MCTオイルダイエットとは、MCTオイルの「すばやく分解されてエネルギーになり、体脂肪として蓄積されにくい」という特徴を活用し、効率的に痩せることを目指すダイエット方法です。
MCTオイルは、近年さまざまな分野で研究が進んでいます。美容健康から脳機能まで、その分野は幅広いのですが、とくに脂肪燃焼や食欲抑制などのダイエット効果には注目が集まるところです。
しかしMCTオイルは、「飲むだけで誰でも痩せる」といった単純なものではありません。
MCTオイルでダイエットに成功するには、MCTオイルとは何かを知り、ダイエットに適したやり方で取り入れる必要があります。
そこで本記事では「MCTオイルダイエットの成功者となるために必要な知識」を凝縮してまとめあげました。
本記事のポイント
- MCTオイルとは何か基本から理解できる
- ダイエット効果を上げるMCTオイルの選び方と使い方を解説
- 注意したいリスクと成功の重要ポイントをお伝え
「MCTオイルを使うダイエットに興味がある」
「どうやれば痩せるのか、具体的に教えてほしい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、「MCTオイル ダイエットの基礎知識」はもちろん、どうやれば痩せる効果を最大化できるのか、具体的にイメージできるようになります。
MCTオイルをうまく使えば、合理的にダイエットを成功させることが可能です。ぜひMCTオイルの上手な使い方をマスターしてください。
また、同じ目標を持つ仲間と一緒にダイエットを続けるアプリ「みんチャレ」を使って食事や運動などの生活習慣を改善し、健康的なダイエットに成功されている方がたくさんいます。
実際にみんチャレを使ってダイエットに成功された方にインタビューしていますので、以下の記事を参考にしてみてください。
目次
1. MCTオイルとは?基本の知識
まず「そもそもMCTオイルとは何か?」の基礎知識からご紹介します。
1-1. MCTオイルとは「中鎖脂肪酸 100%オイル」のこと
MCTオイルとは「中鎖脂肪酸100%のオイル」を指す言葉なのですが、これだけ聞いてもわかりづらいところです。
“脂肪酸”とは何か、“中鎖”の意味するところ、なぜ“100%”なのかを、ひとつずつ解説します。
脂肪酸とは?
脂肪酸とは、脂質を構成している要素のひとつです。
「脂肪(脂質)の主成分=脂肪酸」ですから、簡単に理解したい方は「脂肪酸≒脂質(だいたい同じもの)」と覚えても間違いではありません。
私たちは普段、アブラ(油・脂)のことを脂肪と呼んでいますが、「脂肪=脂質≒脂肪酸」です。
もう少し詳しい話をすると、私たちが摂取する脂質のほとんどが「トリアシルグリセロール」で、トリアシルグリセロールは《グリセリン+脂肪酸》で構成されています。
先ほど「脂肪(脂質)の主成分=脂肪酸」と述べましたが、脂質の中身のほとんどが「脂肪酸」で構成されている、という意味になります。
参考:消費者庁「脂質と脂肪酸のはなし」
脂肪酸の種類
脂肪酸にはさまざまな種類があります。
私たちは普段、さまざまなオイルを「中鎖脂肪酸」「オメガ3系」などと分類して呼んでいます。これが脂肪酸の種類です。
脂肪酸はまず大きく「飽和脂肪酸(安定性が高く酸化しにくい)」と「不飽和脂肪酸(安定性が低く酸化しやすい)」の2つに分けられます。
