「IUダイエットって短期間でかなり痩せられるらしいけど、どうやってやるの?」
「IUダイエットが危険って聞くけど、何が危ないの?」
IUダイエットは極端な食事制限をしながら運動を取り入れるという、非常に危険なダイエットです。体重は一時的に落ちるかもしれませんが、リバウンドする確率も高く、健康を害してしまう可能性もあります。
とはいえ、IUダイエットはダイエットの基本を取り入れた方法ですので、いい部分だけを真似しておこなうことで安全にダイエットすることができます。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- IUダイエットのやり方
- IUダイエットが危険な理由
- 安全なアレンジIUダイエットのやり方
- IUダイエットの注意点
この記事を読むことで、IUダイエットがなぜ危険なのかが理解でき、どのようにアレンジすればいいかがわかります。また、IUダイエットがなぜリバウンドしやすいのかについても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. IUダイエットってどんなダイエット?
まず、IUダイエットとはどのようにしてできたダイエット方法なのか、IUダイエットはどのようにやるのかについて解説していきます。
1-1. IUダイエットは韓国の歌手が実践したダイエット方法
IUは1993年生まれの韓国で有名な歌手です。「国民の妹」の愛称で親しまれています。
IUダイエットは、IUが20代前半におこなったのがIUダイエットです。撮影のために痩せる必要があり、短期間で減量するためにおこなった短期間集中型のダイエット方法でした。
5日で数kg痩せられるダイエット方法として人気です。
1-2. IUダイエットのやり方
IUダイエットは、食事制限と運動を組み合わせたダイエット方法です。
食事内容は以下のとおりです。
- 朝:りんご1個
- 昼:さつまいも1個
- 夜:プロテインシェイク1杯
このようにかなり食べる量を制限するもので、1日の摂取カロリーは500kcal程度まで減ります。18〜29歳女性のエネルギー必要量が約2,000kcalなので、その4分の1しかカロリーを摂らない計算です。
さらに、IUさんはダンスや歌のレッスンに加えて、スキマ時間に以下のような運動をおこなっていました。
- ひたすら階段を駆け上がる
- ストレッチ
- 腕立て
- スクワット
IUダイエットの運動に決まりはありませんが、IUさんはとにかく体を動かしていたことがわかります。
2. IUダイエットをそのまま実践すべきでない4つの理由
IUダイエットはそのまま真似して実践するには非常に危険なダイエット方法です。
IUダイエットを実践してはいけない理由として、以下の4つが挙げられます。
- 1日に必要なカロリーを摂取できない
- 運動するにはタンパク質が足りない
- 血糖値が乱高下する可能性がある
- IU自身もおすすめしていない
これらは体調不良を引き起こす可能性もあります。安易に真似をする前に、IUダイエットの危険性を理解しておきましょう。
2-1. 1日に必要なカロリーを摂取できない
IUダイエットにおいてもっとも問題なのが摂取カロリーの少なさです。先ほども解説したとおり、500kcalしか摂取していないため、1日に必要なカロリーがまったく足りていません。
カロリーは少ないほどいいというものではありません。もちろん、摂取カロリーが少ないほど体重は落ちますが、摂取カロリーが基礎代謝を下回ると体が飢餓状態であると判断し、少ないカロリーで生きていけるように代謝を落としてしまいます。
さらに、体が飢餓状態になることでエネルギーを蓄えようとするため、脂質を溜め込みやすく太りやすい体へと変化します。
さらに、摂取カロリーが少なすぎるということは、体に必要なエネルギーが足りていない状態です。そのため、足りない分は筋肉を分解して補おうとするため、筋肉が減って痩せにくい体に変化してしまう可能性があるのです。
2-2. 運動をするには摂取するタンパク質が足りない
IUさんは、ちょっとした時間にもとにかく体を動かしたり筋トレをしたりしていましたが、タンパク質が不足すれば体づくりができず、運動の効果もしっかりと得られません。
