健康経営の取り組みとして代表的なものは、以下の通りです。
代表的な健康経営の取り組み
- 定期健診の受診率を100%にする
- 受診勧奨に取り組む
- ストレスチェックを実施する
- 従業員のヘルスリテラシーを高める機会を提供する
- ワークライフバランスの推進
- 保健指導を実施する
- 食生活改善や運動機会の増進をサポートする
- メンタル不調者への対応を行う
近年は、社会的にも健康経営の重要性が高まっているため「自社に健康経営を取り入れたい」と考える企業が増えています。
しかし、健康経営に役立つとされる施策をただ実践するだけでは、生産性の向上につながらなかったり、思うような社会的評価を受けられなくなったりしてしまいます。
そのためこの記事では、自社の健康経営を成功に導くために知っておくべきこととして、以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること
- 健康経営の取り組みで実施すべき4つのステップ
- 取り組みを推進するための16の施策例
- 企業の優良事例8選
- 健康経営を成功させるための3つのポイント
最後までお読みいただくと、推進の手順を理解した上で、具体的な施策例や他社事例、成功させるためのポイントまで詳しく知ることができます。
そのため、自社が次に何をすべきか正しく判断し、早速行動に取り掛かることができるでしょう。
この記事が健康経営の取り組みのお役に立つことができれば幸いです。
目次
- 1 1. 健康経営の取り組みで実施すべき4つのステップ
- 2 2. 取り組みを推進するための16の施策例
- 2.1 2-1. 定期健康診断の受診率を100%にする
- 2.2 2-2. 受診勧奨を行う
- 2.3 2-3. ストレスチェックを実施する
- 2.4 2-4. 従業員のヘルスリテラシー向上のための機会を提供する
- 2.5 2-5. ワークライフバランスを推進する
- 2.6 2-6. 職場のコミュニケーションを促進する
- 2.7 2-7. 病気の治療と仕事の両立を支援する
- 2.8 2-8. 保健指導を実施する
- 2.9 2-9. 食生活改善をサポートする
- 2.10 2-10. 運動機会を提供する
- 2.11 2-11. 女性の健康支援を行う
- 2.12 2-12. 過重労働対策を行う
- 2.13 2-13. メンタル不調者への対応を行う
- 2.14 2-14. 感染症の予防対策を行う
- 2.15 2-15. 喫煙率を下げるための対策を行う
- 2.16 2-16. 受動喫煙を防止するための対策を行う
- 3 3. 企業のユニークな優良事例8選
- 4 4. 健康経営を成功させるための3つのポイント
- 5 5. まとめ
1. 健康経営の取り組みで実施すべき4つのステップ
健康経営の取り組みを実践する際、特に重要になるのは「正しい手順を意識して進めること」です。
流れを整理せずにやみくもに取り組むと、本当に達成したい目的を見失ったり、効果が出るまでに余計な時間がかかったりと失敗に陥ることがあるからです。
そこでこの章では、健康経営の取り組みで実施すべき4つのステップとして以下の内容をお伝えしていきます。
健康経営の取り組みで実施
すべき4つのステップ
- 健康経営に取り組むことを社内外に発信する
- 実施できる環境を整える
- 具体的な対策を行う
- 取り組みを評価する
早速詳しく見ていきましょう。
1-1. 健康経営に取り組むことを社内外に発信する
健康経営の取り組みを実施することになったら、まずは以下のような方法で、社内外へ「健康経営に取り組むこと」を表明しましょう。
- 全社会議や全体朝礼などで全従業員に対して、社長から宣言を行う
- 社内報や社内メーリングリストなどで、健康経営に取り組む理由などを発信する
- Webサイト上へ、健康経営に取り組むことを記載する
- 協会けんぽ等の医療保険者が行っている「健康宣言」の事業に参加する
社内へ適切に発信を行い、会社が健康経営に真剣に取り組もうとしていると伝えることには、以下のようなメリットがあります。
- 従業員の会社に対する信頼度が高まる
- 健康経営の取り組みを進める際に、社内の理解と協力を得られやすくなる
- 健康経営を身近なものだと感じてもらうことで、従業員が施策に参画しやすい空気ができる
「株主が求めるから」「他の会社もやっているから」というような理由で、形式だけ健康経営を実施しようとしても、経営層のメンバーや従業員一人一人の協力がなければうまく進めることはできません。
そのため、まずは社内に対して本気で取り組む姿勢があることを発信するのが大事なのです。
さらに、社外にも発信を行うことで以下のような効果が期待できます。
- 業員の健康を大事にしている企業だというイメージを得られる
- 採用市場で人材を獲得しやすくなる
- 自社の商品やサービスに対するイメージアップにつながる
このように社内だけでなく社外にも発信すると、「会社として真剣に健康経営に取り組もうとしている」ことをよりきちんとアピールすることができるでしょう。
また、中小企業の場合は、加入中の医療保険者(協会けんぽなど)が行っている「健康宣言」の事業に参加することで、具体的な取り組みを行う際に役立つ支援を受けることもできます。
例えば、協会けんぽ愛知支部では以下のような支援を行っています。
