一日一万歩はもう古い!歩数の新常識と健康・ダイエット効果を徹底解説

「一日一万歩歩いた方がいいって本当?」
「一日一万歩を続ければ痩せられるの?」
 
一日一万歩は、厚生労働省の「健康日本21」にも目標値として記載されている、健康でいられるための歩数です。そのため一日一万歩は歩いた方がいいと思っている人は多いと思いますが、実は歩き過ぎであると近年わかってきました。
 
また、一万歩を毎日歩き続けても、食事などに気を使わなければ痩せない可能性があり、健康を害してしまうリスクがあるので注意が必要です。そのため、痩せたい・健康でいたいなら、新たに判明した毎日の歩き方や食事管理の方法を理解しておきましょう。
 
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。

  • 一日一万歩といわれる理由
  • 歩数の新しい目標値の根拠
  • 歩き過ぎの危険性
  • ダイエットや健康に効果的な運動と食事方法 

この記事を読むことで、健康やダイエットのためにどのくらい歩けばいいのかがわかりますまた、ダイエットに効果的な食事方法についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。


1. なぜ「一日一万歩」と言われているのか


厚生労働省の「健康日本21」によると、身体活動量と死亡率などの関連をみた疫学的研究から、「一日一万歩」が理想であるとされています。海外の文献では1日あたり300kcal以上のエネルギー消費に相当する身体活動が推奨されており、このエネルギー消費量に相当するのが一万歩だからです。
 
これは、普通のペースで歩行した場合1,000歩で約30kcal消費することを前提として計算されています。

1-1.  一万歩の距離や時間はどれくらい?

具体的にイメージが湧くように、一万歩の距離やかかる時間について見てみましょう。
 
■一万歩の距離
距離はその人の歩幅によって異なります。歩幅の目安は「身長-100cm」で算出しますので、身長170cmの人であれば一万歩の距離は7kmほどです。
身長が低ければ5kmほどで一万歩に達することもあるので、あくまでも目安として覚えておきましょう。
 
■一万歩を歩くのにかかる時間
一万歩を歩くのにかかる時間は1時間40分ほどです。これはずっと歩き続けた場合の時間なので、途中に休憩などを挟めば2時間以上かかることもあるでしょう。

1-2. 「一日一万歩」歩く必要は本当にある?

近年、一日に一万歩は「歩きすぎ」だとも言われています。特に60歳以上の人が過度に歩くと関節痛や外反母趾などのトラブルを引き起こす可能性があります。
 
確かに、肥満を防ぎ健康でいるためには毎日適度なカロリー消費は必要です。しかし、運動強度を上げることで同じ歩数でもカロリー消費を増やすことは可能であるため、「一万歩」に固執する必要はありません
例えば、体重60kgの人が時速4kmの速さで30分歩いた場合の消費カロリーは約95kcalですが、時速5.6kmの早歩きであれば20分ほどで同様のカロリーを消費することができます。


2. 最近は「一日一万歩」ではなく「一日8,000歩」

 
最近では、健康効果が得られて病気の予防になる運動は、ウォーキングなら8,000歩と言われています。さらに8,000歩の歩くうちの20分は、早歩きなど中強度の運動を取り入れるようにすることが重要です。
 
その基準を明確にしたのが「中之条研究」という調査研究です。なぜ一日8,000歩なのかを理解するために、中之条研究について詳しく見ていきましょう。

2-1.  運動強度も重要だと示した「中之条研究」

中之条研究とは、群馬県中之条町で2000年以降継続的に行われている「日常の身体活動と病気予防の関係」についての調査研究です。65歳以上の全住民を対象に日常の生活に関する膨大なアンケート調査を行いました。
さらにそのうちの500人は身体活動計を携帯し、365日24時間の身体活動をモニタリングしています。
 
中之条研究では、長期的な調査から得られた膨大なデータから「どんな運動をどのくらい行えばいいのか」が明らかになり、多くの歩数を歩くだけでなく運動強度も重要であることがわかりました。

2-2. 「8,000歩+中強度の運動20分」でさまざまな病気を予防できる

1日平均の身体活動によって予防できる病気は以下のとおりです。

歩数中強度運動時間予防できる病気
2,000歩0分寝たきり
4,000歩5分うつ病
5,000歩7.5分要支援・介護/認知症/心疾患/脳卒中
7,000歩15分がん/動脈硬化/骨粗しょう症/骨折
7,500歩17.5分筋減少症/体力の低下
8,000歩20分高血圧/糖尿病/脂質異常症/メタボリックシンドローム(75歳以上)

