「ダイエットはしたいけど、運動は続かない…」
「運動する暇ないから、食事だけでダイエットできないかな?」
ダイエットをしようと思って運動を始めても、なかなか継続するのは難しいものですよね。
また、食事制限だけで痩せようと思うと、カロリーを気にしたり食べるものを気にしたり、いきなり食生活が大きく変えなくてはなりません。そのため、変化に耐えられずダイエットに失敗してしまう人もいるのではないでしょうか。
大切なことは短期間で大幅に痩せることではなく、簡単なところから始めてダイエットを継続させることです。そのため、最初はカロリー制限なんて考えない誰でもできるダイエットから始めましょう。
この記事では、以下の3ステップでダイエットを進める方法を紹介しています。
これらのステップを着実に進めていくことで、運動なしでも確実に痩せることができます。また、運動が継続できない人のために、日常に取り入れられる簡単な運動方法も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 運動なしのダイエットは効果があるのか
結論から言うと、運動なしのダイエットでも効果はあります。
運動でカロリーを消費するよりも、食事でカロリーを制限する方が簡単です。そのため、正しく食事制限をすれば確実に体重を減らすことができます。
しかし、ダイエットにおいて食事制限の基本はカロリー制限とPFCバランスですが、いきなりカロリーを計算して食事のバランスも気を付けることは難しいものです。
数日は続けられるかもしれませんが、いきなりあれこれ頑張りすぎてしまうと、モチベーションが下がった途端に面倒になってやめてしまうかもしれません。
大切なのは、簡単なステップからはじめて徐々に食事制限に慣れていくことです。
今回は、ダイエットを3段階に分けて簡単なステップから紹介していきます。いきなりあれこれ痩せるために頑張りすぎるのではなく、ステップごとの決まりを守って、ダイエットに体を慣らしながら進めていきましょう。
2. <運動なしダイエットの1stステップ>カロリー計算なしで総摂取カロリーを減らす
「ダイエットしたいならカロリーを毎日計算しましょう」
これは当たり前のことですが、慣れていないと非常に面倒な作業です。まだダイエット生活に慣れていない人にとっては、なかなか継続することが難しいでしょう。
そこで、ひとつ目のステップはカロリー計算なしで、次の2つだけを守ってください。
- 朝食を抜く
- 夜8時以降は食べない
朝食を抜いてお昼を12時から食べるとすると、夜8時まで8時間あります。この8時間は昼食も夕飯も好きなものを食べましょう。
「朝食を抜いてはいけない」とよく耳にしますが、この方法は断食を取り入れているれっきとしたダイエット方法です。
- 16時間ファスティング
- インターミッテント ファスティング
- リーンゲイズ
- オートファジーダイエット
など、さまざまな呼び方があります。
では、このダイエット方法の効果や健康への影響について解説します。
2-1. 16時間ファスティングのダイエット効果
16時間ファスティングは、1食抜くことで1日の総摂取カロリーを減らせるため、過剰に高カロリーなものばかりを食べなければ痩せることができます。
例えば、1日2,500kcalほどの食事を摂り続けて体重が増えてしまった人がいたとします。単純に3食で割ると1食当たり830kcalほど摂っている計算です。この人が朝食を抜いた場合、1日の摂取カロリーは1,660kcal程度になるため、自然と摂取カロリーが抑えられて痩せることができるということです。
また、食後は食事から摂取した栄養や体内に蓄えられた炭水化物(グリコーゲン)がエネルギー源になります。つまり、脂肪がエネルギーとして使われないため、脂肪燃焼が起きにくい状態です。
16時間の断食中は体内のグリコーゲンが枯渇することで、エネルギー源が脂肪に切り替わり、効率よく体脂肪を落とせる状態になると考えられています。
2-2.体への悪影響はない?