- 他社の好事例の紹介
- 健康づくりセミナーの開催
- 「健康づくり啓発シール」の配布
- 積極的に取り組んでいる事業所を「健康宣言優良事業所」として表彰
具体的な支援内容は団体によって異なりますので、自社の加入する協会けんぽ都道府県支部や、健保連都道府県連合会等に確認してみてください。
それぞれのホームページは以下です。
→ 協会けんぽ(全国健康保険協会):主に中小企業が加入する健康保険協会
→ 健康保険組合連合会(健保連):企業が設立する健康保険組合の連合組織
1-2. 実施できる環境を整える
次の段階では、健康経営をスムーズに推進していくための環境構築を行います。
具体的には以下のような内容がそれにあたります。
- 健康経営を推進する専門部署やプロジェクトチームを作る
- 必要に応じて外部から専門家やアドバイザーを招く
- 産業医や保健師と連携できる体制を整える
- 経営陣全体で健康経営の必要性を共有する
上記のように、まずは「推進を主体的に行うのは誰なのか?」を明確にする必要があります。
新しく部署を作るのが難しい場合は、既存の人事部や総務部の中で担当者を任命する、などの方法でも構いません。
人手が足りない場合は、外部から健康経営アドバイザーに参画してもらい支援を受けると良いでしょう。
ただし担当者や担当部署が頑張るだけでは、全社的な取り組みにはなりません。
そのため、役員会などで経営幹部の理解と協力を得た上で、全社員が自分ごととして考えられるような雰囲気づくりをしていくことが重要になります。
1-3. 具体的な施策を実行する
次は具体的な施策を実行し、健康経営を実践していきます。
自社に必要な対策を行うことで、より効果が出やすくなりますので、以下のように「自社の課題を洗い出す」→「有効な施策を決める」→「計画を立てて実行する」という流れで取り組むと良いでしょう。
具体的な施策を実行する際の流れ
- 自社の課題を洗い出す
↓ - 有効な施策を決める
↓ - 計画を立てて実行する
まず、自社のどこに課題があるのかを知るためには、以下のような項目を分析することが大切です。
自社の課題を洗い出すために
分析する項目の例
- 健康診断の受診率
- 特定保健指導対象者の数
- ストレスチェックの結果
- 社員の労働時間(残業時間)
- 有給消化率
- 休職者の数
- 離職者の数
これらを数値で把握し、自社の課題を明確にすることができたら、次は「それを改善するために何をすべきか」を考えます。
例えば以下のような方法が考えられるでしょう。
課題に応じた施策の例
- 健康診断の受診率が低い
→ 気兼ねなく業務を休めるようローテーションで受診期間を設定する、受診していない人にハガキやメールで勧奨をする、など
- 残業時間が多い
→ 人員の配置を見直す、業務効率化に役立つITツールを導入する、など
- 有給消化率が低い
→ 会社として有給奨励日を設定する、取得しにくい雰囲気をなくすために上層部や上司が積極的に有給を取るようにする、など
上記のように、自社の課題や環境に応じてどのような施策をとるか決めたら、次は目標と計画を立てて実践に進みます。
例えば「健康診断の受診率が低い」という課題に対応したい場合は、以下のように目標を設定し、計画を立てると良いでしょう。
目標設定と計画立案の例
- 目標
定期健診の受診率を100%にする
- 計画
① 対象者の受診状況を把握できる仕組みを半年以内に導入する
② 毎年10月を「健診受診推奨月間」とすることを社員に通知し、受診の意識を醸成する
③ 翌月に入っても受診していない社員がいた場合は、個別に受診勧奨する
このように具体的な数値目標を立てた上で、それをクリアするために「いつ・何をやるのか」の計画を立て、実行していきましょう。
1-4. 取り組みを評価する
具体的な施策を実行できたら、効果を測定し、その取り組みの評価を行うことが重要です。
どのような施策も、やりっ放しでは次回に活かすことができないため、良かった点と悪かった点を明確にし、きちんと改善を行えるようにしていきましょう。
その際に着目すべきポイントとしては、以下のようなものがあります。
取り組みを評価するときの
着目ポイントの例
- 計画通りに実行できたか
- 目標数値に対する達成度はどのくらいだったか
- 参加人数はどのくらいだったか
- 事後アンケートの結果はどうだったか
評価の適切なタイミングや頻度は、施策の内容により異なります。
年に一度しかない健康診断に関する施策の場合は、評価も年に一度で構いませんが、「季節ごとにセミナーを開催する」というような施策の場合は四半期に一度評価を行うようにするなど、施策に応じた頻度で振り返るようにしましょう。
また、結果については社内報やメーリングリストなどで全社員に共有すると、参画への意識が高まります。
健康経営を実践する際には、このような4つのステップを意識して進めることが大切です。
2. 取り組みを推進するための16の施策例
健康経営に取り組む際の基本の4ステップについてはご理解いただけたと思いますので、次は具体的な施策例を紹介していきます。
取り組みを推進するために行う施策には、以下のようなものがあります。
健康経営を推進するために行う
施策の具体例
- 定期健康診断の受診率を100%にする
- 受診勧奨を行う
- ストレスチェックを実施する