参考:健康長寿研究所|中之条研究
 
このように、平均で1日8,000歩(このうち中強度運動20分)を歩いていると、生活習慣病やその他の病気も予防できます8,000歩を超えるウォーキングを行ってもあまり効果は大きくならず、12,000歩以上は健康を害する可能性があるとされています。


3. 歩き過ぎはかえって痩せにくくなる危険性も


8,000歩で充分な健康効果やダイエット効果を得られることを解説しましたが、「もっと歩けばさらに痩せられるのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、有酸素運動のやり過ぎは逆効果になることがあります。
 
有酸素運動は糖質や脂肪がエネルギー源です。そのため、効率よく体脂肪を減らすことができます。
しかし、有酸素運動をやり過ぎるとエネルギーが不足してしまい、タンパク質まで分解されてしまいます。タンパク質が分解されると筋肉が減ってしまうため、基礎代謝が下がって痩せにくい体になってしまうのです。
 
高齢者の場合は筋力が低下することで、体のバランスが取りにくくなってしまい、転倒・骨折のリスクが高まります。また、膝や足首などに痛みが出るなど、歩行に支障が出ることもあるでしょう。
 
このように、歩くことも適度に行うことが大切なのです。


4. ダイエットや健康に効果的な運動は「一日一万歩」ではなく「有酸素運動+筋トレ」


 
一日一万歩は先ほど解説したとおり、基礎代謝が下がってしまう可能性があるのでやめましょう。ダイエットにおいてカロリー消費は大切ですが、基礎代謝を上げて痩せやすい体を作るのであれば筋肉量を増やすことも重要です。また、いつまでも元気に歩くためにも筋肉は付けておくべきでしょう。
 
筋肉量を増やすためには筋トレが重要であり、筋トレでももちろんカロリーを消費できます。例えば、効率的に筋肉量をふやせるスクワットであれば、10分で40~80kcalのエネルギー消費量になるので、ウォーキングよりもカロリーを消費できるのです。
しかし、筋トレを何十分も続けるのは難しいので、ウォーキングなどの有酸素運動と併せて行うのがおすすめです。
 
例えば健康目的として運動を行う場合、以下のように運動を行ってみましょう。

運動内容/時間消費カロリー
スクワット/10分53kcal
早歩き/20分90kcal
普通の速度のウォーキング/50分157kcal

※体重60kgの人の目安
 
有酸素運動をウォーキングからジョギングに変えるなど、運動強度を上げれば運動時間を減らすことも可能です。筋トレを無理のない範囲で増やしてもいいでしょう。


5. ダイエットをしたいなら運動よりも食事が重要


一日一万歩を歩く目的がダイエットであれば、運動以上に食事内容の見直しが重要です。なぜなら、一万歩歩いて300kcal消費するよりも、食事のカロリーを300kcal減らす方が効率的で負担が少ないからです。
 
ダイエットにおける食事制限のやり方について解説していきますので、順番に確認していきましょう。

5-1. カロリー計算をしよう

痩せるには消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があります。
 
消費カロリーと摂取カロリー
摂取カロリーが確実に消費カロリーを上回っているかを確認するためには、日々のカロリー計算は欠かせません。
カロリー計算の重要性や計算方法について、詳しく見ていきましょう。

5-1-1. カロリーは少なければいいというものではない

摂取カロリーを消費カロリー以下にするために、極端に摂取カロリーを減らせば計算する必要はないと考える人もいるでしょう。しかし、このやり方は体への負担が大きく、太りやすい体になってしまうのでやめましょう。
 
人は、活動していなくても内臓を動かすなど生命を維持するためにカロリーを消費しています。それが「基礎代謝」と呼ばれるものです。
基礎代謝の目安は以下のとおりです。

 
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)
 
体はダイエット中であることを認識できないため、摂取カロリーが基礎代謝を下回ると「飢餓状態」であると判断し、代謝を下げて少ないカロリーで活動できるようにしてしまいますこれは、体を動かしてもカロリーを消費しにくく、痩せにくい体になるということです。
さらに、飢餓状態になった体はエネルギーを蓄えようとするため、脂肪を溜め込みやすくなります。つまり、最低でも基礎代謝以上のカロリーを摂取していないと、痩せにくく太りやすい体になってしまいます
 
また、カロリーを制限しすぎると栄養バランスが崩れ、栄養失調など体調不良を引き起こす可能性もあるので、カロリー制限をする場合は摂取カロリー目安の計算と、日々のカロリー計算が必須なのです。

5-1-2. 1日の摂取カロリー目安を知る方法

日々の摂取カロリーを計算する前に、1日の摂取カロリーの目安を計算する必要があります。1食を500kcalに抑えるダイエットなどがありますが、年齢・身長・体重・活動量などによってその人の基礎代謝は異なるからです。
 
