お酒・タバコ・衝動買い・夜更かしなど、自分でも良くないことは分かっているのになかなかやめられないことがある人は多いのではないでしょうか。
「今度こそやめなきゃ…」と何度も思っているのになかなかやめることができないのは、悪い習慣が快楽を手っ取り早く得られる方法だからです。
後ほど詳しく解説しますが、悪い習慣をただ「やめるぞ!」と考えても、脳のメカニズムの影響でやめたいものが頭から離れず、結局やめられずに終わってしまう可能性があります。
悪い習慣をやめるために大切なのは、段階を踏むことと、自己分析です。
悪い習慣のやめ方がわかれば、ただ我慢をしながらやめようとするよりも、楽にやめることができます。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- 悪い習慣が身に付いてしまう理由
- 悪い習慣が及ぼす弊害
- 悪い習慣がやめられない理由
- 悪い習慣をやめるための4STEP
- 悪い習慣を改善するためのポイント
この記事を読むことで、悪い習慣をやめるための方法が理解でき、すぐにチャレンジすることができます。
また、より悪い習慣を断ち切りやすくするためのポイントも解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.悪い習慣が身についてしまうのは「快楽」を得られるから
以下のような習慣がなかなかやめられないという人は多いのではないでしょうか。
特に近年はスマホが普及し、どこにいてもネットサーフィンやゲームを楽しむことができるようになったため、暇さえあればネットやSNS、ゲームをしてしまうという人は増えているのではないでしょうか。
冒頭でもお伝えした通り、悪い習慣が身についてしまう原因は「快楽」です。
- 甘いものを食べると幸せな気分になる
- 買い物をするとすっきりした気分になる
- タバコを吸うとホッと一息つける
これらを行うと、ドーパミンが放出されて脳が快楽を感じ、その快楽をまた得ようとするため習慣化してしまうのです。
2.悪い習慣が及ぼす4つの弊害
悪い習慣によって起こりうる弊害には以下のようなものがあります。
- 時間の損失
- セルフイメージの低下
- 金銭的な損失
- 健康への影響
これらの弊害を放置するほど、自身の損失は大きなものとなります。
悪い習慣を断ち切るためにも、どのような弊害があるのかを理解しておきましょう。
2-1.時間の損失
自分で「悪い習慣」だと感じていることをしてしまうたびに、「またやってしまった」と後悔を感じるのではないでしょうか。
後悔するようなことをしたということは、自分のためにならないことに時間を浪費しているということ。
習慣化してしまっているということは、何度もその行動を行なっているということなので、繰り返すたびに時間をどんどん浪費してしまいます。
例えば、喫煙所に行ってタバコを吸うのに10分かかるなら、仕事中に5回タバコを吸いに席を立った場合、勤務時間中の50分を消費していることになります。
その時間があれば、より仕事を進められますよね。
悪い習慣を断ち切るまでは、このように時間を無駄にしてしまうのです。
2-2.セルフイメージの低下
前述した通り、悪い習慣を繰り返すたびに後悔が残ります。
その後悔は自分自身へのがっかり感となり、
- 自分は意志が弱い
- 自分はなんてダメな人間なんだ
というように、セルフイメージが低下してしまいます。
セルフイメージが低下すると、自己肯定感も低下します。
そのまま自己肯定感が下がり続けると自分に対して自信がなくなるため、褒め言葉を素直に受け取ったり、前向きな考え方をすることができなくなり、ネガティブ思考になってしまう可能性もあるのです。
2-3.金銭的な損失
悪い習慣の中にはお金がかかるものもあります。
その代表的なものとして、
- タバコ
- お酒
- ギャンブル
- 衝動買い
がありますが、それ以外にも食べ過ぎればその分食費がかさみ、スマホゲームなどでつい課金をしてしまうという人もいるでしょう。
悪い習慣にお金を払うということは、それは浪費を繰り返しているということです。
例えば、晩酌がやめられず毎日1,000円分のお酒を飲んでいたとすると、毎月3万円ほどを悪い習慣に使ってしまっていることになります。
つまり早くやめるほど、浪費していた費用を貯金に回したり、有意義に使うことができるということです。
自分がやめたいと思っている習慣にいくら使っているのかを計算してみると、より「やめなければ」という気持ちが強くなるでしょう。
2-4.健康への影響
悪い習慣の中には、健康への影響が心配なものもあります。