- 従業員のヘルスリテラシー向上のための機会を提供する
- ワークライフバランスを推進する
- 職場のコミュニケーションを促進する
- 病気の治療と仕事の両立を支援する
- 保健指導を実施する
- 食生活改善をサポートする
- 運動機会を提供する
- 女性の健康支援を行う
- 過重労働対策を行う
- メンタル不調者への対応を行う
- 感染症の予防対策を行う
- 喫煙率を下げるための対策を行う
- 受動喫煙を防止するための対策を行う
これらは、経済産業省が表彰を行う「健康経営優良法人」の認定要件にもなっている項目です。
健康経営優良法人の認定を受けられると以下のようなメリットがあるため、まずはこの認定取得を目標にしている企業も多いと思います。
健康経営優良法人に認定される
メリットの例
- 社会的な評価が向上する
- ハローワークの求人票で「健康経営優良法人」であることをアピールできる
- 中小企業融資制度において貸付利率の引下げなどを受けられる場合がある
- 自治体の補助金優遇を受けられる場合がある
- 公共工事や公共調達等の入札において加点評価を受けられる場合がある
そのため、「健康経営優良法人」の認定取得を視野に入れている場合は、最初からこの方針に沿った施策を取り入れるのがおすすめなのです。
「全ての要件を満たさなければ認定されない」というわけではありませんが、健康経営を推進する上ではどれも重要な項目となりますので、可能な範囲で取り組むようにしていきましょう。
具体的な内容は以下の通りです。
2-1. 定期健康診断の受診率を100%にする
定期健康診断を従業員に受けさせることは、企業にとって義務です。
しかし、忙しくて受診できなかったり、つい忘れてしまったりする従業員もいるため、企業側が積極的に受診勧奨する必要があります。
健康経営を推進するのであれば受診率は100%にするべきですので、以下のような施策をとることで、確実な受診を促しましょう。
定期健康診断の受診率を
100%にするための取り組みの例
- 会社に健診バスを手配し、従業員が勤務の合間に健診を受けられるようにする
- メールやチャットなどで、健康診断の受診に関する通知を行う
- 業務に余裕がある時期を事前に把握した上で、健診日を会社側が指定する
健診は、従業員の現状の健康状態を数値で把握し、健康状態の悪化や、それによる生産性の低下・離職等を防ぐために非常に重要なものです。
上記のような取り組みを実施し、実質受診率を100%にすることを目指していきましょう。
2-2. 受診勧奨を行う
定期健診は「受けて終わり」というものではなく、健康課題が見つかった場合には病院で詳しく診てもらうことが重要です。
健診の結果が悪くても、「自分に限っては大丈夫」「精密検査で重い病気が見つかるのが怖い」などの理由で病院に行くのを避ける人もいるため、会社側から受診を促さなければなりません。
また、定期健診だけでは発見できない病気もあるため、がん検診などの任意検診も受診しやすい環境を整えることも大切です。
施策の例は以下の通りです。
受診勧奨に関する取り組みの例
- 人間ドックやがん検診の費用の一部を会社が負担する仕組みを作る
- 精密検査の対象者に対して、受診の重要性を伝えるリーフレットを配布する
- 会社と提携している病院を紹介することで迷わず受診できるようにする
このような取り組みで、従業員が自身の健康状態の把握や改善を行える環境を整備していきましょう。
2-3. ストレスチェックを実施する
現在、従業員数が50人以上の事業場では、定期的に従業員のストレスを検査する「ストレスチェック」が義務付けられています。
しかし、健康経営を推進する場合は50人未満の事業場でもストレスチェックを実施できる環境を作るようにしましょう。
従業員のストレスを客観的に把握することは、生産性の低下や離職を防止するために非常に重要だからです。
厚生労働省から、ストレスチェックの受検や結果出力、集団分析等が出来るプログラムが無料で配布されていますので、こちらを利用するとスムーズに実施できるでしょう。
→ 厚生労働省「ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト
2-4. 従業員のヘルスリテラシー向上のための機会を提供する
健康維持には、日常生活の過ごし方も重要です。
そのため、管理職や従業員自身が健康管理の必要性をきちんと認識できるように支援する必要があります。
例えば以下のような方法で、ヘルスリテラシー(健康の保持や増進に関わる知識)の向上に役立つ機会を提供していきましょう。
ヘルスリテラシーを向上させる
ための取り組みの例
- 健康をテーマとした従業員向け研修を実施する
- 外部団体が主催する健康増進セミナーに参加させる
- 1ヵ月に一度以上の頻度で、健康をテーマとした従業員向けメールを配信する
- 健康に関する検定や資格の取得促進を行う
加入している保険者がセミナーを実施している場合もありますので、そうした機会を活用するのも良いでしょう。
例えば協会けんぽ東京支部では、加入事業所向けの支援として、以下のようなプログラムを受けられる無料のオンライン講座を開催しています。
健康づくりオンライン講座
プログラム内容の例
- 今日からできる脱メタボ・メタボ予防セミナー
- 腰痛・肩こり予防ストレッチ講座
- メンタルヘルスセミナー