16時間も食べないと、体に悪影響がありそうに思えるかもしれません。しかし、実際は3食食べていると内臓が動き続けなければならず、疲弊してしまいます。
16時間ファスティングで内臓を休めることで、栄養の吸収率が上がったり、老廃物を代謝しやすくなったりするメリットもあるのです。
朝食を抜くとはじめのうちは非常に空腹を感じるでしょう。また、夜遅くに食べることが多い人は夜も空腹感を感じるかもしれません。
しかし、昼間は好きなものを食べられるので、それを楽しみにグッと我慢しましょう。
数日〜1週間ほどで朝や深夜に空腹を感じることはなくなります。筆者も16時間ファスティングを3ヶ月ほど続けましたが、最初の3日以降あまり空腹は感じませんでした。
2つの決まりだけはしっかりと守ることを徹底し、我慢せずにできるようになったら次のステップに進みましょう。
3. <運動なしダイエットの2ndステップ>摂取カロリー量を意識する
ふたつ目のステップは、少しだけカロリーの摂取量を意識してみましょう。
ここではまだ細かく計算をしたりはしませんが、以下の2つを行いましょう。
- 食べる前にカロリーを確認する
- 食べたものの記録をつける
ダイエットに記録は欠かせません。そのため、このステップでカロリーの確認と簡単な記録に慣れていきましょう。
3-1. 食べる前にカロリーを確認する効果
なにかを食べる前に、食べるもののカロリーを確認してみましょう。
コンビニやスーパーのお弁当やお惣菜など、買ったものならパッケージを見てください。料理したものや外食であれば、アプリを使うことで細かな計算をしなくても大体の摂取カロリーがわかります。
なぜカロリーを確認するかというと、そんなにカロリーが多いと思っていなかった食べ物が、意外と高カロリーだったりするからです。
例えば、コンビニのたまごサンドは高カロリーなイメージがある人は少ないのではないでしょうか。しかし、実は2つ入りの一般的なたまごサンドでも、400kcal以上あることが多いのです。
さらに、ハンバーガーセットを食べた場合、何kcalほど摂取しているかわかりますか?ハンバーガーだけでも種類によっては500kcalを超えるものもあります。そこに、ポテトをサイズアップして飲み物も飲めば、合計で1,000kcalを軽く超えることもあるでしょう。
自分が食べようとしているものが何kcalなのかを知ることで、「もう少しカロリーの低いものにしよう」「少し量を減らそう」と考えることがダイエット継続の一歩です。
カロリーの確認を続けていると、どんなものならカロリーの摂りすぎにならないのかもわかってきます。
3-2. 食べたものを記録する効果
食べたものを記録するだけで、「レコーディングダイエット」というひとつのダイエット方法になります。
レコーディングダイエットは、自分が食べたもの・飲んだものをすべて記録するだけ、2つの効果があります。
ひとつ目が、どれだけの量を1日に食べて飲んでいるかがわかる点です。
自分では「そんなに食べていない」と思っていても、意外と食べ過ぎていることもあります。記録をすることで、「思った以上に食べていた」と気付くことができるのです。
ふたつ目は、食事の内容を記録して見える化する点です。文字や写真で食事内容が視覚化されると、脳が「食べ過ぎ」を認識できるようになります。すると、脳が食欲を抑えるように指令を出すのです。
本来のレコーディングダイエットは、目標を立ててトイレの回数なども記録しますが、このステップではそこまでしなくても大丈夫です。
食べたものを写真で保存して、1日の食事内容を夜に見返すことを癖づけましょう。
カロリーの確認におすすめなのが、「あすけん」というアプリです。
食事を写真に撮るかバーコードを読み込むことで簡単に記録ができるので、面倒くさがりの方でも問題なく続けられるでしょう。
出典:あすけん
食事内容を記録すると、管理栄養士から食事のアドバイスが届くため、食事内容の見直しにも役立ちます。
レコーディングダイエットについて詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
レコーディングダイエットとは?書き方と痩せない失敗と対策を解説
4. <運動なしダイエットの3rdステップ>1日の摂取カロリー目安を計算しPFCバランスを確認する
ふたつ目のステップまで継続して続けられたら、最後のステップに入ります。レコーディングまで継続できたら、このステップもできるはずです。
このステップでやるべきことは、以下の2つです。
- 1日の摂取カロリー目安の計算
- PFCバランスを守って食事を摂る
では、これらのやり方や注意点について解説します。
4-1. 1日の摂取カロリー目安の計算
「摂取カロリーをできるだけ抑えれば、計算なんて必要ないのでは?」と考えたことはありませんか?
