み重なっていくことで、自己成長への道が開けます。
好きなことがある人生と、ない人生では、豊かさが異なることが想像できるでしょう。
1-3. 「好きなこと」の定義とは
「好きなことが、わからない」
という場合、好きなことの定義を、難しく考え過ぎているかもしれません。
“好きなこと”をどう解釈するかは、人それぞれ異なります。たとえば、以下のように言い換えてイメージしてみましょう。
- 興味を惹かれること
- 情熱が湧くこと
- 心地がよいこと
- テンションが上がること
- 心が安らぐこと
- 夢中になれること
- ワクワクすること
- 生きている実感が得られること
- 自分らしくいられること
あえて、共通するポイントを挙げると、以下のとおりです。
- 無理なく継続できる:好きなことは、自然と実行できます。集中するために努力しなくても、時間を経つのを忘れてしまうほど、没頭できます。
- 心の豊かさを感じる:好きなことは、行っている最中や終わった後に、楽しさや喜び、満足感や充実感を感じます。
- 自己表現と通じている:好きなことは、自分らしさと通じていて、個性や価値観を反映しています。
上記を踏まえ、次章では、好きなことをどう見つけていけばよいのか、具体的な方法を見ていきましょう。
2. 自分の好きなことを見つける5つの方法
自分の好きなことを見つける方法を5つ、ご紹介します。
- 日常生活での「好き」の瞬間をメモする
- 子どもの頃に好きだったことを思い出す
- 「もし時間やお金に制限がなかったら何をする?」と自問する
- 自分の価値観を見つめ直す
- 周囲の人からフィードバックをもらう
以下で詳しく見ていきましょう。
2-1. 日常生活での「好き」の瞬間をメモする
1つめの方法は「日常生活での『好き』の瞬間をメモする」です。
非常にシンプルなアクションですが、自己理解を深める有効な手段となります。
テレビを見ているとき、本を読んでいるとき、友人と話しているとき、仕事をしているときなど、日常生活のあらゆる瞬間を対象として、好きだと感じた瞬間をメモしていきましょう。
興味が湧いたり、楽しく感じたり、ワクワクしたりする瞬間を意識して認識し、その対象や状況を記録します。
詳細に記述する時間がなければ、キーワードだけでも十分です。
好きなことメモの例
- 朝のコーヒー時間
- 犬と遊ぶこと
- 春のにおいがする風
- ランニングした後のシャワー
- サウナ
シンプルな記録でも、続けることで無意識だった「好きなこと」に意識が向き、深層的な価値観や興味を理解する手がかりとなります。
スマホのメモアプリなどに「好きなこと」のメモを作って記録すると、継続しやすいでしょう。
2-2. 子どもの頃に好きだったことを思い出す
2つめの方法は「子どもの頃に好きだったことを思い出す」です。
「自分が本質的に好きなこと」を発見する手がかりが、幼少期にあることは、珍しくありません。
子どもの頃は、他人からの期待やプレッシャーに左右されず、純粋に好きなことに向かって行動していたからです。
あなたが、子どもの頃に好きだったことは、何でしょうか。
たとえば、
「絵を描くのが大好きだった」
という人は、大人になった今でも、デザインや色彩に強い興味を持っているかもしれません。
うまく思い出せないときは、以下を実行してみましょう。
- 家族や親しい人に尋ねる:両親やきょうだい、幼なじみなどに、子供の頃のあなたの様子を尋ねてみてください。何に興奮し、何を楽しんでいたか、見落としているかもしれない面を提供してくれるでしょう。
- 写真を見直す:子供時代の写真には、「そういえば、○○が好きだった」と思い出すヒントがたくさん詰まっています。
- 子どもの頃の記録を探す:卒業アルバム、日記、手紙など、昔の記録を探して読み返してみましょう。今では忘れている、当時の気持ちを思い出せます。
好きだった本やアニメ、遊び場などを思い出したら、それを再び経験してみるのも有意義です。
自分の個性と強く結びつく手がかりを、探しましょう。
2-3. 「もし時間やお金に制限がなかったら何をする?」と自問する
3つめの方法は「もし時間やお金に制限がなかったら何をする?と自問する」です。
この質問は、先ほど紹介した“子どもの頃を振り返る”のと同様に、純粋に好きなことを探す強力なツールです。
時間もお金もたっぷりあって、現実的な制約や責任、他人からの期待を気にする必要は一切なく、何でも自由にできる状態だったら、あなたは何をしますか。
