【無料・有料あり】健康経営アプリ比較6選!導入のメリットと注意点

健康経営 アプリ

健康経営を効果的に進めるためには、従業員が気軽に利用できるスマホアプリを活用するのがおすすめです。
 
なぜかというと、開催頻度の少ない健康セミナーや、年に一度しかない健診だけでは、日々の健康管理を助けるのには不充分だからです。
 
そのためこの記事では、健康経営のためにアプリの活用を検討している人に向けて以下の内容をお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • 健康経営に役立つおすすめのアプリ
  • 健康経営アプリを活用するメリット
  • 健康経営アプリ選びに失敗しないためのポイント
  • 健康経営アプリ導入企業の事例

上記のように、最初におすすめのアプリを紹介した上で、活用のメリットや失敗を防ぐためのポイント、導入事例について解説します。
 
そのため最後までお読みいただけると、「健康経営を推進するため、どのようなアプリをどのように導入すればいいのか」を判断するための情報を漏れなく把握することができるはずです。
 
詳しくは以下で解説していきます。


目次

1. 健康経営に役立つアプリおすすめ6選


健康経営を推進するために利用されているアプリとして主流なのは、「従業員に行動変容を促すもの」です。
 
特に運動や食事改善のように、会社で働いている時だけでなくプライベートでも意識すべきカテゴリのものにおいては、帰宅後や休日でも利用できるスマホアプリの活用が有効となるでしょう。
 
目的別に特におすすめのアプリは以下の6つです。

健康経営に役立つアプリ
おすすめ6選

  • ウォーキングイベントで楽しく運動できる「aruku&(あるくと)」
  • 魅力的なインセンティブで意欲向上につながる「グッピーヘルスケア」
  • オンライン特定保健指導も実施できる「カロママプラス」
  • 食生活改善によるダイエットに効果的「あすけん」
  • ハードルの低い健康タスクが充実「SUNTORY+(サントリープラス)」<無料>
  • 食事や運動、禁煙などの行動変容を支援できる「みんチャレ」

また、こういったアプリは個人向けのものであれば無料ですが、法人として利用する場合は別の有料プランが用意されていることが多いです。
 
その場合、法人契約をしたほうが、自社でウォーキングイベントを実施できたり、利用状況を数値で測定できたりします。
 
特に数値で状況を確認することは効果測定する上で非常に重要ですので、健康経営のためにアプリを導入する企業のほとんどは有料契約をしていると考えられます。
 
それでは、詳しく見ていきましょう。

1-1. ウォーキングイベントで楽しく運動できる「aruku&(あるくと)」

出典:aruku& (あるくと) for オフィス
 
最初におすすめするのは、社内外の人と個人・団体対抗で競い合いながら楽しく運動量を増やすことができるウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。

【アプリの概要】

アプリ名aruku&(あるくと)
種類ウォーキングアプリ
特徴
  • ゲーム性やインセンティブ付与機能が充実しており「健康無関心層」も楽しく利用できる
  • 社内ランキングが表示されるだけでなく、別の会社と団体で競い合うこともできるため、社内コミュニケーションの活性化や団結力の向上にも役立つ
  • 利用者の歩数の推移などを管理画面から簡便に確認できるため、効果測定を実施しやすい
法人導入費用の目安20万円~/年
(従業員数やイベント実施回数に応じて変動)
※1か月間無料でお試し可能

 「aruku&(あるくと)」は、アプリ内に親しみにやすいキャラクターが登場し、「1時間以内に1,000歩あるこう」などのミッションを出したり、達成するとご褒美をくれたりします。
 
そのため、運動への関心がそこまで高くない人でも、ゲーム感覚で楽しめるという特徴があります。
 
個人向けにも同じ名称の無料アプリが提供されていますが、法人向けの有料プランでは、企業内で独自のウォーキングイベントを開催したり、管理画面で参加率や効果を確認したりすることができるため、健康経営に活用する場合は有料プランを利用するのがおすすめです。
 
また、このアプリを導入すると「健康経営優良法人」の認定基準である以下の項目について、評価対象となる可能性があります。

「健康経営優良法人」認定基準
のうち活用できる項目

  • コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み

「特に運動量を増やす施策を強化したい」「社員みんなで団結して取り組むイベントを実施したい」という企業におすすめのアプリです。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ aruku&(あるくと)for オフィス

1-2. 魅力的なインセンティブで意欲向上につながる「グッピーヘルスケア」

出典:グッピーヘルスケア
 
次に紹介するのは、16以上の充実した機能で日々の健康活動をサポートしてくれる健康管理アプリ「グッピーヘルスケア」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。
 