- 快眠セミナー
予算がないという場合でもこのような支援を活用できるので、確認してみると良いでしょう。
2-5. ワークライフバランスを推進する
以下のような取り組みを行うことで、従業員のワークライフバランスが崩れるのを予防したり、改善したりすることも重要です。
ワークライフバランスを
推進するための取り組みの例
- ノー残業デーを設定する
- ITツールの導入で業務の効率化を図る
- 決められた時間になると強制的にオフィスの照明が消えたり、PCがシャットダウンされたりする仕組みを取り入れる
- 四半期ごと・半年ごとなどに有給休暇の取得予定日を計画する仕組みを作る
- 仕事と家庭を両立しやすい環境を作る
ワークライフバランスを推進すると、家事や育児、介護などと仕事の両立が可能になり、一人ひとりが多様な働き方を実現できるようになります。
また、余暇活動や自己啓発に時間を使うこともできるため、生活が充実し、会社への満足度や仕事へのモチベーションを高めることができるでしょう。
このように、従業員が適切なワークライフバランスで働けるような環境づくりを行うようにしていきましょう。
2-6. 職場のコミュニケーションを促進する
仕事を円滑に進めるためには、組織内のコミュニケーションを活性化することも重要です。
コミュニケーションが不足していると、部署間の連携がうまくいかなかったり、メンタルヘルスを悪化させる従業員が増えたりする恐れがあるからです。
例えば以下のような取り組みがあります。
職場のコミュニケーションを
促進する取り組みの例
- 毎月全社会議後に懇親会を開催する
- 誕生日会を実施する
- 社員旅行を開催する
- 運動会やボーリング大会、ウォーキングイベントなどを開催する
- 部活動やクラブ活動できる仕組みを作る
- 全社合宿を行う
このような取り組みで従業員同士の接点を設けると、互いに理解を深めることができます。
そうすると、業務で関わるときにも余計ないざこざが生じにくくなるため、自社に合った方法でコミュニケーションの促進に取り組んでいきましょう。
2-7. 病気の治療と仕事の両立を支援する
従業員が、病気になっても安心して働き続けられる環境を作ることも大切です。
会社として以下のような取り組みを行うと良いでしょう。
病気の治療と仕事の両立を
支援する取り組みの例
- 治療と仕事の両立に関する研修を行い、必要性や意義を全社員が理解できるよう意識啓発を行う
- 困ったときに、本人や上司、同僚などが相談できる専用窓口を設ける
- 1時間単位で有給を取得できる制度を導入する
- 入院や通院のための「傷病休暇・病気休暇」などの休暇制度を導入する(年次有給休暇とは別に事業者が自主的に付与)
- 時差出勤、短時間勤務、在宅勤務などのできる制度を導入する
- 周囲の同僚や上司に過度な負担がかからないよう人員配置を見直す
病気の治療が必要な本人の働きやすさを考慮することはもちろんですが、周囲の人間のフォローやサポートも必要となるため、意識啓発や負担削減などにも積極的に取り組むようにしましょう。
2-8. 保健指導を実施する
健康診断の結果、生活習慣病のリスクが高い人に対しては、医師または保健師による保健指導を実施する必要があります。
またその際は、実施する時間や場所に配慮することで、仕事へ影響を及ぼさずに指導を受けられる環境づくりを行いましょう。
具体的には以下のような取り組みを導入すると良いでしょう。
保健指導機会の提供に関する
取り組みの例
- 勤務時間内に受けられるようにする
- 対象者が確実に指導を受けられるよう勤務シフトを調整する
- オフィス内で指導を受けられるようにする
- オンラインで指導を受けられるようにする
生活習慣病のリスクが高いという結果になっても、早期に食習慣や運動習慣などの改善に取り組むことで重症化を防止することができます。
そのため、改善のきっかけになる保健指導をきちんと受けられるように会社がきちんと支援する必要があるのです。
2-9. 食生活改善をサポートする
食生活が乱れていると、生活習慣病に罹患するリスクが高くなります。そのため、従業員が健康に良い食生活を送れるよう、様々な方法でサポートすることも重要です。
例えば以下のような取り組みが効果的でしょう。
食生活改善をサポートする
取り組みの例
- 社員食堂で健康に配慮した食事を提供する
- 社員食堂でエネルギーや塩分などの栄養成分を表示する
- 健康に配慮された飲料や間食を入手しやすい環境を作る
- 従業員が食事管理アプリを利用できるようにする
心身共に健康な状態を維持するためには、日々の食事を改善することが大切です。このような取り組みで従業員の食生活改善を支援していきましょう。
2-10. 運動機会を提供する
運動不足も生活習慣病のリスクを上げる要因となります。特にデスクワーク中心だったり車通勤だったりすると、意識して体を動かさなければいけません。
そのため、従業員の運動不足解消につながる施策をとり入れるようにしていきましょう。
取り組みの例としては以下のようなものがあります。
運動機会の増進に関する
取り組みの例
- 毎朝ラジオ体操を行う
- 午前と午後に1回ずつ、ストレッチや体操を促す社内放送を行う
- スポーツクラブの利用料を補助する制度を導入する
- 定期的にウォーキングイベントを実施する
- 社内にトレーニングできるスペースを設ける
