「生理中もダイエットをしてもいいの?」
「生理中は痩せにくいって本当?」
生理中はダイエット効果を得にくい期間です。生理中はダイエットをお休みし、「体重キープ期間」として食事制限や運動内容を見直しましょう。
ただし、生理中の過ごし方を間違えると、リバウンドしてしまう原因となるので注意が必要です。厳しい食事制限や運動は体調不良にも繋がります。
生理周期ごとに痩せやすさが異なるため、時期に合わせてどのように過ごすかが女性のダイエットを成功させるカギと言えるでしょう。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- 生理中にダイエットを休む理由
- 生理前後の体の変化
- 生理中の食事と運動
この記事を読むことで、ダイエットの最中に生理になった場合はどのように過ごせばいいのかがわかります。また、生理前のイライラや過食がひどい場合の対処法も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 生理中はダイエットをお休みした方がいい理由
生理前から生理中は本格的なダイエットをお休みし、体重キープ期間と捉えて過ごすのがおすすめです。なぜなら、生理中はむくみによって体重が増えるのでダイエット効果を得にくく、厳しい食事制限を継続すると体調を崩す可能性があるからです。
はじめに、生理中はダイエットを休んだ方がいい理由について、より詳しく解説していきます。
1-1. 生理中は食事制限のやりすぎが体に良くない
生理中であっても食べ過ぎは良くありませんが、しっかりと食事制限に取り組んでいる場合は食事制限を軽めのものに変更した方がいいでしょう。なぜなら、生理中は出血により貧血や低血糖状態になりやすくなっているので、食事制限をやりすぎると体調を崩してしまうかもしれないからです。
特に、糖質制限をしている場合は注意が必要です。生理中は血糖値が低めになるため、ある程度の糖質を摂らなければふらつきや吐き気などの低血糖症状を引き起こす可能性があります。
また、生理中は鉄分が普段よりも必要ですが、日本人は鉄分が不足しがちです。生理中に食事制限をおこなうと、余計に鉄分の摂取量が減ってしまい貧血やめまいを起こす可能性があるので、生理中の食事制限はやりすぎてはいけないのです。
そのため、生理中は「痩せよう」と思わず、「体重をキープ」することを意識した食事に変えましょう。
具体的な食事の方法については、ダイエットで実践すべき生理中の食事方法4つで解説しています。
1-2. 生理中は運動もあまりできずダイエット効果を得にくい
ダイエット中は食事制限の他に運動をおこなうことで、効率的に体脂肪を落としながら痩せやすい体づくりをすることができます。
しかし、生理中は貧血や低血糖を起こしやすいため、激しい運動は避けなければなりません。糖分は運動のエネルギーとして消費されますし、筋肉を使うことで血流が筋肉を優先してしまうからです。
そのため、体調を優先させるのであればしっかりとカロリーを消費する運動や、筋力をアップするような運動はできません。
とはいえ、生理中は運動をせずにじっとしていた方がいいというわけではありません。生理中でも体調に問題がなければ軽めの運動をしても大丈夫です。生理中に運動をストップすると運動習慣が途切れてしまうこともあるので、できる範囲でおこないましょう。
生理中の運動に関しては、生理中でもできるダイエットのための3つの運動で解説しています。
2. ダイエットをするなら知っておくべき生理前後の体の変化
生理中はダイエット効果を得にくいことを解説しましたが、女性がダイエットをおこなうのであれば生理周期による体の変化を理解しておくことで、より効率的にダイエットを進めることが可能です。
周期によって体に変化をもたらすホルモンには以下の2つがあります。
エストロゲン |
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プロゲステロン |
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生理前・生理中・生理後それぞれの期間は、2つのホルモンによって体がどのような状態になるのかを理解しておきましょう。
2-1. 生理前の体の状態
排卵後から生理までの期間を黄体期と言いますが、黄体期はプロゲステロンが増加しエストロゲンが減少します。
食欲を抑えるエストロゲンが減少するため、生理前は食欲が増してしまいます。生理前に太りやすい要因のひとつとして、食欲の増加による食べ過ぎが挙げられるため、黄体期は食事内容や量に気をつける必要があるでしょう。
また、水分をあまり排出しないようになり、腸の動きも鈍ります。そのため、むくみやすい状態になり、便秘になってしまう人もいるでしょう。
黄体期はすでにダイエットの効果が出にくい時期です。プロゲステロンの分泌量が増加してイライラしやすい時期ですので、ダイエットを頑張りすぎて効果が出ないことに意気消沈しないようにしましょう。
