【要点まとめ】7つの習慣とは?基本の原則をわかりやすく解説

『7つの習慣』とは、世界中で読み継がれている人生哲学の名著です。
 
“成功者の習慣”、“ビジネス書”、“自己啓発本”と紹介されることが多いのですが、
「成功のテクニックが書いてある本」
と思って読み始めると、まったく中身が異なることに驚くかもしれません。
 
というのは『7つの習慣』では、小手先のテクニックとは真逆の、普遍的な原理原則や本質が説かれているからです。
 
いつ・誰が・どんな目的で読んでも、人生が変わるほどのパワフルな力を持ちます。有名な経営者、ビジネスリーダー、政治家、教授、ジャーナリスト……と、多くの愛読者が存在します。
 
しかし、『7つの習慣』に書かれている内容はあまりにも骨太であるがゆえに、「サクッと読んで、サクッと役立つ」という手軽さはありません。
 
「本を買ったけれど、途中で読むのを挫折した」
という声も聞きます。
 
そこで、この記事では『7つの習慣』のエッセンスを凝縮してまとめました。初めて7つの習慣に触れる方にもわかりやすく、基本からやさしく解説します。
 
『7つの習慣』を読破するための予習や、要点を思い出すための復習として、お役立てください。

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目次

1. 7つの習慣とは?基本の知識


最初に『7つの習慣』とは何か、基本の知識からご紹介します。

1-1. 4,000万部以上のベストセラーとなっている人生哲学の名著

 
『7つの習慣』とは1989年に米国で出版された、スティーブン・R・コヴィー博士の著書です。
 
スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change』
 
世界で4,000万部以上のベストセラーとなっており、初版から30年以上を経てもなお、世界中で読まれ続けている名著です。
 
何が書かれているのかといえば、原著の表紙に書かれている言葉はこちらです。

The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change
(訳)ハイ・エフェクティブな人たちの7つの習慣:個人の変化のためのパワフルなレッスン

『The 7 Habits of Highly Effective People』
 
エフェクティブとは「有効な、効果のある」といった意味です。7つの習慣とは、高い成果を上げ結果を出し続ける人の習慣を、コヴィー博士がまとめたものです。

1-2. 7つの習慣の何がすごいのか

『7つの習慣』は、なぜこれほどまでに世界中で支持され続けているのでしょうか。
 
「7つの習慣の何がすごいのか?」といえば、以下のポイントがあります。

  • 人生を変える力がある(7つのステップ)
  • 時代やシーンを選ばない(普遍的)
  • ビジネス成果にも直結しやすい(効率的な目標達成のバイブル)

人生を変える力がある(7つのステップ)

 
「7つの習慣」と聞くと、「7つも身につけるなんて大変だ」と感じるかもしれません。しかし実際には、7つの習慣をひとつずつ順番に身につけていく、レッスン形式の本です。
 
第1の習慣から、順番に積み上げていくことで、全体の効果が高まるように構成されています。
 
第1・第2・第3の習慣は自分のこと(私的成功)を扱っていて、第4・第5・第6の習慣で他者との連携(公的成功)を扱っています。
 
最後の第7の習慣は、さらに知力や体力を高めて、人間として成長していくフェーズです。
 
Powerful Lessons in Personal Change(パーソナルチェンジのためのパワフルなレッスン)という副題のとおり、第1、第2、第3……と階段を上がるように導いてくれる本です。
 
ひとつずつ、このレッスンに取り組むと、本当に人生が変わっていきます。

時代やシーンを選ばない(普遍的)

ビジネス本や自己啓発本には、その時代ごとのトレンドやブームがあり、少し時間が経つと古くなるのが常です。
 
7つの習慣の著者であるコヴィー博士は、近年もてはやされる「表面的なテクニック」に対して否定派です。
 
「その場しのぎのテクニックで応急処置をしても、根本にある原因を解決しないと問題は解決しない」という考え方が根底にあります。
 
コヴィー博士は、1776年の米国建国以来200年さかのぼって「成功に関する文献」を調査し、「人格主義 *1」と彼が呼ぶ、普遍的な原理原則を7つの習慣としてまとめたのです。
 
『7つの習慣』に書かれていることは普遍的で、時代が変わっても、役立たなくなることはありません。
 
*1:人格主義については「2-1. 人格主義」にて解説します。

ビジネス成果に直結しやすい(効率的な目標達成のバイブル)

