「頑張って早起きしても、いつの間にか元の生活に戻ってしまった!」
「早起きはできるけど、習慣化ができない」
このような経験がある人は多いのではないでしょうか。
実は早起きの習慣化は、ただ早く起きれば実現できるという単純なものではありません。
早起きを習慣化するためには、生活習慣そのものの改善が必要だからです。
早起きの習慣が身に付くまでの3カ月を、本質的なことを理解しないまま、やる気と根性で乗り切ろうとすると、高い確率で挫折してしまうでしょう。
そこで本記事では、習慣化コンサルタントの古川武士氏のメソッドをベースに、
- 早起きの習慣化にまつわる正しい知識
- 生活習慣の改善を取り入れた「早起きを習慣化する5つのステップ」
を解説します。
早起きを習慣化する5つのステップ
ステップ① 理想のタイムスケジュールを作成する
ステップ② 現実のタイムスケジュールを作成し、理想と比較する
ステップ③ 習慣化に悪影響を及ぼす問題を書き出す
ステップ④ イレギュラーな日のタイムスケジュールを作成する
ステップ⑤ スモールステップで始める
さらに、早起きの習慣化を確実にするポイントもご紹介しますので、「早起きを習慣化したい!」という人はぜひ最後までお読みください。
ご存知のように、早起きにはメリットがたくさんあります。早起きを習慣化することで、時間を有意義に使えるようになり、人生をより充実させることができるはずです。
参考書籍:『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』古川武士(大和書房)
また、同じ目標を持つ仲間と一緒に励まし合いながら続けるアプリ「みんチャレ」を使って早起きの習慣化に成功されている方がたくさんいます。
実際にみんチャレを使っ早起き、ランニング、勉強など様々なことの習慣化に成功された方にインタビューしていますので、以下の記事を参考にしてみてください。
1. 早起きの習慣化が難しい理由
まずは、「なぜ早起きの習慣化が難しいのか」その理由を理解していきましょう。
1-1.「早起き」は他の生活習慣の影響を受けやすい
早起きの習慣化が難しいのは、「他の生活習慣の影響を受けやすい」からです。
冒頭で触れたとおり、早起きの習慣化は単純に「早く起床すればいい」というものではありません。早く起きるためには、「早く寝る」「早く帰宅する」必要があるからです。
仕事の状況や人付き合いなどで、帰宅や就寝時間が遅くなることも当然あるでしょう。にもかかわらず、食事や入浴などをいつも通り行うと就寝時間はどんどん遅くなります。
このように、早起きは他の生活習慣と密接なかかわりがあるので、「早起き単体」で考えるのではなく、生活習慣全体を見直す必要があります。
1-2.早起きの習慣化に必要な期間は3カ月
習慣化コンサルタントの古川氏は、早起きの習慣化に必要な期間の目安を3カ月としています。古川氏によると、習慣化に必要な期間は「習慣化する内容」よって、以下のように異なるそうです。
行動の習慣化 | 勉強、日記、読書など | 約1カ月 |
身体リズムの習慣化 | 早起き、運動、禁煙など | 約3カ月 |
思考の習慣化 | 論理的思考、ポジティブ思考など | 約6カ月 |
習慣化とは、「無理なく、勝手に体が動いて自動的に行動できる」ことを指します。
何かを習慣化するためには、最低でも上記の期間が必要と考えましょう。しかし、習慣化は「これまでの習慣を変える」ことですから、どうしても挫折しやすくなります。
2. 早起きを習慣化できない5つの原因
早起きを習慣化できない原因には、どのようなものがあるのでしょうか。習慣化を妨げる原因を詳しく見ていくことで適切な対処法が分かります。
ここでは、早起きを習慣化できない5つの原因を順番に解説していきます。
2-1.いきなり早起きしようとしている
1つ目の原因は「いきなり早起きしようとしている」です。