【アプリの概要】

アプリ名グッピーヘルスケア
種類健康管理アプリ
特徴
  • 従業員の健康活動をポイント化し、Amazonギフトカードや現金に交換できる
  • 歩数やランニングの記録ができる
  • フィットネスやラジオ体操などの動画を視聴できる
  • 食事やお酒の記録を簡便に実施できる
  • 睡眠時間の記録・可視化ができる
  • 血圧などの日々のバイタルデータや、健診・人間ドックの結果を保存できる
  • ストレスレベルを簡単にチェックできる
  • 禁煙チャレンジができる
  • 生理周期の記録や予測ができる
法人導入費用の目安従業員1人あたり 330~3,300円/月
(ポイント還元費用込み)

上記のように、「グッピーヘルスケア」は「食事だけ」「運動だけ」ではなく、メンタル面のチェックや禁煙、生理周期の記録など、様々なニーズに対応しています。
 
また、健康に良い行動を行うとポイントが付与され、貯めたポイントはAmazonギフトカードや現金に交換することができます。
 
賞品が魅力的でないと、「これは自分の欲しいものではない」とモチベーションにつながらないこともありますが、Amazonギフトカードや現金であれば汎用性が高いため、多くの人の行動変容に役立つでしょう
 
そして、上記のように機能が多岐にわたることから、このアプリは「健康経営優良法人」の認定基準のうち以下の項目について、カバーすることができます。

「健康経営優良法人」認定基準
のうち活用できる項目

  • コミュニケーションの促進に向けた取り組み
  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み
  • 女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  • メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
  • 感染症予防に関する取り組み
  • 喫煙率低下に向けた取り組み

「社員によってニーズが異なるため豊富な機能が欲しい」「健康経営優良法人の認定基準を多数満たしたい」という企業におすすめのアプリです。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ グッピーヘルスケア

1-3. オンライン特定保健指導も実施できる「カロママプラス」

出典:カロママ プラス
 
次に紹介するのは、パーソナルAIコーチ「カロママ」が食事・運動・睡眠など毎日の健康をサポートしてくれるAI健康アドバイスアプリ「カロママ プラス」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。
 
【アプリの概要】

アプリ名カロママ プラス
種類AI健康アドバイスアプリ
特徴
  • パーソナルAIがリアルタイムでアドバイスや提案をくれる
  • 食事、運動など日々の入力に対してポイントを付与できる
  • 支店/支社単位、個人単位で歩数を競えるランキング機能が充実
  • メッセージやコラム配信もできるため、施策への参加促進にも役立つ
  • 「健康セミナー動画」や「オンライン特定保健指導」を活用することも可能
  • 分析ダッシュボードから従業員の日々の生活習慣データを可視化できる
法人導入費用の目安非公開(個別に問い合わせが必要)

特に独自性のある機能は、「パーソナルAIによるリアルタイムのアドバイスや提案」です。
 
食事や運動などのライフログを記録すると、オリジナルキャラクターの「カロママ」がすぐにアドバイスを返してくれるため、どのように改善すればいいのかすぐにわかるという特徴があります。
 
また、食事だけでなく運動や体重、体温、睡眠、気分など、「健康」に関わるライフログを満遍なく記録し、わかりやすいグラフでチェックすることができるため、精度の高い健康管理を実現できるでしょう。
 
そのため、「健康経営優良法人」の認定基準については、以下の項目で評価対象となる可能性があります。

「健康経営優良法人」認定基準
のうち活用できる項目

  • コミュニケーションの促進に向けた取り組み
  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み

このように、特に食生活の改善に役立つカロママプラスですが、AIによるアドバイスにはどうしても限界があるため、このアプリをそのまま特定保健指導に利用することはできません。また、健康経営に必要な項目を全て網羅しているわけではありません。
 
そんなときは、オプションとして提供されている「オンライン特定保健指導」や「オンデマンド健康セミナー動画」などのサービスを利用すると、自社のニーズに応じてサービス内容をカスタマイズすることができるでしょう。
 
「オンライン特定保健指導」サービスでは、管理栄養士などの指導員が、アプリやwebで面談を行い、行動変容を支援してくれます。
 
そして「オンデマンド健康セミナー動画」では、健康経営度調査の15項目に対応した動画が提供されます。従業員は、医師や管理栄養士などによる講演を、いつでも・どこでも・何回でも視聴できるため、ヘルスリテラシーの向上に役立つでしょう。
 
「気軽に受けられる健康アドバイスで従業員の健康意識を高めたい」「特定保健指導もカバーしたい」という企業におすすめのアプリです。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ カロママ プラス