この問いは、すぐに答えられる場合もあれば、数ヶ月後、あるいは数年後に、ふと本質的な答えが降ってくることもあります。
しばらく、静かな場所でじっくり考えてみましょう。
そのうえで、心の片隅にいつも、この問いを置いて、生活してみてください。
2-4. 自分の価値観を見つめ直す
4つめの方法は「自分の価値観を見つめ直す」です。
価値観は、その人が重視するものや、物事を判断する基準となる考え方のことです。“何を好きだと感じるのか”に対して、価値観が大きな影響を与えています。
価値観を見つめ直すと、好きなことを明確にするために役立ちます。具体的なアクションをご紹介しましょう。
- 自己分析ツールを活用する:興味診断や価値観診断などの分析ツールを使うと、客観的に自分を見つめ直すきっかけとなります。※
- 共感する映画や本から探る:映画や本に共感する理由や、自分が価値を感じるポイントを分析することで、価値観が明確になります。
- 尊敬する人物をリストアップする:誰を尊敬しているのか、どのようなところが尊敬に値するのか、考えてみましょう。
※補足として、自己分析ツールにはさまざまな種類があります。
たとえばマイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)に基づいて16種類の性格に分類する「16Personalities」は、インターネット上で定期的に話題になるツールです。
【16Personalities性格診断テスト】
出典:16Personalities
16Personalitiesはこちらのページからアクセスできます。
2-5. 周囲の人からフィードバックをもらう
5つめの方法は「周囲の人からフィードバックをもらう」です。
自分が何を好きなのか、じつは他人のほうがよく知っていることがあります。ほかの人から見て、自分がどのように映っているのか、聞いてみましょう。
たとえば、パートナーや家族、友人に、以下のような質問をしてみます。
- 「私は、何について話すとき、テンションが高くなる?」
- 「私が楽しそうに見えるのは、どんなとき?」
- 「あなたが思う、私が自分で気づいていないかもしれない、私の好みは何ですか?」
- 「私は、何をしているときに、イキイキとして見えますか?」
あるいは、単刀直入に、
「私は、自分の“好きなこと”が何なのか、深く考えたいのだけれど、あなたから見ると、何が好きだと思う?」
と聞くのも、よいアイデアです。
周囲の人の視点を借りて、自分の内面に関する洞察を深めていきましょう。
3. 「好きなこと」とは例えば何?参考になる一覧リスト
「好きなことって、たとえば何?」
と“例”を知りたい方もいるでしょう。
好きなこと探しにインスピレーションを与えてくれる、リストをご紹介します。
3-1. いろいろな人が書いた「100個の好きなことリスト」
まず参考になるのが、いろいろな人が書いた「100個の好きなことリスト」です。
“自己理解を深めるために、好きなことを100個、リストアップしよう”
というコンセプトのエクササイズにチャレンジした人が、ブログなどで公開しています。
以下から確認できます。
⇒ [好きなことリストの画像検索結果ページ]
ほかの人のリストを見て刺激を受けたら、ぜひ自分でも、100個を目指して好きなことを書き出してみましょう。
なお、類似したリストとして「やりたいことリスト100項目」のエクササイズもあります。こちらも、好きなことと通じるアプローチです。興味のある方は、チャレンジしてみてください。
以下の記事で解説していますので、ご覧ください。
3-2. 好きなことの例
「プロフィールに好きなことを書く必要がある」など、急いで例を確認したい方は、以下のリストもご活用ください。100個以上の項目をピックアップしました。
- 教養・エンタメ:読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、お笑い、漫画、アニメ、博物館・美術館めぐり、舞台鑑賞、ゲーム、クイズ、パズル、謎解き、ビリヤード、ダーツ、麻雀、将棋、テレビ、ラジオ、フェス、歴史
- アート・表現:ファッション、コスプレ、スニーカー、写真・カメラ、絵画、スケッチ、楽器演奏、歌唱、ブログ執筆、詩・小説の執筆
- 食文化・グルメ:料理、パン作り、お菓子作り、お酒全般、ワイン、日本酒、ウィスキー、コーヒー、ハーブ、ラーメン店めぐり、カフェめぐり