確かにカロリーをできるだけ摂らないようにしていても痩せることはできます。しかし、摂取カロリーが少なすぎると痩せにくい体に変化していくので注意が必要です。
1日の消費カロリーには、内臓などを活動させるための「基礎代謝」での消費も含まれます。30代女性であれば、1,200~1,300kcal程度が基礎代謝でのカロリー消費です。基礎代謝は寝たままでも消費されるものです。
摂取カロリーを減らしすぎて基礎代謝を下回ると、体は「飢餓状態になった」と勘違いをします。体はダイエットしていることを理解しないからです。
そして、飢餓状態と認識した体は少ないカロリーで生命を維持できるように、代謝を低下させてしまいます。つまり、痩せにくい体になってしまうのです。
また、エネルギーが足りない体は筋肉を分解してエネルギーとして使い、食事から摂取した栄養を効率的にエネルギーにできる脂肪に変えて蓄えてしまいます。つまり、筋肉が減って脂肪の割合が増えてしまう可能性があり、痩せにくく太りやすい体に変化してしまうということです。
摂取カロリーを基礎代謝以下まで減らして痩せ、リバウンドしてしまったとします。筋肉は減り、脂肪の割合が増えてしまうので、ダイエット前の体重に戻った場合でもより太って見えるはずです。脂肪は筋肉よりも軽いため、同じ重さでも脂肪が多いと太って見えるからです。
また、そこから再度ダイエットをしようとしても、筋肉が減り基礎代謝も低下しているので、なかなか痩せないはずです。
このような状態に陥らないために、カロリー計算が必要なのです。
では具体的に、摂取カロリー目安の計算方法を見てみましょう。
4-1-1. 摂取カロリーの計算方法
1日の摂取カロリー目安の計算は、以下の流れで行います。
- 基礎代謝の計算
- 1日消費カロリーの計算
- 1日摂取カロリーの計算
まず、自分の基礎代謝を身長・体重・年齢・性別から計算します。基礎代謝が表示される体組成計を持っている人はそれを目安にしましょう。
計算は以下のサイトで自動計算が可能です。
基礎代謝量|keisan
消費カロリーは、自分の身体活動レベルを確認します。身体活動レベルは以下の通りです。
レベルI | 身体活動レベル 1.50 | 生活の大部分が座位で、運動習慣がない |
レベルⅡ | 身体活動レベル 1.75 | デスクワークなど座位中心の仕事だが、通勤・買い物・家事や軽いスポーツをおこなう |
レベルⅢ | 身体活動レベル 2.00 | 移動や立位の多い仕事、もしくはスポーツなどの活発な運動習慣がある |
これを、自分の基礎代謝と掛けます。基礎代謝が1,300kcalで身体活動レベルがⅡなら、「1,300×1.75」と計算します。
こちらも、先ほどの計算サイトから自動計算が可能です。
TDEEの計算|keisan
自分の消費カロリーと基礎代謝がわかったら、「消費カロリー以下・基礎代謝以上」で1日の摂取カロリー目安を決めましょう。
4-1-2.目標は軽めに設定する
体脂肪を1kg減らすには、7,200kcal消費する必要があります。
例えば、基礎代謝1,300kcalで消費カロリーが2,000kcalの人が、1か月で3kg痩せたいと考えたとします。その場合、1か月で21,600kcalを消費する必要があり、1日に換算すると720kcalになります。消費カロリーが2,000kcalなのでそこから750kcalを引くと、1日に1,200kcalしか摂取できないことになり、基礎代謝を下回ってしまうのです。
1か月の目標を大きくするほど食事制限が厳しいものになり、さらに痩せにくくなる可能性があるので、1か月に1kgなど目標を軽めに設定することをおすすめします。
1日の摂取カロリーについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
ダイエット中の1日摂取カロリー目安計算と効率よくカロリー制限する方法
4-2. PFCバランスの計算
カロリー制限ばかり意識していては、栄養バランスが崩れてしまいます。なにをどれくらい食べればいいかを知るためにも、PFCバランスの計算をしましょう。