自社に合った施策で、運動機会の増進に取り組んでいきましょう。
2-11. 女性の健康支援を行う
従来の健康に対する取り組みは、メタボリックシンドロームの早期発見・予防などがメインであり、これはどちらかというと男性によくあるリスクを意識したものでした。
しかし本来、性差によって罹患しやすい病気や生じやすい不調は異なります。
そのため、以下のような取り組みで女性特有の健康課題に対応することも重要です。
女性の健康支援に関する
取り組みの例
- 月経や更年期など、女性の健康課題に関するセミナーの実施
- 生理休暇などの特別休暇制度を制定し、取得しやすい環境づくりを行う
- 子宮がんや乳がんなどの検診受診費用の一部を補助する仕組みを作る
- 不妊治療や通院のための休暇・休職制度を導入する
セミナーなどの意識啓発は、女性だけを対象に行うのではなく、その上司や同僚などの男性も対象にするのがポイントです。周囲の理解を促すことで、より本質的な健康支援を行っていきましょう。
2-12. 過重労働対策を行う
慢性的な長時間労働は心身に負担がかるため、生産性の低下や業務中の事故、離職などにつながります。
そのため、過重労働を防止することを目的とし、以下のような対策を実施していきましょう。
過重労働防止に関する
取り組みの例
- 休日出勤があった場合は代休を付与する制度にする
- 時季や日に応じて労働時間を柔軟に変更できる変形労働時間制を導入する
- 年次有給休暇の計画取得制度などを導入し、有給を取りやすい環境を作る
- 勤務間インターバル制度を導入する
長時間にわたる労働は健康障害に直結しやすいので、会社全体として防止する意識を高めていきましょう。
2-13. メンタル不調者への対応を行う
精神面の不調は、仕事の効率を低下させたり、休職や離職につながったりしやすいため、そういった人が出ないように予防策をとることが大切です。
また、予防するだけでなく、発生した時にスムーズに支援できるような体制を整えることも重要ですので、以下のような取り組みを行っていきましょう。
メンタル不調者への対応に
関する取り組みの例
- メンタルヘルスについての相談窓口を設置する
- 相談窓口の利用方法を従業員に周知する
- 対象者がいた場合は定期的に医療関係者の面談を受けさせる
- 医師の診断を踏まえて復帰を支援する体制を整える
2-14. 感染症の予防対策を行う
従業員が感染症に罹患すると、業務に支障が生じてしまうため、感染拡大を予防するための対策も重要です。
以下のような方法で感染症予防対策を行っていきましょう。
感染症予防に関する取り組みの例
- 就業時間内に予防接種を受けられるような制度にする
- 社内や提携の医療機関などで予防接種を受けられるようにする
- 感染症を発症した場合に特別休暇を利用できるようにする
- マスクやアルコール消毒液を支給する
2-15. 喫煙率を下げるための対策を行う
国立がん研究センターの発表によると、たばこを吸う人の死亡率は、吸わない人と比べると男性で1.6倍、女性で1.9倍高くなることがわかっています。
そのため、従業員に喫煙者がいる場合はその割合を下げるための施策も実施していきましょう。
例えば以下のような方法があります。
喫煙率低下に関する
取り組みの例
- 禁煙を勧めるセミナーを開催する
- たばこの健康被害に関する研修を行う
- 禁煙外来の利用促進を行う
- 非喫煙者に手当を支給する制度を導入する
2-16. 受動喫煙を防止するための対策を行う
本人がたばこを吸っていなくても、受動喫煙によって健康被害を受けてしまうこともあります。
そのため、受動喫煙を防止するための対策も重要です。
以下のように適切な環境を整備していきましょう。
受動喫煙の防止に関する
取り組みの例
- 屋内は基本的に全面禁煙とし、必要に応じて喫煙室を設置する
- 屋外に喫煙所を設置し、それ以外の場所は禁煙とする
3. 企業のユニークな優良事例8選
健康経営を推進するために必要な取り組みの基本については、しっかりご理解いただけたと思います。
しかし、限られたリソースの中で実施する施策を選ぶとなると、他社はどこまでやっているのか、どんな風に取り組んでいるのか、という点が気になってくるのではないでしょうか。
そこで次は、より重要性の高い取り組みについて、種類別の事例を以下の通り8つ紹介します。
企業のユニークな優良事例8選
- 健診や再検査を支援する取り組み
- 残業時間を減らすための取り組み
- ワークライフバランスを推進するための取り組み
- 病気の治療と仕事を両立させるための取り組み
- 食生活改善をサポートする取り組み
- 運動機会を増やすための取り組み
- メンタル不調者対応の取り組み
- 喫煙率低下のための取り組み
他の企業が実際に行って成果を出した具体的な方法を知ることで、自社が実践する際のヒントを得ていきましょう。
3-1. 健診や再検査を支援する取り組みの事例
不動産会社の「フジ住宅株式会社」では、以下のような取り組みで、生活習慣病の罹患や重症化予防を推進しています。
健診や再検査を支援する取り組みの事例:フジ住宅株式会社
- 事業所内で勤務時間中に健康診断を実施
- 健康診断検査項目に関しては、法定内検査項目だけでなく、大腸ガン検査、乳ガンエコー検査、腫瘍マーカー、ピロリ菌検査、NT‐proBNP検査などを自主的に導入
