「自分を好きになれない」「どうしたら自分を好きになれるんだろう」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
自分のことを好きだと感じられないと、「自分には価値がない」「何をやってもうまくいかない」というようなネガティブな考えが心の中に広がり、苦しい気持ちになってしまうでしょう。
しかし、こういった考えを持ち続けたままでいると、毎日充実感を得ることができないまま、長い人生を歩んでいくことになってしまいます。
そんなことにならないようこの記事では、以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること
- 自分を好きになれない原因
- 自分を好きになるメリット
- 自分を好きになる方法
- 自分を好きになるための具体的な行動
最初に、自分を好きになれない原因をあらためて認識しておくことで、対策を立てやすくなります。
その後、自分を好きになるメリットをお伝えしたうえで具体的な方法の説明に入りますので、モチベーションの高い状態を保ちながら、実践へ進むことができます。
最後までお読みいただくと、自分を好きになるための方法を知識として得ることができ、きちんと行動にも移せるようになるでしょう。
それでは見ていきましょう。
目次
1. 自分を好きになれない人は意外と多い
自分のことが好きではない場合、もしかしたら「こんな風に考えるのは自分だけなのかな」「自分だけがダメなんだ、だから好きになれないんだ」という風に考えてしまうかもしれません。
しかし、実は自分を好きになれない人は意外とたくさんいます。
内閣府の発表している「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年度)によると、日本の若者には、外国の若者と比べて以下のような傾向があったそうです。
日本の若者の意識の傾向
- 自分自身に満足していたり、自分に長所があると感じていたりする者の割合が、諸外国と比べて最も低い
- 自分に長所があると感じている者の割合は平成25年度より低下している
出典:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年度)
上記の図のように、「私は自分自身に満足している」という設問に対して、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した日本の若者は45.1%と半数以下しかいませんでした。
これは他国と比べてかなり低い水準になっています。
日本人がこのように考える傾向が強い原因は明らかではありませんが、国民性や文化などの違いが一つの要因であるのかもしれません。
このように、あなただけではなく多くの人が同じような悩みを抱えています。
「こんな風に感じているのは自分だけなのかな…」と落ち込まないようにしましょう。
2. 自分を好きになれない原因
「自分を好きになれない」と悩む人が自分以外にもたくさんいるということはお分かりいただけたと思います。
そこで次は、なぜこんな風に感じてしまうのか、原因を考えていきましょう。
何となく思い当たる節があるという人もいるかもしれませんが、あらためて明確にしておくことで、改善すべき点がよりわかりやすくなるためです。
この章でお伝えする「自分を好きになれない原因」は、以下の5つです。
自分を好きになれない原因
- 理想が高すぎる
- 自分の魅力を理解していない
- 他人と比較してしまう
- 褒められない環境にいる
- 自分を否定された経験がある
一つずつ見ていきましょう。
2-1. 理想が高すぎる
自分を好きになれない人によくある原因の一つは「理想が高すぎる」ことです。
もちろん、高い目標を持つこと自体は悪いことではありません。頑張って自分を磨くための原動力にもなることでしょう。
ただし、あまりにも高すぎるハードルを自分に課してしまうと、実現できない現実とのギャップに苦しむことになってしまいます。
高い理想に苦しみやすい背景としては、以下のようなことが考えられます。
高い理想に苦しみやすい背景
- 幼少期より、周囲の大人からの期待に応えなくてはというプレッシャーを感じて育ってきた
- 何事も完璧主義で、最高の状態にしないと気が済まない性格である
- SNSや学校などで同年代の人と自分を比較してしまう
特に最近はSNSを利用する人が多いため、自分よりも優れている人を簡単に見つけることができます。
そうすると「これくらいスタイルが良くて可愛いのが普通なんだ」「あれくらい他人から好かれる人間にならないといけない」というように、知らず知らずのうちに「自分が到達すべき理想像」が高くなってしまいがちです。
しかし、本来人には得意不得意があり、長所もそれぞれ異なります。そのため、他人と比較すること自体に意味はないはずなのです。