- ライフスタイル:家族との時間、ペットとの時間、DIY、インテリア、ガーデニング、掃除、ボランティア活動
- 習い事・スキルアップ:語学学習、英会話、茶道、習字、生け花、プログラミング
- 旅行・レジャー:国内旅行、海外旅行、一人旅、神社仏閣めぐり、天体観測、森林浴、バードウォッチング、釣り、ハイキング、海、山、キャンプ
- リラクゼーション:サウナ、温泉、銭湯、アロマテラピー、マッサージ、エステ、瞑想
- スポーツ:筋肉トレーニング、ウォーキング、ジョギング、マラソン、ダンス、ピラティス、ヨガ、サーフィン、SUP、スキューバダイビング、スキー、スノーボード、ゴルフ、テニス、野球、サッカー、ラグビー、バスケットボール、フットサル、ボクシング、キックボクシング、プロレス、水泳
- その他:車、バイク、鉄道、家電、美容、ヘアメイク
4. 好きなことが見つかったら踏み出したいステップ
最後に、好きなことが見つかったら踏み出したい、次のステップについてお伝えします。
- 生活の中に占める「好きなこと」の割合を増やす
- 仕事に結び付ける可能性を探る
- 自分の好きなことを他の人に伝える勇気を持つ
以下で詳しく見ていきましょう。
4-1. 生活の中に占める「好きなこと」の割合を増やす
まず、生活の中に占める「好きなこと」の割合を増やすように、取り組んでみましょう。
本記事の前半で、「好きなこと」には、以下の効果があることをお伝えしました。
- モチベーションが高くなる
- ストレスが減る
- 成長できる
毎日が好きなことでいっぱいになると、上記の効果が強まります。
具体的には、一日24時間のうち、好きなことに費やす時間を増やしましょう。週末や休日には、より長い時間を割いて、好きなことを楽しめるようにスケジュールします。
この取り組みは、あなた自身の幸福感と充実感を高めるために、とても重要です。
4-2. 仕事に結び付ける可能性を探る
さらに、人生の中で好きなことに割く時間を増やす手段としては、「仕事と結び付ける」ことが有効です。
あなたの好きなことが、新しいキャリアパスにつながる可能性があるか、探ってみましょう。
YouTube 公式チャンネルの「好きなことで、生きていく」では、好きなことを仕事に変えたYouTubeクリエイターたちの努力、苦悩、情熱が紹介されています。
今すぐに本業で実現するのが難しい場合でも、副業でのチャレンジや、趣味の延長としてのスタートなど、いろいろなやり方を検討できます。
「絶対に無理」「そんな考えは甘すぎる」などと決めつけず、柔軟な発想で考えてみましょう。
4-3. 自分の好きなことを他の人に伝える勇気を持つ
最後に、自分の好きなことを周囲に伝えると、人生の歯車が好転しやすいことを、知っておきましょう。
自分が何を好きで、何に情熱を持っているかを人に伝えることは、自己表現の一部です。周囲の人たちとの深いつながりや、新しいチャンスを生み出す可能性が、高まります。
しかし一方で、「自分が心の底から大切にしている、真に好きなこと」を開示するのは、勇気がいることでもあります。自分の内面をさらけ出す行為だからです。
伝えようとするとうまく言葉が出なかったり、涙が出そうになったりするかもしれません。それは、あなたが本当に、それを大好きな証拠です。
そんな気持ちを大切にしながら、少しずつ勇気を持って、周りの人たちに自分を伝えていきましょう。きっと、今以上に人生がよくなります。
5. まとめ
本記事では「好きなこと」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
なぜ「好きなこと」を探すのかといえば、その意義は2つ挙げられます。
- プライベートや仕事の重要な決断に役立つ
- 毎日が充実する
自分の好きなことを見つける方法として、次の5つを解説しました。
- 日常生活での「好き」の瞬間をメモする
- 子どもの頃に好きだったことを思い出す
- 「もし時間やお金に制限がなかったら何をする?」と自問する
- 自分の価値観を見つめ直す
- 周囲の人からフィードバックをもらう
好きなことが見つかったら踏み出したいステップは、以下のとおりです。
- 生活の中に占める「好きなこと」の割合を増やす
- 仕事に結び付ける可能性を探る
- 自分の好きなことを他の人に伝える勇気を持つ
「好きなこと」と向き合いながら、毎日の幸せ度を高めていきましょう。