その後さらに「短鎖/中鎖/長鎖 脂肪酸」「多価/一価 飽和脂肪酸」「オメガ3系/オメガ6系/オメガ9系」と分類されます。
MCTオイルは「脂肪酸>飽和脂肪酸>中鎖脂肪酸」に分類されるオイルです。中鎖脂肪酸の英語名が「MCT(Medium Chain Triglycerideの略)」となります。
オイルは「どの脂肪酸の割合が多いか」で分類される
食用やスキンケアに使われる“オイル”の基礎知識として、各オイルは“1つだけの脂肪酸”を含んでいるわけではありません。
いくつもの脂肪酸を含んでいます。オイルの分類は「複数含んでいる脂肪酸の中でも、とくにどの脂肪酸の割合が多いか?」で決められています。
たとえば「オメガ3系」として人気のアマニ油とエゴマ油を見てみましょう。オメガ3系脂肪酸を多く含んではいますが、その割合は約6割です。
▼ 可食部100gあたりの含有量(g)
飽和 脂肪酸 | オメガ3系 脂肪酸 | オメガ6系 脂肪酸 | オメガ9系 脂肪酸 | |
アマニ油 | 8.09 | 56.63 | 14.50 | 15.91 |
エゴマ油 | 7.64 | 58.31 | 12.29 | 16.94 |
出典:文部科学省「脂肪酸成分表編」
残りの4割でオメガ3以外(オメガ6・オメガ9・飽和脂肪酸)を一緒にとっていることは、あまり知られていません。
MCTオイルは中鎖脂肪酸「100%」
前述のとおり通常のオイルは複数の脂肪酸を含んでいるのですが、「MCTオイル」は中鎖脂肪酸が【100%】のオイルになります。
というのは、
「MCT(中鎖脂肪酸)“だけ”を効率的に摂取したい」
という人のために、ほかの脂肪酸を取り除いて精製し、MCTのみに加工したオイルがMCTオイルだからです。
精製前の原料としては、おもに「ココナッツオイル(やし油)」が使われています。やし油の脂肪酸の割合を見てみましょう。
▼ 可食部100gあたりの含有量(g)
短鎖脂肪酸 | 中鎖脂肪酸 | 長鎖脂肪酸 | |
やし油 (ココナッツオイル) | 0.5 | 56.2 | 27.2 |
出典:文部科学省「脂肪酸成分表編」
ココナッツオイルはMCTを多く摂取できるオイルとして人気です。しかし上表のとおりMCT含有量は約6割で、100%ではありません。
そこで、ココナッツオイルなどからLCT(長鎖脂肪酸)を取り除き、MCTだけを摂取できるように開発されたのがMCTオイル、というわけです。
1-2. LCT(長鎖脂肪酸)とMCT(中鎖脂肪酸)
次に、
「100%に精製してまで多くの人が摂取したいMCTって何がいいの?LCTと何が違うの?」
というところを解説しましょう。
鎖状につながっている炭素の長さが違う
脂肪酸は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)の3種類の原子で構成されていて、炭素(C)が鎖状につながった形をしています。
「●●脂肪酸」の●●に入る「長鎖」「中鎖」が示しているのは、この“鎖状の炭素(C)”の長さです。
炭素の数が8〜12個の脂肪酸は「MCT(中鎖脂肪酸)」と呼ばれ、6個以下がSCT(短鎖脂肪酸)、14個以上がLCT(長鎖脂肪酸)に分類されます。
参考:農林水産省「脂肪酸」
炭素の数が少ないと何がいいの?