PFCバランスは、三大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物の摂取バランスです。
厚生労働省では、以下のようなバランスが最適であるとしています。
- タンパク質(4kcal/1g):13~20%
- 脂質(9kcal/1g):20~30%
- 炭水化物(4kcal/1g):50~65%
以下の表は、1日の摂取カロリー目安を1,500kcalに設定した場合のPFCバランスを計算したものです。
1日の摂取割合 | 1日の摂取目安 | 重量換算 | |
タンパク質 | 20% | 300kcal | 75g |
脂質 | 20% | 300kcal | 33g |
炭水化物 | 60% | 900kcal | 225g |
PFCバランスはそれぞれのカロリーを算出するだけでなく、重さに換算しておくと毎日の計算がしやすくなりますよ。
5. 運動なしダイエットで押さえておきたい食事の摂り方
最後のステップまで進めた場合、より効率的にカロリーを制限してダイエットを進めるために、以下の食事の摂り方を実践しましょう。
- タンパク質を意識して摂る
- 脂質はできるだけカットする
- 糖質は適度に摂る
- 食べ順を守って食事を摂る
では、これらの食事の摂り方について、詳しく解説します。
5-1. タンパク質は意識して摂る
「プロテイン=タンパク質」ということからも、筋肉を増やすためにはタンパク質が必要だということを理解している人は多いでしょう。では、運動なしのダイエットでは筋肉を増やさないので、タンパク質は気にしなくていいのでしょうか?
正解は、「気にすべき」です。
なぜかというと、タンパク質は今ある筋肉を維持するためにも必要だからです。
先ほど解説した適切なPFCバランスでは、タンパク質は13~20%摂るべきとされていました。ダイエットをするのであれば、この割合の上限である20%を目指すのがおすすめです。
タンパク質には、以下のような効果があります。
- 脂肪になりにくい
- 中性脂肪を分解してくれる
- 食欲の抑制効果がある
そのため、タンパク質を多く摂ることは筋肉を減らさないだけでなく、ダイエットにも効果的なのです。
タンパク質の効果や高タンパク食材について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
タンパク質ダイエットの正しいやり方と取り入れたい25の高タンパク食材
5-2. 脂質はできるだけカットする
もっとも効率的にカロリーを制限できるのは「脂質を減らすこと」です。前述したように、タンパク質や糖質は1gあたり4kcalですが、脂質は1gあたり9kcalもあるため、脂質を意識して減らすだけで摂取カロリーをかなり抑えられます。
タンパク質 | 4kcal/1g |
糖質 | 4kcal/1g |
脂質 | 9kcal/1g |
脂質をカットする具体的な方法は以下の通りです。
- 肉の脂身や皮は取り除く
- 加工肉を食べない
- マヨネーズや普通のドレッシングを使わずノンオイルドレッシングを使う
- 炒め物はテフロン加工のフライパンで油を使わず炒める
PFCバランスで脂質は20~30%に抑えるのが望ましいとされていますが、ダイエット中であれば20%に抑えるようにしましょう。
脂質制限のメリットや食事に関して詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
ローファットダイエットは効果あり?失敗しない具体的なやり方を解説
5-3. 糖質は適度に摂る
糖質制限が一般的なダイエット方法として広まったことで、「糖質=太る原因」と思っている人もいるのではないでしょうか。
もちろん糖質を摂りすぎれば太る原因になります。しかし、糖質はエネルギーとして使われるため、適度に摂取する必要があることを忘れてはいけません。つまり、栄養バランスが取れているのであればお昼に丼ものを食べても大丈夫なのです。