いつも朝7時に起きる人が、いきなり5時起きに変更すると、体に大きな負担がかかります。
人間にはそれぞれ「これまでの生活習慣に基づいた体内リズム」があるからです。
私たちは、これまでの習慣を崩されると、本能的に危険を感じて反発します。そのため一気に習慣を変えようとすると、うまくいかない可能性が高くなります。
2-2.睡眠時間を削っている
2つ目の原因は「睡眠時間を削っている」です。
睡眠時間を削ると当然寝不足になりますが、人間はずっと睡眠不足の状態をキープできません。必ずどこかのタイミングで、「一気に睡眠不足を解消する行動」に出るはずです。
多くの人の場合、土日や休日に「寝だめ」して、睡眠不足を解消しようとします。すると生活リズムが崩されるだけでなく、「貴重な一日を無駄にした」という後悔に苛まれるでしょう。
睡眠不足が続くと、ストレスが溜まりやすくなり、仕事や勉強のパフォーマンスが落ちます。平日に早起きをしても、週末に寝だめするような生活だと、早起きのメリットよりもデメリットが強く感じられるようになり、結果的に元の生活に戻りやすくなります。
2-3.早起きと「ネガティブなこと」がセットになっている
3つ目の原因は「早起きと『ネガティブなこと』がセットになっている」です。
たとえば、
「早起きして勉強しよう!」
「早起きしてジョギングしよう!」
このように考える人はとても多いのですが、勉強やジョギングをネガティブにとらえていると挫折率が高まります。というのも「早起きをしたら、嫌なことをしなければいけない」からです。
早起きとネガティブなことをセットにすることで、モチベーションが下がり、脳が自然と「早起きをしない言い訳」を作り出します。こうなると、習慣化は不可能に近いでしょう。
2-4.明確な目標がない
4つ目の原因は「明確な目標がない」ことです。
何かを習慣化するには、やはりモチベーションが必要です。ただ漠然と「早起きしたい」という理由では、挫折の誘惑を回避できません。
- なぜ早起きするのか
- 早起きすると得られるメリット
が自分の中でしっかりある人は、習慣化を達成しやすいでしょう。
2-5.イレギュラーな予定に対処できない
最後5つ目の原因は「イレギュラーな予定に対処できない」です。
規則正しい生活は理想とはいえ、毎日一定のリズムで生活するのは、現実的にはかなり難しいですよね。
最初は早起きできていても、残業や飲み会などのイレギュラーな予定で生活リズムが崩れて、それをきっかけに習慣化に挫折する人が少なくありません。これは非常にもったいないことですよね。
イレギュラーな予定はゼロにできないからこそ、柔軟性を持つことが大切になります。
3. 【5つのSTEP】早起きを習慣化する方法
早起きの習慣化は、ただやみくもに早く起きるだけでは実現できません。
生活習慣を見直し、早起きのために改善することが大切です。
ここでは、生活習慣の改善を取り入れた「早起きを習慣化する5つのステップ」をご紹介します。この5つのステップを踏めば、誰でも無理なく早起きを習慣化できるでしょう。
3-1.【ステップ1】理想のタイムスケジュールを作成する
まずは、理想のタイムスケジュールを作成しましょう。
あなたが理想とする生活習慣をタイムスケジュールに落とし込んでいきます。
理想のタイムスケジュールを作成する目的は、「理想の生活習慣を明確にし、生活リズムを最適なものにする」ことです。
「理想のタイムスケジュール=絶対に守るべきもの」ではないので、「スケジュール通りの生活は無理!」と感じる人も、理想的な生活はどのようなものかを考えてみましょう。
3-2.【ステップ2】現実のタイムスケジュールを作成し、理想と比較する
次にあなたが最も多く送っている現実のタイムスケジュールを簡単に作成します。
理想のタイムスケジュールと比較することが目的なので、ざっくりと以下について書き出します。
- 起床時間と就寝時間
- 出勤時間と退勤時間
- 起床後にやっていること