MCT(中鎖脂肪酸)はLCT(長鎖脂肪酸)に比較して、「炭素の鎖の長さが短い」ことが特徴でした。
炭素の数が少ないと何がよいのかといえば、消化吸収が早く、すぐにエネルギーとして消費されやすいのです。
脂肪酸を摂取した後のプロセスを見てみましょう。
▼ 消化吸収・代謝の経路
LCT 長鎖脂肪酸 | 小腸→リンパ管→鎖骨下静脈→体内の組織に蓄積 |
MCT 中鎖脂肪酸 | 小腸→門脈→肝臓→すぐエネルギーになる |
「LCT:長鎖脂肪酸」は、小腸で吸収された後、リンパ管を通って鎖骨下静脈から血管へ入ります。全身の脂肪組織や筋肉などに届けられて蓄積され、必要に応じて使われます。
「MCT:中鎖脂肪酸」は、小腸に運ばれた後、門脈(消化器から肝臓につながる静脈)を直接通って肝臓に到達し、すぐにエネルギー源として使われます。
MCTは脂肪酸でありながら、まるで炭水化物(糖質)のような短いプロセスで、急速にエネルギー源となるのです。
この後、MCTのダイエット効果を詳しく解説していきますが、上表を見ただけでも、
「LCTよりMCTのほうが痩せそうだ」
とイメージがつかめるのではないでしょうか。
参考:中鎖脂肪酸の栄養学的研究 一最近の研究を中心に
補足:炭素6個以下の脂肪酸は天然には少ない
ここで1点、補足です。
「炭素の数が少なければ少ないほどいいなら、中鎖脂肪酸よりも少ない短鎖脂肪酸がベストなのでは?」
と疑問を抱いた方がいるかもしれません。
しかし炭素6個以下の短鎖脂肪酸は天然には量的に少ないので、食用オイルとして活用するのは難しいのです。
短鎖脂肪酸の具体例として挙げられるのは、ヒトの大腸内で腸内細菌がつくる酪酸やプロピオン酸、酢酸です。バターなどの乳製品にも含まれるものの、含有量は10%以下と少量しかありません。
短鎖脂肪酸(SCT)単体のオイルを精製するのは現実的に難しく、SCTオイルは販売されていません。よって、MCT(中鎖脂肪酸)が私たちが選択できるベストといえます。
参考:牛乳・乳製品に特徴的に含まれる「短鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」と認知機能との関連 | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)
2. MCTオイルの5つのダイエット効果
さて、ここからは本題となる「MCTオイルのダイエット効果」について、詳しく見ていきましょう。
- 脂肪として蓄積しにくい
- 食欲を抑えて摂取エネルギーを減らす
- 代謝を上げて消費カロリーを増やす
- 脂肪からのエネルギー生成を増やす
- 運動やトレーニングのパフォーマンスを高める
以下でそれぞれ解説します。
2-1. 脂肪として蓄積しにくい
1つめの効果は「脂肪として蓄積しにくい」です。
この効果は、前章までの解説をお読みいただいた方ならすぐにおわかりかと思います。
MCTオイルは吸収が早く、肝臓にダイレクトに運ばれて分解され、すぐエネルギーとして消費されます。
対して通常のオイル(LCT)は、静脈から血管に入って全身をめぐり、体内の組織にいったん蓄積されてから必要に応じてゆっくり使われます。
他のオイルをとるならば、MCTオイルに代替したほうが、脂肪として蓄積するリスクを減らせるのです。
たとえば、MCTオイルとオリーブオイルのダイエット効果を16週間のプログラムで比較した実験では、
〈MCTオイルのグループはオリーブオイルのグループと比較して、平均1.7kg多く体重が減少した〉
という結果が出ています。
参考:Medium-chain triglyceride diet stimulates less GIP secretion and suppresses body weight and fat mass gain compared with long-chain triglyceride diet
2-2. 食欲を抑えて摂取エネルギーを減らす
2つめの効果は「食欲を抑えて摂取エネルギーを減らす」です。
MCTオイルを使ったさまざまな研究で、「MCTオイルを摂取している人は、食べる量が減る」という結果が出ています。
たとえば、食欲やホルモン濃度をMCTとLCTで比較した研究では、
〈MCTの摂取により、食事摂取量が急激に減少した〉
〈ペプチドYYとレプチンの濃度がMCTで有意に高くなった〉