「これくらいできて当たり前なのに」「みんなできているのに自分だけできない」と思ってしまうときは、一度「描いている理想が高すぎるのではないか」ということを考え直してみると良いでしょう。
2-2. 自分の魅力を理解していない
「自分の魅力を理解していない」というのも、「自分を好きになれない」という人によくある状態です。
確かに、自分の魅力や長所を理解できていないと、どういう理由で自分のことを好きだと感じればいいのかわからないかもしれません。
そういった状態だと、自分を好きになるのは難しいでしょう。
特に、普段こんな風に感じることが多い人は特に要注意です。
自分の魅力を理解していない人の特徴
- 自分の良いところがわからない
- 自分にはできないことばかりで、得意なことがないと感じる
- 自分の中で好きだと感じる部分がほとんどない
実際に、1章でも紹介した内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年度)では、「4割弱の若者が『自分には長所がない』と感じている」という結果が出ています。
このように、自分の良いところがわからないという場合は、自分を好きだと感じられなくなってしまうでしょう。
2-3. 他人と比較してしまう
「他人と自分をつい比べてしまう」というのも、自分を好きになれない原因としてよくあるものです。
SNSやテレビなどを見ていると、自分よりも優れている人がたくさん目に入ってくると思います。
そうすると、こんな風に感じてしまうことがあるのではないでしょうか。
- 他の人は細くて綺麗なのに、どうして自分はあんな風になれないんだろう
- いつも多くの友人に囲まれて幸せそうにしている人が羨ましい
- 友達のほうが頭もいいし運動もできて、自分は何もかもが劣っている
しかし、そもそも自分と他人は別の人間。得意な部分とそうでない部分は異なっていて当たり前です。
それなのに、わざわざ他の人の優れている点にフォーカスし、それと自分を比較してしまうと、いつまでも「自分のほうが劣っている」「自分はダメだ」と感じ続けることになってしまいます。
このように「他人のほうが自分よりも優れていて羨ましい」と感じる癖がある場合、それが原因で自分を好きになれないということが考えられるのです。
2-4. 褒められない環境にいる
「褒められない環境にいる」ということも、自分を好きになれないという人に見られる特徴です。
勉強や仕事、家事など、自分が行っていることを周囲の人が褒めてくれない場合、自分に自信を持つことができなくなってしまいます。
実際に以下のように、「自分が役に立たない」と強く感じている人ほど「自分自身に満足していない」というデータもあります。
出典:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年度)
特に幼少期に家族から褒められた経験が少ないと、周囲から認められないのが普通になり、「自分で自分を認めてあげられない」という状態に陥ってしまうのです。
2-5. 自分を否定された経験がある
過去に「自分を否定された経験がある」という場合も、自分を好きだと感じにくくなってしまいます。
「自分を否定された経験」とは、例えばこんなものです。
- 親が自分を愛してくれなかった
- 学校などでいじめられた
- 勘違いが原因で友人から罵られた
- 職場の人から仕事のやり方について非難された
- 恋人に裏切られた
特に、家族や親友、恋人などの親しい間柄の人から自分を否定されると、「自分には価値がない」「誰からも認めてもらえない」と感じて悲しい気持ちになってしまうかもしれません。
このように、自分を否定された経験があるというのも、自分を好きになれない原因としてよくあるものになります。
3. 自分を好きになるメリット
自分を好きになれない原因について解説をしてきましたので、あらためて、「自分がどうして自分のことを好きになれないのか」がわかってきたのではないかと思います。
そこで次は、そんな状態から抜け出して自分のことを好きになれたらどんなメリットがあるのか、を確認していきましょう。
自分を好きになることによってどんな未来が待っているのかをきちんと認識することで、「現状から抜け出そう!」というモチベーションを高めていくことができるからです。
この章でお伝えする「自分を好きになるメリット」は以下の5つです。
自分を好きになるメリット
- 自信がついて何事にも楽しく取り組めるようになる
- マイナスの感情に振り回されることが減る
- 人付き合いに積極的になれる
- 他人から好きになってもらえるようになる
- 幸福度が上がる
早速見ていきましょう。
3-1. 自信がついて何事にも楽しく取り組めるようになる
自分を好きになるメリットの一つ目は、「自分に自信がついて何事にも楽しく取り組めるようになる」というものです。