2-2. 生理中の体の状態
生理が開始すると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量はどちらも減ります。貧血や月経痛によって体調を崩しやすい時期なので、ダイエットよりも体調を最優先に考えてください。
生理が終わりに近づくと徐々にエストロゲンが増加し始めます。出血量が少なく体調が良いようであれば、徐々にダイエットを再開させましょう。
2-3. 生理後の体の状態
生理終了から1週間程度が女性にとってもっとも痩せやすい時期です。エストロゲンが増えてプロゲステロンが減り、溜め込まれた水分が排出されて腸の働きも活発になります。
エストロゲンの働きによって脂肪燃焼しやすい状態になっているので、普段よりもしっかりと運動をするのがおすすめです。
3. ダイエットで実践すべき生理中の食事方法4つ
生理中は食事を制限しすぎない方がいいことをお伝えしましたが、実際にどのような食事に切り替えればいいのかについて解説していきます。
生理中の食事方法のおすすめは以下の4つです。
- 体重がキープできるカロリーを目安にする
- 脂質はカットし糖質は適度に摂取する
- 主食や間食はGI値が低いものを選ぶ
- 鉄分をしっかり摂取できるメニューを選ぶ
では、これらの食事方法について解説していきます。
3-1. 体重がキープできる程度のカロリーを目安にする
生理中を体重キープ期間とするのであれば、カロリー制限もそれに合わせて変更する必要があります。通常のダイエット時は体重を落とすために「摂取カロリー<消費カロリー」となるように食事を摂りますが、生理中は「摂取カロリー=消費カロリー」に変更するということです。
1日の摂取カロリーの目安の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
上記の記事を参考に自分の1日の消費カロリーはどの程度かを計算し、その消費カロリーと同じだけのカロリーを1日の摂取カロリー目安としましょう。
3-2. 脂質はカットし糖質は適度に摂取する
カロリーを生理前よりも摂っていいからといって、脂質量を増やすのはやめましょう。脂質は1gあたり9kcalで、タンパク質や糖質と比べて2倍以上のカロリーがあります。少し揚げ物を食べたりするだけでもカロリーオーバーになってしまう可能性があり、脂質は直接的に脂肪になりやすいという性質もありますので、脂質はカットした方がいいでしょう。
脂質はカットするのが望ましいですが、糖質の制限はやめましょう。前述したとおり、生理中は血糖値が低くなり低血糖を起こしやすい状態です。糖質を制限しすぎることでめまいやふらつきといった体調不良を起こす可能性があります。
カロリー計算の結果に合わせて、適度に糖質も摂取するようにしましょう。
3-3. 主食や間食はGI値が低いものを選ぶ
糖質を摂取する場合も、急激に血糖値を上げないようにGI値が低い食べ物を選びましょう。GI値とは血糖値の上昇度を表す値であり、GI値が低いほど血糖値の上昇が穏やかになります。
なぜ血糖値の上がり方を気にする必要があるのかというと、急激な血糖値の上昇は脂肪を増やしてしまうからです。
血糖値が急上昇すると、急いで血糖値を下げようとしてインスリンが大量に分泌されます。インスリンによって血糖値が下げられますが、インスリンは糖を脂肪に変えて溜め込む役割も持つため、血糖値の急上昇は脂肪の増加に繋がるのです。
また、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が急に下がると、空腹感を感じてしまいます。食べたばかりなのにすぐにお腹がすく場合、血糖値が急激に下がっていることが原因です。GI値が低い食事を摂ることで、すぐに空腹を感じて食べ過ぎてしまうことも避けられるでしょう。
GI値は1つ1つの食材にあるため、すべてのGI値を確認していると非常に大変です。主食と間食はGI値が低いものを選ぶようにすると、手軽に取り入れることができるのでおすすめですよ。
GI値が低い主食と間食には以下のようなものがあります。
主食 |
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間食 |
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主食であれば、白米を玄米に変更したり、スパゲッティやパンを全粒粉のものに変更したりしましょう。間食はナッツ類がおすすめです。ヨーグルトは加糖のものはGI値が高い場合もあるので、無糖のものを選びましょう。また、チーズ類は低GIですが脂質が多めなので、食べ過ぎには注意しましょう。
3-4. 鉄分をしっかり摂取できるメニューを選ぶ
ダイエット中は特に鉄分が不足している可能性が高いので、体調不良を起こさないためにも生理中の食事は鉄分を意識して摂取するようにしましょう。
以下のような食材がおすすめです。
- あさり・しじみ