ただし1日3食食べる場合、夜は主食を減らす・抜くなどして糖質を減らしましょう。夜は寝るだけでエネルギーを使わないので、糖質を摂る必要がないからです。
その分、朝と昼に糖質を摂るようにしてください。
5-3-1.主食と間食はGI値に気を付ける
GI値は食後の血糖値上昇度を表した指数です。
GI値が高いものは血糖値が急上昇し、GI値が低いものは血糖値が緩やかに上昇します。
食品すべてのGI値を気にしていては食べられるものが非常に限られてしまいます。そのため、血糖値が特に上がりやすい主食や間食を低GIのものに変える方法が取り入れやすいでしょう。
たとえば、白米を玄米に変える、うどんではなくそばを選ぶなどです。
主食のGI値は以下のように分類できます。
低GI(~55) | 中GI(56~69) | 高GI(70~) |
そば/オートミール/全粒粉パスタ/全粒粉パン/玄米/中華麺 | パスタ/おかゆ | 白米/食パン/うどん/そうめん/コーンフレーク |
米や小麦は精製度が高いものほどGI値が高くなります。そのため、ご飯やパンを食べる場合は玄米や全粒粉を選ぶようにしてください。
また、「ダイエット=間食をしない」と考えている人もいるかもしれませんが、ダイエット中でも間食はしても大丈夫です。主食と同様にGI値が低いものを選びましょう。
間食をすることで空腹感がまぎれて食事のドカ食いを防ぐ効果があるので、うまく利用しましょう。
低GI(~55) | 中GI(56~69) | 高GI(70~) |
生クリーム/チーズ/ヨーグルト/ナッツ類/ゼリー | アイスクリーム/プリン/カステラ | ドーナツ/キャラメル/フライドポテト/ショートケーキ/ |
生クリームはGI値が39と低いですが、GI値99の上白糖を混ぜることが多いので、甘い生クリームは避けた方が無難です。また生クリームは脂質も多いので食べるべきではないでしょう。
ヨーグルトもプレーンのものは低GIですが、加糖ヨーグルトはGI値が上がるので、注意してください。
ナッツ類は低GIで手軽に食べることができるのでおすすめです。脂質はありますが、体にいい良質な油なので間食程度なら気にしなくても大丈夫です。
ただし、塩分を摂り過ぎないように無塩のものを選びましょう。
5-4. 食べ順を守って食事を摂る
食べる順番は以下のように意識してください。
- 野菜・きのこ
- 汁物
- 肉・魚
- ご飯・パン・麺類
なぜ食べる順番が重要なのかというと、「血糖値の急上昇」を防ぐことができるからです。
食事で糖質を摂ると血糖値は上昇し、膵臓から「インスリン」というホルモンが血糖値を下げるために分泌されます。
インスリンは、血中の糖分を脂肪に変えて体内に溜めこむ役割も持ちます。血糖値が急激に上昇するとインスリンは過剰分泌されるため、その分体内に脂肪を溜めこんでしまい、肥満に繋がります。
食べ始める際に、まずどの順番で食べればいいかを確認しましょう。
例えば、「ご飯・野菜炒め・唐揚げ・味噌汁」というメニューであれば、「①野菜炒め②味噌汁③唐揚げ④ご飯」という順番になります。
「パスタ・サラダ・スープ」というメニューなら、「①サラダ②スープ③パスタ」という順番ですよね。
食事を始める前に必ず「食べる順番」を確認する習慣をつけてください。
食物繊維を含んだ野菜やきのこから食べて最後に炭水化物を食べるという順番は、血糖値の上昇を緩やかするための順番です。
血糖値の急上昇を防ぐだけで、体が脂肪を溜めこんでしまうリスクを避けることができ、ダイエットになるのです。
6. 食事だけじゃない!運動なしダイエットは睡眠も重要
運動なしのダイエットをするなら、睡眠も重要です。なぜなら、睡眠の時間や質によってダイエットに大きな影響があるからです。
睡眠不足になると、睡眠中に分泌される成長ホルモンが減ります。
成長ホルモンは子供だけでなく大人にも重要なホルモンで、充分に分泌されることで脂肪が燃焼しやすくなります。しかし、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減ってしまうため、痩せにくくなるのです。
さらに、睡眠が不足すると「グレリン」が増えて「レプチン」が減少してしまいます。