自分のことを好きになれると、自分の行動に自信を持てるようになります。
そうすると、うまくいっているときは「やっぱり自分ってすごい!この調子で頑張ろう!」と更に前向きに物事に取り組めるようになります。
逆に失敗してしまったときでも「今回はうまくいかなかったけど、次はうまくできるはず」と、自分を信じて気持ちを切り替えることができるようになります。
その他には、以下のような変化も生じるかもしれません。
- 効率よく家事をこなす方法を考えて実践することに喜びを感じられるようになる
- 自分なりに仕事のやり方を工夫することで成果を高めようと考えるようになる
- 好きな人に積極的に話しかけられるようになる
- 成績を上げるために勉強をするのが楽しくなってくる
こんな風に、自分に自信があると様々なことに前向きに取り組めるようになるでしょう。
3-2. マイナスの感情に振り回されることが減る
自分を好きになると、マイナス感情に振り回されることが減ります。
なぜかというと、自分のことが好きな人とそうでない人では、同じ事象が起きたとしても捉え方が以下のように異なるためです。
- 自分を好きでない人
→ 良くないことがあると「自分がダメだから何もうまくいかないんだ」と考え、必要以上に落ち込んでしまう
- 自分を好きな人
→ 良くないことがあっても必要以上に自分を責めることはしない
このように、自分のことを好きになれると、基本的に自分のことを否定しなくなります。
もちろん、嫌なことがあったときなどには悲しみや怒りなどの感情を持つことはあると思いますが、それを自分に向けて攻撃したり、いつまでも引きずってクヨクヨしたりすることはありません。
一定時間落ち込んだ後は、「また頑張ればいいよね」「たまたまうまくいかなかったけど次は大丈夫!」というように気持ちを切り替えていくことができます。
そうすると、ネガティブな気持ちで過ごす時間が格段に減るため、日々の大部分を明るい気持ちで過ごせるようになるのです。
3-3. 人付き合いに積極的になれる
自分を好きになると、人付き合いにも積極的になれます。
「自分なんかと友達になりたい人なんていない」「自分の話はつまらない」と思っていると、他人と過ごすのが苦痛になってしまいます。
さらに「自分は人からバカにされている」「嫌われているに違いない」という風に思い込んでいると、相手にはそんなつもりがないのに、勝手に「あの人から無視された」「見下された」と被害者意識を感じるようになってしまいます。
こうなると人付き合いを避けるようになるため、本当に信頼できる人を見つけられなかったり、自分だけが独りだという孤独感にさいなまれたりしてしまうでしょう。
しかし、自分のことを好きになれると心に余裕が生まれるため、こんな不幸な状態から脱することができます。
「もっと人と仲良くしたい」「楽しい時間を過ごしたい」と感じるため、周りの人に話しかけたり、交流を持つことに積極的になったりすることでしょう。
このように、自分を好きになると人付き合いに積極的になれるというメリットもあるのです。
3-4. 他人から好きになってもらえるようになる
自分のことが好きだと、他人からも好きになってもらえるようになります。
「自分のことが嫌い」と暗い顔をしている人と、「自分のことが大好き!」と笑顔を見せる人がいたとき、どちらのほうが周囲の人から愛されやすいでしょうか。
多くの人は後者だと答えるのではないかと思います。
なぜかというと、自分のことが嫌いな人は「こんな自分を好きになる人なんていない」と考えているため、他の人から好意を向けられたとき、「バカにされている」「嘘をつかれている」というようにマイナスの捉え方をしてしまいます。
そのため、相手への態度にも疑いや疑念、妬みなどが反映されてしまい、良好な人間関係を築くことが難しくなってしまうのです。
反対に、自分のことが好きな人は、相手に対してマイナス感情を向けません。
自分のことも相手のことも素直に受け入れることができるため、周囲の人から好きになってもらいやすくなるのです。
3-5. 幸福度が上がる
自分を好きになることのメリットの5つ目は「幸福度が上がる」ことです。
自分のことが好きだと毎日が楽しく充実感を得られるため、幸せな気持ちで日々を過ごすことができます。
実際に「自己肯定感が高い人は幸せ、低い人は不幸せ、と言い切れるくらい、自己肯定感と幸福度の関係は強い」とする専門家もいるほどです。
確かに、「自分のことが好き!」と毎日明るい顔をしている人と、「自分を好きになれない…」とクヨクヨしている人では、自分のことが好きな人の方が幸せそうに見えますよね。
さらに、人の幸福度は、「自分が周囲の人に愛されていると感じること」「周囲の人を好きだと感じること」によって高まります。
自分のことが好きな人は、周囲の人との関係性が良好であるため、愛されているという実感を持ちやすく、自分自身も他者のことを好きだと感じやすくなるためです。