1-4. 食生活改善によるダイエットに効果的「あすけん」

出典:asken (あすけん)
 
次に紹介するのは、わかりやすいグラフで食事を管理できるアプリ「あすけん」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。
 
【アプリの概要】

アプリ名asken (あすけん)
種類食生活改善アプリ
特徴
  • 食事を記録すると各栄養素の過不足をグラフで可視化できる
  • 食事の写真を撮るだけで簡単に食事記録を行える
  • 食事や運動の記録に基づき、AI栄養士が食事改善アドバイスをくれる
法人導入費用の目安非公開(個別に問い合わせが必要)

あすけんは800万人以上の会員を持つ、人気の食事管理アプリです。食品のバーコードや写真を撮るだけで簡単に食事記録ができ、健康状態の改善に役立つアドバイスを受け取ることができます。
 
1日の摂取カロリーと、実際に食べた食事のカロリーをわかりやすくグラフで確認できるため、適正な食生活の実現に役立ちます。
 
実際に、大手電機機器メーカーでこのアプリを活用したところ、400名以上が平均-2.9kgの減量に成功したそうです。
 
また、アプリの利用だけでなく、栄養士による食・健康セミナーや個別のメールサポートなども受けることができます。
 
そのため、「健康経営優良法人」の認定基準については、以下の項目で活用できるでしょう。

「健康経営優良法人」認定基準のうち活用できる項目

  • 管理職・従業員への教育(ヘルスリテラシーの向上)
  • 食生活の改善に向けた取り組み

「ダイエットを必要とする従業員が多い」「食事や栄養についてのリテラシーを向上させたい」という企業におすすめのアプリです。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ asken (あすけん)

1-5. ハードルの低い健康タスクが充実「SUNTORY+(サントリープラス)」

出典:SUNTORY+(サントリープラス)
 
次に紹介するのは、サントリーの自販機を設置すれば無料で利用できる健康アプリ「SUNTORY+(サントリープラス) 」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。
 
【アプリの概要】

アプリ名SUNTORY+(サントリープラス)
種類健康アプリ
特徴
  • ハードルの低い健康タスクが充実しているため継続率が高い
  • オフィスに設置した自販機で使えるクーポンがもらえる
  • 健康に良い飲料を自販機で手軽に入手できる環境が整う
  • 分析ツールや各種健康イベント機能なども利用できる
法人導入費用の目安0円(別途サントリーの自動販売機の設置が必要)

SUNTORY+(サントリープラス) の一番の特徴は、自販機を設置する手間はかかるものの、アプリ自体は無料で利用できるという点です。
 
管理者向けの分析ツールやウォーキングイベント機能の利用なども基本費用0円となっているため、「アプリに予算を割けない…」という企業におすすめです。
 
また従業員側のメリットは、健康に良い行動を続けると、オフィス内の自販機で飲料と交換できるクーポンやポイントをもらえるという点です。
 
わかりやすいインセンティブであるため、健康意識がそこまで高くない人でも、モチベーションを維持することができるはずです。
 
そのため「健康経営優良法人」の認定基準については、以下の項目で活用できるでしょう。

「健康経営優良法人」認定基準
のうち活用できる項目

  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み

「健康意識の低い人でも簡単に取り組める施策を導入したい」「アプリ導入の予算がない」という企業におすすめのアプリです。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ SUNTORY+(サントリープラス)

1-6. 食事や運動、禁煙などの行動変容を支援できる「みんチャレ」


次に紹介するのは、チーム制で生活習慣や目標達成に取り組むことができる習慣化支援アプリ「みんチャレ」です。
 
このアプリの概要は以下の通りです。
 
【アプリの概要】

アプリ名みんチャレ
種類習慣化アプリ
特徴
  • 新しい習慣を身につけたい匿名の5人でチームを作り、一緒に取り組める
  • 同じ目標の人と互いに励まし合えるため継続しやすい
  • 歩数や体重、睡眠時間、食事写真などをわかりやすく表示できる
  • 習慣化の行動によって貯めたコインを社会貢献活動に寄付できる
法人導入費用の目安非公開(→お問い合わせはこちら