グレリンは食欲を増進させるホルモンで、増えてしまうと食欲を抑えにくくなります。また、レプチンは食欲を抑えるホルモンであるため、ダイエット中は充分に分泌させるべきホルモンです。
当ブログを運営するA10 Labが20~60代のみんチャレ利用者におこなった調査でも、睡眠改善の習慣化は3ヶ月で約3kgのダイエット効果があることが分かりました。
このグラフは、以下の習慣化をおこなった人の体重減少を表しています。
- 食事改善
- 運動
- 睡眠改善
このグラフから睡眠改善は食事改善以上のダイエット効果を発揮していることがわかります。
グレリンを減らして成長ホルモンやレプチンを増やすには、十分な睡眠をとる必要があります。成人の場合は6~7時間程度を目安に充分な睡眠をとるように心がけましょう。
7. 運動なしダイエットの注意ポイント
運動なしでもダイエットはできますが、以下のポイントに注意する必要があります。
- 食事制限のみでは基礎代謝が低下する可能性がある
- 厳しい食事制限が必要になる可能性がある
- 栄養不足になる可能性がある
運動をしないことでどのようなリスクがあるのかを理解しておきましょう。
7-1. 食事制限のみでは基礎代謝が低下する可能性がある
カロリーが足りないと筋肉量が減り、基礎代謝が低下するとお伝えしました。
ただし、カロリーを充分に摂取していても日常生活で体を動かすことがほとんどなければ、カロリー不足の時ほどではないにしろ、筋肉はどんどん減っていきます。
神戸大学の研究グループは「動かないと筋肉が減少するメカニズム」を世界で初めて明らかにしました。研究結果によると、筋肉を動かさないことで筋肉内のカルシウム濃度が低くなり、これが筋肉を減らす引き金になることが解明されたそうです。
そのため、本来であればダイエットをするなら筋トレをすべきだということは理解しておきましょう。
7-2. 厳しい食事制限が必要になる可能性がある
食事制限だけで痩せるためには、食事制限が必須です。
人にもよりますが、食事だけで1か月に3kg以上痩せようと思った場合、1日に摂取できるカロリーがかなり限られてしまいます。そのため、厳しい食事制限が必要になる可能性があるのです。
運動をプラスして消費カロリーを増やせば、消費カロリーが増えた分を食べてもダイエットに影響はありません。
例えば、1,500kcalの食事制限が必要な場合、毎日300kcalの運動をすれば1,800kcal食べても大丈夫だということです。
7-3. 栄養不足になる可能性がある
カロリーを大幅に制限するということは、当然食べる量も減るということです。
確かに、低カロリー・カロリーゼロの食品もありますが、それらばかり食べていては、摂取できる栄養も限られてしまいます。
例えば、タンパク質が足りていなければ筋肉が減りますし、鉄分が足りていなければ貧血を引き起こす可能性があります。
他にもビタミンや食物繊維など、摂るべき栄養はさまざまなものがあるため、摂取カロリーが少なければ充分な栄養が摂れず栄養不足になる可能性があるのです。
健康的に痩せるためには、食事だけで極端なカロリー制限をせず、バランスの取れた食事を食べながらダイエットができるように気をつけましょう。
8. ダイエットサプリでは痩せられない可能性が高い
痩せるために運動や食事制限をせずに、ダイエットサプリで痩せられるのでしょうか。
結論から言うと、「失敗する可能性が高い」でしょう。
なぜなら、サプリメントは飲むだけで痩せるものではなく、「ダイエットのサポートをしてくれるもの」だからです。
例えば、飲めば脂肪がメラメラ燃えると謳っているようなサプリメントには、脂肪燃焼を促進させる栄養素が含まれています。しかし、脂肪を燃焼させるためには、運動をしなければなりません。
さまざまなダイエットサプリの口コミを見るとわかりますが、多くの人が効果を感じられなかったといったものが多くあります。
また、サプリメントを飲んだからという安心感から、つい食べすぎてしまう可能性もあるでしょう。