というデータがあります。
MCT摂取で濃度が高くなるペプチドYY(PYY)やレプチンには食欲抑制作用があることがわかっています。MCTオイルを摂取することで、食欲が抑えられる可能性があるのです。
実際、MCTを含む朝食後、次の食事(昼食)をいつ食べたくなるか調べた実験では、
〈MCTを含む朝食で、次の昼食のリクエストが大幅に遅れた〉
という結果が出ています。
この研究では、「低脂肪の食事で昼食のリクエストが早い」ことも判明しています。
私たちはダイエットするとき、脂質をカットした低脂肪な食事にこだわろうとするかもしれません。
しかし、低脂肪の食事で食欲が暴発してコントロールに苦しんだり、食欲に負けて何度も食べたりするのなら、MCTオイルを取り入れて食欲を押さえたほうがダイエットに効果的といえるのです。
参考:Impact of medium and long chain triglycerides consumption on appetite and food intake in overweight men
「肥満研究」 Vol.11 No.01
Influence of medium-chain and long-chain triacylglycerols on the control of food intake in men
2-3. 代謝を上げて消費カロリーを増やす
3つめの効果は「代謝を上げて消費カロリーを増やす」です。
MCTオイルを摂取すると、
〈ミトコンドリアの生合成とエネルギー代謝を増やす〉
というはたらきが確認されています。
なぜこれが消費カロリーを増やすのかといえば、エネルギー代謝の仕組みを知るとわかりやすいでしょう。
私たちの体内で行われるエネルギー代謝(エネルギーを生成して体や脳を動かす燃料にする仕組み)は「ミトコンドリア」で行われています。
ミトコンドリアとは、簡単にいえば「エネルギー生成工場」です。脂肪酸・アミノ酸・グリコーゲンなど、エネルギーの材料となる栄養素を取り込んで、エネルギーをつくり出しています。
ミトコンドリアがしっかりはたらいてくれれば、
「エネルギー代謝が上がる → 消費されるエネルギー量が増える → 痩せる」
という図式が成り立ちます。
ちなみに私たちがよく使う「カロリー」という言葉は、エネルギーの単位です。
「消費カロリーを増やすと痩せる」は既知の事実ですが、それはすなわち「消費エネルギーを増やすと痩せる」という意味になります。
まとめると、
「MCTオイルを摂取するとミトコンドリアが活性化して、消費カロリーが増える」
という効果が期待できます。
参考:Medium Chain Triglycerides enhances exercise endurance through the increased mitochondrial biogenesis and metabolism
厚生労働省 e-ヘルスネット「有酸素性エネルギー代謝」
2-4. 脂肪からのエネルギー生成を増やす
4つめの効果は「脂肪からのエネルギー生成を増やす」です。
MCTオイルによって、ミトコンドリアの活性化が期待できるだけでなく、
〈エネルギー生成のための脂肪酸の利用が増える〉
という研究があります。
MCTオイル自身がエネルギーに変わりやすいだけでなく、体脂肪やLCTなど他の脂肪酸の燃焼まで促進する可能性が考えられます。
参考:Effect of ingestion of medium-chain triacylglycerols on moderate- and high-intensity exercise in recreational athletes
なお、この特性を活かして、MCTオイルは「ケトジェニックダイエット」の実践者たちにも愛用されています。
ケトジェニックダイエットとは、体のエネルギー源を糖質から脂肪に切り替えることで、効率的な脂肪燃焼や健康効果を狙う食事法です。
ケトジェニックダイエットについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
2-5. 運動やトレーニングのパフォーマンスを高める
5つめの効果は「運動やトレーニングのパフォーマンスを高める」です。
アスリートやボディビルダーにはMCTオイルの愛用者が多いのですが、その理由がこれです。
さまざまな研究によって、
