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【落合陽一】「日本人の謙虚さが幸福度を下げている」「日本ヤバい」って飲み会で言う人は不幸?「幸せ」研究の第一人者・前野隆司が解説「ウェルビーイング資本主義」って何?日本人にある「心配性遺伝子」とは?
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本記事は、ウェルビーイング、幸福学等、幸せのメカニズム研究の第一人者である前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)監修のもと、自分らしく生きるための「自分軸」の作り方を詳しく解説します。
自分軸とは、他人の考えを優先するのではなく「自分がどうしたいか」を基準に行動することです。
自分軸を持って生きることができると、いつも他人に合わせてしまい辛い気持ちになったり、本当の気持ちを出せずにストレスが溜まったりすることがなくなります。
しかし、このような考え方は幼い頃から自分の中に根付いているものであるため、一朝一夕で変えることはできません。
正しい手順を踏み、望ましい行動を日々の習慣にすることで、自分の考え方を修正していくことが重要です。
そのため、自分軸を持って生きたいと考えている人に向けて、以下の内容をお伝えしていきます。
この記事でわかること
- 自分軸と他人軸の違い
- 自分軸がある人とわがままな人の違い
- 自分軸で生きるメリット
- 自分軸がないまま生きるデメリット
- 自分軸で生きられない原因
- 自分軸を持って生きるための方法
最後までお読みいただくと、「自分軸を持って生きよう」というモチベーションを持つことができ、そのための具体的な方法まできちんと理解できるはずです。
それでは早速見ていきましょう。
目次
1. 自分軸・他人軸とは?
自分軸とは、冒頭でもお伝えしたように「自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動することです。
一方で他人軸とは、「自分の考えよりも他人の考えや意見を優先して行動すること」を指します。
自分軸と他人軸の違い
- 自分軸とは…他人の意見に左右されず、「自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動すること
- 他人軸とは…自分の考えややりたいことよりも、他人の意見を優先して行動すること
上記のような「他人軸」の考え方で生きている人は、自分の意見や本当にやりたいことを犠牲にするため、ストレスが溜まったり、自分に自信がなくなったりしてしまい、全体的に人生に対する満足度が下がる傾向にあります。
「自分軸で生きられない」という人は、特に10~20代前半の若年層に多い傾向があります。
実際に「mitsucari」の行った調査によると、以下の図のように、若い年代の5割以上は「他人からの評価や見られ方をより大切にする(他己評価)傾向がある」ことがわかっています。
出典:「年齢別の性格・価値観分析」
用語の定義
- 自己評価…「他人からの評価を気にせず、自分の中に価値基準がある」
- 他己評価…「他人からの評価や見られ方をより大切にする(他己評価)」
上記のデータからは、年齢を重ねて人生経験が増えるにつれて、自分の中の価値基準が確かになっていく傾向があるように見受けられます。
しかし人生経験が少なくても、他人の評価を必要以上に気にせずに自分のやりたいことを明確に持ち、そのために行動できている人は一定数存在します。
他人の評価や意見ばかりを気にしていると、自分の納得のいく人生を送ることはできません。
そのため、早いうちに自分軸を持って生きるための方法を身に着けることが重要だといえるでしょう。
2. 自分軸がある人とわがまま・自己中な人との違い
自分軸と他人軸の違いについてはお分かりいただけたと思いますが、「自分軸って単にわがままなだけなんじゃないの?」「自己中な人との違いって何?」という疑問を持った人もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、それらの違いについて解説していきます。
「自分軸がある人」と「わがままな人・自己中な人」との違いは以下の通りです。
