
「人生つまらない…」
そんな気持ちが心から離れないあなたは、じつは深刻な問題を抱えているかもしれません。
「このまま生きていても、おもしろくない。生きている意味がない」
と思い詰めてしまう前に、少しでも気分をラクにしてみませんか。
本記事では、「人生がつまらない」の裏に隠れた感情の正体にアプローチし、徐々に前向きに過ごせるようになるためのエッセンスをお届けします。
本記事のポイント
- なぜ人生がつまらないと感じるのかわかる
- 本当の感情に気づくことで苦しさを軽減できる
- 建設的な人生に向けて前進できる
「自分の人生はつまらないと感じる」
「本当は楽しく生きたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、いま抱えている虚無感やむなしさが軽くなります。毎日をどう過ごしていけば良いか、具体的にイメージできるようになるはずです。
目次
1. 人生つまらないと感じるあなたへ
「人生つまらない」という気持ちが強くなっているとき、まず知っておいてほしいことがあります。
1-1. 周囲に理解されずに苦しんでいませんか?
友だちや恋人、家族の前で「人生つまらない」とつぶやいたら、強烈にポジティブなパワーで励まされたことはありませんか。
「楽しいことは自分で見つけなきゃ!」
「恵まれた状況なんだから、感謝すべきだよ」
「人生をおもしろくするのは自分次第でしょ」
あるいは、
「そんなことを言うなんて、良くないよ」
と注意された経験があるかもしれません。
相手に悪気がないことはわかっていても、こういった言葉を受けるのは、つらいものです。
「そんなことは重々わかっているけれど、
人生つまらないという気持ちが心から離れない」
……というのが、本音ではないでしょうか。
理解されないことが続き、今では心を閉ざして、誰にも打ち明けずに孤独に悩んでいる状況かもしれません。
1-2. 無理にポジティブになろうとがんばるのは逆効果
周囲から、
「ネガティブすぎる。もっとポジティブになったほうがいい」
と言われると、自分が悪いような気がしてきます。
ですが、人生がつまらないと感じる原因と向き合わないまま、無理にポジティブになろうとがんばるのは、逆効果です。
心理学において「有害なポジティブ」という考え方があります。ポジティブも間違った使い方をすれば毒になるのです。
たとえば、
「幸せなことだけ考えて!」
「心配はやめて、ハッピーでいること!」
「明るい面を見よう!」
といったフレーズは、善意ではありますがタイミングによっては有害です。
なぜなら、良い面だけを見ようとすることで、その裏側に隠された本当の気持ちに気づくチャンスがなくなるからです。
ストレスやトラウマなどに対する癒しの機会が失われ、内心では「人生つまらない」という気持ちを我慢しながら生きていくことになります。
参考:Toxic Positivity in Psychology: How to Avoid the Positivity Trap
1-3. まずは今より少しでもラクになることを目指す
では、どうアプローチしていくのが良いのか?といえば、まずは「今より少しでもラクになる」ことを目指しましょう。
いきなり“ポジティブ思考で前向きに生きる”ところを目指すと、前述のとおり失敗するリスクが高くなります。
ちょっとだけ、ラクになる。
その積み重ねで、いつしか人生が楽しくなっている。
そんなイメージを持ったうえで、本記事を読み進めてみてください。
2. 「人生つまらない」その裏に隠された本当の気持ちは?
ここでひとつ質問があります。
「人生つまらないと感じている、その奥底にある本当の気持ちは、何ですか?」
2-1. 本当の感情を特定することが最初のステップ
「人生がつまらない」という言葉として表現されている、その気持ち。
本当の感情は、どこにあるのでしょうか。まずは、それを特定することが最初のステップです。
詳しくは次の章で解説しますが、こんな感情が隠れているかもしれません。
- 無力感
- 劣等感
- 疲労感
- 怒り
- 恐怖
「人生つまらない」と人に言うと、非難されるかもしれません。
ですが、じつはあなたは、怠惰な人生を送っているわけでも、やる気がないわけでもなく、無力感や劣等感、恐怖などで深く傷ついているかもしれないのです。
2-2. 感情を特定できれば具体的な対処ができる
「人生つまらない」という言葉で一括りにするのをやめて、その裏にある感情を特定できれば、具体的な対処ができます。
具体的な対処ができると、気分がラクになったり、自然と前向きな気持ちが出てきたりと、今よりも生きやすくなるはずです。
3. 隠れていることの多い5つの感情
「人生つまらない」という気持ちの裏に隠れていることの多い5つの感情を、詳しく見ていきましょう。
隠れている感情は、自覚する(気づく)だけで、第1段階の大きな癒しが起きます。
「自分の本当の気持ちはコレだったんだ」と発見すること自体が大きな前進になりますから、自分自身と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
3-1. 無力感
1つめの感情は「無力感」です。
無力感とは、自分に力がないとわかったときの空しい気持ちや、何をしても無駄であると知ったときの虚脱したような感じをいいます。
たとえば、
こんなことありませんか?