「MCTオイルは運動の持久力(スタミナ)を高める」
ことが示唆されています。
そのメカニズムとしてデータが示しているのは、
〈MCTオイルを摂取すると運動中の「乳酸」の血中濃度が低くなる〉
ことです。
乳酸の蓄積が抑えられるために、持久力が高まると考えられます。
くわえて、前述のミトコンドリア活性によるエネルギー代謝のアップや、糖質よりも脂肪を優先したエネルギー生成も、運動やトレーニングのパフォーマンスを高める効果があります。
MCTオイルをアスリートやボディビルダーが摂取すると、高強度の運動やトレーニングを、より長く継続できるようになるのです。
ちなみに、アスリートやボディビルダーでなくても、MCTオイルによるスタミナアップはダイエットに有益です。
たとえば「今までなら10分でバテていた運動を、ラクに30分以上、継続できる」といった効果が期待できるからです。
参考:Effect of ingestion of medium-chain triacylglycerols on moderate- and high-intensity exercise in recreational athletes
3. ダイエット目的のMCTオイルの選び方
ここまでお読みいただいた方なら、MCTオイルのダイエット効果をよく理解でき、さっそく試したいと感じているのではないでしょうか。
ここからは、
「どうやれば、MCTオイルダイエットの効果を最大限に得られるのか?」
という視点で、実践の話をしていきましょう。
3-1. 炭素が少ないMCTオイルほど効果が高い
あまり知られていませんが、「MCTオイル」のなかにもグレードがあります。
前述のとおり、鎖状につながっている炭素の数が「8個〜12個」の脂肪酸をMCTと呼びます。
炭素の数は一部の特殊な脂肪酸を除いて偶数なので、MCTのパターンは【炭素数8個/10個/12個】の3パターンです。
- C8:炭素8個(カプリル酸など)
- C10:炭素10個(カプリン酸など)
- C12:炭素12個(ラウリン酸など)
同じMCTオイルの分類の中でも、炭素が多くなるほどはたらきが長鎖脂肪酸に近くなります。
とくに炭素12個のC12(ラウリン酸)は、代謝の観点から中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸の両方の機能を持ち、文献によっては長鎖脂肪酸に分類されていることもあります。
MCTオイルを選ぶときにはC12は避け、C8(カプリル酸)またはC10(カプリン酸)を選ぶ必要があります。
参考:Health Effects of Coconut Oil-A Narrative Review of Current Evidence
3-2. C8(カプリル酸)だけのMCTオイルがベスト
C8とC10のどちらがよいかといえば、もちろん「C8」です。C8(カプリル酸)だけのMCTオイルとして、以下があります。
▼ C8 98%以上のMCTオイル
B.B.CoCo C8 ハイパーMCTオイル
ただし、C8は希少性が高いため入手しにくいという問題があります。価格が高いだけでなく、流通量が少ないために、品切れになっていることもあります。
出典:Amazon
C8を入手できないときの第2の選択肢としては、「C8とC10で構成され、50%以上がC8」のMCTオイルを選びましょう。
▼ C8:C10=6:4のMCTオイル
仙台勝山館MCTオイル
勝山ネクステージ MCTオイル
ここまでの話をまとめると、以下のポイントを押さえてMCTオイルを選んでください。
MCTオイルの選び方
- 「C8のみ」のMCTオイルが ベスト
- C8のみが入手できない場合は「C8+C10で、C8が50%以上」のオイルを選ぶ
- C12が含まれるMCTオイルは避ける
4. MCTオイル ダイエットのやり方 — 3つのルール
次に、MCTダイエットのやり方を解説します。守るべき3つのルールがこちらです。
- 1日の中のすべての食事と一緒にとる
- 加熱はせずかけたり混ぜたりする
- 1日に「5g × 3回」を基本とする
以下で詳しく見ていきましょう。
4-1. ルール1:1日の中のすべての食事と一緒にとる
1つめのルールは「1日の中のすべての食事と一緒にとる」です。
1日3食の食事で、欠かさずにMCTオイルを取り入れてください。