本質論を説いた書籍は、読み終えて「いい本だった」と思っても、現実的な成果に結びつかないことがあります。
 
ところがその点、『7つの習慣』はビジネスとの相性がとてもよく、成果に直結するため多くのビジネスリーダーのバイブルとなりました。
 
コヴィー博士は短絡的な成功法則には異を唱えていますが、『7つの習慣』はときに短絡的な成功法則以上に、スピーディに成功をもたらしてくれます。それほど、パワフルな本質論になっているのです。
 
ただ注意点があります。『7つの習慣』をただ読むだけでは何も起きません。
 
実践して習慣化したビジネスリーダーたちが、大きな成果を手にしてきた、ということです。


2. 7つの習慣の前に押さえたい前提 — 3つの原則

 
第1〜第7の習慣を知る前に、前提として押さえたい3つの原則から見ておきましょう。

  • 人格主義
  • パラダイムシフト
  • インサイドアウト

2-1. 人格主義

「人格主義」は、7つの習慣の根底に流れる重要な信念です。
 
コヴィー博士は、
〈成功は、個性、社会的イメージ、態度・行動、スキル、テクニックなどによって、人間関係を円滑にすることから生まれる〉
とする考え方を「個性主義」と呼び、表面的なテクニックであり枝葉である、としました。
 
コヴィー博士が重視する根や幹は、個性ではなく「人格」です。
 
表面的な個性( =テクニック、スキルなど)を変えるのではなく、真となる人格を変える原則が7つの習慣です。
 
〈実りのある人生には、それを支える基本的な原則があり、それらの原則を体得し、自分自身の人格に取り入れ内面化させて初めて、真の成功、永続的な幸福を得られる〉
とする考え方が「人格主義」です。
 
この前提をしっかり認識していないと、7つの習慣は身につかないので、ぜひよく咀嚼してください。7つの習慣では、個性主義のスキルやテクニックは教えてくれません。
 
7つの習慣は、「自分の人格を磨いて、よい方向に変えていく」「自分を変える」という覚悟を持って読まないと、役立たないのです。
 
7つの習慣とは、人格主義に基づいた、人格を変えるレッスンです。

2-2. パラダイムシフト

7つの習慣を身につけるために、もうひとつ知っておきたいのが「パラダイムシフト」という概念です。
 
パラダイムとは「物事の見方」という意味になります。
 
人は、物事を自分の見たいように見ています。どんなに「自分は客観的な人間だ」と思っていたとしても、人間はかならず自分のパラダイムで物事を見ているのです。
 
この真理に気づかない人は、自分の正しさを疑わないため、視野が狭くなります。
 
〈パラダイムと人格は切り離すことができない〉
とコヴィー博士はいいます。
 
「どう見るか?」と「どうあるか?」は強い相関関係で結ばれているため、「見方=あり方」です。
 
パラダイムシフトとは、「パラダイムをシフトすること」、すなわち物事の見方を変えるということです。
 
人格を変えるためには、パラダイムシフトできるかどうか?が重要なカギとなります。
 
具体的には、7つの習慣の原則に沿ったパラダイムに、変えていくのです。

2-3. インサイド・アウト

パラダイムシフトとセットで覚えておきたいのが「インサイド・アウト」です。
 
インサイド・アウトとは、簡単にいえば「自分から変わることで、周りが変わる」という概念です。

  • インサイド:自分の内側
  • アウト:周りの環境や相手

インサイド・アウトの逆は「アウトサイド・イン」で、アウトサイド・インは、他人・組織・環境など自分の外側が変わらないと結果が出ないという考え方です。

アウトサイド・イン例:上司に不満がある。自分の結果が出ないのは、上司のせいだと思う。上司に変わってほしいと願う。
インサイド・アウト例:上司がうまく立ち回れないのは、部下である自分のあり方に課題があるからだと思う。自分を変えることで上司に影響を与えていく。

インサイド・アウトは、自分がパラダイムシフトを起こすことによって、環境や相手にも影響を与えていくという考え方です。
 
7つの習慣は、インサイド・アウトの姿勢を持って実践することで、自分のものになっていきます。


3. 【第1の習慣】主体的である


ここからは7つの習慣をひとつずつ見ていきましょう。
 
まず第1の習慣は「主体的である」です。

3-1. 刺激と反応の間には選択の自由がある

第1の習慣を理解するうえでまず知っておきたいのが、
〈私たちは自分の身に起こったことで傷つくのではない。その出来事に対する自分の反応によって傷つくのである〉
ということです。
 