みんチャレでは、上記のように匿名の5人でチームを作り、同じ目標に向かって一緒に取り組むことができます。
 
ダイエットや禁煙などに1人で取り組むと、孤独で辛い気持ちになってしまい挫折するケースが多いですが、みんチャレではチームとして頑張るため、継続しやすくなります。
 
実際に「みんチャレ」ユーザーを対象に行った調査では、みんチャレを使うと習慣化成功率の効果が8倍になるという結果も出ています。
 

「健康経営優良法人」の認定の際には、取り入れるテーマによって異なりますが、例えば以下のような項目で役立てることができるでしょう。

「健康経営優良法人」認定基準
のうち活用できる項目の例

  • コミュニケーションの促進に向けた取り組み
  • 食生活の改善に向けた取り組み
  • 運動機会の増進に向けた取り組み
  • メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
  • 喫煙率低下に向けた取り組み

「従業員の行動変容を本気でサポートしたい」「形だけではなく本当に成果の出る施策を導入したい」という企業におすすめのアプリです。

また、社内の喫煙率の減少を目指した禁煙プログラムの導入も進んでいます。

日立健康保健組合では、みんチャレ禁煙のプログラムを導入し成功に導いています。

過去最多515名が参加!日立健康保険組合が喫煙者同士のチームで取り組む新しい禁煙プログラム導入

従来のプログラムに比べて1.5倍の参加率、禁煙外来の1.6倍の成功率を実現

法人向け「みんチャレ」の無料資料ダウンロードはこちら 

 


2. 健康経営アプリを活用するメリット


おすすめの健康経営アプリについてはご理解いただけたと思いますが、ここで「それでは早速導入に進もう」と先走ってはいけません。
 
その前に、アプリを導入するメリットを正しく知っておくことが大切です。
 
メリットが不明確なまま導入に進んでしまうと、自社が期待すべき効果や目指すべき目標を正しく設定することができないからです。
 
健康経営アプリを活用するメリットには、以下のようなものがあります。

健康経営アプリを活用する
5つのメリット

  • 健康経営優良法人の認定項目を満たせる
  • ゲーム感覚で楽しく利用できる
  • 場所を選ばないため不公平感がない
  • 取り組み結果を数字で可視化できる
  • 福利厚生にもなる

詳しくは以下の通りです。

2-1. 健康経営優良法人の認定項目を満たせる

健康経営アプリを活用すると、「健康経営優良法人の認定項目を満たせる」というメリットがあります。
 
健康経営優良法人とは経済産業省による表彰制度で、この認定を受けられると「健康経営を推進している企業である」という客観的なお墨付きを得られることになるため、多くの企業が認定取得を目指していると思います。
 
しかし、その項目は以下のように数が多いため「どれから手を付ければいいのかわからない」「どんな施策をすればクリアしたことになるんだろう」と悩む人も多いのではないでしょうか。
 
出典:経済産業省「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)認定要件」
 
そんなときに便利なのが、健康経営に役立つアプリを導入することです。
 
各アプリは、それぞれが以下のように認定項目の一部や複数に対応しているため、導入が認定要件のクリアにそのままつながるのです。

アプリの種類と認定項目の対応例

  • 食事管理アプリ  「食生活の改善」に対応
  • ウォーキングイベントアプリ  「コミュニケーションの促進」「運動機会の増進」などに対応
  • 行動変容支援アプリ  「食生活の改善」や「運動機会の増進」、「喫煙率低下」などに対応

会社として真剣に健康経営に取り組むのであれば、健康経営優良法人の認定を受けることは一つの目標になると思いますので、アプリの導入で認定要件も同時に満たせるというのは大きなメリットだといえるでしょう。

2-2. ゲーム感覚で楽しく利用できる

ゲーム感覚で楽しく利用できるというのも、アプリの特徴のひとつです。
 
どんなに勉強になる講義も、効果的なトレーニングも、従業員の参加率が低ければ有効な施策とはいえません。
 
しかし健康経営に役立つアプリの多くは、従業員の継続率を高めるために、以下のような工夫を取り入れています。

利用継続率を高めるための工夫

  • アプリ内で他の従業員と交流することでモチベーションを維持できるようにしている
  • ポイントや賞品をもらえる仕組みを取り入れている
  • 直感的に操作できるデザインにすることで使いやすくしている

そうすると、もともと健康への関心が高くない人でも楽しみながら利用し、継続することができます。
 
そのため「健康セミナーを開いても結局意識の高い人しか来てくれない…」と頭を悩ませている会社にとっては、これは非常に重要なメリットとなるでしょう。

2-3. 場所を選ばないため不公平感がない

アプリはスマホがあればどこにいても利用することができるため、場所を選ばず不公平感がないというメリットもあります。
 
従業員向けの施策を導入するときに悩みとしてよくあるのが、「特定のエリアでしか実施できない施策だと、遠方で参加できない従業員からの不満の声が上がる」というものです。
 