- 入社してからずっと熱意を持って仕事をしてきたが、何をやっても評価されないと悟り、やる気がなくなった。
- 入試に向けて必死でがんばってきたのに報われずに人生を投げ出したくなった。
無力感のなかでも、米国の心理学者マーティン・セリグマンが提唱した「学習性無力感」があります。
「学習性無力感」とは?
努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。出典:デジタル大辞泉
学習性無力感に陥ると、何をしても無意味と感じて努力ができなくなります。
学習性無力感は、人生がつまらないと感じる裏に隠れていることの多い感情です。あなた自身のこれまでの経験を振り返ってみましょう。
3-2. 劣等感
2つめの感情は「劣等感」です。
劣等感は、知的能力や容姿、性格などの側面において他者よりも劣っていると感じる信念をいいます。
たとえば、
こんなことありませんか?
- 子どもの頃から親にきょうだいと比較されて育てられた。
- 学歴や容姿に強いコンプレックスがある。
- 劣等感を克服しようと思ってがんばった結果、失敗した経験がある。
劣等感を持っていると、行き詰まり感を覚えやすくなります。
行き詰まり感とは「これより先に行くことができない、物事がうまく運ばずにどうにもならない」という感覚です。
劣等感によって行く手をさえぎられ、先の未来をイメージできないので、「人生がつまらない」と感じてしまうのです。
3-3. 疲労感
3つめの感情は「疲労感」です。
疲労感は、そのまま疲れを感じることをいいます。
たとえば、
こんなことありませんか?
- 人生がつまらないと感じる前は、睡眠時間を削って全力でがんばっていた。
- 常に体がだるくて動くのが面倒に感じる。
- いつまでも寝ていたいと思う。
疲労とは、身体的・精神的活動を行うのにともない、それらの活動の負荷と時間に応じて、一時的に心身の機能低下が生じた状態です。
疲労が生じると「休息欲求」が生じて、休もうとする力がはたらきます。
そのまま活動を続けると、身体的・精神的ストレスが過大となって生命維持に悪影響を及ぼすリスクがあるからです。
「人生つまらない」と物事に興味関心を持てなくなっているとき、じつは「休息欲求」が生じているケースがあります。
3-4. 怒り
4つめの感情は「怒り」です。
怒りは、他者や環境といった外部から、不当な扱いや攻撃を受けた場合などに生じるネガティブ感情です。
たとえば、
こんなことありませんか?
- 上司の理不尽な言動に耐えている。
- 顧客の横柄な態度に愛想笑いで対応している。
- 親に対して許せない過去の傷がある。
怒りを抱えた状態で前向きになれないことは想像に難くないですが、じつはもうひとつ、重要なポイントがあります。
怒りの感情を抑圧していると、他人への共感力が低くなることが示唆されているのです。
他人の感情を思いやることと、自分の感情を抑制することは競合するため、怒りを抑圧している人は、他人に共感できなくなります。
「怒りを抑圧する → 人と共感し合うことができない → 人生がつまらなくなる」
という図式が成り立つのです。
参考:Suppressed Anger Doesn’t Just Go Away
3-5. 恐怖
5つめの感情は「恐怖」です。
恐怖は、すべての人間に内在する基本的感情ですが、強い恐怖やストレスの経験があると、感情の起伏が乏しくなり喜怒哀楽を感じにくくなることがあります。
たとえば、
こんなことありませんか?