 
じつは、この刺激と反応の間には「選択の自由」があります。
 

主体的になるための第一歩は、刺激に対して反応的にならないことです。選択の自由があることを知り、主体的に自分の意志で、自分の感情や行動を選択します。

3-2. 反応的な言葉と主体的な言葉

 最初は、どうしても刺激に反応してしまうことが多いでしょう。しかし人間には「自覚する」という優れた能力があります。
 
刺激に反応するたびに自覚し、だんだんと自分の意志で選択できるよう、練習していきましょう。
 
反応的な言葉と主体的な言葉の一覧表をご紹介します 

反応的な言葉主体的な言葉
  • 私にできることは何もない
  • 私はいつもこうやっている
  • あの人は頭にくる
  • そんなことが認められるわけがない
  • 私はそれをやらなければならないのか
  • 私はできない
  • 私は……しなければならない
  • ……でさえあったら
  • 私は別の案を考える
  • 私は他のやり方を探す
  • 私は気持ちを抑える
  • 私は効果的なプレゼンテーションができる
  • 私は適切な対応を選ぼう
  • 私は選択する
  • 私は……のほうがよい
  • 私は……しよう

自分が反応的な言葉を使っているときには、そのことを明確に自覚し、主体的な言葉に置き換えてください。

3-3. 意識を「影響の輪」に集中する

主体的になるためのもうひとつのレッスンが、
「自分の影響力が及ばないことばかりに、意識を集中していないか?」
に目を向けることです。
 
自分が関心のあること(関心の輪)のうち、自分ではどうしようもないこと(自分の影響が及ぶ範囲の外)ばかり気になって仕方ない人は、反応的な生き方をしています。
 

たとえば、他人の欠点や周囲の環境ばかり気になる人は、反応的な生き方になっています。自分の影響力が及ばないことにエネルギーを費やすのは無駄です。
 
それよりも、自分の影響力が及ぶ範囲(影響の輪)に意識を集中します。
 
自分自身のパラダイムシフトに集中し、主体的に行動すると、結果として周囲にも影響が及ぶ(影響の輪が広がる)という仕組みがあるのです。


4. 【第2の習慣】終わりを思い描くことから始める

 
第2の習慣は「終わりを思い描くことから始める」です。

4-1. 自分の葬儀の場面を真剣に思い描く

第2の習慣の重要なレッスンは、「自分の葬儀の場面を、真剣に思い描く」ことです。
 
自分の葬儀の参列者たちに、あなた自身をどう語ってほしいか、考えます。

これらの人たちに、あなた自身あるいはあなたの人生をどのように語ってほしいだろうか。
彼らの言葉で、あなたがどういう夫、妻、父、母だったと述べてほしいだろうか。
彼らにとって、あなたはどのような息子、娘、あるいはいとこだったのか、どのような友人だったのか、どのような同僚だったのか。
あなたは、彼らに自分がどのような人物だったのかを見てほしかったのか。
どういう貢献や功績を憶えておいてほしいのか。
その場に集まっている人たちの顔をよく見てもらいたい。
彼らの人生に、 あなたはどのような影響を及ぼしたかったのだろうか。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

これが「終わりを思い描く」ということです。
 
自分の葬儀の場面を真剣に思い描くと、“自分の内面の奥深くにある本質的な価値観”に触れることができます。
 
すなわち、「自分にとって、本当に大切なものは何か?」が分かるのです。

4-2. 人生のミッション・ステートメントを作る

「自分にとって本当に大切なものは何か?」という問いと向き合いながら取り組みたいのが、人生のミッション・ステートメントを作ることです。
 
「終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには、個人のミッション・ステートメントを書くのがもっとも効果的だ」
とコヴィー博士はいいます。
 