自分軸がある人と
わがまま・自己中な人との違い
- 自分軸がある人…他人の意見に振り回されることなく「自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動する人
- わがままな人・自己中な人…自分のやりたいことや考えを他人に押し付けて他人の行動まで変えようとする人
上記のように「自分軸がある人」は、自分の行動を決めるときに他人の意見に振り回されず、自分の信念や目的に沿った行動をとることができます。
しかし「わがまま・自己中な人」は、自分の意見を最優先に考えており、他人がそれを好ましく思っていなかったとしても無理に押し通したり、自分の言うことを聞かせたりしてしまいます。
いくら、他人の意見に振り回されないような心の状態を作れていたとしても、自分のことだけを考えて周囲の反応や感情を軽んじるような人は、単にわがままな人・自己中な人だと思われるでしょう。
「自分軸がある」ということと、「わがまま・自己中」には、上記のように大きな違いがあるということをきちんと認識しておきましょう。
3. 自分軸で生きるメリット 5つ
「自分軸がある」ことと「わがまま・自己中である」ことの違いについて知ることで、より自分軸についての理解を深められたのではないかと思います。
そこで次は「実際に自分軸を持って生きることができたらどんなメリットがあるのか?」という点を解説していきます。
メリットをきちんと把握することで「自分軸で生きたい」というモチベーションを高め、自分の行動を変化させることができます。
自分軸で生きるメリットは以下の通りです。
自分軸で生きるメリット
- 自分らしく楽しい日々を過ごすことができる
- 他人に依存せず自立できる
- 自己肯定感が高まる
- 余計なストレスを低減できる
- 他人を尊重できるようになる
ひとつずつ見ていきましょう。
3-1. 自分らしく楽しい日々を過ごすことができる
自分軸を持って生きられると、他人の言葉や行動に左右されなくなるため、自分らしさを失わずに過ごすことができます。
自分軸で生きるメリット
- 自分軸がある場合…他人を気にせず自分らしく過ごせる
- 自分軸がない場合…他人を気にして自分らしさを発揮することができなくなる
他人の言うことを優先して自分らしく生きることができないと、毎日が楽しくなくなってしまいます。
どうしても周囲の顔色をうかがってしまい、本来の自分の考えとは違う行動を余儀なくされることも多くなってしまうでしょう。
しかし、自分軸を持つことができれば、「本当はこんなことしたくないんだけどな」と思いながら過ごすのではなく「他の人は他の人」「自分はこうやって生きる」と考えることができるため、自分らしく、楽しい日々を過ごせるようになるのです。
3-2. 精神的に他人に依存せず自立できる
自分軸があると、他人に依存せず自立することができます。
自分軸がない人によくあるのが「これまで他人の言うとおりに進路や仕事などを決めてきた」というケースです。
そういう人は「自分の考えや責任で何かを決める」ということに慣れていません。そのため、何か重要な判断を迫られた時に自分だけで決断できなくなってしまいます。
そんな風に自分で何も決めないままでいると、いつまでたっても他人に依存している状態から抜け出せなくなるでしょう。
しかし自分軸があれば、他人の意見の中で参考になる部分は取り入れながらも、最終的には自分の考えで決定するため、自立した人生を過ごすことができます。
このように、他の人の助けや支配に縛られず、自分の力で生きられるようになるという点が、自分軸を持って生きることのメリットの一つなのです。
3-3. 自己肯定感が高まる
自分軸を持って生きると、自己肯定感も高まります。
自分軸を持てずに他人の意見を優先していると、自分は無力だと感じやすくなったり、常に人の評価が気になったりしてしまいます。
そうすると「自分は他の人よりダメな人間だ」という意識を常に持つことになり、自分のことを好きだとは感じられなくなるでしょう。
しかし自分軸があると、自分の考えに沿って全ての行動を決められるため、自信を持つことができます。
そうすれば「自分は人よりも劣っている」というネガティブな感情を持つことはなくなり、自分を肯定的に捉えられるようになるのです。