- 幼少期のトラウマをずっと引きずっている。
- 仕事で大きなミスをしてから感情の起伏がなくなった。
- 災害や身近な人との別れを経験した後から人生がつまらないと感じるようになった。
「何を見ても、昔のように感動できない」
「人生を生きている実感がない」
という場合、じつは心が深く傷ついていて、これ以上傷つかないために感情にフタをしている可能性があります。
参考:有斐閣 現代⼼理学辞典
4. 人生がつまらないと感じる気持ちに対処する7つの方法
ここまでお読みいただき、少しずつ自分の感情の正体が見えてきたでしょうか。
今すぐわからないとしても、今日から数日間、心の隅においてじっくり自分と向き合ってみてください。
自分の感情が見えてきたら、次に取り組んでほしいことをお伝えします。
4-1. 本当に必要としていることを突きとめる
自分の感情を踏まえつつ、そういった感情を生み出している要因、
「自分は、何を必要としているのか?」
を明らかにしましょう。
その感情はなぜ起きているのか、自分の本当のニーズに気づくと、感情は人生を豊かにするための気持ちに置き換わります。「自分は何をしたいのか」に集中してください。
米国の心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士によれば、私たちが基本的に必要としていることとして、以下が挙げられます。
これがすべてではありませんが、自分のニーズを探るヒントとして活用してみてください。
私たちが基本的に必要としていること
■自律性
・夢や目標、価値観を自分で選ぶ
・夢や目標、価値観を実現するための計画を自分で選ぶ
■価値観に沿った言動をする
・誠実さ ・創造性 ・意義 ・自尊心
■つながり
・受容 ・承認 ・親密さ ・コミュニティ ・配慮 ・貢献 ・安心感 ・共感 ・正直さ ・愛情 ・励まし ・尊敬 ・信頼 ・理解 ・温かさ
■遊び
・楽しさ ・笑い
■精神的な交流
・美 ・調和 ・秩序 ・インスピレーション ・平和
■祝福すること、嘆き、悼むこと
・人生を創造し、夢を実現したことを祝福する
・愛する人、夢などを喪失したことを嘆き、悼む
■身体的な快適さ
・食事 ・休息 ・睡眠 ・運動 ・性生活 ・安全性・住まい
参考:マーシャル・B・ローゼンバーグ『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』
Needs Inventory | Center for Nonviolent Communication
4-2. 具体的にしてほしいことを要求する
自分が本当に必要としていること(ニーズ)が明らかになったら、それを具体的な行動として「要求(リクエスト)」します。
リクエストする相手は、職場の上司かもしれませんし、家族かもしれません。あなた自身かもしれません。
たとえば、
「本当のニーズは『自分の価値観に沿って、誠実な行動をしたい』ということだったんだ」
と明らかになったとしましょう。
にもかかわらず、自分の価値観とは合わない不誠実な仕事を強制されているとしたら、自分の本当のニーズを実現するための具体的な行動として、以下が考えられます。
- 上司に話し合いを持ちかけて仕事の内容を変えてもらう
あるいは、自分自身に対して、
- 転職して自分の価値観に沿う誠実な仕事に変える
とリクエストする選択肢もあります。
このように「本当に必要としていること(ニーズ)」を明らかにし、「ニーズを叶えるための具体的な行動を要求する」ことで、現状を打破できます。
参考:マーシャル・B・ローゼンバーグ『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』
4-3. 自己肯定感を育てる
前述のニーズやリクエストを明らかにすることは、「抱えている課題・問題を打破するための対処法」ですが、それ以外にも、違った角度から取り組んでほしいことがあります。
それは「自分のなかに自己肯定感を育てる」こと。自己肯定感とは欠点を含めて自分自身を肯定的に受け入れる力のことです。
劣等感や不安・恐怖、無力感といった感情を抱える根源的な原因として、自己肯定感の低さが挙げられます。
自己肯定感を高めれば、人生をつまらなく感じさせてしまうネガティブな感情を軽減できます。
自己肯定感の高め方〜いま
苦しんでいる人のための5ステップ
- ステップ1:自分で自分に肯定的な言葉がけをする
- ステップ2:自分に否定的な言葉がけをする人と距離を置く
- ステップ3:小さな成功体験を積み重ねる
- ステップ4:自分の本当の気持ちを言葉に出す
- ステップ5:自分の本当の気持ちにOKを出す
上記5ステップの詳細は、以下の記事にてご紹介していますので、チェックしてみてください。

4-4. 科学的に休息する
人生をつまらなくする「疲労感」を解消するためには、休息することが不可欠です。
漫然と休むのではなく、科学的な視点で適した休み方を選ぶと、疲れがとれやすくなります。