- 豚レバー・鶏レバー・牛レバー
- 牛肉赤身
- かつお
- がんもどき・生揚げ
- 豆乳
- 小松菜
鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が良くなります。そのため、ブロッコリーやレモンなどのビタミンCを多く含む食材も意識して食べるようにしてください。
4. 生理中でもできるダイエットのための3つの運動
ダイエットのために運動をしている場合は、生理中の運動メニューに切り替えましょう。生理中も無理のない運動に切り替えて継続することで、運動習慣が途切れてしまわないようにすることが大切です。
また、適度な運動には生理痛緩和の効果も期待できます。
おすすめの運動は以下の3つです。
- ウォーキング
- ストレッチ
- ヨガ
これらの運動が生理中におすすめである理由を解説します。
4-1. ウォーキングで気分転換と適度なカロリー消費
太陽が出ている時間のウォーキングは、生理中におすすめの運動です。
太陽の光を浴びることで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されます。セロトニンはストレス軽減に効果的な脳内神経物質で、セロトニンが充分に分泌されていると精神が安定します。
生理中にイライラしやすい、生理痛でなんとなく体調が良くなく気分が下がるといった場合に、ウォーキングのために外に出て太陽の光を浴びてみましょう。
また、ウォーキングの消費カロリーは、早歩きでおこなえば30分で100kcalほど消費できます。生理中でも無理なくおこなえる運動であり、体を動かして血行を良くすることで生理痛の緩和効果も期待できます。
4-2. ストレッチで体温を上げる
ストレッチは多少の生理痛があってもできる運動です。ストレッチは体温を上げる効果があり、体が温まることで生理痛の緩和効果も期待できます。
ストレッチで体温を上げることは、普段のダイエットにも効果があります。ストレッチを日課にしておき、生理の際にもストレッチは継続しておこなうようにするといいでしょう。
以下の記事では、おすすめのストレッチやさまざまなストレッチの効果について解説していますので、参考にしてみてください。
4-3. ヨガは生理中のイライラにも効果的
ヨガは呼吸法が複数あり、中でも腹式呼吸が重視されています。
腹式呼吸は、おへその下の丹田に空気を溜めるようなイメージで息を吸い、吐き出す時はお腹の空気を吐き出すイメージでお腹をへこませます。この呼吸をゆっくりとし続けることで、ヨガの最中は深い呼吸ができるようになります。
深い呼吸はストレスを緩和させ、リラックスできる効果があります。腹式呼吸でしっかりと息を吸い、ゆっくり吐き出すことで副交感神経が優位になるからです。
生理中にイライラして過食気味になる場合は、ヨガを取り入れて心を落ち着けましょう。
以下の動画を参考にして、ヨガをおこなってみましょう。
5. 生理前~生理中に食欲が止まらないならPMSの疑いあり
生理前や生理中にどうしても食欲を抑えられず、食べることを我慢するとイライラが募ってしまう…そのような症状はPMSのせいかもしれません。
PMSとは「月経前症候群」のことで、PMSは過食やイライラするといった生理前の心身の不調全般を指します。
PMSの原因は解明されていませんが、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量の変化が関係しているのではないかと考えられています。
PMSの症状を改善させるのに有効なのが、低容量ピルや漢方薬です。
低容量ピルは経口避妊薬ですが、ホルモンバランスを整える効果があるため、PMSの症状や重い生理痛を緩和できます。
漢方薬にもPMS改善効果が期待できる種類がいくつもあります。
生理前からイライラしたり過食気味になったりしてしまう場合は、婦人科を受診してピルや漢方薬を処方してもらいましょう。
6. まとめ
生理中は低血糖や貧血を起こしやすいため、食事制限をやりすぎるのは体調不良のもとです。また、激しい運動も貧血やめまいを引き起こすため、生理中は軽い運動に切り替える必要があります。体重キープ期ととらえて、生理中に合った食事や運動に切り替えましょう。
生理中におすすめの食事方法は以下のとおりです。
- 体重がキープできるカロリーを目安にする
- 脂質はカットし糖質は適度に摂取する
- 主食や間食はGI値が低いものを選ぶ
- 鉄分をしっかり摂取できるメニューを選ぶ
これらを実践することで充分なカロリーを摂取しつつ、太らず体調不良も起こしにくい食事を摂ることができます。
運動をおこなうのであれば、次のような運動がおすすめです。
- ウォーキング
- ストレッチ
- ヨガ
これらは生理痛緩和やストレス解消効果が期待でき、生理中でも無理なくおこなえる運動ですので、ぜひ取り入れてみてください。
生理前から過食が止まらない、イライラがひどいなどの症状がある場合はPMSの可能性があります。無理をせず病院を受診してみましょう。