MCTオイルが、その食事から得られる満腹感を高めて、摂取カロリーを減らしてくれるからです。
定期的にMCTオイルを補給することで、1日中、脂肪が燃焼しやすい状態をキープすることにもつながります。
外食時は食後に飲む
外食で食事からMCTオイルを摂取するのが難しいときは、食後に飲んでください。スティックタイプのMCTオイルを携帯しておくと便利です。
仙台勝山館MCTオイルスティックタイプ
4-2. ルール2:加熱はせずかけたり混ぜたりする
2つめのルールは「加熱はしないでかけたり混ぜたりする」です。
MCTオイルは加熱できません。サラダにかけたり、スープに混ぜたりして摂取してください。
加熱NGなのは発火温度が低いから
MCTオイルを加熱してはいけないというと、
「熱を加えると酸化するからですか?」
という質問があります。
オメガ3系(アマニ油など)は「絶対に加熱NG」といわれるので、それと同様ですか?という質問です。
MCTオイルが過熱NGなのは酸化の問題ではありません。発煙温度が低いからです。普通の油よりも低温で煙が出るために、揚げ油や炒め油などの調理油としては使用できないという理由です。
熱々のスープやみそ汁に入れても問題ない
「酸化」に関して補足すると、MCTオイルは酸化しにくい「飽和脂肪酸」の分類になります。
MCTオイルが過熱NGの理由は酸化ではないので、酸化を気にして高温の食べ物に入れるのを避ける必要はありません。
たとえば前述のアマニ油は、50℃以上で酸化が進み変質するので使い方が制限されます。
MCTオイルは、熱々のスープやみそ汁に入れても問題ありません。熱湯で淹れたお茶やコーヒーに混ぜるのもOKです。
おすすめは仕上げのソースやドレッシングに混ぜること
加熱しないで食事にMCTオイルを取り入れるおすすめの方法は、肉・魚などのメインのおかずの仕上げソースや、サラダのドレッシング、スープ・みそ汁などに混ぜることです。
火にかけて加熱しなければよいので、さまざまな使い方ができます。
MCTオイルのレシピは日清のWebページ「MCTオイル&パウダー 基本の使い方&レシピ」に多くの情報があります。参考にしてみてください。
4-3. ルール3:1日に「5g × 3回」を基本とする
3つめのルールは「1日に5g × 3回を基本とする」です。
※MCTオイルの5gは小さじ山盛り1杯程度
「MCTオイルは、どれくらいの量をとると痩せるのか?」が最も知りたいところかもしれません。じつは、このさじ加減が、MCTオイルで最も難しいところです。
ここまでご紹介したとおり、MCTオイルには優れたダイエット効果がありますが、同時にMCTオイルはそれ自体が高カロリーでもあるからです。
MCTオイルから得られるダイエット効果を、MCTオイルの高カロリーが上回ってしまうと、ダイエット効果は帳消しになってしまいます。
そこで、多くの人にとって帳消しにならない目安ラインが「5g × 3回=15g」となります。これを目安として、微調整の方法は次をご覧ください。
カロリーオーバーになる人は減らす
MCTオイルのカロリーは1gあたり約9kcalです。15gで【 約 135kcal 】となります。
理想は、普段使っている他のオイルと代替して、1日の摂取カロリーを増やさずにMCTオイルを取り入れることです。
というのは、MCTオイルに関する研究のほとんどは15g以上で実施されているからです。それ以下の摂取量で得られる効果は明確ではありません。
1日の摂取カロリーを増やさず取り入れるのが、どうしても難しい場合には、大幅なカロリーオーバーにならないようにカロリー計算をして、MCTオイルの摂取量を少なく調整しましょう。
カロリー計算のやり方がわからない方は、以下の記事を参考にしてみてください。
加算カロリーを食欲抑制や運動で消費できる人は増やしても良い
逆に、MCTオイルを「5g × 3回」でスタートした結果、
- 食欲抑制効果によって食事量が減った
- 運動のパフォーマンスが上がって運動量が増えた
- 体に合っている感じがして体調がよい
といった変化があった人は、MCTオイルの量を増やして様子を見てもよいでしょう。
「10g × 3回(1日30g)程度」を上限として、体調や体重・体脂肪率の変化を見ながら調整します。
ケトジェニックダイエットと併用する人は増やす