ミッション・ステートメントとは、信条あるいは理念を表明したもので、以下を書きます。

  • どのような人間になりたいのか(人格)
  • 何をしたいのか(貢献、功績)
  • それらの土台となる価値観と原則

以下はコヴィー博士の友人のミッション・ステートメントの例です。

まず家庭で成功しよう。
神の助けを求め、それにふさわしい生き方をしよう。
どんなことがあっても正直でいよう。
お世話になった人たちの恩を忘れずにいよう。
判断を下す前に双方の言い分を聴こう。
他人の忠告に素直に耳を傾けよう。
その場にいない人を擁護しよう。
誠意を持ち、なおかつ強い決断力を持とう。
毎年何か一つ新しいことを身につけよう。
明日の仕事は今日計画しよう。
待ち時間を有意義に使おう。
常に前向きな姿勢でいよう。
ユーモアを忘れないようにしよう。
職場でも家でも規律正しくしよう。
失敗を恐れず、失敗から学び成長の機会を逃すことだけを恐れよう。
部下の成功を助けよう。
自分が話す二倍の時間、人の話を聴こう。
異動や昇進を気にせず、今ここにある仕事にすべての力を注ごう。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

ミッション・ステートメントはその人個人の「憲法」のようなものです。
 
憲法があれば、憲法に照らして、自分の時間、才能、エネルギーを効果的に活用できているか、判断できるようになります。

4-3. 人生の中心に原則を据える

ミッション・ステートメントを書くときには、まず自分の中心に何があるのか?を見つめる必要があります。
 
人は誰でも中心を持っていますが、普段はその中心を意識していません。
 
一般的には「家族」「お金」「仕事」などを中心に置く人が多いのですが、コヴィー博士が奨めるのは「人生の中心に正しい原則を据えること」です。


 「家族のため」「仕事のため」といった考え方は、一見問題がなさそうに見えても、振り回されたり依存的になったりするリスクがあります。ころころと変わる人や物に中心を置いた人生は、ぐらつきやすいからです。
 
しかし「原則(人類共通の根本的な真理)」はどんなものにも影響されないので、原則中心の人生は安定します。


5. 【第3の習慣】最優先事項を優先する

 
第3の習慣は「最優先事項を優先する」です。
 
この習慣は、第1の習慣と第2の習慣で身につけたことを実践し、個人的な成果につなげる習慣となります。

5-1. 管理すべきは時間ではなく自分

「最優先事項を優先する」と聞くと、スケジュール管理など、時間管理の話かと思うかもしれません。
 
第3の習慣は言い換えると「パーソナル・マネジメントの原則」であり、大事なことへ優先的にエネルギーを注げるように、「自分自身」をマネジメントするところにポイントがあります。
 
これまでの時間管理は誤っていると考える新しい波を、コヴィー博士は「第四世代」と呼んでいます。

この新しい波は、「時間管理」という言葉そのものが間違っているという考え方だ。問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理することだからだ。人が満足できるのは、自分が期待したことを、期待どおりに達成できたときである。そして、何を期待するかも満足感を左右する。その期待(満足)は、影響の輪の中にあるのだ。
 
第四世代は、モノや時間には重点を置かない。この新しい波が目指すのは、人間関係を維持し、強くしながら、結果を出すことである。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

5-2. 重要度 × 緊急度の4領域で活動を整理する

第四世代では、重要度 × 緊急度の4領域で活動を整理します。
 
 
第3の習慣の「最優先事項を優先する」の最優先事項とは「第Ⅱ領域」です。人生を充実させるためには、第Ⅱ領域に集中する必要があります。
 
第Ⅱ領域を増やすためには、第Ⅲ・第Ⅳ領域を減らします。これが「大事なことをから先にやるように、自分自身を効果的にマネジメントする」の実践です。
 
たとえば「緊急性が高い第Ⅲ領域を減らすのは無理だ」と思ったときには、自分のミッション・ステートメント(憲法)や中心に据えた原則を思い出します。
 
すると「NO」がいえるようになるのです。

5-3. 予定をこなすことは大切ではない

具体的な実践としては、来週の計画を立てます。
 
まず、来週の自分の役割(個人、親、マネジャー、奉仕活動メンバーなど)と目標を書き、目標の具体的な行動計画を定めます。
 
1週間が終わったところで、
「自分の価値観と目的を日常生活に反映できていたか?」
「価値観と目的に対して自分が誠実であったか?」

を評価します。
 
評価ポイントは、立てた予定どおりにタスクを消化できたかどうか?ではありません。
 
優先事項を優先した結果、時間管理がうまくいかずに、消化できない予定が多く出ることもあるかもしれませんが、「パーソナル・マネジメント」に成功していたら、それでよいのです。
 