特に全国に拠点がある企業の場合は「不公平感のある施策は導入できない」というケースも多いでしょう。
 
また、働き方改革や感染症予防対策の一環として、リモートワーク制度を導入している企業も多いと思いますが、出社しなければ利用できないような施策の場合、リモートワークの従業員には活用してもらえなくなってしまいます。
 
しかしアプリであれば、全国どこにいても、リモート勤務の従業員でも問題なく利用できるため、全ての従業員の健康促進に役立てることができるのです。

2-4. 取り組み結果を数字で可視化できる

アプリを導入するメリットの4つ目は、「取り組み結果を数字で可視化できる」という点です。
 
会社として取り組む以上、数値目標で効果測定をすることが求められますが、アプリの場合以下のようなデータを簡便に収集できるため、取り組みの結果や健康に与えた効果などを数値で把握しやすいというメリットがあります。

アプリ導入によって収集できる
データの例

  • 登録率
  • ログイン率
  • 歩数の推移
  • 体重の推移
  • 睡眠時間の推移

数値で把握できると、効果測定だけでなく従業員へのフィードバックにも役立ちます。
 
例えば株式会社日本トリムでは、ウォーキングアプリを導入していますが、定期的に社員の歩数をCSVで出力し、歩数が少ない社員をフォローすることもあるそうです。
出典:aruku&(あるくと)導入事例 日本トリム様
 
このように、進捗や結果を数字で把握しやすいという点も、アプリ利用の大きなメリットだといえるでしょう。

2-5. 福利厚生にもなる

最後のメリットは「福利厚生にもなる」という点です。
 
健康経営の施策は従業員の健康支援に役立つものであるため、それ自体が福利厚生の一つだと考えることもできます。
 
例えば、健康管理アプリを会社で契約することで従業員が受けられるメリットとしては、以下のようなものがあります。

アプリの会社導入による
従業員のメリットの例

  • 無料アプリでは利用できない機能やサービスを利用できる
  • 会社独自の特別なイベントを利用できる
  • ポイントを貯めて賞品と交換できる仕組みが利用できる

実際に積水化学工業株式会社では、健康サポートアプリを導入したところ3,000人ほどの登録があり、さらに募集締め切り後にも問い合わせが多数あるなど、反響が大きかったそうです。
出典:リロクラブ「サービス導入事例」
 
このように、健康管理に役立つアプリを導入すると、福利厚生を手厚くすることにもつながるため、仕事へのモチベーションや会社へのロイヤルティーを高める効果も期待できるのです。


3. 健康経営アプリの導入で失敗しないためのポイント


健康経営アプリを活用するメリットについて詳しくお伝えしてきましたので、次はアプリ導入に失敗しないための注意点を紹介していきます。
 
なぜかというと、アプリなどの施策は一度導入してしまうと、その後契約をやめたり他のサービスに変更したいと思ったりしても利用者から反対の声が上がることがあるためです。
 
そのため、どんなアプリを導入するのか?という点については慎重になる必要があります。
 
また、導入するだけでその後何もしないと、良い効果は見込めません。
 
そこでこの章では、アプリ導入に失敗しないためのポイントとして以下をお伝えします。

健康経営アプリの導入で
失敗しないためのポイント

  • 自社のニーズや社員の特性に合うものを選ぶ
  • 関心の低い人にも使ってもらえるアプリを選ぶ
  • アプリ導入後も宣伝や企画に注力する

詳しく見ていきましょう。

3-1. 自社のニーズや社員の特性に合うものを選ぶ

導入するアプリを選ぶ段階で意識しておきたいこととしては「自社のニーズや社員の特性に合うものを選ぶ」というものがあります。
 
なぜなら、会社の抱える健康課題や、それを解決するために必要な施策は、業種や従業員の属性などによって以下のように異なるからです。

アプリに求める違いの例

  • 座りっぱなしの業務が多い業種の場合  運動促進に役立つ機能
  • 女性従業員の比率が高い場合  女性特有の健康課題(月経や更年期など)に対応した機能
  • ITに慣れていない高齢の従業員が多い場合  簡単な操作で利用できるもの
  • 生活習慣病の高リスク者が多い場合  本質的に利用者の習慣改善に役立つもの

そのため、「他社も導入しているから」「たくさんの人が使っているようだから」というような安易な理由で選んでしまうと、自社の求める課題解決には役立たないことがあります。
 