例えば、以下のような習慣は代表的と言えるでしょう。
- 甘いものを食べ過ぎてしまう
- タバコがやめられない
- お酒を飲みすぎてしまう
甘いものを食べ過ぎてしまえば、肥満や生活習慣病の原因となる可能性がありますし、お酒の飲み過ぎやタバコが体に悪いのは誰でも知っていることですよね。
また、体への悪影響を考えて「やめたい」と感じている人もいるのではないでしょうか。
そのまま体に悪い習慣を続ければ、糖尿病などの生活習慣病を患ってしまったり、生涯付き合っていかなくてはならない病気にかかる可能性もあります。
体への悪影響がある習慣は出来るだけ早くやめるためのアクションを起こすべきでしょう。
3.悪い習慣は「やめよう」と思うほどやめられない
何かを「やめたい」と考えたときに、やめたいことばかりを考えてしまい結局またやってしまうという人が多いのではないでしょうか。
これは人間の脳のメカニズムが関係しています。
人間の脳はそもそも「否定形」を理解できるようにできていません。
例えば、「赤いりんごを想像しないでください」と言われた場合、ほとんどの人はまず赤いりんごが頭に浮かんだのではないでしょうか。
「もうたばこを吸わない」「もう夜更かししない」など、悪い習慣をやめようとしても脳は「やめる」という否定形を理解できないため、それらを続けるイメージをしてしまいます。
その結果、やめたいことが頭から離れず、我慢することに強いストレスを感じたり、結局やめられないといったことが起こるのです。
4.悪い習慣をやめるための4STEP
人は何かをやめようと思っても、脳のメカニズムの影響でやめるのが難しいということを解説しましたが、ただやめようと考えるのではなく、正しいやり方をすれば悪い習慣を断ち切ることができます。
「やめる」「しない」といった否定形で考えるだけでは挫折してしまう可能性が高いので、悪い習慣の代わりとなる新しい習慣に置き換えてみましょう。
タバコをやめたい人がよくガムを噛みますが、それと同じことです。
ただし、準備をせずにいきなり置き換えを行っても失敗してしまう可能性があります。
ここでは、悪い習慣をやめるための4つのステップを紹介しますので、ステップ1から順番に進めていきましょう。
STEP1.やめたいと感じる悪い習慣に優先順位をつけて書き出す
やめたいと思っている悪い習慣が複数あるのであれば、すべて書き出し優先順位をつけましょう。
比較的簡単にやめられそうなものの優先順位を高くすることをおすすめします。
人は目標をクリアできると達成感を感じます。
その達成感によって「やればできる」という自信につながるため、比較的簡単なものからトライすることで自信がつき、あとに残った悪い習慣をより断ち切りやすくなるのです。
しかし、タバコやお酒など医師から控えるように言われている悪い習慣があるのであれば、体のためにもそれらを優先させてください。
STEP2.悪い習慣をついやってしまうトリガーを見つける
悪い習慣は、「どうしてやめたいのか」を考えるよりも、「悪い習慣を行うタイミング」を考えることが重要です。
悪い習慣を行ってしまうきっかけがわかることで、どこで気をつけるべきなのががわかるからです。
例えば、
- 「食後」にタバコが吸いたくなる
- 「〇時になると」お菓子が食べたくなる
といった「ついやってしまう」きっかけとなるものを探しましょう。
STEP3.悪い習慣の代わりに行う習慣を決める
ステップ2できっかけを発見できたら、なぜそのきっかけで悪い習慣を行ってしまうのかを探ってみてください。
食後にタバコが吸いたくなるのはなぜなのかを考えた時に、「満腹になったあとにホッと一息つきたいからタバコを吸う」といった目的が必ず見つかるはずです。
悪い習慣の置き換えを行う場合、この目的に合うものに置き換えることで成功率を上げることができます。
タバコを我慢するのにガムを噛むのは定番ですが、目的が「一息つきたい」であればガムは目的に合わないため失敗してしまう可能性が高いでしょう。
これをガムではなくコーヒーや好きなお茶に置き換えてみると、ホッと一息つくという目的にも合います。
もちろん、ひとことで「タバコ」といっても、吸う場面によって目的も異なります。
朝起きてすぐに吸う人は、「1日の始まりを感じるため」であったり、仕事の後に吸う人は「仕事を終えたた達成感を感じたい」というようなさまざまな理由があるでしょう。
置き換えは1つに限定する必要はないので、その場面にあった置き換えを考えてください。
置き換えを考えたら、次は「If-thenプランニング」を活用しながら実行していきます。
「If-thenプランニング」とは、社会心理学者のハイディ・グラント・ハルバーソン博士が提唱した、習慣化達成のための手法です。
