セルフコントロールとは、自分の感情・思考・行動を自分で制御し、抑制したり調整したりすることです。
セルフコントロールは、自分が望む幸せな人生を実現するための重要スキルといっても過言ではありません。
しかしながら多くの人は、誘惑・欲望・一時的な感情などに負けてしまいます。その理由は、セルフコントロールのテクニックを知らないからです。
本記事では「そもそもセルフコントロールとは何か?」の基礎知識から、セルフコントロール力を鍛えるためのメソッドまで、わかりやすく解説します。
本記事のポイント
- セルフコントロールとは何か基本から理解できる
- 訓練するトレーニング方法を解説
- 成功するためのコツをお伝え
「セルフコントロールについて知りたい」
「思うように行動できる自分へ変わりたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、セルフコントロール力を高めるために何をすべきか、体系的に理解できるようになります。効率的な方法をお伝えするので、最短距離でセルフコントロール力を鍛えられるはずです。
ぜひ「セルフコントロール」がスムーズにうまくいく、思うがままの毎日を自分のものとしてください。
目次
1. セルフコントロールとは?基本の知識
最初にセルフコントロールとは何か、基本の知識からご紹介します。
1-1. 感情・思考・行動を自分でコントロールすること
せルフコントロールとはその名のとおり「自分を自分でコントロールすること」で、具体的には感情、欲求、欲望、思考、衝動、行動などを、自分にとって望ましい状態へ抑えたり調整したりすることをいいます。
たとえば、誘惑に直面したときに自分の衝動をコントロールしたり、カッと怒りを感じたとき感情的にならないよう自分を抑えたりする行為は、セルフコントロールの能力によって行われています。
1-2. 心理学におけるセルフコントロールの定義
セルフコントロールは日常生活でも使われる言葉ですが、心理学の専門用語として「セルフコントロール(self-control)」という言葉があります。
日本語では「自己制御」と訳されるのが一般的で、現代⼼理学辞典では以下のとおり解説されています。
自己制御 self-control
外界の認知や将来の結果の予期に基づいて,環境に適応するように自己の行動を統制すること。出典:現代⼼理学辞典
今この瞬間に魅力的に思える行動よりも、将来のことを考えて長期的なメリットが大きい行動へ制御することがセルフコントロールになります。
セルフコントロールができていれば、
「いまケーキを食べたいけれど、食べたら太ってしまうから、食べるのをやめよう」
といった具合に、いっときの衝動や欲望より、将来の結果の予測に基づいて、より望ましい行動を選択できます。
1-3. セルフコントロールを理解するカギは「葛藤」
東洋大学の尾崎由佳准教授によれば、セルフコントロールとは何か?という問いに唯一絶対の答えは存在しません。
心理学者のなかでもさまざまな定義が用いられているためですが、多様な考え方に共通する点として「葛藤」が挙げられるといいます。
- 「○○したい。でも、そうしてはいけない」
- 「○○したくない。でも、そうしなくてはいけない」
「こうした葛藤状態にあるときに、相反する気持ちのうちいずれを優先するかというのが、セルフコントロールの問題だ」
と、尾崎准教授は述べています。
例を挙げてみましょう。
- 「仕事をやらなくてはいけないが、やる気が出ない」
- 「勉強しなくてはならないが、ゲームをしたい」
- 「欲しい物を買いたいが、貯金しないといけない」
このような葛藤に直面したとき、“長期的な視点から望ましい行動を選択できる力”がセルフコントロールです。
参考:尾崎由佳『自制心の足りないあなたへ セルフコントロールの心理学』
1-4. セルフコントロール力の診断チェック(測り方)
もう少し具体的に「何ができていればセルフコントロール力が高いといえるのか?」を知りたい方のために、セルフコントロール力をチェックする尺度をご紹介しましょう。
自分のセルフコントロール力を客観的に測るうえでも、参考にしてみてください。
以下にご紹介するのは、アメリカの研究グループ(Tangneyetal 2004)によって開発され、尾崎准教授らが日本語に翻訳した「特性セルフコントロール尺度」です。世界中で使用されている指標となります。
特性セルフコントロール尺度
設問:それぞれの項目は、あなたにどのくらいあてはまりますか。各項目があなたにあてはまる程度を、1〜5の数字のいずれかに○をつけてお答えください。
項目 | ⇐ 全くあてはまらない とてもあてはまる ⇒ | |
1 | 自分にとってよくない誘いは、断る | 1 – 2 – 3 – 4 – 5 |