3-4. 余計なストレスを低減できる
自分軸があると、余計なストレスを減らすこともできるでしょう。
他人軸の人は、他の人の意見を優先して自分の気持ちを抑えるという生き方をしています。
そうすると、「本当はこんなことやりたくないけど我慢しなきゃ」「他の人から良く思われなきゃ」というネガティブな感情や強迫観念に捉われてしまい、ストレスが溜まりやすくなります。
しかし、自分軸がある人は自分の考えをもとに行動するので「自分を抑制している」というようなマイナスな感情を抱きにくくなります。
そのため、大きなストレスを日常的に感じ続ける、ということはなくなるのです。
このように、余計なストレスを低減できるという点も、自分軸を持って生きることのメリットの一つだといえるでしょう。
3-5. 他人を尊重できるようになる
最後にお伝えするメリットは「他人を尊重できるようになる」というものです。
自分軸がある人は「他の人も自分と同じようにそれぞれの考え方や主義・主張があって当然だ」と考えることができます。
そのため、自分と違う考えの人がいたとしても「それは正しくない」と頭ごなしに批判したり「自分の意見に合わせるべきだ」と強引な主張を行ったりしません。
自分の考えと同様に「相手の意見もきちんと尊重すべきだ」という前提のもと、他者とのコミュニケーションをとれるので、余計な争いごとを避け、円滑な人間関係を築くことができるでしょう。
4.自分軸がないまま生きるデメリット 4つ
自分軸を持って生きることのメリットについてお伝えしてきましたので、「自分軸の考え方を身に着けたい」というモチベーションが高まった人もいると思います。
そこで次に必要になるのは「もしこのまま自分軸を持たずに生きていたらどうなってしまうのか」を知ることです。
デメリットを改めて認識することで、現状維持はリスクが大きいことを理解し、自分らしく生きるための行動へ素直に取り掛かれるようにしていきましょう。
ここでお伝えする「自分軸がないまま生きるデメリット」は以下の4つです。
自分軸がないまま
生きるデメリット
- 他の人から信頼されない
- 自信が持てず決断できない
- 達成したい夢や目標が叶わない
- 人生の幸福感や充実度が下がる
詳しくは次の通りです。
4-1. 他の人から信頼されない
自分軸がない人は、他人の意見に簡単に左右されてしまうため、発言や行動に一貫性がなくなります。
その場の空気に合わせて言うことを変えるため、周りの人は「前と言っていることが違う」「適当なことを言っている」と感じてしまいます。
そうすると、不信感を持たれ、人格を疑われたり評価が下がったりしてしまうことでしょう。
生きていく中で、他人と全く関わることなく過ごすのは難しいものです。そのため、仕事でもプライベートでも、周囲の人と確かな信頼関係を築くのは非常に重要です。
そんな信頼を得にくくなるというのが、自分軸がないまま生きるデメリットのうちの一つ目なのです。
4-2. 自信が持てず決断できない
二つ目のデメリットは「自信が持てず決断できない」ということです。
自分軸がない人は、根本的に自信がないため、他人の言うとおりに動きがちです。
そうすると、小さなことでも自分で決めることができなくなり、何をするにも以下のような感情に邪魔されることになるでしょう。
- 「こんなことをしたら他の人から批判されるのではないかと気になってしまう」
- 「誰の言うことを聞けばいいかわからず不安になる」
- 「一人では何もできないと感じ辛い気持ちになる」
人の言うとおりにすることはある側面では楽ですが、何も自分で決めない人生を送っていると「自分には何もできない」というマイナスな考えが染みついてしまったり、他人の犠牲になり損をしたりしてしまいます。
このように「決断できない人間になってしまう」という点も、自分軸がないまま生きるデメリットです。
4-3. 達成したい夢や目標が叶わない
自分軸がないと、達成したい夢や目標も叶いにくくなってしまいます。
そもそも自分軸がない人は、「自分の本当にやりたいこととは何か」が分かっていないことが多いため、夢や目標を持ちにくいという特徴があります。
さらに、もし何らかの目標を持つことができたとしても、以下のような障害につまづきやすいので、達成のための行動をとりにくくなってしまうでしょう。