「まずは自社の解決したい課題を明確にする」→「その解決に役立つアプリを選ぶ」という流れで、自社に合ったアプリを選ぶようにすることが重要です。

3-2. 関心の低い人にも使ってもらえるアプリを選ぶ

健康経営を推進していく上でよく上がるのが「健康への関心が低い層にどうやって参加してもらうか」という課題です。
 
一般的に、若年層は健康課題があまり顕在化していないため「健康になるための施策」を案内しても、自分ごととして捉えにくい人が多いでしょう。
 
また、健康課題があっても「何となく自分はまだ大丈夫だと思う」「色々言われると面倒だから嫌だ」と参加しない人はいると考えられます。
 
そのため、健康意識の低い人でも「使いたい!」と思ってもらえるような仕組みを取り入れているアプリを選ぶのがおすすめです。
 
例えば以下のような工夫があります。

利用意欲を高めるための工夫の例

  • 健康に良い行動をするとポイントが貯まり賞品と交換できる
  • キャラクターが話す形式になっており親しみやすさを感じられる
  • 他の人と励まし合えるなど、一緒に頑張っていることがわかる
  • ランキング形式で他部署や他社と比較されることで競争意欲がわく

上記のような要素を満たしていると、健康自体にはそこまで関心がない人にも、「楽しそう」「賞品がもらえてお得なら参加したい」といったモチベーションで使ってもらえるでしょう。
 
そうすると、「せっかくアプリを導入したけど少数の人しか使ってくれない…」という状況に陥るのを防ぐことができます。

3-3. アプリ導入後も宣伝や企画に注力する

アプリは、導入することがゴールではありません。
 
その後も従業員が利用しやすくなるよう適切に宣伝をしたり、アプリを使ったイベントを企画したりすることが大切です。
 
導入するだけで満足していると、徐々に利用率が低下し、期待していたような効果が得られないという事態に陥ってしまうでしょう。
 
例えば以下のような取り組みをすると、アプリの効果を高めるのに役立ちます。

アプリの効果を高める
取り組みの例

  • 各部門のリーダーからメールやチャットで、アプリの登録を促してもらうようにする
  • オンライン会議の最後にアプリ登録用のQRコードを表示させて、その場で読み込んでもらう
  • 全社会議で社長からイベントの紹介をしてもらう
  • 自社の商品やサービスと関連のある賞品を用意する
  • 同僚や家族と一緒に参加できる形式にする
  • 途中参加でも楽しめる仕組みにする

実際に使った人の意見を聞いて常に改善を重ねていくと、利用している従業員の満足度向上だけでなく、新規利用者の増加も期待できます。
 
このような点に注意することで、健康経営アプリの導入を成功させていきましょう。


4. 健康経営アプリ導入企業の事例4選


健康経営アプリを選ぶときのポイントを詳しくお伝えしましたので、具体的な選び方のイメージは湧いてきたのではないかと思います。
 
そこで次は、実際にアプリを導入して健康経営を推進している企業の事例として、以下の4つを紹介していきます。

健康経営アプリ導入企業の事例

  • ゲーム性の高いリモートウォーキング大会で参加率は80%超【aruku&(あるくと)】
  • 健康行動促進アプリの導入で特定保健指導対象者数20%減【グッピーヘルスケア】
  • 柔軟なカスタマイズで自社ならではの取り組みを実現【カロママ プラス】
  • チーム制で習慣改善に取り組むアプリで目標達成率が2倍に【みんチャレ】

具体例を知ることで、どんなアプリをどのように活用すれば成果に結びつくのか、より詳しくイメージできるようになるはずです。
 
早速見ていきましょう。

4-1. ゲーム性の高いリモートウォーキング大会で参加率は80%超【aruku&(あるくと)】

 【事例①】

会社名ウイングアーク1st株式会社
業種ソフトウェア開発や企業のデータ活用支援
導入アプリaruku&(あるくと)(ウォーキングアプリ)

ソフトウェア開発や企業のデータ活用支援などを行う「ウイングアーク1st株式会社」では、ウォーキングアプリ「aruku&」を活用し、以下のような取り組みを実施しました。

ウイングアーク1st株式会社
の取り組み

  • 1日3,000歩を10日間歩くことを目標としたウォーキングイベントを実施
  • 部門別の対抗戦にすることで参加を促進
  • 参加者には業務委託や派遣の人も含まれていたためインセンティブは個人情報を取得せずに送れるものを選定(Amazonギフトカード)
  • 自社のツールを活用してイベントに独自性を付与

 出典:aruku&(あるくと)導入事例 ウイングアーク1st様

令和元年の「国民健康・栄養調査結果」によると、1日の平均歩数は男性で6,800歩程度、女性で5,800歩程度だという結果が出ています。
 
しかし同社では、リモートワーク中心で歩く機会が少ない自社の状況に合わせて、第1回目のイベント時は目標歩数を3,000歩に設定し、期間も10日間とハードルを下げて、多くの従業員が参加できるような工夫を行いました。
 