また、タンパク質は筋肉だけでなく、肌や髪や内臓など体のありとあらゆるものを作るのに必要なため、不足してしまうと肌や髪がパサつく・疲れやすくなる・体調を崩しやすくなるなど不調を引き起こします。
IUダイエットの食事はりんごとさつまいもとプロテインシェイクです。プロテインシェイクにタンパク質が20g含まれていたとしても、1日のタンパク質摂取量は23g程度にしかならず、少なすぎます。
タンパク質の1日の摂取目安は女性で50g、男性で60gです。つまり、目安の半分も摂取できてないということです。
さらに運動をしているため、本来であれば1日の摂取目安よりも多くタンパク質を摂る必要があります。
2-3. 血糖値が乱高下する恐れがある
食べる量が少なく間食もしないIUダイエットは、空腹状態でりんごやさつまいもといった糖質を摂るため、血糖値が急上昇と急降下を繰り返してしまう可能性があります。
空腹状態で急に糖質を摂ると、血糖値が急上昇します。すると、血糖値を急いで下げようと多くのインスリンが分泌され、急激に血糖値が下がります。この血糖値の乱高下を「グルコーススパイク」と言います。
グルコーススパイクが続くと、以下のような症状があらわれます。
- 集中力の低下
- 眠気を感じる
- イライラする
また、体内にエネルギーを溜め込もうとする働きが活発化し、太りやすくなる可能性もあります。
さらに、グルコーススパイクは血管にダメージを与えます。そのため、動脈硬化を引き起こす危険性もあるのです。
2-4. IUダイエットはIU本人もおすすめしていない
IUダイエットは、IUさん本人も「もうやらない」と言っています。20代前半に極端なダイエットをした際の献立であり、今この献立にすると1曲も歌いきれないのだそうです。
おそらく、エネルギーがまったく足りないことが原因でしょう。体験した本人が言っていることなので、やはりやるべきではないダイエット方法なのだと言えます。
3. 安全にできる「アレンジ」IUダイエット
ここまで解説したとおり、IUダイエットはそのまま実践するには危険なダイエットです。しかし、いくつか真似できる部分もありますので、安全におこなえるようにアレンジしましょう。
安全に実践できるIUダイエットのアレンジは以下のとおりです。
- カロリーの収支計算をおこなう
- 脂質をできるだけカットする
- 食物繊維をしっかりとる
- 毎日2~3Lの水を飲む
- 生活に運動を取り入れる
では、これらのダイエット方法について詳しく解説していきます。
3-1. カロリーの収支計算をおこなう
IUダイエットの基本はカロリー制限です。しかし、そのままの献立でカロリー制限をしてしまうとカロリーが足りないので、自分の体型や生活にあったカロリー制限をする必要があります。
以下は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に記載されている、1日の推定エネルギー必要量です。
出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
例えば、20代女性で1日を通してあまり活動しない人であれば、1,700kcal程度は摂取する必要があるということです。
ただし、体型によってもエネルギー必要量は異なります。同じ20代であっても、身長150cmで痩せ型の人と身長170cmで肥満型の人ではエネルギー必要量はかなりの差があるでしょう。
詳しい1日の摂取カロリーの目安を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
1日の摂取カロリーの目安がわかったら毎日の食事のカロリーを記録して、摂取カロリー目安を超えないように調整しましょう。
はじめにしっかりと計算をおこなうことで目安が明確になるので、カロリー制限をおこないやすくなりますよ。
3-2. 脂質をできるだけカットする
IUダイエットの献立はほぼ脂質を摂取しません。脂質は1gあたり9kcalとカロリーが多く、糖質やタンパク質に比べて2倍以上のカロリーがあります。そのため、脂質をカットすることは効率的に摂取カロリーを減らすことができるのです。
特にカットした方がいい脂質は飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、肥満の原因になります。また、脂質は糖質やタンパク質に比べて直接的に脂肪になりやすいという特徴もあります。