- 帰宅後にやっていること
理想と現実のタイムスケジュールを比較すると、「絶対に守らないといけない時間」や「削減してもいい時間」が見えてきます。
3-3.【ステップ3】早起きの習慣化に悪影響を及ぼす問題を書き出す
早起きの習慣化のためには、「悪影響を及ぼす問題」をあらかじめ書き出す必要があります。これまでお話してきた通り、早起きはさまざまな生活習慣の影響を大きく受けるものだからです。
早起きの習慣化に<悪影響を及ぼす問題>一例
- 土日の予定
- 突発的な予定
- 飲み会
- 残業
- 体調を崩す
生活は一定のスケジュールで固定できるものではなく、どうしても予定がズレたり、変更したりすることがあります。そんな時に「まあ、いいか」と挫折しないためにも、「どんな時にスケジュールを守れないのか」を考えておきましょう。
3-4.【ステップ4】イレギュラーな日のタイムスケジュールを作成する
理想のタイムスケジュールを守れない時のために、イレギュラーな日のタイムスケジュールを作成しておきます。
- 残業で帰宅が遅くなったら、夜の習慣を1つやめて、睡眠時間を確保する
- 外出で就寝時間が遅くなったら、翌朝起きる時間を30分遅らせる
イレギュラーな日の生活パターンをあらかじめ決めておくことで、習慣化の挫折を防ぎます。
早起きの習慣化が身に付いているのは、タイムスケジュールに柔軟性を持たせている人です。
というのも、誰にでも理想のタイムスケジュール通りにいかない日は当然あります。すでに早起きの習慣化ができている人は、そんな時に寝る時間と起きる時間を柔軟に対応することで、生活リズムを崩さずに早起きの習慣をキープしているのです。
3-5.【ステップ5】スモールステップで始める
習慣化を実現させるには、スモールステップで始めることが大切です。
まずは寝る時間を30分早めて、30分早く起きることから始めましょう。
何事も始めが肝心です。最初は変化への抵抗力が大きいので、どうしても挫折しやすくなります。最初の変化はできるだけ小さくするのが成功のポイントです。
いきなり起床時間を2時間早めるのはNGです。特に最初の3週間は変化への抵抗力が大きい時期になります。一気に起床時間を変えるのではなく、徐々に移行していかないと成功率が下がります。1週間で30分ずつ、4週かけて2時間早く起きられるようにしましょう。
4. 早起きの習慣化を確実にするためのポイント
最後に、早起きの習慣化を確実にするためのポイントをご紹介します。
4-1.最初の3週間は睡眠をしっかり確保する
最初の3週間は睡眠をしっかり確保しましょう。
早起きの習慣化には睡眠不足は絶対にNGだからです。
習慣化コンサルタントの古川氏も、「初めの3週間は寝る時間が遅くなったら、起きる時間をずらす」ことを推奨しています。
睡眠を削って早起きをすると、睡眠不足の負のスパイラルに陥りやすくなるからです。
睡眠不足の負のスパイラル
- ストレスが溜まり、イライラしやすくなる
- 仕事や勉強のパフォーマンスが落ちる
- 疲れやすくなる
- 睡眠の質が悪くなる
- まとめて寝ることで生活のリズムが崩れる
睡眠不足にならないためには、寝る時間を少しずつ早めて、早く起きることが重要です。
睡眠は脳にとって絶対に欠かせないもの。しっかり寝ることで良いパフォーマンスができるようになります。
したがって、早起きの習慣化を初めて1カ月経過後までは、起きる時間を優先するようにしましょう。
4-2.イレギュラーなタイムスケジュールは3連続以上続けない
イレギュラーなタイムスケジュールは3連続以上続けないようにしましょう。
3日以上イレギュラーなスケジュールを続けると、生活習慣のリズムが崩れてしまうからです。
生活習慣は一度リズムができれば、多少のイレギュラーも問題ありません。脳が「いつも通り」と認識すれば、イレギュラーがあっても理想の生活習慣に戻してくれるからです。
しかし3日以上連続となると、「どれが本当の生活習慣だっけ?」と混乱します。