逆に、時間管理にこだわりすぎて、自分にとって優先すべきことを優先できなかったなら、そのことを自覚して、次の週の実践へ活かしていきます。


6. 【第4の習慣】Win-Winを考える

 
第4の習慣は「Win-Winを考える」です。
 
第1〜第3の習慣は「自分のこと」でしたが、第4の習慣からは他者との人間関係や信頼の概念へ広がっていきます。

6-1. 豊かさマインドで自分も相手も勝つ

第4の習慣は、人間関係におけるリーダーシップの原則ですが、社会的な立場(社長、マネジャーなど)にかかわらず、あらゆる人間関係において重要な概念です。
 
どんな人間関係であっても、Win-Win、つまり「自分も勝ち、相手も勝つ」という方法や関係性を常に考え、選択することを習慣にします。
 
Win-Winと聞くと、キレイごとだと一蹴する人がいます。そういう人は「豊かさマインド」の人格が足りていません。
 
豊かさマインドとは「この世には、すべての人に行きわたるだけのものが、たっぷりある」という考え方です。
 
「幸せの量は限られていて、相手が勝つとその分、自分の取り分が減って損をする」
と思ってしまうのは、人格が欠乏マインドだからです。
 
欠乏マインドから豊かさマインドの持ち主へ変わることを心に決めて、Win-Winを実践しましょう。

6-2. 人間関係の6つのパラダイム

人間関係には、Win-Win以外に以下のパラダイムがあります。

人間関係の6つのパラダイム

  • Win-Lose…自分が勝ち、相手が負ける
  • Lose-Win…自分が負けて、相手が勝つ
  • Win-Win…自分も相手も勝つ
  • Lose-Lose…自分も相手も負ける
  • Win…自分の勝ちだけを考える
  • Win-Win or No Deal…Win-Winに至らなければ取引しない

Win-Lose(自分が勝ち、相手が負ける)はイメージしやすいでしょう。たとえば「自社の儲けのために、下請け企業に悪条件を押しつける」といったことがあります。
 
一方、じつは多いのがLose-Win(自分が負けて、相手が勝つ)です。
 
「私さえ我慢すればいい」という自己犠牲の精神や、「相手に好かれたい」という思いで、自分が不利益を被り続ける人間関係も、よくありません。
 
このタイプの人は、さまざまな感情を押し隠しているため、やがて自尊心を失い、しまいには人間関係にも悪影響が及んでしまうからです。

6-3. Win-Winが難しければ「No Deal」の選択肢がベスト

「人間関係を長く続けようと思ったら、Win-Win以外のパラダイムは次善の策にするにしても問題がある」
とコヴィー博士はいいます。
 
かならずネガティブな影響を残すため、どれくらいの代償を払うことになるのか、よく考えなければなりません。
 
では「Win-Winが難しいときはどうすればよいのか?」といえば、「No Deal(今回は取引しない)」という選択が得策です。
 
Win-Win or No Deal(Win-Winに至らなければ取引しない)のアプローチは、新しく事業を興したり、新しい取引先と契約を結んだりするときに効果的です。
 
あるいは、家族同士の関係においても、精神的な自由をもたらしてくれます。書籍では、こんな事例が紹介されています。

家族でビデオを観ようというとき、全員が楽しめるビデオがどうしても決まらなければ、誰かが我慢してまでビデオを観るよりは、その夜はビデオ鑑賞はせずに(NoDeal)、全員で他のことをすればいいのである。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』