前述の「ケトジェニックダイエット」に取り組んでいる人は、「5g × 3回=15g」の目安にこだわらず摂取量を増やします。
ケトジェニックダイエットでは、1日に40g〜80gのMCTオイル摂取が推奨されます。
レベル | 糖質(一食) | MCT オイル |
セミケトジェニック | 1 日90g 以下 (30g 以下) | 1 日40g 摂取 |
ケトジェニック | 1 日60g 以下 (20g 以下) | 1 日60g 摂取 |
スーパーケトジェニック | 1 日30g 以下 (10g 以下) | 1 日80g 摂取 |
5. MCTオイルの危険性は?注意したいリスク
前章でご紹介した摂取するMCTオイルの量を調整するうえでは、
「MCTオイルをとりすぎると、どんなリスクがあるのか?」
を把握しておくことが役立ちます。
前提としてお伝えしたいのは、さまざまな研究データが示唆しているのは
「MCTオイルはほとんどの人にとっては安全である可能性が高い」
ということです(参考:MEDIUM CHAIN TRIGLYCERIDES (MCTs))。
そのうえで、とりすぎた場合や一部の人にとって、どんなリスクが考えられるのか見ていきましょう。
- 下痢や吐き気のリスク
- 肝臓に負担をかけるリスク
- コレステロールや中性脂肪に影響するリスク
5-1. 下痢や吐き気のリスク
1つめは「下痢や吐き気のリスク」です。
一部の人は、MCTオイルを摂取すると下痢や吐き気を感じる可能性があります。
可能性のある症状
- 下痢
- 嘔吐
- 吐き気
- 胃の不快感
- 腸内ガス など
普段から脂質の多い食事をとるとお腹を壊しやすい人や、今までにもオイルを取り入れる健康法で気分が悪くなった経験がある人は、とくに注意してください。
これらの症状は、MCTオイルを単体で飲むのではなく、食べ物と一緒に摂取することで、軽減できる可能性があるとされています。
参考:MEDIUM CHAIN TRIGLYCERIDES (MCTs)
5-2. 肝臓に負担をかけるリスク
2つめは「肝臓に負担をかけるリスク」です。
MCTの特徴として「肝臓にダイレクトに運ばれて、肝臓で分解される」という特徴がありました。
この特徴が、肝疾患のある人にとっては問題を引き起こす可能性が指摘されています。
肝硬変やその他の肝臓の疾患がある人、健康診断の肝臓の数値に異常がある人は、自己判断でMCTを使用しないでください。まずは主治医に相談し、指導に従いましょう。
参考:MEDIUM CHAIN TRIGLYCERIDES (MCTs)
5-3. コレステロールや中性脂肪に影響するリスク
3つめは「コレステロールや中性脂肪に影響するリスク」です。
MCTは血中脂質にほとんど影響しないとする研究も出ているのですが、体質によっては影響する可能性も捨てきれません。
とくに、多めの量のMCTオイルを取り入れていきたい方は定期的に血中脂質の検査を受けて、コレステロールや中性脂肪の値に変化がないかモニタリングすると安心です。
▼ 脂質異常症診断基準
LDLコレステロール (悪玉コレステロール) | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) | 40 mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド (中性脂肪) | 150 mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症」
MCTオイルの摂取をスタートしてからLDLや中性脂肪の値が上がるようでしたら、医師と相談しながら適量を見つけていくとよいでしょう。
もちろん、MCTオイルを摂取しはじめてから「LDLが下がった」「HDLが上がった」など、よい変化を経験する人も多くいます。
個人差がありますので、自分の体ではどうか、確認することが大切です。
参考:Medium-Chain Triglyceride Oil and Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials
6. MCTオイルダイエットを成功させる3つのポイント
最後に、MCTオイルのダイエットを成功させるポイントをご紹介します。
- MCTオイルの効果を理解して信用する
- 仲間を作って習慣化する
- MCTの力を借りて食事制限や運動を加速させる