その結果、アプリ登録者数は全社員の80%となり、イベント自体も大きな盛り上がりを見せたそうです。
 
また、インセンティブについても以下のように多くの種類の賞を用意することで、従業員のモチベ―ションを高めることができました。

用意した賞の例

  • 10日間達成者賞
  • 9日間達成者賞
  • 金賞
  • 銀賞
  • トータル3,000歩以上歩いたら参加賞

上記のような工夫をすることで、何らかの賞をもらえた参加者は36.5%となりました。
 
さらに、会社全体で共通の目標を持つため、自社のデータ集約・可視化ツールを用いて全員の総歩数を可視化するという工夫もしました。
 
それを、「地球一周する」「月までの距離を目指す」というようにユニークに表現したことで、参加者の関心を惹くことができ、イベント後のアンケートでは以下のような高い評価を受けられたそうです。

イベント後のアンケートの結果

  • またウォーキングイベントがあったら参加したいですか?
    → また参加したい 92%、参加したくない 8
  • イベント後もウォーキングを続けますか?
    → 続ける・可能な範囲で続ける 94% 、 続けない 6

自社の状況や風土に合った方法でイベントを企画することで、楽しんでもらいながら従業員の運動機会を増やすことができた好事例でした。

4-2. 健康行動促進アプリの導入で特定保健指導対象者数20%減【グッピーヘルスケア】

 【事例②】

会社名橋本総業株式会社
業種管工機材・住宅設備機器の販売
導入アプリグッピーヘルスケア(健康管理アプリ)

管工機材・住宅設備機器の専門商社である「橋本総業株式会社」は、健康に良い行動をするとポイントが貯まるアプリを導入することで、特定保健指導の対象者が20%も減ったという成果を上げています。
出典:グッピーヘルスケア 導入事例「橋本総業株式会社」
 
同社では、以下のポイントに着目して導入するアプリの選定を行いました。

アプリ導入の際の決め手

  • 自社の従業員のモチベーションになるインセンティブ(Amazonギフトカード)が選べる
  • 食事だけ、ウォーキングだけ、などではなく、様々なカテゴリをカバーしている

健康に良い行動をすることでポイントが貯まり、賞品と交換できるという仕組み自体は、多くのアプリで提供されています。
 
しかしアプリによっては、交換できる賞品の種類が健康グッズや健康食品に限られている場合もあります。
 
同社では、「それでは自社の従業員のニーズに合っていない」と考え、より汎用性の高いAmazonギフトカードが選べるアプリを選んだのだそうです。
 
また、健康管理アプリの中には食事管理に特化していたりウォーキングイベントが中心だったりと、専門性の高いものもあります。
 
しかし、一部の項目だけでなく「運動・食事・こころ・睡眠」の全てをカバーしたいという考えがあったため、満遍なく管理できるアプリを導入しました。
 
その結果、以下のような効果が得られたそうです。

アプリ導入後の効果

  • 利用者から「歩数を気にするようになった」「ポイントもつくので歩数が伸びた」という声が上がった
  • 特定保健指導対象者数が20%減った

「自社の従業員のモチベーション向上につながるかどうか」という視点で自社に適したアプリを選び、総合的に健康意識向上につながった好事例です。

4-3. 柔軟なカスタマイズで自社ならではの取り組みを実現【カロママ プラス】

 【事例③】

会社名味の素株式会社
業種食品の製造と販売
導入アプリカロママプラス(健康管理アプリ)

大手食品会社である「味の素株式会社」では、既存のアプリに以下のようなカスタマイズを加えることで、自社独自の取り組みを行っています。

実施したカスタマイズの例

  • 社員食堂のメニューをアプリで取り込めるようにした
  • 自社のキャンペーン(ラブベジ)と連動

 出典:健康長寿産業連合会「2022 健康経営 先進企業事例集」

このアプリでは、食事の写真を撮影するだけで自動記録できますが、メニューによってはうまく認識されなかったり、実際の栄養価と異なる内容で登録されたりすることもあります。
 