1日の摂取カロリーの計算は、以下の手順で行いましょう。

  1. 基礎代謝の計算
  2. 消費カロリーの計算
  3. 1日の摂取カロリー目安の計算

1日の目安となる摂取カロリーを計算したら、毎日摂取カロリーと消費カロリーの収支計算を実践してください。
 
1日の摂取カロリーの目安の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ダイエット中の1日摂取カロリー目安計算と効率よくカロリー制限する方法

5-2. 脂質はカットしよう

ダイエットをする場合、脂質をカットすることで効率的にカロリー制限ができます。なぜなら、以下のように炭水化物やタンパク質と比べて脂質は2倍以上のカロリーがあるからです。
 
脂質のカロリー
また、脂質を過剰に摂取すると、直接的に皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪細胞を増大させるため、肥満の原因にもなります。
これらの理由から、ダイエットをするならまず脂質のカットが重要になるのです。
 
脂質をカットするローファットダイエットは、以下の手順で行いましょう。

  1. 1日の摂取カロリーを決定する
  2. PFCバランスを計算する
  3. 食事の管理を行う
  4. 1日の摂取カロリーやPFCバランスを見直す

詳しいローファットダイエットのやり方や効果は、以下の記事を参考にしてください。
ローファットダイエットは効果あり?失敗しない具体的なやり方を解説

5-3. 食事のバランスを考えよう

脂質をカットしてカロリーを計算するだけでは、バランスのいい食事をとることができません。食事のバランスがとれているか確認するためにも、PFCバランスの計算をしましょう。
PFCバランスとは、タンパク質・脂質・炭水化物の摂取バランスです。

PFCバランス 
ローファットダイエットをおこなう場合のPFCバランスは、「3:1:6」もしくは、「3:2:5」を目標にしましょう。
例えば、1日の摂取カロリー目安が1,800kcalでPFCバランスを「3:2:5」に設定するのであれば、以下のように目標を算出することができます。

  • タンパク質:540kcal(135g)
  • 脂質:360kcal(40g)
  • 炭水化物:900kcal(225g)

脂質を避けながら魚・肉・大豆などからタンパク質を摂取しつつ、野菜も取り入れてバランスのいい食事を心がけましょう。


6. 一日8,000歩やダイエットに効果的な食事を続けるなら仲間を作ろう


一日8,000歩のウォーキングや食事制限を続けるには、習慣化する必要があります。新たな習慣をつくる場合、ひとりでチャレンジするよりも仲間を作ることで成功率を上げることができます
 
仲間と一緒に習慣化に取り組むと、お互いにちゃんと実践しているかを監視し合えるため、「サボれない」状況が作れるからです。

6-1. ダイエット・健康習慣仲間を作るなら「みんチャレ」

仲間を作るのにおすすめのアプリが、習慣化アプリ「みんチャレ」です。
みんチャレは5人で1チームとなり、同じ目標を達成するために毎日チャットで成果の報告をします。成果はチームのみんなにチェックしてもらうため、「やらなければ」といういいプレッシャーを感じることができるでしょう。

みんチャレ
 
みんチャレには、ウォーキングや食事制限などさまざまなチームがあります。
 
みんチャレ ウォーキング 
目標が優しいチームからストイックなチームまであるので、自分が続けられそうなチームを選ぶことが可能です。自分でもチームを作ることができるので、自ら仲間を募集するのもおすすめです。
 
チームにはニックネームで参加することができ、合わなければ途中で抜けることも可能です。


7. まとめ

近年、一日一万歩は歩き過ぎだと言われており、続けると足を痛めたり痩せにくくなってしまったりする可能性があります。最近では中之条研究の結果から、ウォーキングなら8,000歩でそのうちの20分はを早歩きなど中強度の運動にすると、もっとも健康効果が高いとされています。
 
有酸素運動のやり過ぎは筋肉量が減ってしまう可能性があるので、筋トレも取り入れた方がいいでしょう。また、ダイエットの場合は食事にも気を付ける必要があります
 
食事は、摂取カロリーの目安を計算してから、脂質をカットしてPFCバランスがとれた食事を摂るようにしましょう。日々のカロリー計算も大切です。

 

 

習慣化アプリ「みんチャレ」を使う人の70%が、アプリを使い始めて21日以上習慣を継続しています。一人ではなかなか習慣化できないことでも、同じ目標を持った仲間と励まし合いながら取り組むと楽しく続けられます。まずはみんチャレアプリをダウンロードして、興味のあるチームに参加してみましょう。

\ 100万人が使うNo.1習慣化アプリ /