2 | 誘惑に負けない | 1 – 2 – 3 – 4 – 5 |
3 | 自分に厳しい人だと言われる | 1 – 2 – 3 – 4 – 5 |
4 | 先のことを考えて、計画的に行動する | 1 – 2 – 3 – 4 – 5 |
5 | 悪いクセをやめられない | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
6 | だらけてしまう | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
7 | 場にそぐわないことを言ってしまう | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
8 | 自分にとってよくないことでも、楽しければやってしまう | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
9 | もっと自制心があればよいのにと思う | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
10 | 集中力がない | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
11 | よくないことと知りつつ、やめられない時がある | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
12 | 他にどういう方法があるか、よく考えずに行動してしまう | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
13 | 趣味や娯楽のせいで、やるべきことがそっちのけになることがある | 5 – 4 – 3 – 2 – 1 |
答え終わったら、○をつけた数字をすべて加算し、合計得点を算出しましょう。途中から1〜5の数字が左右反転するところがありますので、ご注意ください。
出典:尾崎由佳『自制心の足りないあなたへ セルフコントロールの心理学』
日本人の平均点は38点
尾崎准教授によれば、日本人549名(年齢18~69歳)を対象にした調査において、平均点はおよそ【38点】であり、得点分布は以下のとおりだったとのことです。
あなた自身の得点は、どうだったでしょうか。
2. セルフコントロールが重要な理由
ここまでセルフコントロールとは何か、基礎的な情報をお伝えしました。
次にお話したいのは、なぜ人生においてセルフコントロールが重要なのか、その理由です。さまざまなデータや研究から、以下の事実が見えてきています。
- セルフコントロールできる人のほうが幸せになれる
- IQよりもセルフコントロールが成績に影響する
- お金持ちになるためにセルフコントロールが必要
- セルフコントロールは健康に影響する
それぞれ詳しく解説しましょう。
2-1. セルフコントロールできる人のほうが幸せになれる
1つめの理由は「セルフコントロールできる人のほうが幸せになれる」からです。
セルフコントロールと幸せ(幸福感)には、相関関係があることをさまざまな研究が示唆しています。
たとえば2013年に発表された研究では、
〈セルフコントロールと、感情的な幸福感および人生の満足度は、正の相関関係にある〉
と報告されています。
そのメカニズムとして、セルフコントロールは葛藤が頻繁に起きるのを回避し、精神的な苦痛を感じることなく適切に対処することで、幸福を高めていると考察されています。
セルフコントロールができないと、常に葛藤(○○したい、○○したくない)と戦い続けることになり、ストレスの多い人生になってしまいます。
セルフコントロールができる人は、葛藤のストレスを感じることなく目標達成につながる行動を選択し、人生をよりよく操縦できるのです。
参考:Yes, but are they happy? Effects of trait self-control on affective well-being and life satisfaction
2-2. IQよりもセルフコントロールが成績に影響する
2つめの理由は「IQよりもセルフコントロールが成績に影響する」からです。
中学・高校・大学の受験や、資格試験などのために、勉強して成績を上げたいと思っている人は、セルフコントロールを高めることが早道です。
2005年に行われた学生を対象とした研究によると、
〈IQよりも成績に影響しているのは、セルフコントロールだった〉
という結果が出ています。
「成績がふるわない場合、その原因はIQではなく、セルフコントロールの低さにある」
というのです。
自分の行きたい学校に合格したり、資格試験を突破したりするためには、セルフコントロールを高めることが重要となります。