そのため、揚げ物や油をたくさん使う料理は避けて、脂質はできる限りカットするようにしましょう。
脂質制限のやり方は、以下の記事を参考にしてください。
3-3. 食物繊維をしっかり摂る
IUダイエットで食べるりんごやさつまいもは、食物繊維を豊富に含む食材です。食物繊維はさまざまな効果を得られるため、ダイエットをおこなう際にはしっかりと意識して摂りましょう。
食物繊維の具体的な効果について解説していきます。
3-3-1. 脂質を排出して糖の吸収を緩やかにする
脂質は前述したとおり脂肪になりやすい栄養素ですが、食物繊維は脂質の排出を助ける働きがあります。
また、糖質の吸収を穏やかにする効果もあるため、食事は食物繊維から食べ始めると血糖値の急上昇を防ぐことができます。
つまり、食物繊維をしっかりと摂ることで、脂質を溜め込みにくく血糖値の乱高下を防ぐことができるということです。
3-3-2. 脂肪の吸収を抑える
食物繊維は腸内の善玉菌の餌となるため、しっかりと摂ることで善玉菌を増やすことができます。
善玉菌が増えると短鎖脂肪酸が多く産出されますが、短鎖脂肪酸は血液を通じて全身に運ばれると、脂肪細胞に働きかけて脂肪の吸収を抑える効果があります。
3-3-3. 食べ過ぎを防ぐ
食物繊維を多く含む食品は噛みごたえのあるものが多いため、噛む回数が増えます。よく噛むようになることで満腹感を得られやすく、食べ過ぎを防止できます。
また、食物繊維は腹持ちも良く、お腹が空きにくいという特徴もあります。
3-4. 毎日2〜3Lの水を飲む
IUダイエットは、献立以外にも水を毎日2〜3L飲みます。3Lというと500mlのペットボトルに換算すると4〜6本分であるため、1日を通してこまめに水分補給を意識しなければ飲めません。
水は1度に200〜250mlしか吸収できず、それ以上飲んでも尿として排出されてしまいます。そのため、飲み忘れてしまって一気に飲むなどしても意味がないのです。
しかし、2〜3Lの水を毎日飲むことはダイエットにもいい効果があります。その効果について解説していきます。
3-4-1. 老廃物を排出し代謝を向上
血液の9割は水分でできており、水分補給をおこなうことで血液中の水分量が増します。すると、血流に勢いが生まれてスムーズになります。
体内で細胞が排出した老廃物や毒素などは、血液によって各内蔵へと運ばれて分解・排出されます。そのため、血流がスムーズになることで、老廃物が効率的に排出されるようになるのです。
老廃物が蓄積すると代謝が悪くなるため、脂肪燃焼しにくくなります。水を飲んで代謝を下げる老廃物がしっかり排出されると、代謝が向上して脂肪をエネルギーに変換し、体脂肪を減らしてくれます。
3-4-2. むくみの解消
水を飲むと血流とリンパの流れの勢いが増します。すると水分が溜まりにくくなり、余分な水分も排出されることでむくみが解消されます。
通常、体内の水分は血液やリンパと共に全身に巡っていますが、むくみは血液やリンパの流れが滞ることで、余分な水分が細胞から流れだして溜まることで発生します。
流れを滞らせないためにも、こまめな水分の摂取は重要なのです。
3-4-3. 便秘改善
便はある程度水分を含まなければ硬くなり、押し出すことが困難になります。硬い便はいくらいきんでもなかなか排出することが難しく、腸内にとどまり続けてしまい便秘になります。
水をしっかりとむことで腸内にも多くの水分が行きわたり、便が水分を含んで柔らかくなるため排出しやすくなるのです。
また、寝起きに水をコップ1杯飲むと、眠っていた腸が刺激されて活発化します。腸が活発化することで自然と便意を感じられるようになるため、寝起きにもしっかりと水を飲む習慣を付けましょう。
3-5. 生活に運動を取り入れる
運動を取り入れたいけど、ジムに行く暇がないという人もいるでしょう。
しかし前述したとおり、IUさんはスキマ時間に階段を駆け上がったり筋トレをしたりするなど体を動かしていました。空いた時間に運動する習慣を付けるのは非常に効果的です。少ない時間でも1日に何度もおこなうことで、消費カロリーを増やすことができます。
また、
- 通勤はとなりの駅まで歩く
- 1~2階分であれば階段を使う
- テレビを観ながら足上げをおこなう
- 歯磨きをしながらスクワットをする
など、生活の中に運動を取り入れる工夫をしてみましょう。