「もし〇〇の状態になったら(If)〇〇をする(then)」という脳が覚えやすいフレーズで計画を立てることによって、目標の行動を起こすように脳を仕向けるのです。
例えば、先ほどの食後のタバコを例に説明すると、
〈食事を食べ終えたら、一杯のコーヒーを入れて飲む〉
このように設定を行います。
夜更かしをしてしまうなど、トリガーが曖昧な習慣の場合は、アラームやタイマーを活用しましょう。
例えば、夜の12時にアラームをセットしておき、
〈アラームがなったら、電気を消して寝る〉
といったように設定することができます。
STEP4.進捗や成果を記録する
悪い習慣の代わりに置き換えたものを習慣化するためには、進捗や成果を記録しましょう。
カレンダーやアプリなどを利用して、
- 1日置き換えに成功した
- 1日のうち何回失敗した
などを書き込み、成果をすぐに確認できるようにしておきます。
こうすることで、「◯日継続できてる」「失敗した回数が減ってきた」などが目で見てわかるため、自信に繋げることができます。
また、失敗回数が減らない・増えるような場合は置き換えるものを選び間違えている可能性が高いため、ステップ2の「やめたい習慣を行う目的」から考え直してみましょう。
5.悪い習慣を改善する際のポイント
悪い習慣を別の習慣へと置き換えるために意識したいポイントは、以下の通りです。
- 悪い習慣ごとに「なぜその習慣を続けていたのか」を分析する
- 小さな目標をクリアして成功を積み重ねていく
- たまに失敗しても気にしない
これらのポイントを抑えておくことで、より悪い習慣を断ち切れる可能性が高くなるからです。
ではなぜこれらを意識することが大切なのかについて解説していきます。
5-1.悪い習慣ごとに「なぜその習慣を続けてきたのか」を分析する
悪い習慣をやめる理由として、タバコやお酒なら「体に悪い」という理由や、食べすぎなら「太るから」といった理由を挙げる人が多いでしょう。
しかし前述した通り、それらの理由だけでは悪い習慣を断ち切ることは難しく、やめるべきものが頭から離れない状態となってしまいます。
そのため、悪い習慣をやめるための努力を始める前に、
- なぜその習慣がやめられなかったのか
- その習慣を行うことで何を得ていたのか
このようなことをしっかりと自己分析する必要があるのです。
その自己分析さえできていれば、正しい置き換えができるため、成功率も上がります。
正しい置き換えができた場合、ただ「良くないから」と考えて我慢を重ねるよりも、楽にやめることができますよ。
悪い習慣を行っている時の自分を想像し、その時にどんなことを考えているのか、どんな気持ちになるのかを想像して、目的を見つけだしましょう。
5-2.小さな目標をクリアして成功を積み重ねる
前述した通り、人は目標をクリアするたびに達成感を感じます。
その達成感を自信に繋げるために大切なのが、「小さな目標」を日々クリアしていくことです。
例えば、毎日ビールを5本も6本も飲んでしまうことをやめたい場合、いきなり禁酒するのではなく少しずつ量を減らしていきます。
まずは3本で飲むのをやめればOKという目標から始め、1週間続けられたら次は2本に減らしてまた1週間続けるといったように、徐々にやめていきましょう。
このように小さな目標をクリアして成功体験を積み重ねる方法を「スモールステップの原理」といいます。
スモールステップの原理は、アメリカの心理学者であるバラス・スキナーが提唱したもので、難しい課題を達成するために、学習内容を細分化して少しずつ取り組むという考え方です。
スモールステップの原理のメリットは、達成しやすい小さな目標を立てて成功体験を積み重ねることで、モチベーションがアップすることです。
学習や教育訓練に役立つとされていますが、さまざまなものに応用ができます。
もちろん、段階を踏まなくても問題なさそうであれば、最初から完全に置き換えの習慣に変える方法で行って大丈夫です。
悪い習慣をやめる難易度によって、スモールステップの原理を活用するかどうかを決めましょう。
5-3.たまに失敗しても気にしない
悪い習慣をやめようと思った時に、1度の失敗で「やっぱりやめるなんて無理なんだ」と悲観する必要はありません。
悪い習慣であっても、ずっと続けてきた習慣を変えるのは難しいものです。
1日の目標を毎日のように失敗してしまうのはよくありませんが、たまに失敗した場合には「明日からまた頑張ろう」と考えましょう。
最初のうちは失敗してしまうことが何度もあるかもしれません。
そこで諦めてやめてしまわずに続けることが大切です。
失敗した回数を記録していけば、続けるうちにその回数がだんだん減っていくはずです。