以下で詳しく見ていきましょう。
6-1. MCTオイルの効果を理解して信用する
1つめのポイントは「MCTオイルの効果を理解して信用する」です。
MCTオイルを使ったダイエットで成功する人としない人の大きな違いが、これです。
というのもMCTオイルは基本的に無味無臭で、摂取したところで効果の実感が自分では得られにくいのです。そのせいで、続ければ痩せるところを途中で挫折する人がいます。
私たちは、実際の効果の有無よりも「効いた感じがする」ことでモチベーションが高まります。たとえばホットヨガやサウナで汗だくになったり、絶食して空腹感に耐えたりすると、痩せる感じがします。
そういった「痩せる感じがする」という実感が得にくいMCTオイルだからこそ、理論的にMCTオイルの効果を理解して、信用しましょう。その信用が、続ける力になります。
MCTの効果を信用して、まずは2週間、続けてみてください。
体脂肪率や体重計の数字に効果が現れてくるまで継続すれば、あとはその数字が続ける力になります。その前に、やめないことです。
6-2. 仲間を作って習慣化する
2つめのポイントは「仲間を作って習慣化する」です。
なかなか自分ひとりでは続けるのが難しい、という方は、一緒に続ける仲間をつくりましょう。
みんなと続ける習慣化アプリ『みんチャレ』を使うと、同じ目標に向かってよい行動の習慣化を目指す仲間を見つけることができます。
みんチャレでは、目的別に5人1組のチームを組んで習慣化を目指すアプリです。同じ目標をもつ仲間と、進捗を共有したり、讃えあったりすることで継続するので、挫折しにくいのです。
▼ みんチャレのチームの例
詳しくは、以下のリンクからご確認ください。
実際にみんチャレを使ってダイエットに成功された方にインタビューしていますので、以下の記事を参考にしてみてください。
6-3. MCTの力を借りて食事制限や運動を加速させる
3つめのポイントは「MCTの力を借りて食事制限や運動を加速させる」です。
MCTオイルは、食欲を抑えたり運動のパフォーマンスを高めたりと、食事制限や運動を強力にアシストしてくれるものです。
MCTオイルの摂取をしている間は、今までよりもラクに食事制限や運動ができる体になっています。このチャンスを放置しておくのは、もったいないことです。
過去に挫折したことのある食事制限や運動でも、MCTオイルと並行すれば、きっと挫折しないで継続できます。ぜひ前向きな気持ちで、取り組んでみてください。
7. まとめ
本記事では「MCTオイル ダイエット」をテーマに解説しました。簡単に要点をまとめます。
MCTオイルの概要はこちらです。
- MCTオイルとは「中鎖脂肪酸 100%オイル」のこと
- 中鎖脂肪酸は炭素数10〜12個の脂肪酸
- 中鎖脂肪酸はダイレクトに肝臓に運ばれてすぐエネルギーになる
MCTオイルには5つのダイエット効果が期待できます。
- 脂肪として蓄積しにくい
- 食欲を抑えて摂取エネルギーを減らす
- 代謝を上げて消費カロリーを増やす
- 脂肪からのエネルギー生成を増やす
- 運動やトレーニングのパフォーマンスを高める
ダイエット目的でMCTオイルを利用するときには、以下のポイントを押さえて選んでください。
- 「C8のみ」のMCTオイルが ベスト
- C8のみが入手できない場合は「C8+C10で、C8が50%以上」のオイルを選ぶ
- C12が含まれるMCTオイルは避ける
MCTオイル ダイエットのやり方として 3つのルールをご紹介しました。
- 1日の中のすべての食事と一緒にとる
- 加熱はせずかけたり混ぜたりする
- 1日に「5g × 3回」を基本とする
MCTオイルのリスクとしては以下にご注意ください。
- 下痢や吐き気のリスク
- 肝臓に負担をかけるリスク
- コレステロールや中性脂肪に影響するリスク
MCTオイルダイエットを成功させる3つのポイントはこちらです。
- MCTオイルの効果を理解して信用する
- 仲間を作って習慣化する
- MCTの力を借りて食事制限や運動を加速させる
長い記事をここまでお読みくださったあなたは、MCTオイルダイエットに成功する知識をすべて手に入れたといっても過言ではありません。
あとは自分のペースで取り入れるだけで、するするとスムーズにダイエットに成功できるはずです。ぜひ、痩せた自分の理想通りの体を手に入れて、今以上に楽しい毎日を過ごしてください。