- 他人の目が気になって行動できない
- 周りがどう思うかを優先するため、目標に向けた最短経路を進めなくなる
- 常識や風潮に流されてしまい、無意味な行動をとってしまう
- 人の意見をもとに行動するため、失敗した時にも人のせいにしてしまい成長できない
このように、自分軸がない人は夢や目標を叶えることも困難になってしまうのです。
4-4. 人生の幸福感や充実度が下がる
自分軸がないまま生きるデメリットとして最後にお伝えするのは「人生の幸福感や充実度が下がってしまう」というものです。
実際に、日本国内の約2万人を対象にしたアンケート調査によると、幸福感を決定する要因として「健康」「人間関係」の次に影響力が高いのは、「所得」や「学歴」などではなく「自己決定」であるという結果が出ています。
出典:神戸大学「Research at Kobe」
このような結果になった理由としては、以下のようなことが考えられます。
- 自分で人生の選択をした人は、その目的達成のために自発的に努力できるため、成功する可能性が高くなる
- 結果に対して達成感を得られ、自尊心も保てるため、自分に対する満足度や幸福感が高まる
つまり、自分で何も決めずに他人の言うことを優先するような生活を送っていると、人生に対する幸福感を感じにくくなってしまうのです。
人生を充実したものにするためにも、自分軸がないまま生きるのは避けるべきだといえるでしょう。
5. 自分軸で生きられない人によくある4つの原因
自分軸がないまま生きていくことのデメリットについては、ご理解いただけたのではないかと思います。
「このままじゃ嫌だ」「自分軸で生きていきたい」という風に思った人もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、今まで自分軸を持つことができなかった原因をあらためて確認していきます。
なぜかというと、根本原因がはっきりすれば対策も描きやすくなり、スムーズに自分軸で生きられるメンタルを手に入れることができるようになるからです。
自分軸で生きられない人によくある4つの原因は以下の通りです。
自分軸で生きられない人に
よくある4つの原因
- 褒められた経験が少ないため自信が持てない
- 自分で決めて失敗した経験がトラウマになっている
- 過度な承認欲求を持っている
- 他人から嫌われたくないという恐怖が強い
詳しく見ていきましょう。
5-1. 褒められた経験が少ないため自信が持てない
子供の頃に、親や先生など周囲の人から褒められた経験が少ないと、自分に自信を持つことができなくなる傾向があります。
叱られた経験が多く、「自分はダメな子だ」「自分は悪い子なんだ」と思い込んでいる場合も同様です。
そうすると人は、周囲の顔色が気になってしまい、怒られることを恐れて自発的な行動ができなくなります。
こういった場合は、まずは「自分には何もできない」という思い込みを捨てることが大切です。
そして、小さなことでも良いので自分の力だけで何かをやり遂げるようにすると、「自分にも結果が出せるんだ」と感じることができるでしょう。
5-2. 自分で決めて失敗した経験がトラウマになっている
過去に、自分で決断したことによって失敗した経験があると、また同じ状況に陥るのを避けたいと思い、決断すること自体を恐れるようになってしまいます。
何かを自分で決めるということは、その責任が全て自分にかかってくるため、その重さに耐えられないという人もいるでしょう。
それよりは、自分で決めることを放棄して他人の言うとおりに動いた方が楽だと感じるかもしれません。
しかし、いつまでも自分で決断しないままでいると、他人に依存する人生から脱却することができなくなります。
失敗は悪いことではありません。自分がいいと思って行動したことが良い結果につながらなかったとしても、それを次の機会に活かせば良いのではないでしょうか。
そんなポジティブな考えを持つことで、過去のトラウマにとらわれることなく、自分で決断する機会を少しずつ増やすようにしていきましょう。
5-3. 過度な承認欲求を持っている
承認欲求とは「他者から認められたい」という気持ちのことで、どんな人でも少なからず持っている欲求です。
例えば以下のような気持ちが当てはまります。
- 自分を褒めて欲しい
- 評価されたい