サプリメントはあくまでも「補うもの」であり、薬ではありません。そのため、飲んだだけで効果的に痩せられるとは考えない方がいいでしょう。
9. 運動したくない人におすすめの体を動かす方法
筋肉を動かさなければ減ってしまうとお伝えしましたが、「それでも運動は続かない」という人もいるでしょう。
そのような人のために、日常に組み込める体を動かす方法を紹介していきます。
9-1. “ながら”筋トレ
少しでも筋肉を増やしたいなら、筋トレが欠かせません。しかし、筋トレは辛くて続かない…という人もいるでしょう。
そのような人におすすめなのが、「ながら筋トレ」です。
日常生活で何かをしているとき、全身を動かしていることはあまりありません。その使っていない部分を動かして筋トレができないか考えてみましょう。
例えば、ながら筋トレには以下のようなものがあります。
ながら筋トレの動作 | 効果 |
歯磨きをしながらスクワット | ももの筋トレ |
料理をしながらかかとの上げ下げ | ふくらはぎの筋トレ |
家の中はつま先立ちで移動 | ふくらはぎの筋トレ |
掃除機をかけるときは大股で移動 | ももやふくらはぎの筋トレ |
テレビを見ながら両腕を背中側で羽ばたくように動かす | 二の腕と背中の筋トレ |
買い物袋を手に持ち、上げ下げする | 腕全体の筋トレ |
このように筋トレをするタイミングは日常の中にたくさんあります。ひとつひとつは効果が小さくても、いくつかを継続して行うことが重要です。
9-2. “ながら”ストレッチ
ストレッチは激しく体を動かさないので、ダイエットにあまり効果的ではないように思えますが、血行を良くして代謝を上げる効果が期待できます。
しかし、ストレッチは簡単なように思えますが、毎日10分など決められてしまうと面倒に思えてしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、筋トレと同様に「ながら」で取り入れるのがおすすめです。
- テレビを見ながら
- お風呂に浸かりながら
- デスクワークをしながら
このように、体をあまり動かさないタイミングはストレッチのチャンスと考えましょう。
例えば、スマホを見ている際に横になって足を開くストレッチをしたり、テレビを見ながら股関節のストレッチをしたりなどです。
YouTubeに以下のようなながらストレッチの動画があるので、参考にしてみましょう。
9-3. 通勤時や休日に歩くことを意識
普段から歩くことを意識しましょう。
駅やバス停1つ分歩くなど、歩く距離を増やしてください。また、休みの日に出かける際には、たくさん歩きそうな場所に出かけるのも、自然と歩数が多くなるのでおすすめです。
ひとりで歩く場合は、運動強度を上げるために早足で歩くようにしましょう。
例えば、体重60kgの人が時速4kmの速さで30分歩くと消費カロリーは約95kcalです。しかし、時速5.6kmの早歩きなら20分ほどで同程度のカロリーを消費できます。
9-4. エスカレーターではなく階段を使う
駅などではエスカレーターを使わずに階段を使いましょう。消費カロリー自体は大きくありませんが、ふくらはぎの筋トレになります。
筋肉は使わなければ減ってしまうため、このような運動でコツコツと筋肉が減らないようにしてください。
10. まとめ
運動なしでダイエットをしたいのであれば、いきなり厳しい食事制限から始めず、以下のステップで段階を踏んでダイエットを進めましょう。
ダイエットが継続できたら、以下のように食事の仕方にも気を付けてみましょう。
- タンパク質を意識して摂る
- 脂質はできるだけカットする
- 糖質は適度に摂る
- 食べ順を守って食事を摂る
また、睡眠もダイエットに大きな影響を及ぼしますので、1日6〜7時間の睡眠も取るようにしてください。
運動なしのダイエットには、以下のようなリスクがあります。
- 食事制限のみでは基礎代謝が低下する可能性がある
- 厳しい食事制限が必要になる可能性がある
- 栄養不足になる可能性がある
これらのリスク減らすためには運動が必要ですが、継続できない人は日常生活の動作に運動を取り入れてみてください。