イレギュラーの日があるのは当たり前ですし、それが人間らしく生きている証しとも言えます。しかし「3連続以上は習慣化が壊れる」と認識することが大切です。
イレギュラーの要因が、人付き合いや仕事にあるのなら、
- 時には飲み会を断る
- 仕事の残務は早めに帰宅して翌朝片づける
などを検討しましょう。
4-3.翌日のやることを決めておく
翌日のやることを決めておくと、早起きの習慣化にプラスに作用します。
やることが決まっていると、その日のスケジュールがパッと脳内にイメージでき、「起きなければ」となりやすいからです。
反対にやることが決まっていない状態だと、「別に今起きなくても問題ない」と早起きをしない言い訳を作りやすくなります。また、起きた後に「何をしよう?」とダラダラ過ごしがちです。
ただし、やるべきことに「ネガティブな気持ちになる行動」を盛り込むのはできるだけ避けましょう。
早起きのやる気をくじき、挫折化の恐れがあるからです。反対に、翌日のやるべきことが「無理なくできること」「楽しんでできること」だと、早起きするモチベーションが高まります。
無理なくできること |
|
楽しんでできること |
|
4-4.タイムスケジュールが守れなくても自分を責めない
タイムスケジュールが守れなくても、自分を責めないようにしましょう。
「今日もできなかった」と自己否定を繰り返すと、習慣化のモチベーションが下がります。習慣化することが嫌になり、やめたくなってしまいます。そうなるともう挫折の未来しか見えません。
タイムスケジュールは遵守することより、イレギュラーを続けないことを目指しましょう。
前述のとおり、イレギュラーなタイムスケジュールを3連続行うと、習慣化が難しくなります。
タイムスケジュールは守れなくても「連続しなければOK」と考えて、挫折を回避することが大切です。
4-5.習慣化アプリを活用してモチベーションをキープする
習慣化のモチベーション維持に役立つのが、習慣化に特化したアプリの活用です。
専門家監修の元に開発された「みんチャレ」では、匿名の同じ目標を持つ5人がチームを組み、進捗報告をしたり、チャットで励まし合ったりしながら習慣化を目指します。
仲間とともに習慣化を行う効果
- 励まし合うことで、モチベーションを維持しやすい
- 仲間に見られているので、サボりにくい
- 仲間と頑張っている連帯責任感から挫折しにくい
習慣化は1人で取り組むよりも、他の人と一緒に行う方が成功しやすいことが科学的に証明されていますから、活用してモチベーションをキープしましょう。
5. まとめ
本記事では、早起きを習慣化する方法を解説しました。
最後に記事のおさらいをしましょう。
早起きは、ほかの生活習慣の影響を受けるため、習慣化が難しいとされています。
早起きの習慣化に必要な期間の目安は3カ月です。
早起きの習慣化ができない原因
- いきなり早起きしようとしている
- 睡眠時間を削っている
- 早起きと「ネガティブなこと」がセットになっている
- 明確な目標がない
- イレギュラーな予定に対処できない
早起きを習慣化する方法【5つのステップ】
ステップ① 理想のタイムスケジュールを作成する
ステップ② 現実のタイムスケジュールを作成し、理想と比較する
ステップ③ 習慣化に悪影響を及ぼす問題を書き出す
ステップ④ イレギュラーな日のタイムスケジュールを作成する
ステップ⑤ スモールステップで始める
早起きの習慣化を確実にするためのポイント
- 最初の3週間は睡眠をしっかり確保する
- イレギュラーな日のタイムスケジュールは3連続以上続けない
- 翌日のやることを決めておく
- タイムスケジュールが守れなくても自分を責めない
- 習慣化アプリを活用してモチベーションをキープする
早起きに限らず、何事も習慣化には時間がかかります。
習慣化は長期戦です。まずは毎日30分早く寝て、早く起きることから始めましょう。