- 肯定されたい
しかし、これがあまりにも高すぎると、「自分がどう思うか」ではなく「この行動は他人から認められるか」「こんな発言を周囲の人は良いと思うか」というように他人の受け取り方を優先して考えてしまうため、自分軸がない生き方になってしまいます。
そのため「自分は他人からの評価をかなり重視してしまう性格かも」「人から褒められるかどうかを基準に物事を選択してしまっているかも」と思う場合は、まずは「自分で自分を認めてあげる」ことを意識するようにしましょう。
自分で自分を認めて受け入れることができれば、他者の評価を必要以上に気になるという不健全な状態から抜け出すことができます。
ありのままの自分を受け入れるための方法を詳しく知りたい、という場合は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
5-4. 他人から嫌われたくないという恐怖が強い
「他人から嫌われたくない」という恐怖が強いのも、自分軸で生きられない原因の一つです。
誰しも「人から嫌われたくない」という気持ちは持っているものですが、それがあまりにも強いと、自分の発言や行動を決める際の基準として「他人から嫌われないこと」が最優先になってしまいます。
そうすると「本当に自分が良いと思うこと」や「心からやりたいと思うこと」などを抑制することになるため、自分らしく過ごせなくなってしまいます。
そんなときは「誰からも嫌われちゃいけない」という強迫観念を持つのではなく、以下のような考え方を持つようにしていきましょう。
- 色々な価値観があるのだから、人によっては受け入れられないことがあっても当然
- 他人の考えを尊重するのと同じように、自分の考えも尊重すべき
「他人がどう思うか」を重要視し過ぎると、逆に「この人は自分の考えがない人だ」とマイナスに捉えられてしまうこともあるかもしれません。
自分の意見をしっかりと持ち、その上で他人の意見も尊重すれば、人間関係がこじれてしまうということは避けられるはずです。
6. 自分軸を持って生きるための4つの方法
自分軸で生きられない人によくある原因を解説しました。
「考え方が他人軸になっていた理由がわかった」「自分の思考の傾向を客観視できた」という人もいるのではないでしょうか。
そこで最後の章では、自分軸を持って生きるための具体的な方法として、以下の4点をお伝えしていきます。
自分軸を持って
生きるための4つの方法
- 本音を明確にする
- 目標を決める
- 意思決定の機会を増やす
- 自分軸を定着させるコツを習慣化する
詳細は以下の通りです。
6-1. 本音を明確にする
自分のやりたいことや考えが不明確な状態では、どのように行動すればいいのかわからず困ってしまうと思います。
そのため、まずは以下の問いに自分で回答し、自分の本音をあらためて確認していきましょう。
自分の本音を確認する
ための問い(ポジティブ)
- 自分は何が好きなのか?
- 何をしているときが楽しいのか?
- どんなことをやりたいのか?
- 何を大切にしたいのか?
上記の問いとその答えを、紙に書き出したりスマホのアプリにメモしたりして、自己を分析してみてください。
その際、「なぜそう答えるのか」という理由も考えていきましょう。そうすると、より自分の考え方や思考の特徴を理解することができるからです。
例えば以下のようなイメージです。
- 料理をしているときが楽しい
→ (なぜ?)人に食べてもらうのが嬉しいから/美味しいと喜んでもらえるから
→ 「自分は人に喜んでもらうことに楽しさを感じるんだ」とわかる
- スポーツで試合をするのが好き
→ (なぜ?)勝つための戦略を考えて動くのが楽しいから/技術の向上を確認できるから
→ 「自分は戦略立てて物事を考えることや、自信の成長を大切にしているんだ」とわかる
上記のように理由まできちんと考えると、自分の大切にしたいこと・重要だと思うことが浮き彫りになっていきます。
「何も好きなことがない」「やりたいことが思いつかない」という場合は、以下のような逆の観点で思考を整理する方法も有効です。
自分の本音を確認するため
の問い(ネガティブ)
- 自分は何が嫌いか?
- 何をしているときがつまらないのか?
- どんなことをやりたくないのか?
- どうでもいいと思うことは何か?