- 健康診断後の再検査・精密検査費用は、健康保険組合の補助以外の部分も会社が全額負担
- 業務時間中に精密検査を受診できる環境を整備
実際に、定期健診の受診率は100%を維持しており、さらにピロリ菌検査の有所見者率も、10年で23.5%から8.3%にまで減少するという成果が出ています。
健診後の精密検査についても、かつては20~30%程度の人しか受診していなかったそうですが、上記のような取り組みによって社内の健康意識が高まったこともあり、近年は50~60%程度にまで上昇しているそうです。
健診や再検査は、健康管理のための基本です。このような事例を参考に、自社でも受診率アップに向けて取り組んでいきましょう。
3-2. 残業時間を減らすための取り組みの事例
残業時間を減らすために様々な取り組みで成果を出しているのは、印刷業を営んでいる「株式会社笠間製本印刷」です。
受注産業であるため、注文が集中するとどうしても残業が増えやすいという特性がありましたが、そんな環境でも以下のような取り組みを実施することで、残業時間の短縮に成功しています。
残業時間を減らすための取り組みの事例:株式会社笠間製本印刷
- 部署ごとに、その期は残業時間を何時間に抑えるか目標設定を行い、その達成状況が管理者の賞与に反映される仕組みを導入
- 残業時間が少ないと個人の昇給につながる仕組みを導入
- 決まった時間になると管理職のパソコンを強制的にシャットダウンするシステムを導入
- RPA(PC上で行う業務の自動化)を活用することで業務の無駄を削減
- 業務が特定の人に依存しないよう、複数の従業員がスキルを身に着けられる教育機会を作ることで柔軟なシフトを実現
残業時間を減らすためには、まずは業務の効率化や人員配置の工夫を行うことが重要です。
しかしそれだけでなく、上記例のように部署として目標設定をさせたり、管理者の賞与や個人の昇給につながる仕組みを取り入れたりすると、一人一人が「残業を減らそう」という意識を持ちやすくなるため有効でしょう。
3-3. ワークライフバランスを推進するための取り組みの事例
ビルメンテナンスやハウスクリーニングなどを行っている「株式会社栄水化学」では、ワークライフバランスを推進するため以下のような取り組みを行っています。
ワークライフバランスを推進するための取り組みの事例:株式会社栄水化学
- 全ての仕事について、急な欠員にも対応できるよう「一仕事二人制」を導入
- 新卒従業員には、総務から営業まで様々な部門を3年間でひと通り経験させることで、ジョブローテーションしやすい環境を実現
- 全社員に年1回、9日間の休暇の取得を義務付け
- 個人の事情に応じて休暇を取得しやすい環境を整備(つわり休暇、家族の入院のための休職など)
上記のような施策で「特定の人にしかできない仕事」をなくしておくと、誰もが安心して休める環境を作ることができます。
また、育児や介護などの事情がない人でも長期休暇をとれる仕組みを作ることで、不公平感が生まれるのを防ぎ、全ての従業員が気持ちよく働けるようにするのも重要だといえるでしょう。
3-4. 病気の治療と仕事を両立させるための取り組みの事例
病気の治療と仕事を両立させるために様々な取り組みを行っているのが、総合化学メーカーの「三菱ケミカル株式会社」です。
同社では、以下のような仕組みを導入することで、治療が必要になっても働き続けることができるような支援を行っています。
病気の治療と仕事を両立させるための取り組みの事例:三菱ケミカル株式会社
- 短時間・短日数勤務制度を導入
- テレワークやサテライトオフィスを回数制限なしで利用できる環境を整備
- 病気療養中は会社から出る「療養見舞金」により所得を補償(最長33ヵ月)
- 未取得の有給を積み立てて治療や通院に利用できる制度を導入
- オンラインの「がんサロン」を毎月開催
- 両立支援コーディネーター相談窓口の設置
上記のように、テレワークやフレックス、柔軟に勤務時間を調整できる制度を導入すると、通院しながらでも働きやすくなります。
このような施策を取り入れることで、治療と仕事の両立がしやすい環境を作っていきましょう。
3-5. 食生活改善をサポートする取り組みの事例
事務機器の製造や販売を手掛けている「株式会社イトーキ」では、以下のような施策で従業員の食生活改善をサポートしています。
従業員の食知識を上げるためにセミナーなどを実施することも大切ですが、そこで学んだ内容を日々実践できるように支援をするのも非常に重要です。
そのため上記のような取り組みで、健康に良い食事や間食を入手しやすい環境作りを行っていきましょう。
3-6. 運動機会を増やすための取り組みの事例
運動機会増進については様々な取り組みを行い、スポーツエールカンパニーにも認定されたのは「公益財団法人明治安田厚生事業団」です。
主な取り組み内容は以下の通りです。
運動機会を増やすための取り組みの事例:公益財団法人明治安田厚生事業団
- 毎朝、1回3分のスローエアロビックやウォーミングアップ体操などを実施
- 毎月、ウォーキングアプリを利用したチーム対抗のキャンペーンを実施
- スタンディングデスク・チェアを使用できる環境を整備
- ミーティング中にサイコロで「本日のエクササイズ」を決めて体を動かす施策を導入
- オフィス内での階段の使用を推奨