実際に、75年以上にわたって行われている「ハーバード成人発達研究」によると、人の幸福度に直接関係するのは学歴や職業、年収などではなく「人間関係(信頼できる人がいること)」だったそうです。
このように、自分のことを好きになり、さらに周囲の人と良好な関係を築いていくことができると、人生全体の幸福度も高めていくことができるのです。
4. 自分を好きになる方法
自分を好きになるメリットについて解説してきました。
「やっぱり自分を好きになれたら毎日が楽しそう」「こんな風に自分を好きになりたい」と思った人もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、自分を好きになるためにおすすめの方法をお伝えしていきます。
4-1. 重要なのは「ありのままの自分を受け入れる」こと
最初に知っておくべきポイントは「心から自分を好きになるためには、いきなり具体的な行動から始めるのは遠回りである」ということです。
例えば、突然「今日からポジティブな言葉を使うようにする」「1日1回ありがとうと言う」などという目標を立てても、心の準備ができていないと、その行動はあくまでも表面的なものにしかなりません。
そうすると、納得感がないままロボットのように決められた行動をするだけになり、本当の意味で自分を好きになるのには遠回りになってしまいます。
そのため、まずは心から自分を好きになるための「気持ちの準備」から行うことが大切なのです。
そこで最初にやるべきなのは「ありのままの自分を受け入れる心を持つ」ことです。
これは心理学では「自己受容」と呼ばれている概念で、「自分自身のプラス面もマイナス面も、ありのまま全て受け入れること」を指します。
自己受容とは
- ありのままの自分を認めて、全て受け入れること。現在の自分の状態を肯定も否定もせずに、無条件で認めることが重要。
誰しもコンプレックスはあると思いますが、欠点を隠したり、無理やり性格を変えようと頑張ったりすると、それは「本来の自分」への否定になってしまうため、心が辛くなってしまいます。
しかし、あるがままの自分をそのまま受け入れることができるようになると、自分に対するマイナスな感情を減らしていくことができます。
そのため、まずは自分を受け入れることから始めていくことが重要なのです。
4-2. 自分を受け入れるためにやるべきこと
ありのままの自分を受け入れることが重要である、ということはご理解いただけたのではないかと思います。
そうすると次は、そのために何をすれば良いのかという点が気になるのではないでしょうか。
自分を受け入れるために実践すべきなのは、以下のことです。
自分を受け入れるために
やるべきこと
- 「自分の望む状態(理想)」と「それに到達していない状態(現実)」を明らかにした上で、その両方を認める
上記のように、まずは理想と現実を再認識することから始めることが大切です。
なぜかというと、理想と現実があまりにもかけ離れていると、自分を受け入れることはかなり難しくなるからです。
そのため、まずは自分が理想として描いているものを明確にし、あまりにも現実的でないものの場合はそれを修正することで、現実の自分を素直に受け入れられるような心の素地を作っていきましょう。
具体的な手順は以下の通りです。
自分を受け入れるための
3つのSTEP
- 理想を書き出す
- 理想を整理・修正する
- 理想と現実を認識して受け入れる
一つずつ見ていきましょう。
①理想を書き出す
まずは、自分自身の望みをあらためて認識するために、自分はどんな理想を持っているのか、という点を明確にします。
例えば以下のようなものが挙げられるでしょう。
理想の例
- 綺麗な容姿になりたい
- 勉強や仕事で良い成果をあげたい
- もっと仕事で成功すべき
- 社交的な人になりたい
ここでは、その理想に対する否定も肯定もしません。
素直に、自分が「こうだったらいいのにな」と感じていることを書き出していきましょう。
②理想を整理・修正する
次に、書き出した「理想の状態」を整理し、必要であれば修正していきます。
というのは、自分のことが好きではないと感じている人は「適切でない理想像を描いている」というケースが多いと考えられるからです。
例えば、肌の色や体質、身長などは、生まれつきの遺伝によってある程度決まってしまうものです。
そのため、今身長が150cmなのに、「180cmになりたい」という理想を持っていても、それを叶えることは客観的に見てかなり困難なことでしょう。
そんな風に、達成が難しい理想を持ちそれに捉われてしまうと、ずっと「身長が低い自分が嫌だ」「どうして他の人みたいになれないんだろう」と不毛な感情を抱き続けることになってしまいます。
そんな状態から脱出するため、書き出した理想像について今一度以下のことを考えてみて下さい。
理想像に対する問い
- その理想は、本当に達成すべきものか?