4. IUダイエットを実践する前に知っておくべき注意点
IUダイエットをそのまま実践しようと考えている場合、以下のポイントを理解しておきましょう。
- IUダイエットのような短期間で痩せるダイエットはリバウンドしやすい
- IUダイエットとリバウンドを繰り返すことで「ウエイトサイクリング現象」が発生する
- 脂肪を落として痩せたいなら長期的なダイエットがおすすめ
これらを理解していないと、体重は落ちても脂肪が減っていなかったり、リバウンドを繰り返してしまったりします。これらの注意点について詳しく解説していきます。
4-1. IUダイエットのような短期間で痩せるダイエットはリバウンドしやすい
IUダイエットは前述したとおり、脂肪を溜め込みやすく痩せにくい体になる可能性があります。つまり、一時的に体重が落ちたとしてもリバウンドをしやすい状態になっており、リバウンド後にまたダイエットをしたとしてもなかなか体重が落ちなくなってしまうのです。
これは、IUダイエットに限らず極端なカロリー制限をするダイエットすべてに言えることです。
4-2. IUダイエットとリバウンドを繰り返すことで「ウエイトサイクリング現象」が発生する
IUダイエットのような方法を実践し、短期間で痩せてリバウンドするということを繰り返している人もいるでしょう。しかし、先ほど解説したとおり「リバウンドをしたらまた同じダイエットをすれば痩せられる」と考えるのは大間違いです。
短期間で痩せるダイエットは基本的に摂取カロリーが少なすぎるため、脂肪ではなく筋肉が減ることで体重が落ちます。筋肉が減ると、基礎代謝が下がって太りやすい体になります。
リバウンドして体重が増えると、基礎代謝が下がった分の筋肉が減って体脂肪が増えているのです。
これを繰り返すと、リバウンド後の体重は毎回同じだったとしても、どんどん筋肉は減り体脂肪が増えていくということになります。
この悪循環を「ウエイトサイクリング現象」といいます。
筋肉は脂肪よりも重いため、リバウンドを繰り返すと体重は同じはずなのに見た目はより太った状態になってしまうでしょう。
4-3. 脂肪を落として痩せたいなら長期的なダイエットがおすすめ
IUダイエットが急激に痩せられるのは、体脂肪が大幅に減るからではありません。
例えば、1日の消費カロリーが平均で1,800kcalの人がIUダイエットを5日間続けたとします。体脂肪を1kg減らすには7,200kcal消費しなければなりません。IUダイエットは1日に約500kcalを摂取しますので、消費カロリーが1,500kcal上回りますが、5日間継続しても合計で7,500kcalにしかならず、体脂肪は1kg程度しか減らない計算になります。
体脂肪があまり減っていないのに体重が落ちているのは、体内にある食べ物の量が減り、水分量も少なくなるからです。また、筋肉がエネルギーとして消費されることも、体重が落ちる要因のひとつでしょう。
そのため、IUダイエット後に食事を戻せば体重は簡単に元に戻ります。
しっかりと脂肪を落としながら痩せたいのであれば、カロリー計算をおこないながら最低限のカロリーを摂取する必要があります。長期的なダイエットであれば筋肉を減らさず健康も害さずに、ダイエットを成功させることができるでしょう。
5. まとめ
IUダイエットは、韓国の歌手IUが20代前半におこなったのがIUダイエットです。
以下の献立と、スキマ時間に運動を取り入れたダイエット方法です。
- 朝:りんご1個
- 昼:さつまいも1個
- 夜:プロテインシェイク1杯
IUダイエットは以下のような理由から、おすすめできません。
- 1日に必要なカロリーを摂取できない
- 運動するにはタンパク質が足りない
- 血糖値が乱高下する可能性がある
- IU自身もおすすめしていない
もしIUダイエットをやりたいのであれば、次のようにアレンジした方法で取り組みましょう。
- カロリーの収支計算をおこなう
- 脂質をできるだけカットする
- 食物繊維をしっかりとる
- 毎日2~3Lの水を飲む
- 生活に運動を取り入れる
IUダイエットを含む短期間で痩せられるダイエットは、非常にリバウンドしやすいという特徴があります。また、痩せにくく脂肪を溜め込みやすい体になる可能性があります。そうならないためにも、ダイエットは長期的におこなうのがおすすめです。