イギリスの心理学者クラウディア・ハモンド氏によれば、世界135カ国18,000人の調査でわかった人気の休息トップ10は以下のとおりです。
- 第1位:読書
- 第2位:自然のなかで過ごす
- 第3位:一人になる
- 第4位:音楽を聴く
- 第5位:特に何もしない
- 第6位:長めの散歩
- 第7位:入浴
- 第8位:空想にふける
- 第9位:テレビ(動画コンテンツ)を見る
- 第10位:マインドフルネス
くわえて、しっかりと休息するための12個のルールが挙げられています。
しっかりと休息するためのルール
- (1)必ず十分な量の休息をとる
- (2)休息に適した材料を選ぶ
- (3)休息する許可を自分に与える
- (4)ストレスを感じたら、好きな休息活動を15分間するよう自分に指示を出す
- (5)見過ごしがちな休息時間に目を光らせる
- (6)無駄な時間を休息時間と捉える
- (7)忙しさに執着しない
- (8)「ノー」と言う
- (9)手帳にアポと同じように休憩を書き込む
- (10)日常に小さな安らぎの瞬間をつくる
- (11)休息ボックスをつくる
- (12)安らぎを得る努力をストレスにしない
詳しくは以下の著書で解説されていますので、参考にしてみてください。
クラウディア・ハモンド『休息の科学 息苦しい世界で健やかに生きるための10の講義』
4-5. 怒りを溜めずに伝える
前述のとおり「怒り」の感情が出てきたときに抑圧すると、人生がつまらないと感じる原因になります。
ではどうすれば良いのかといえば、
「怒りを溜めずに、相手にうまく伝えるスキルを身につける」
ことが解決策となります。
アンガーマネジメント(怒りをコントロールする技術)の講師である戸田久実氏は著書で、以下の10のルールがポイントであると述べています。
怒らない伝え方 10のポイント
- (1)何を一番言いたいのかはっきりさせる
- (2)自分の本当の気持ちを言葉にする
- (3)相手の人格ではなく、とった行動に注目する
- (4)注意するときは、何がどう変わってほしいかを具体的に伝える
- (5)「私はこう考えています」という言い方をする
- (6)言葉だけでなく、態度にも気をつける
- (7)相手と対等の関係で伝える
- (8)怒りはキャッチボールで伝え合う
- (9)「自分が正しい」という気持ちで話さない
- (10)相手の怒りに過剰反応しない
詳しくは、以下の書籍にてチェックしてみてください。
4-6. コンプレックスを手放す
「自分自身」は、人生のすべての時間を一緒に過ごす相手です。
一緒にいて居心地の良い人と過ごす時間が楽しくなるように、自分のことを好きでいられると、人生は楽しくなります。
そのために、手放せるコンプレックスは手放しましょう。
たとえば、容姿にコンプレックスがあるのなら、ダイエットや筋トレ、ヘアスタイルやメイク、ファッションの工夫で、大きく変身することが可能です。
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意志の弱さや、やる気を出せない自分が嫌いなら、テクニックを学んで自分を変えてしまいましょう。
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コンプレックスを手放すために必要なのは、苦しい努力ではありません。望む自分へ効率的に変わるための、知識やノウハウです。
根性論ではなく理論で、軽々とコンプレックスを手放していきましょう。
4-7. 仲間をつくる
最後に、自分が抱えている課題を共有できる仲間ができると、人生に前向きになれます。
とはいえ、そう簡単に仲間なんてできないという声も聞こえてきますが、仲間をつくるアプリを活用することで、誰でもすぐ仲間をつくれます。
たとえば、5人1組のチームを組んで良い行動の習慣化を目指す習慣化アプリ『みんチャレ』には、さまざまなチームがあります。
あなたの現在の気持ちに合うチームが、かならず見つかるはずです。
詳しくは、以下のリンクからご確認ください。
5. まとめ
本記事では「人生つまらない」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。
人生つまらないと感じるとき、無理にポジティブになろうとがんばるのは逆効果です。まずは今より少しでもラクになることを目指してください。
隠された本当の気持ちを知ることが最初のステップです。隠れていることの多い感情として、次の5つをご紹介しました。
- 無力感
- 劣等感
- 疲労感
- 怒り
- 恐怖
人生がつまらないと感じる気持ちに対処する7つの方法はこちらです。
- 本当に必要としていることを突きとめる
- 具体的にしてほしいことを要求する
- 自己肯定感を育てる
- 科学的に休息する
- 怒りを溜めずに伝える
- コンプレックスを手放す
- 仲間をつくる
今すぐに変わることは難しくても、少しずつ気持ちが楽になっていきます。肩の力を抜いて、取り組んでみてください。