もちろん、あなた自身が心の底からその理想の状態を望んでいて「絶対に達成したい!」と感じるのであれば、それはそのまま持ち続けていて構いません。
しかし、現実とかけ離れた理想像を描いている場合の多くは、「本人の考え」ではなく「親の理想や世間の声、周囲の反応」などによって「こうあらねばならない」という強迫観念を持っているというケースになっています。
強迫観念の例
- 「痩せているほうが綺麗」
- 「成績が良い人のほうが優れている」
- 「勝たないと自分には価値がない」
- 「男らしく・女らしくいなければならない」
こういった考え方は、あなたではなく他の誰かの意見、もしくはあなた自身の思い込みによるものです。
実際には、ぽっちゃりしているほうが綺麗だと感じる人だってたくさんいますし、成績が良いだけの人よりも、良くない人の気持ちがわかる人の方が精神的におおらかかもしれません。
勝たないと自分には価値がないなんて、誰が思っているのでしょうか。
世間的に良しとされるイメージや自分の思い込みに捉われた理想は、全て以下のように修正していきましょう。
理想の修正方法
- 「痩せているほうが綺麗」→「どんな体型でも自分には魅力がある」
- 「成績が良い人のほうが優れている」→「自分の可能な範囲で頑張った結果ならそれでOK」
- 「勝たないと自分には価値がない」→「勝たなくても自分には価値がある」
- 「男らしく・女らしくいなければならない」→「”自分”らしくいることが最も重要」
このように、呪いのような理想からは解放され、あなた自身が本当に望むことだけを「自分の理想」として描くようにしていきましょう。
③理想と現実を認識して受け入れる
最後は、「理想」と「現実」を認識して受け入れるという段階に進みます。
ここで重要なのは「肯定も否定もしない」ということです。
理想と現実を認識して
受け入れる際のポイント
- 肯定も否定もせず、そのままの考えや今の状態を「自分はこうなんだ」と「ただ認識する」ことが重要
特に、以下のようなマイナスの評価をしてはいけません。
「こんな理想を持っている自分はダメな人間だ」
「自分の現実はこんな状態で本当に嫌だ」
そうではなく、以下のような言葉で、自分の理想と現実をただ認識し、受け入れるようにしていきましょう。
理想と現実を認識して受け入れる際におすすめの言葉
- 「うんうん、自分はこういう理想を持っているよね」
- 「そうだね、私は現状についてこう思っているよね」
- 「こんな理想と現実を持っているのが自分だよね」
このように、自分の抱いている理想と、目の当たりにしている現実についてあるがままを認めることができたら、「自分を好きになる」ための心の準備は完了です。
「あんな風になりたいのになれない自分が嫌だ」
「今の自分には良いところが一つもない」
こんなことを考えていたところから、
「自分が描いていた理想は自分が本当に望むものではなかった」
「こういう考えを持っているのが自分だよね」
というように、自分に対する過度な期待から解放され、現状の自分を否定せずに受容できるようになっていきます。
もちろん、すぐに考え方を変えるのは難しいと思いますが、このように自分と向き合う作業を重ねていくことで、徐々に自分を好きになりやすい心の状態を作っていくことができるのです。
5. 今すぐ簡単に始められる「自分を好きになるための行動」6選
自分を好きになるための方法として、まずはありのままの自分を受け入れることが大切だということをお伝えしてきました。
前章の内容を参考にしていただき、まずは、現状の自分の考えや置かれている状況をそのまま受容できるような心の状態を作っていきましょう。
とはいえ、短時間で考え方をがらっと変えるのは難しいもの。寝て起きたらいきなり自分のことが好きな状態になっている、というわけではありません。
そのためこの章では、継続することで自分を好きになれるおすすめの行動として以下の6つを紹介します。
自分を好きになるための行動 6選
- 寝る前の5分間はありのままの自分を肯定する
- 名言を読む時間を作る
- 自分をいたわる時間を設ける
- 感謝の気持ちを伝える
- 外見を変えてみる
- 良好な関係性を構築できるコミュニティに所属する
簡単に始められるものを厳選していますので、まずはこれらを習慣化することで、少しずつ「自分のことが好き」と思えるようになっていきましょう。
5-1. 寝る前の5分間はありのままの自分を肯定する
最初におすすめするのは「寝る前に自分を肯定する時間を作る」というものです。
人の脳は、夜寝ている時に記憶を定着させたり、再構築したり、といった作業を行っています。つまり、朝や昼頃に起こった出来事よりも、夜寝る前の出来事のほうが、脳にとっては印象的で記憶に残りやすいのです。
そのため、夜寝る前のタイミングでしっかり自分を肯定してあげることで、効率よく自己肯定感を高めることができます。