7. 【第5の習慣】まず理解に徹し、そして理解される


第5の習慣は「まず理解に徹し、そして理解される」です。

7-1. 心から理解しようとして聞く

 第5の習慣は、共感によるコミュニケーションの原則ですが、コヴィー博士は、
「まず理解に徹するためには、大きなパラダイムシフトが必要である」
と述べています。
 
というのは、ほとんどの人は、相手の話を聞くとき、理解しようとして聞いていないからです。
「次に、自分が何を話そうか?」
と考えながら聞いています。
 
自分が話しているか、話す準備をしているか、どちらかなのです。
 
この状態から「共感による傾聴」へと、まったく異なるパラダイムへ転換しなければなりません。
 
共感よる傾聴とは「本当に相手を理解しよう」という気持ちで、相手の身になって聞くことです。
 
「積極的傾聴」「振り返りの傾聴」といった傾聴のテクニックを駆使するのではなく、
「心から理解しようとして聞く」
というパラダイムシフトが求められます。

7-2. 自叙伝的反応をしない

具体的に注意したいのが、「自叙伝的反応」です。
 
私たちは、自分の過去の経験(=自叙伝)を、相手に話に重ね合わせてしまい、自分の視点で評価したりアドバイスしたりします。これは、よくない聞き方です。
 
自叙伝的反応には、以下の4パターンがあります。

  • 評価する:自分の視点からジャッジする
    例「それは間違っているよ」
  • 探る:自分の視点から質問する
    例「何か嫌なことでもあったの?」
  • 助言する:自分の経験から助言する
    例「私は我慢したよ。我慢したほうがいいよ」
  • 解釈する:自分の動機や行動をもとにして相手の動機や行動を説明する
    例「きっと隠したいことがあるんでしょう」

ネットスラングに「隙あらば自分語り乙」という言葉があります。私たちは隙あらば自分の経験を基準に、自分本位の話をしてしまうのです。
 
こういった聞き方は、非常に相手を失望させてしまいます。自分がされてみると、どれだけ嫌な気持ちになるか、わかるはずです。

7-3. 理解する→理解してもらう の順序が大切

第5の習慣の前半は「理解に徹し」ですが、後半は「理解される」です。
 
自分が相手を理解してから、その次の段階として、自分を理解してもらう順序が大切です。
 
第5の習慣では「思いやり」と「勇気」の両方が、高いレベルで必要となります。
 
相手を理解するには思いやりが必要で、自分を理解してもらうには勇気が必要なのです。
 
そしてまた「相手を理解してから、自分の考えを話す」という習慣を身につけると、自分の考えをより正確に、誠実な態度で表現できるようになります。
 
相手のパラダイムや関心事を最初に深く理解することで、その理解に沿って、自分の考えを伝えられるようになるからです。


8. 【第6の習慣】シナジーを創り出す

 
第6の習慣は「シナジーを創り出す」です。
 
コヴィー博士が、
「ここまでに学んできた習慣はすべて、シナジーを創り出す習慣の準備だったと言える」
と述べているとおり、集大成ともいえる重要な原則です。

8-1. 違いを尊重して新しい答えを生み出す

シナジーとは、他者と創造的に協力することで、全体の合計が個々の部分の総和よりも大きくなる状態を生み出すことと表現できます。
 
シナジーの奇跡によって、それまで考えてもみなかった新しい道が拓けます。新しい可能性、新しい場所、新しい価値を生み出すシナジーは、人間の最も崇高な活動です。
 
シナジーの本質は、
「お互いの違いを認め、尊重し、自分の弱みを伸ばし、弱いところを補うこと」
にあります。
 
これができるかどうか?は、第1〜第5の習慣を実践しているかどうかの真価が問われるところです。

8-2. シナジーと妥協は違う

シナジーと明確に区別しておきたいものに「妥協」があります。お互いを尊重して妥協点を探ることは、それなりに成熟した人間同士のやり取りではあります。
 
しかし妥協では、全体の合計は個々の部分の総和よりも小、さくなってしまいます。妥協とは、1+1が1.5にしかならないことです。
 
個々人のクリエイティブなエネルギーが解き放たれず、低いレベルのWin-Winに落ち着くのがやっとです。
 
シナジーとは、1+1が8にも16にも、あるいは1600にもなることです。妥協ではない新しい第3の案を創造することこそ、私たち人間の理想的なあり方といえます。

8-3. 本当の意味で効果的な人生を生きられる人

パラダイムシフトからインサイド・アウト、第1〜第5までの習慣を通じて学んできたことは、シナジーを創造するために不可欠な「違いを尊重する」という人格です。
 
コヴィー博士の言葉を引用しましょう。

本当の意味で効果的な人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心と知性の交流によって得られる豊かな資源を大切にする。
そういう人が個々人の違いを尊重できるのは、自分とは違うものを持つ他者と接することで、自分の知識が深まり、現実をもっと正確に理解できるようになるとわかっているからなのである。
自分の経験したことしか手元になければ、データ不足であることは明らかである。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復


9. 【第7の習慣】刃を研ぐ

 
最後となる第7の習慣は「刃を研ぐ」です。

9-1. 4つの側面を研ぐ

第7の習慣は、第1〜第6までの習慣を持続的に実現可能にするために、自分自身の価値をリニューアルし続けていく習慣です。
 
具体的には、自分自身を構成している4つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃を研いで、自分の価値を高め続けていきます。
 