このように「~~をしたくない」というのも、立派な「自分の意思・信念」です。
こちらも、次のように理由まで考えていきましょう。
- 単純作業はやりたくない
→ (なぜ?)同じことの繰り返しだと飽きるから/工夫できず目立ちにくいから
→ 「自分は新しい刺激を楽しいと感じ、目立つことを大切にしたいんだ」とわかる
- 知らない人との飲み会に参加するとつまらない
→ (なぜ?)特に話したいことがない/見知った人と話すほうが楽しい
→ 「交友関係を拡大させるよりも、仲良しの人と過ごすことを重視したいんだ」とわかる
上記のように思考を深掘りしていくことで、自分の行動基準を改めて確認し、本当の想いを明確にしていきましょう。
6-2. 目標を決める
自分の本音を理解することができたら、次は「今後どうしていきたいか」という目標を決めます。
自分が本当に達成したいと思える目標があると「その実現のために動こう」という気持ちが生まれるため、自然と自分の意思を元に判断ができるようになっていくからです。
例えば、友人グループから遊びに誘われたとしても以下のように考えることができるでしょう。
- 自分は将来資格を取得してエキスパートとして働きたい
→ 今は資格試験のための勉強をやるべきだ
→ 友人と遊ぶのはやめておこう
そうすると、本来は勉強をしなければいけないのに友人に流されて遊びに行き、結果的に目標が未達成で終わってしまうという事態に陥るのを避けられます。
例えば以下のように、自分がやりたいと思うことを書き出してみましょう。
- ヨーロッパの文化が好きだから、それに関わる仕事がしたい
- 将来は自分のレストランを開きたいから、料理を学べる専門学校へ行きたい
- 普段は会社で働きながら、休日は少年野球の監督をして過ごしたい
- 家族が不自由なく暮らせるだけの収入を得て、楽しい家庭を築きたい
この時「世間的にどう思われるか」「こんな夢を持ったら人からバカにされるのではないか」などの考えは排除しましょう。
そういった他人の意見や考えの影響を過度に受けると、本来自分がやりたいこととはかけ離れた目標になってしまいます。
そうすると他人軸の考え方から抜け出せなくなりますので、必ず「自分はどうしたいのか」を最優先で考えるようにしましょう。
6-3. 意思決定の機会を増やす
目標を定めることができたら、次は日常の中で徐々に「自分で意思決定する機会」を増やしていきます。
小さなことでも構わないので、以下のように他人の考えではなく自分で決めるようにしましょう。
- 新しく買う洋服のテイストは、友人に合わせるのではなく自分が本当に着たいものを選ぶ
- 休日の過ごし方は、恋人に任せっぱなしにするのではなく自分で行きたいところを考える
- 親からは地元で公務員になることを薦められているが、海外で活躍できる仕事に挑戦する
- 3年は会社を辞めないほうがいいと言われるが、自分のやりたいことを優先して転職活動をする
このように自ら物事を決める習慣が身につくと、「自分の人生を自分でコントロールしている」という感覚を得ることができ、日々の充実感が高まっていきます。
ただし、周囲の人と何かを決める必要がある場合は、無理やり自分の決定を押し通す必要はありません。
その場合は、自分の考えはきちんと表明した上で、相手の意見も尊重し、話し合って落としどころを見つけていけば良いのです。
このように「自分の納得のいく判断基準」を元に、発言や行動を決めるようにしていきましょう。
6-4. 自分軸を定着させるコツを習慣化する
これまで紹介した流れで、自分の本音を元に目標を決め、自らで意思決定する機会を増やしていくと、きっと「自分軸のある生き方」を手に入れることができるはずです。
しかしその過程で、どうしても「他人はどう思うかな」「嫌われないかな」という不安が生まれることがあるかもしれません。
そんな風に他人軸の考え方に戻ってしまうのを防ぎ、自分軸を定着させるためにおすすめなのが、以下のような行動です。
自分軸を定着させるために
おすすめの行動
- 芸能人やインフルエンサー、職場、学校などで自分軸を持っている人の中から「こんな風になりたい」という目標を決め、「その人ならどんな風に考えるか」をイメージする癖をつける
- 最近の言動の中で、自分軸で行動できたことを思い返して自分を褒める
- 自分のやりたいことや考えを言語化しておくために、本音で日記をつける
- 周囲の人の反応を必要以上に気にしないよう、SNSをあまり見ないようにする