自分を肯定するといってもどんな風にやればいいのかわからない、という人は、以下を参考にして実施してみてください。
ありのままの自分を肯定する方法
- その日にできたことを挙げて「これができた自分、エライ!」と考える
- 人に親切にした出来事を思い返して自分を褒める
- 人に感謝できたことを思い返し「素直に感謝の念を抱くことができた自分は素晴らしい」と思うようにする
- 今、自己肯定しようとしていること自体がすごいことであると感じる
ここで自分を褒めるときの理由は、何か特別な成果である必要はありません。
「朝起きて学校や会社に行った」
「人におはようと言えた」
「食材を買うためにスーパーに行った」
まずは、こんな日常の行動でも充分すごいことなのだと認識しましょう。
自分を好きになれないという人に多いのが「これくらいできて当たり前」「もっとできないとダメ」という風に、合格のハードルを勝手に高くしてしまうケースです。
そうではなく「当たり前のことかもしれないけれど、それができた自分」を認め、褒めてあげることで、自分のことを好きになっていくことができるのです。
この時の手段としては、手帳などに手書きするのが最もおすすめです。
なぜかというと、スマホなどに入力してメモをするよりも、自分の手を使って紙に書き出したほうが複雑な指の動作が必要になることから、脳幹の網様体賦活系(RAS)にある細胞が強く刺激されて、脳がより活発に働くと考えられているからです。
脳にしっかりと刺激を与えて記憶として定着させるために、専用のノートや手帳などを用意して、毎日書き込むようにしていきましょう。
5-2. 名言を読む時間を作る
2つ目におすすめする方法は「名言を読む」というものです。
実際に、名言を読んで、それをどう活かすか考える自己受容トレーニングを行ったグループの方が、自分を受け入れられるようになったという研究もあります。
こちらに関しては、自分の心に名言を定着させるという目的だけでなく、その日の行動を前向きなものにするための効果も期待できることから、夜ではなく朝に実施しても構いません。
名言は、インターネットで「自分を好きになる 名言」「自己肯定感 名言」などのキーワードで検索すると、いくつか参考になるサイトが表示されます。
その中でおすすめの名言を以下に記載します。
テイラー・スウィフトの名言
- 「もしも誰かがあなたを傷付けてきたら、川のような量の涙を流したって良い。大切なのは、そこに橋をかけて乗り越えること」
ネガティブな気持ちになってしまうこと自体は悪いことではありません。それを乗り越えるための勇気が人には必要なのです。過去の嫌な経験を思い出して辛い気持ちになったときにおすすめの名言です。
北野武の名言
- 「何も無くていいんだ。人は生まれて、生きて、死ぬ、これだけでたいしたもんだ」
生きているだけでもすごいことだという気持ちになれる言葉です。理想がどうしても高くなってしまい、自分に過度な期待をしてしまうときに触れたい名言です。
イチローの名言
- 「第三者の評価を意識した生き方はしたくない。自分が納得した生き方をしたい」
他人の評価よりも、自分で自分を認めてあげることが何よりも大切なこと。自分軸ではなく他人軸で物事を考えてしまう人や、他人の評価が気になってしまう人におすすめしたい名言です。
ジョニー・デップの名言
- 「ただ悪い1日なだけさ、悪い人生ってわけじゃない」
嫌なことがあっても気持ちを切り替えてポジティブになれる言葉です。何か良くないことがあると、全てがダメだと悲観的になってしまいがちな人におすすめです。
メーガン・マークルの名言
- 「自分たちにもっと優しくなりましょう。親友に寄り添うように、自分にも接してください。みんながそんなふうにできたら、どんな世界になるのでしょう」
英国王室・ヘンリー王子の妻メーガン妃の名言です。自分に対するハードルが高くなり過ぎてしまう人に意識してほしい言葉です。
5-3. 自分をいたわる時間を設ける
3つ目の方法は、自分をいたわる時間を作るというものです。
仕事や勉強、育児など、やらなければならないというプレッシャーのあることだけに縛られていると、段々とそんな自分を可哀想だと感じるようになってしまいます。
なぜかというと、そのような状態だと「自分は好きなことをやっている」という感覚が薄れて「やらされている感」が生まれてきてしまうからです。
そんなときは、自分の好きなことに没頭する時間を設けるようにしましょう。
好きなことが思いつかないという場合は、以下を参考にしてみてください。
自分をいたわるためにやる
行動の例
- アロマオイルやお香などを炊いて香りを楽しむ
- ヨガやウォーキングなどで体を動かす
- ボディケアで自分磨きを行う
- 料理をして自分の好きなメニューを作る
- 友人と電話をして笑う
- ゲームをして楽しむ
- 読書をする
- 好みの香りの入浴剤を入れたお風呂で半身浴をする