- 職場にバランスボールやトレーニング器具を設置
会議やデスクワークの多い業種の場合、勤務中はどうしても座りっぱなしになりがちです。
上記のように運動できる機会を提供することで、従業員の運動不足を解消していきましょう。
3-7. メンタル不調者対応の取り組みの事例
メンタルヘルス不調者の職場復帰を支援することで成果を出しているのが製鉄会社の「新関西製鐵株式会社」です。
同社の行った取り組みは以下のようなものです。
メンタル不調者対応の取り組みの事例:新関西製鐵株式会社
- 一次予防のために定期的なメンタルヘルスセミナーを実施
- メンタルヘルスに関する相談窓口の設置と周知の徹底
- 個別面談の実施
- 近隣の心療内科クリニックと提携し、復帰に向けた「リワークプログラム」を提供
上記のように職場復帰プログラムを利用できる環境を整備することで、参加した人の100%が職場復帰を果たすなどの成果が上がっています。
発生の予防や早期発見だけでなく、悪化してしまった人がスムーズに職場に戻れるようにするための対策も行うことで、多角的な支援を行うと良いでしょう。
3-8. 喫煙率低下のための取り組みの事例
啓発活動だけでなく、より具体的な施策を始めることで喫煙率を下げることができたのは、家電配送等を手がけている「有限会社新郷運輸」です。
具体的な取り組み内容は以下の通りです。
喫煙率低下のための取り組みの事例:有限会社新郷運輸
- 協会けんぽの行っている「禁煙チャレンジ」事業に参加
- 参加者1人に、非喫煙者であるサポーターが2人ついて、励ましや見守りを実施
- 会社から禁煙希望者全員に禁煙パイポを配布
- 禁煙パッチ購入や禁煙外来の受診にかかる費用の一部を会社が負担する制度を導入
- 禁煙達成者には報奨金を支給する制度を導入
同社では、2021年に上記の「禁煙チャレンジ」に参加した結果、4人が禁煙に成功。2019年には50%だった社内喫煙率が、30%に低下したそうです。
また、日立グループの従業員被扶養者(家族)を合わせた約50万人が加入している企業健康保険組合である日立健康保険組合は、禁煙をサポートするための取り組みをしています。
喫煙率低下のための取り組みの事例:日立健康保険組合
喫煙者同士のチームで取り組む新しい禁煙プログラム「みんチャレ禁煙」を導入
従来のプログラムに比べて1.5倍の参加率、禁煙外来の1.6倍の成功率を実現
禁煙意欲を高める専門家によるセミナー動画を提供
5人が1チームとなり、チャットが可能なアプリ「みんチャレ」内で、喫煙者同士で禁煙の辛さや不安を分かち合うモチベーション、ピアサポートの場を提供
参加ハードルを低くするため、面談・面会不要のイベント形式で実施
日本調剤オンラインストアと連携し、禁煙補助薬を提供
禁煙意欲やアプリの利用状況に応じて、事務局で個別支援
日立健康保険組合(以下、日立健保)に提供し、日立健保史上最多の515人が参加、禁煙外来を大きく上回る49%の248人が禁煙に成功しました。
「禁煙しなきゃと思ってはいるが、なかなか一人では難しい…」という従業員のため、このようなイベントやアプリを活用したり、禁煙にチャレンジする人を応援する雰囲気づくりを行ったりすると、禁煙に成功する人を増やすことができるでしょう。
出典:ジョンソン・エンド・ジョンソン 禁煙の成功、デジタル技術が支える 「ピアサポート」が鍵に
4. 健康経営を成功させるための3つのポイント
健康経営の取り組みについて、具体的な施策例から企業の成功事例まで詳しく理解できたのではないでしょうか。
しかし、このままやみくもに施策検討に進んではいけません。
なぜかというと、健康経営は会社側から一方的に命令したり、一部の担当者だけが動いたりするだけではうまくいかないからです。
そこでこの章では、健康経営を成功させるためのポイントとして以下の3点をお伝えします。
健康経営を成功させるための
3つのポイント
- 施策を押し付けるのではなく従業員を巻き込む
- 経営層が重視していることを社内にアピールする
- 健康意識の低い人にも参加してもらえるように工夫する
自社の健康経営を成功させるため、最初に意識しておくべきポイントを学んでいきましょう。
4-1. 施策を押し付けるのではなく従業員を巻き込む
健康経営を推進するためには、従業員一人ひとりの心や体、働き方が健康でなくてはなりません。
そのためには、会社から一方的に施策を押し付けるのではなく、全社員をうまく巻き込むことが重要になります。
そうすると、以下のような状態を実現することができます。
理想的な状態
- 従業員自身が自分の健康課題を認識できている
- 健康改善プログラムの参加率が高い
- 自ら食生活に改善に取り組む従業員が増える
- 運動習慣を身に着ける従業員が増える
上記を目指すために従業員を巻き込む取り組みとしては、以下のようなものが有効です。
従業員を巻き込む施策の例
- 担当部署以外に有志で企画メンバーを募集する
- 希望の施策やアイディアを社内から公募する
- アンケートで意見を求め要望を取り入れる
担当部署だけで施策の検討や実施を行っていると、他の従業員はどうしても「押し付けられている」という気持ちになってしまいます。
そのため、上記のように他の従業員も参加しやすい環境を作ると良いでしょう。部署横断でプロジェクトチームを作るのも有効です。