- スマホやテレビの電源を落とす時間を作る
- 自分の大切にしたいことを紙に書いて、いつも見えるところに貼っておく
- 自分らしく生きることを肯定する名言を読む
どんな人でも、常に自分軸を持ち続けられるわけではありません。そのため、上記のような行動を増やすことで、自分軸を保てるようにトレーニングしていきましょう。
また、これらの行動は一度だけ実施すれば良いのではなく、毎日の習慣にすることが大切です。そうするとより自分軸の考え方が定着しやすくなります。
例えば以下のように、行動内容やタイミング、頻度を決めて取り組んでいきましょう。
- 毎日寝る前に5分間時間をとり、その日自分軸で行動できたことを挙げて自分を褒めてあげる
- 日記を毎日つけて、その日感じたことや楽しかったことなどを記すようにする
- 夜21時以降はSNSを見ないと決める
- 自分の大切にしたいことをメモ帳に書いてデスクに貼り、毎朝出かける前に読み上げる
人の考え方は、一朝一夕でガラリと変わるものではありません。
しかし、日々の行動を少しずつ変えることはできます。そのため、小さな行動の変化を習慣にすることで大きな変化を目指していくことが大切なのです。
「新しい行動を習慣化したいけれど、三日坊主になってしまわないか不安」「一人では継続できないかも…」という人におすすめなのが、三日坊主防止アプリ「みんチャレ」。
このアプリでは、5人1組のチームで習慣化に取り組むことができます。具体的にできることは以下の通りです。
三日坊主防止アプリ「みんチャレ」
でできること
- 自分の好きなグループを選び、既に良い習慣を身につけている人や、これから身につけたい人と一緒に頑張ることができる
- グループ内のチャットに証拠写真を送り、スタンプなどで互いに励まし合うことができる
- 記録を忘れているとアラームで教えてくれる。
実際に「ひとりで頑張る場合」と比べると、みんチャレを使うだけで習慣化達成率は8倍にも向上することもわかっています(21日間継続率で比較)。
「新しい行動も、誰かと一緒なら継続できそう」「自分軸のあるポジティブな人とチームになってパワーを分けてもらいたい」という人はぜひ活用してみてください。
7.まとめ
この記事では「自分軸」について詳しくお伝えしてきました。
最初にお伝えした「自分軸と他人軸の違い」は以下の通りです。
自分軸と他人軸の違い
- 自分軸とは…他人の意見に左右されず、「自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動すること
- 他人軸とは…自分の考えややりたいことよりも、他人の意見を優先して行動すること
さらに、「自分軸がある人とわがまま・自己中な人との違い」は下記でした。
自分軸がある人と
わがまま・自己中な人との違い
- 自分軸がある人…他人の意見に振り回されることなく「自分がどうしたいか、どうありたいのか」を基準に行動する人
- わがままな人・自己中な人…自分のやりたいことや考えを他人に押し付けて他人の行動も変えようとする人
さらにその次にお伝えした、「自分軸で生きるメリット」と「自分軸がないまま生きるデメリット」は以下の通りです。
自分軸で生きるメリット
- 自分らしく楽しい日々を過ごすことができる
- 他人に依存せず自立できる
- 自己肯定感が高まる
- 余計なストレスを低減できる
- 他人を尊重できるようになる
自分軸がないまま生きるデメリット
- 他の人から信頼されない
- 自信が持てず決断できない
- 達成したい夢や目標が叶わない
- 人生の幸福感や充実度が下がる
その後、自分軸で生きられない人によくある原因として以下の4つをお伝えしました。
自分軸で生きられない人に
よくある原因
- 褒められた経験が少ないため自信が持てない
- 自分で決めて失敗した経験がトラウマになっている
- 過度な承認欲求を持っている
- 他人から嫌われたくないという恐怖が強い
最後には、「自分軸を持って生きるための方法」として以下の4つを紹介しました。
自分軸を持って生きるための方法
- 本音を明確にする
- 目標を決める
- 意思決定の機会を増やす
- 自分軸を定着させるコツを習慣化する
ここまでお読みいただいたことで、自分軸とはどんなものなのかがわかり、自分軸を持って生きるための具体的な行動も理解することができたのではないでしょうか。
あなたが自分らしく生きられるようになるために、この記事がお役に立てたようであれば幸いです。