参考:Self-discipline outdoes IQ in predicting academic performance of adolescents
2-3. お金持ちになるためにセルフコントロールが必要
3つめの理由は「お金持ちになるためにセルフコントロールが必要」からです。
お金に関する行動や経済的な幸福度にも、セルフコントロールが大きく影響します。
若者を対象とした調査では、
〈お金に関する行動および経済的な安定とセルフコントロールは、有意な関連を示す〉
と指摘されています。
この調査では、セルフコントロールのほかに、自尊心・楽観主義・慎重さとの関連を調べており、「慎重さ」もお金に関する行動や経済的な安定に関連していました。
一方「楽観主義」はどちらとも関連していなかった、ということです。
楽観的な思考を持っていれば、幸福だと感じながら人生を過ごすことは可能かもしれません。ですが、経済的な豊かさを手に入れるためには、セルフコントロールが必要なのです。
参考:The role of self-esteem, optimism, deliberative thinking and self-control in shaping the financial behavior and financial well-being of young adults
2-4. セルフコントロールは健康に影響する
4つめの理由は「セルフコントロールは健康に影響する」からです。
幼少期から32歳までのセルフコントロールと健康や犯罪について調べた研究では、
〈セルフコントロールが高かった人は、成人してから以下の症状を起こす可能性が低かった〉
と報告されています。
- 代謝異常症(メタボリックシンドローム)
- 炎症性疾患
- 気道狭窄
- 歯周病
- 性感染症
- タバコ・アルコール・薬物依存
健康的な生活を送るうえで、セルフコントロールは不可欠です。
セルフコントロールが欠如していると、健康に害を及ぼす行動をやめられず、心身の健康を損なうリスクがあります。
参考:A gradient of childhood self-control predicts health, wealth, and public safety
3. セルフコントロール力を高めるために知っておきたい前知識
セルフコントロールの重要性を実感すると、
「自分もセルフコントロールに強くなりたい」
と思うところではないでしょうか。
具体的な訓練方法をご紹介する前に、知っておくと訓練に失敗しにくくなる前知識からお伝えします。
3-1. セルフコントロールは筋肉のようなもの
あなたは、筋トレをしたことはあるでしょうか。
「セルフコントロールは、筋肉のようなもの」
と覚えておいてください。
幼少期からセルフコントロールのトレーニングを積んできた人は、成人になってからも、自然とセルフコントロール力を発揮しています。
ですが、肉体の筋肉が大人になってからでも育てられるように、セルフコントロールも訓練によって育てることができます。
魔法のように一瞬で身につくことはありませんが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月……とトレーニングを継続すると、誰でも強靱なセルフコントロールを手にすることが可能です。
3-2. セルフコントロールは有限資源
セルフコントロールは有限資源ということも、覚えておきましょう。
どういうことかといえば、セルフコントロールを発揮する筋肉はひとつしかないため、さまざまな活動で同じ筋肉が使われるのです。
たとえば、仕事、資格試験、運動、読書、恋愛のセルフコントロールを成功させるための筋肉は同じです。
「仕事用」「運動用」「恋愛用」と分かれているわけではありません。同じリソースから消費されます。
このことを知っていると、
「何かを強烈に我慢しすぎていると、ほかのカテゴリでのセルフコントロールがうまくいかなくなる」
ということがわかるでしょう。
ちなみに、話は少し脱線しますが、別の角度から見れば、
「あるカテゴリでのセルフコントロールを強化すると、ほかのカテゴリのセルフコントロールにも役立つ」
ともいえます。
あらゆる成果の根底にあり、人生に多大な恩恵をもたらしてくれるのが、セルフコントロールなのです。
参考:Self-Control | Psychology Today
3-3. 無意識の習慣との組み合わせが強力タッグ
有限資源であるセルフコントロールをムダ遣いせず、省エネ運転を可能にするために役立つメソッドが「習慣化」です。
セルフコントロールが自分の“意志力”を使って行動を制御するのに対し、習慣化は意志力は使わずに無意識のうちに行動を自動化させるテクニックです。