- 間食に好きなお菓子を食べる
- お気に入りの映画や好きな番組を見る
- 小さなご褒美を購入する
どんなに小さなことであっても、自分のやりたいことを叶えてあげると「自分は好きなことをやっている」という心の余裕が生まれるため、ありのままの自分を認めやすくなります。
そのため、忙しい中でも自分がリラックスできる時間をきちんと設けることが大切なのです。
好きなことが特にないという場合は、スマホでぼんやりネットサーフィンをするだけでも構いません。
ただしSNSを見ていると、劣等感を刺激されたり、嫌な気持ちになったりするような投稿に遭遇する恐れもありますので、ネガティブな話題の投稿が目に入らないよう注意するのがおすすめです。
5-4. 感謝の気持ちを伝える
人に親切にしたり、感謝を伝えたりすると、自分の心も安定していきます。
なぜかというと、「自分は、受けた親切を認識して感謝できる人間だ」という認識を持つことで、自分のことを価値のある人間だと捉えやすくなるからです。
その際、心の中で思っているだけでなく、相手に対してその感謝の気持ちを具体的に伝えることができると、より効果的です。
感謝をされた人はあなたに対して好感を抱いてくれますので、それによって「自分は人から好かれる人間だと感じられる」という、ポジティブな循環が生まれるためです。
例えばこんな風に、周囲の人に感謝の気持ちを伝えてみましょう。
感謝の例
- 「今日もご飯を作ってくれてありがとう」
- 「自分の話を聞いてくれてありがとう」
- 「自分のために時間を割いてくれてありがとう」
最初は恥ずかしいと思うかもしれませんが、素直に自分の気持ちを口にすることで、そんな自分のことを段々好きになっていくことができますよ。
5-5. 外見を変えてみる
自分に似合う髪型やメイク、ファッションを研究する、ダイエットに取り組む、などして自分の外見を変えることで、自信がつきやすくなる場合もあります。
内面の変化は自分でもわかりにくいものですが、外見の変化は目で見てわかりやすいものであるため、脳もその変化を認識しやすいからです。
その際に重要なのは「今のありのままの自分ではダメだから変えるのだ」のではなく、「もっと魅力的な自分になるための見せ方を工夫しているんだ」という風に考えることです。
絶対に、今の自分を否定しないようにしましょう。
また、外見を変えるときの方向性として重要なのは、誰かのようになろうとするのではなく、あくまでも「自分に似合うやり方を取り入れる」ということです。
例えば、ある芸能人に憧れてメイクや髪型、ファッションなどを全て似せてしまうと、本来の自分の持ち味が生かされない状態になってしまうかもしれません。
そうではなく、以下のように「自分の魅力を引き出すのは何か」「自分がどうありたいか」を主軸に置いて考えるようにしましょう。
「自分がどうありたいか」を
主軸に置いた考え方の例
- 「自分の場合は優しい印象の顔立ちが特徴的だから、洋服もふんわりした印象のものにしよう」
- 「周りに元気な印象を与えたいから、髪の毛の色も明るくしてみよう」
- 「細身のパンツをかっこよく着こなしたいから少しだけダイエットしよう」
そして、外見を変えた後は鏡で自分をじっくりと見て、声に出して以下のような感想を言ってあげましょう。
「よく似合ってる」
「その髪型素敵!」
こんな風にポジティブな言葉で自分を褒めることで、自己肯定感を高めていくことができます。
5-6. 良好な関係性を構築できるコミュニティに所属する
自分を好きになるためのおすすめの行動として最後にお伝えするのは「良好な関係性を構築できるコミュニティに所属する」というものです。
自分に合わないコミュニティに身を置いていると、周囲の人から否定されたり、人間関係がうまくいかずにこじれてしまったりする可能性が高くなってしまいます。
そうすると、最初は自分のことを好きだと思っていても、次第にこんなネガティブな考え方をするようになっていってしまいます。
自分に合わないコミュニティにいると生まれてくる考え方
- 「こんなに否定されるということは自分はダメな人間なんだ」
- 「どうして自分は人とうまくいかないんだろう」
しかし反対に、自分に合うコミュニティに所属していれば、自分を否定されることがないため、必要以上に自分を責めたり落ち込んだりすることはなくなります。
実際に心理学の分野でも、ポジティブな体験を繰り返すと自尊心が回復するといわれています。
そのため、今あなたが所属しているコミュニティが以下の条件に当てはまっているようなら要注意です。
自分に合わないコミュニティの例
- 自分の考えを言っても批判されるだけで建設的な議論がなされないと感じる
- 自分をフォローしてくれる人がいないと感じる
- 助け合おうという精神がないので自分だけが辛い状態に陥る
- 怒られた時に励ましてくれる人がいない
自分のことを好きになるためには、あなたのことを好きだと言ってくれる人や、いつも肯定してくれる人を周りにおくことが大切です。