そうすれば、自分の成長も目に見えてわかるため、失敗も含めて自信になるでしょう。
最初から完璧を求め過ぎないようにして、たまに失敗をしても自分を許して継続することを意識してください。
6.悪い習慣をより断ち切りやすくする方法
ここまで解説した方法で悪い習慣をやめるチャレンジをすれば、ただ漠然とやめようとするよりも成功率は上がります。
さらに「ピアサポート」と「一貫性の法則」を利用することでさらに成功率を高めることができるので、紹介した方法と合わせて行うと効果的です。
では、ピアサポートと一貫性の法則とはどんなものなのかについて解説していきます。
6-1.ピアサポートと一貫性の法則の効果
ピアサポートの「ピア」とは、仲間や対等という意味があり、サポートは「援助」という意味であるため、ピアサポートとは「仲間同士の支え合い」という意味があります。
ピアサポートは仲間同士、つまり同じものを目指す仲間と一緒に頑張ることができるため、以下のようなメリットがあります。
- 同じような立場で一緒に考えることができる
- ピアサポーターが身近なロールモデルになる
このように、同じものを目指す仲間だからこそ困難や悩みも理解してもらえ、解決のために話し合うことができます。
また、ゴールに向かって自分よりも努力していたり成果が出ているピアサポーターがいれば、刺激や励みにもなります。
一貫性の法則とは、誰かに目標を宣言すると「やらなければ・達成しなければ」という気持ちになる心理状態のことです。
1人で誰にも言わずにチャレンジして失敗しても、周囲はなんとも思いませんが、宣言をしておけば「失敗したんだ」と思われたくないという気持ちになりますよね。
家族や友達に目標を伝えたり、SNSで宣言をする人もおり、これらが一貫性の法則に当てはまります。
6-2.ピアサポートと一貫性の法則を効果的に利用できるアプリ
当ブログを運営するA10Labの三日坊主防止アプリ「みんチャレ」は、ピアサポートと一貫性の法則を効果的に利用できるアプリです。
5人1チームとなり、お互いに報告をしたり励まし合いながら同じ目標の習慣化にチャレンジしていきます。
5人のチームは、少なすぎず人が多すぎて会話に入れないということもないバランスの取れた人数です。
ニックネームで参加することができ、チームが合わなければ気軽に抜けることができます。
みんチャレはチームで同じ目標を目指すため、チームの仲間はみなピアサポーターになるということです。
そのため、成果の報告を気軽にし合えるだけでなく、お互いが監視し合っているような状態になります。
そして、同じ目標に向かって頑張っているチームだからこそ、他の人たちの頑張りも知ることができるため「自分もやらなければ」とモチベーションを上げることができるのです。
さらに、そのチームに入ることで目標を宣言しているのと同じ効果があるため、一貫性の法則にも当てはまります。
みんチャレには多くのチームがあり、
- 禁煙
- 禁酒
- 甘いものをやめる
- 早寝早起習慣
といった、悪い習慣に関連するものもありますし、悪い習慣の代わりに置き換える習慣も見つけられるはずです。
また、思ったようなチームがなければ、自分でチームを作成することもできます。
まとめ
お酒やタバコ、甘いものの食べ過ぎなど、悪い習慣はドーパミンが放出され、脳が快楽を得てしまうことで習慣化してしまいます。
悪い習慣を続けていると、
- 時間の損失
- セルフイメージの低下
- 金銭的な損失
- 健康への影響
このようなさまざまな弊害があり、やめるのが遅くなるほどその影響は大きなものとなります。
「良くない習慣だからやめよう」と思っていてもなかなかやめられないのは、「やめる」という否定形を脳が理解できず、やめたいものが頭から離れなくなるからです。
そのため、ただやめようと考えるだけではなく、新しい習慣に置き換える必要があります。
悪い習慣をやめるための手順は以下の通りです。
STEP1.やめたいと感じる悪い習慣に優先順位をつけて書き出す
STEP2.悪い習慣をついやってしまうトリガーを見つける
STEP3.悪い習慣の代わりに行う習慣を決める
STEP4.進捗や成果を記録する
このように、事前に自己分析して正しく置き換えができれば、悪い習慣を楽にやめることができます。
また、目標はクリアできるものに設定して、段階的に習慣の改善をしましょう。
たまに失敗しても問題ないので、諦めずに継続することが大切です。
さらに成功率を上げたい場合は、三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を利用してみましょう。