セルフコントロールと習慣化のどちらがよいということではなく、両方ともマスターするのが最も効率的です。
習慣化のやり方については以下の別記事に詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
4. セルフコントロール力を訓練する具体的な3つの実践
セルフコントロールの筋力を高めるためには、以下の3つのトレーニングを積んでください。
- 目標設定
- 自己モニタリング
- 動機づけ(モチベーション)
この3つができると、セルフコントロールができるようになります。それぞれ見ていきましょう。
4-1. 目標設定
1つめは「目標設定」です。
ここでいう目標とは、自分の行動を何をものさしとして評価し、変化させるのか?という基準となるものです。
自分の基準を持っている人と、持っていない人では、セルフコントロールに大きな差が出ます。
わかりやすくダイエットを例にすると、
「常に体重65kg以下をキープする」
という明確な目標を持っている人は、その目標に反する行動を自制し、目標に合う行動を選択できるようになります。
セルフコントロール力が高い人は、小さなことから大きなことまで自分の基準を持っているから、その基準に合わせて自分の行動を調整できる、というわけです。
目標設定の筋力がない人は、まずは以下の3つの要素を意識して、目標を文字に書き出してみてください。
- 具体的に数字で表す
- 達成できる、非現実的ではない
- 期限を明確にする
最初は「ダイエット」「筋トレ」「食生活」などの身近なテーマからはじめ、徐々に「人生」「自分の在り方」といった大きなテーマでも、自分の基準を持てるように鍛えていきましょう。
目標設定については以下の別記事に詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
4-2. 自己モニタリング
2つめは「自己モニタリング」です。
自己モニタリングとは、自分を客観的に観察する能力のことです。
前述の目標を設定しても、自己モニタリングができないと、制御すべき行動に注意を向けることができません。
感情的になっている自分をふと客観的に「いま、自分は感情的になっている」と認識するように、自分を客観視する練習をしましょう。
自己モニタリングには、「メタ認知」を鍛えることが役立ちます。
メタ認知とは、物事をひとつ上の視点から捉えることです。“幽体離脱して上から客観視するような感覚”ともいわれます。
メタ認知を鍛えるための有名な手法として「自分の感情や行動を第三者の視点で実況中継する」があります。
たとえば「本当にムカつく!」と考えるのではなく、
「いま、私はムカついている。肩は力んで上がっており、おでこは汗ばんでいる。足は貧乏揺すりをしていて……」
といった具合です。
最近話題になることの多い「マインドフルネス」も、メタ認知を鍛えるトレーニングの一種といえます。
例:マインドフル・イーティング(1粒のレーズンを食べるトレーニング)
まず最初に、レーズンを観察することに注意を集中します。初めて見るようなつもりで観察します。指でつまんだ感触を確かめ、色や表面の状態に注意をはらいます。
こうしていると、レーズンやほかの食べものについてのいろいろな思いがわきあがってくるのに気がつきます。観察しているうちに、好きとか嫌いといった思いや感じも生まれてきます。
次に、しばらくレーズンの匂いをかぎ、最後に、うまく口に持っていくために腕が手を持ちあげ、心と体が食べものを予期して唾液を出すのを意識しながら、唇にレーズンを乗せます。そのまま口に入れ、一粒のレーズンの本当の味を確かめながら、ゆっくりとかみしめます。
十分にかんだら、飲みくだすときの感触を確かめながら飲みこみます。飲みこむという行為でさえ、意識的に体験することができるのです。飲みこんでしまうと、自分の体が、レーズン一粒分だけ重くなったような気がします。実際にそう“感じる”ことができるかもしれません。
出典:ジョン・カバットジン『マインドフルネスストレス低減法』
ほかにもさまざまなトレーニング法があります。書籍なども参考に、自分に合う方法を探してみましょう。
▼ 参考書籍
4-3. 動機づけ(モチベーション)
3つめは「動機づけ(モチベーション)」です。
ここでいう動機づけとは、「現状を基準(目標)に合致させようとするモチベーション」のことです。
前述の「目標」と「自己モニタリング」がそろったら、あとはモチベーションさえあれば、セルフコントロールが完成します。
ハーバード大学の研究によれば、モチベーションの源泉は「報酬の追求」と「罰の回避」の2つだといいます。
私たちがセルフコントロールに対するモチベーションを持つためには、
「セルフコントロールをすると、どんなよいことがあるのか?