そのため同社では、自社の社員食堂で提供されるメニューを簡便に登録できるよう、アプリ側にカスタマイズを加えることで、より正確に食事記録ができる環境を実現しました。
 
さらに、自社が推進している、野菜の摂取量を増やすキャンペーン「ラブベジ」と連動させることで、従業員が愛着を持ってアプリを利用しやすい土壌を作っています。
 
その他の機能についても、同社では以下のように評価をしており、企業団体である「健康長寿産業連合会」でも先進的な取り組みとして紹介されています。

アプリ導入の評価

  • 日々のライフログデータを入力することで、タイムラインで健康アドバイスが得られ、セルフケアの維持向上に役立つ
  • 目的別に利用者の健康ニーズにあわせて複数のコースの中からプランを選択することができる
  • 他の健康アドバイスアプリよりも、利用者の入力の負担が小さい

自社の従業員がより利用しやすくなるよう柔軟に対応している事例です。

4-4. チーム制で習慣改善に取り組むアプリで目標達成率が2倍に【みんチャレ】

最後に、企業ではありませんが、自治体が住民の健康課題の解決のために習慣改善アプリを活用した事例をご紹介します。
 
【事例④】

自治体名神奈川県
導入アプリみんチャレ(習慣化アプリ)

神奈川県では、チーム制で習慣改善に取り組むことができる習慣化支援アプリ「みんチャレ」を利用することで、糖尿病予防のための生活習慣改善効果を検証しました。
 
糖尿病・予備群の方に3か月間利用してもらったところ、以下のような結果となりました。

アプリを利用した取り組みの結果

  • 目標歩数の達成率は、アプリを利用したグループが5%、利用していないグループは26.5%となり、2倍の効果が得られた
  • アプリを利用したグループのほうが健康的な食べ方への意識が高くなった

 出典:神奈川県「ME-BYOリビングラボ実証事業の結果報告」

【目標歩数の達成率の結果】
出典:エーテンラボ(株)/ みんチャレ プレスリリース
 
【健康的な食べ方への意識の変化】
アプリ(みんチャレ)を利用したグループは、「健康を意識した食べ方の開始時期の変化」について、「3か月以内に開始した人数」が非使用群と比べ有意に向上しました。
出典:神奈川県「ME-BYOリビングラボ実証事業の結果報告」
 
運動や食事改善は、1人で頑張るよりも複数人で励まし合いながら実施したほうが効果的であることがわかっています。
 
そのため、従業員に健康的な食事や運動、禁煙などの習慣を身に着けてもらいたいと考えている企業はこのような習慣化アプリを活用してみてはいかがでしょうか。
 
当社では、他の人と一緒に楽しみながら食事や運動、禁煙などの行動変容に取り組むことができる、スマホアプリを活用したプログラム「みんチャレ Healthcare」を提供しています。
 
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ みんチャレ Healthcare | A10 La


5. まとめ

この記事では、健康経営に役立つアプリについて詳しくお伝えしました。
 
特におすすめの厳選アプリは以下の6つでした。

健康経営に役立つアプリ
おすすめ6選

  • ウォーキングイベントで楽しく運動できる「aruku&(あるくと)」
  • 魅力的なインセンティブで意欲向上につながる「グッピーヘルスケア」
  • オンライン特定保健指導も実施できる「カロママプラス」
  • 食生活改善によるダイエットに効果的「あすけん」
  • ハードルの低い健康タスクが充実「SUNTORY+(サントリープラス)」
  • 食事や運動、禁煙などの行動変容を支援できる「みんチャレ」

そして、健康経営にアプリを活用するメリットとして以下の内容をお伝えしました。

健康経営アプリを活用する5つのメリット

  • 健康経営優良法人の認定項目を満たせる
  • ゲーム感覚で楽しく利用できる
  • 場所を選ばないため不公平感がない
  • 取組結果を数字で可視化できる
  • 福利厚生にもなる

さらに、導入にあたって失敗しないためのポイントとして、下記を解説しました。

健康経営アプリの導入で
失敗しないためのポイント

  • 自社のニーズや社員の特性に合うものを選ぶ
  • 関心の低い人にも使ってもらえるアプリを選ぶ
  • アプリ導入後も宣伝や企画に注力する

そして最後には、実際の導入事例を4つ紹介しました。
 
心身共に健康な状態を作るためには、プライベ―トの時間でも利用できるスマホアプリを活用するのが有効です。
 
自社の目的に合ったアプリを導入することで、健康経営を成功に導いていきましょう。

 

 

習慣化アプリ「みんチャレ」を使う人の70%が、アプリを使い始めて21日以上習慣を継続しています。一人ではなかなか習慣化できないことでも、同じ目標を持った仲間と励まし合いながら取り組むと楽しく続けられます。まずはみんチャレアプリをダウンロードして、興味のあるチームに参加してみましょう。

\ 100万人が使うNo.1習慣化アプリ /