肉体自分の肉体に気を配り、大切にする。体によいものを食べ、十分な休養をとってリラックスし、定期的に運動する。運動は「持久力」「柔軟性」「筋肉」をつける。
精神自分自身の核であり、中心であり、価値観を守り抜こうとする意志。第2の習慣と深く関係している。研ぎ方は人によってまったく異なる(例:聖書を読む、文学や音楽に没入する、自然との対話、瞑想など)
知性継続的に学び知性を磨き広げていく努力をする。優れた文学や良質な雑誌、現代の多様な分野の書籍を読む。文章を書く訓練をする。スケジュールを立てたり、何かを企画したりする。
社会・情緒他者との関係を築く第4〜第6の習慣を実行する。人に共感し、本当の自分を見せ、創造的に協力して新しいものを見つける。人に奉仕し、人の役に立つ。

9-2. 4つの側面すべてにわたってバランスよく研ぐ

4つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃は、すべてにわたってバランスよく研がなければなりません。
 
4つのうち1つでもおろそかにしたら、他の3つの側面にかならず悪影響が及ぶからです。
 
これは個人に限らず組織の場合でも同じです。組織の場合、4つの側面は以下のとおりとなります。

個人組織
肉体経済性
精神組織の目的・貢献・存在意義
知性人材開発
社会・情緒人間関係・処遇

たとえば、経済的な側面しか磨かない組織(金儲けだけを考えている組織)や、社会・情緒的な面ばかりをせっせと研いでいる組織は、効率的に力を発揮できません。
 
4つの側面すべてをバランスよく伸ばしていく努力が必要です。

9-3. 「良心」で成長のらせんを登り続ける

私たちは、成長と変化を繰り返しながら、らせん階段を登るようにして、自分自身を継続的に高め続けて行かなければなりません。
 
その原動力となるのは、人間だけに授けられた能力のひとつ、「良心」です。
 
自分の良心に誠実であることによって、刃を研ぎ続ける忍耐力や自制心、意志力が生まれます。私たち人間が努力を怠ったら、どうなるのでしょうか。
 
コヴィー博士は、こう述べています。

私たち人間は、いったん自覚を持ったなら、自分の人生を方向づける目的と原則を選択しなければならない。
その努力を怠ったら、刺激と反応の間にあるスペースは閉ざされ、自覚を失い、生存することと子孫を残すことだけを目的に生きる下等動物と同じになってしまう。
このレベルで存在している人は、生きているとは言えない。
ただ「生かされている」だけである。
人間だけに授けられた能力は自分の中でただ眠っていて、それらを意識することもなく、動物のように刺激に反応して生きているにすぎないのである。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 

人間だけに授けられた能力を引き出し発揮するのに、近道はありません。
 
必要なのは、良心を鍛え、良心に従って、学び、決意し、実行することです。一歩ずつ、上向きのらせんを登っていきましょう。


10. まとめ

本記事では「7つの習慣」をテーマに解説しました。

  • 【第1の習慣】主体的である
  • 【第2の習慣】終わりを思い描くことから始める
  • 【第3の習慣】最優先事項を優先する
  • 【第4の習慣】Win-Winを考える
  • 【第5の習慣】まず理解に徹し、そして理解される
  • 【第6の習慣】シナジーを創り出す
  • 【第7の習慣】刃を研ぐ

ここまでお読みいただいたら、次のステップとして強くおすすめしたいのは原著である『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』を読むことです。
 
本記事ではエッセンスのみ抽出してご紹介しましたが、書籍では多くの例示とともにわかりやすく解説されています。
 
書籍の冒頭には、さまざまな著名人からの推薦コメントが記載されていますが、経営コンサルタントの池本克之氏が、以下のコメントを寄せています。

あなたにお勧めしたい本書の読み方がある。それは繰り返し、100回は読むことだ。
「7つの習慣」は深く、正しく理解する以上に実践することに大きな価値がある。
幾多の人生の成功者が、その歩みの手引としている習慣が実践として手に入れば、あなたの人生はあなた自身の手によってより良く導かれることを保証する。
本書の1ページ目を開き、習慣を知識から実践に発展させる創造的な活動の1回目を始めよう。
出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

ぜひ実際の書籍を手元において、何度も繰り返し読み、自分のものにしていってください。
 
 

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