しないと、どんなひどいことになるのか?」
を、いつでも明確にイメージできていることが役立ちます。
モチベーションを高めるテクニックは数多くありますので、以下の記事を参考に取り組んでみてください。
参考:Unlocking the Science of Motivation | Harvard Graduate School of Education
有斐閣 現代⼼理学辞典
5. セルフコントロールを成功させる3つのポイント
最後に、セルフコントロールを成功させる3つのポイントをお伝えしましょう。
- 誘惑に近づかない
- 事前に計画を立てる
- 脳内ホルモンを整える
それぞれ解説します。
5-1. 誘惑に近づかない
1つめのポイントは「誘惑に近づかない」です。
前述の「セルフコントロールは有限資源」ということを思い出してください。
たとえ誘惑に乗らずに我慢できたとしても、そこでセルフコントロールのリソースを使ってしまうのはもったいないことです。
誘惑をできるだけ避けるように行動し、セルフコントロールを温存することが、あらゆるシーンでのセルフコントロールを容易にしてくれます。
5-2. 事前に計画を立てる
2つめのポイントは「事前に計画を立てる」です。
計画がまったくない状態では、非常に強いセルフコントロールが必要となります。
ですが、事前に計画が立ててあると、その計画どおりに淡々と行動すればよいので、セルフコントロールを節約できるのです。
具体的な計画の立て方は、以下の記事を参考にしてみてください。
勉強計画について書かれた記事ですが、勉強以外の計画にも応用できます。
- ステップ1:進めたい勉強の全体量を定量的に定める
- ステップ2:かかる時間を計測する
- ステップ3:シングルタスクでスケジュールに配分する
- ステップ4:スタート時間を締切として設定する
- ステップ5:3日間実行した結果を採点する
- ステップ6:改善した計画を立てて繰り返す
5-3. 脳内ホルモンを整える
3つめのポイントは「脳内ホルモンを整える」です。
私たちの意欲や気分は、脳内ホルモン(神経伝達物質)の影響を色濃く受けています。
▼ 脳内ホルモンの例
ドーパミン | 快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割。やる気のもととなる |
β-エンドルフィン | 気分の高揚・幸福感などが得られる |
セロトニン | 精神を安定させる働きをする |
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「健康用語辞典」
脳内ホルモンの分泌や生成に必要な栄養素や睡眠、休息などが足りないと、脳内ホルモンの不足や過剰分泌によって、セルフコントロールがうまくできなくなることがあるので、注意しましょう。
ビタミンB群 | 脳内の神経伝達物質の合成にかかわる |
鉄 | 脳内の神経伝達物質の合成にかかわる 脳や全身に酸素を運搬する |
亜鉛 | 意欲にかかわるホルモン(テストステロン)の合成にかかわる |
ビタミンC | ストレスへ対応するために必要となる |
タンパク質 | 脳の神経伝達物質の主原料となる 臓器・筋肉・骨など体を構成する |
具体的なサプリメントや睡眠不足の対策については、以下の記事にて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
6. まとめ
本記事では「セルフコントロール」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。
セルフコントロールとは、感情・思考・行動を自分でコントロールすることです。
- 「○○したい。でも、そうしてはいけない」
- 「○○したくない。でも、そうしなくてはいけない」
上記のような葛藤があるとき、長期的な視野に立って自分にとってメリットのある行動を選択できる力を、セルフコントロールといいます。
セルフコントロールが重要な理由として、次の4つが挙げられます。
- セルフコントロールできる人のほうが幸せになれる
- IQよりもセルフコントロールが成績に影響する
- お金持ちになるためにセルフコントロールが必要
- セルフコントロールは健康に影響する
セルフコントロール力を高めるために知っておきたい前知識として、以下をご紹介しました。
- セルフコントロールは筋肉のようなもの
- セルフコントロールは有限資源
- 無意識の習慣との組み合わせが強力タッグ
セルフコントロール力を訓練する具体的な3つの実践はこちらです。
- 目標設定
- 自己モニタリング
- 動機づけ(モチベーション)
セルフコントロールを成功させるために、次のポイントを意識してみてください。
- 誘惑に近づかない
- 事前に計画を立てる
- 脳内ホルモンを整える
セルフコントロールができるようになると、いつでも自分にとって望ましい行動を選べるようになります。
なお、セルフコントロールとあわせて学びたい概念として自分を管理する(マネジメントする)スキルの「セルフマネジメント」があります。
以下で解説していますので、ぜひ続けてご覧ください。