このような工夫をすることで「会社が頭ごなしに施策を押し付けている」という構図にならないよう、注意していきましょう。
4-2. 経営層が重視していることを社内にアピールする
健康経営は、従業員の一部が実践するものではなく、会社全体として取り組むべきものです。
そのため「会社として真剣に取り組んでいる」ということを認識してもらえるよう、経営層が健康経営を重要視していることを社内に周知させていきましょう。
例えば、年に一度、健康経営の数値目標を設定してその目的を全体会議で発信したり、四半期に一度、目標達成の進捗状況を従業員に向けて公表したりすると良いでしょう。
そうすると、会社としての真剣度が伝わりやすくなり、従業員全体の参画意識が向上したり、施策の協力者が増えたりする効果が期待できます。
4-3. 健康意識の低い人にも参加してもらえるように工夫する
健康経営でよくある失敗は、自由参加型の企画の場合「もともと健康意識の高い人しか結局参加してくれない」というものです。
そのため、施策を考えるときは「健康意識の高い人でも参加しやすいかどうか」を意識することが重要です。
具体的には以下のような工夫ができるでしょう。
健康意識の低い人の
参加を促す工夫の例
- 「健康」ではなく「楽しさ」「お得さ」で参加を促す
- メールで毎週健康クイズを配信するなどして、徐々に健康意識を高める
「健康のために歩かなければいけません」と正論を伝えるだけでは、無関心な人の行動変容につながりません。
しかし、楽しく参加できるようなチーム対抗のウォーキングイベントであれば、健康自体にはそこまで関心がない人でも、「みんなでやるのが楽しい」「優勝したらご褒美の賞品がもらえる」などのモチベーションで参加してくれるようになります。
また、最初は健康に関心がなかったとしても、メールやクイズなどで少しずつ健康に関する情報を受け取ることで、「もっと知りたい」「面白そう」と感じられるようになるかもしれません。
このように、健康意識の高くない従業員でも「参加したい」と思える工夫をすることで、施策を成功に導いていきましょう。
「従業員が自発的に楽しく参加できる施策を導入したい」「確実な行動変容をサポートしたい」という企業様におすすめなのが、他の人と一緒に楽しみながら食事や運動、禁煙などの行動変容に取り組むことができる、スマホアプリを活用したプログラム「みんチャレ Healthcare」です。
みんチャレ Healthcare とは
- 糖尿病、禁煙、フレイル対策などをサポートする、生活習慣改善・重症化予防支援事業
みんチャレは、複数人でチームを組んで同じ目標の達成を目指すことができるスマホアプリですが、これを活用することで従業員の生活習慣の改善を実現することができます。
実際に以下のように、糖尿病予備群・患者を対象とした研究で、みんチャレの利用により目標歩数の達成率・平均歩数が2倍高くなったという結果も出ています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
→ みんチャレ Healthcare | A10 Lab
5. まとめ
この記事では、健康経営の取り組みについて詳しく知りたい人に向けて、以下の内容を解説しました。
最初に、取り組む際の流れとして以下の内容をお伝えしました。
健康経営の取り組みで実施すべき4つのステップ
- 健康経営に取り組むことを社内外に発信する
- 実施できる環境を整える
- 具体的な対策を行う
- 取り組みを評価する
そして健康経営の具体的な取り組みとして、以下を紹介しました。
取り組みを推進するための16の施策例
- 定期健康診断の受診率を100%にする
- 受診勧奨を行う
- ストレスチェックを実施する
- 従業員のヘルスリテラシー向上のための機会を提供する
- ワークライフバランスを推進する
- 職場のコミュニケーションを促進する
- 病気の治療と仕事の両立を支援する
- 保健指導を実施する
- 食生活改善をサポートする
- 運動機会を提供する
- 女性の健康支援を行う
- 過重労働対策を行う
- メンタル不調者への対応を行う
- 感染症の予防対策を行う
- 喫煙率を下げるための対策を行う
- 受動喫煙を防止するための対策を行う
さらに、企業の事例として以下のような内容をお伝えしました。
企業のユニークな優良事例8選
- 健診や再検査を支援する取り組みの事例
- 残業時間を減らすための取り組みの事例
- ワークライフバランスを推進するための取り組みの事例
- 病気の治療と仕事を両立させるための取り組みの事例
- 食生活改善をサポートする取り組みの事例
- 運動機会を増やすための取り組みの事例
- メンタル不調者対応の取り組みの事例
- 喫煙率低下のための取り組みの事例
そして最後には、健康経営を成功に導くためのポイントとして下記の3つのポイントを紹介しました。
健康経営を成功させるための3つのポイント
- 施策を押し付けるのではなく従業員を巻き込む
- 経営層が重視していることを社内にアピールする
- 健康意識の低い人にも参加してもらえるように工夫する
ここまでお読みいただいたことで、健康経営の取り組みについて詳しく知ることができただけでなく、どのような点に注意して進めれば良いのか、という点までイメージがついたことと思います。
自社に合った取り組みを実施することで、従業員に喜ばれる健康経営を実現させていきましょう。