とはいえ、趣味の団体などであれば比較的気軽に辞めて新しいところを探すこともできますが、学校や職場などの場合、そんなに簡単には辞められないかもしれません。
そんなときは、既存のコミュニティには籍を置きつつ、さらに良好な人間関係を構築できそうなコミュニティに新たに参加し、そこでポジティブなパワーをもらうようにする、というのがおすすめです。
その際は「自分が好きで得意な分野」かつ「前向きに何かに取り組んでいる人が多い」ようなコミュニティを探すのが良いでしょう。
例えば以下のようなコミュニティがあります。
良好な人間関係を構築できそうなコミュニティの例
- スポーツジムのヨガやダンスのクラス
- テニスやフットサルなどのサークルや社会人チーム
- 音楽好きが集まる楽団やアマチュアオーケストラ
- コーヒー好きやワイン好きの会
- 将棋や囲碁のサロン
- テーマパーク好きのグループ
自分があまり好きではない分野や苦手な分野ですと、劣等感を刺激されるリスクもありますので、あくまでも自分の好きな分野を選ぶのがおすすめです。
またコミュニティの参加には、以下のようなサービスが活用できます。
コミュニティを探すことができるサービスの例
- ジモティー
月間1,100万人が利用する地域のネット掲示板。自分の居住エリアの「メンバー募集」ページでは、多くのサークルやグループがメンバー募集をしている。
- つなげーと
3万を超えるサークルがあり、自分の参加したい集まりやイベントを見つけることができる。
しかし、「いきなり新しいコミュニティに入るのはハードルが高い」という人もいると思います。
そんなときは、友人たちとLINEグループを作ってメッセージをやり取りしたり、家族で週に1回のんびり話をする機会を作ったりするだけでもOKです。
一番大切なのは、自分の周りに「自分を認めてくれる人」を置くこと。そうすることによって、「周りから愛されている自分」を認識できるようになり、少しずつ自分のことが好きだと感じられるようになるのです。
今すぐ簡単に始められる「自分を好きになるための行動」を6つご紹介しました。
これらの行動は、1回だけ実施するということではなく、習慣的に実施していくことが大切です。
「新しい行動を習慣化したいけれど、三日坊主になってしまわないか不安」「一人だと継続できるか心配」という人におすすめなのが、三日坊主防止アプリ「みんチャレ」。
このアプリでは、5人1組のチームで習慣化に取り組むことができます。具体的にできることは以下の通りです。
三日坊主防止アプリ「みんチャレ」
でできること
- 自分の好きなグループを選び、既に良い習慣を身につけている人や、これから身につけたい人と一緒に頑張ることができる
- グループ内のチャットに証拠写真を送り、スタンプなどで互いに励まし合うことができる
- 記録を忘れているとアラームで教えてくれる
実際に「ひとりで頑張る場合」と比べると、みんチャレを使うだけで習慣化達成率は8倍にも向上することもわかっています(21日間継続率で比較)。
「新しい行動も、誰かと一緒なら継続できそう」「前向きに頑張る人とチームになってポジティブなパワーを分けてもらいたい」という人はぜひ活用してみて下さい。
6. まとめ
この記事では、自分を好きになれないという人に向けて、以下の内容を解説しました。
まず最初に、現状を認識するために「自分を好きになれない原因」として考えられることを5つ挙げました。
自分を好きになれない原因
- 理想が高すぎる
- 自分の魅力を理解していない
- 他人と比較してしまう
- 褒められない環境にいる
- 自分を否定された経験がある
次に、自分を好きになるメリットとして以下の5つを紹介しました。
自分を好きになるメリット
- 自信がついて何事にも楽しく取り組めるようになる
- マイナスの感情に振り回されることが減る
- 人付き合いに積極的になれる
- 他人から好きになってもらえるようになる
- 幸福度が上がる
その後、自分を好きになるための方法として、まずは「ありのままの自分を受け入れる心を持つ」ことが重要であることをお伝えし、具体的な自己受容の手順も解説しました。
さらに、継続することで自分を好きになれる行動として、以下の6つの方法をお伝えしました。
自分を好きになるための行動
6選
- 寝る前の5分間はありのままの自分を肯定する
- 名言を読む時間を作る
- 自分をいたわる時間を設ける
- 感謝の気持ちを伝える
- 外見を変えてみる
- 良好な関係性を構築できるコミュニティに所属する
最後までお読みいただいたことで、自分を好きになれない原因がわかり、自分を好きになるためには何をすればいいのかイメージできるようになったのではないかと思います。
自信を持って「自分のことが好き」と言える状態を作ることで、毎日を楽しく過ごせるようにしていきましょう。