目的と目標の違いとは?わかりやすく図解と具体例で解説

「目的と目標の違いとは?」
と調べている方へ、簡単に結論からお伝えすると以下のとおりです。

  • 目的=ありたい姿、理想とする最終到着点
  • 目標=目的を達成するためにクリアすべきステップ(マイルストーン)

目的と目標の違いを明確に理解できていないと、仕事で提出する書類で何度もダメ出しされたり、自分が望む成果をスムーズに得られなかったりします。
 
この記事では、図解も交えながら「目的と目標の違い」をわかりやすく解説します。
 
「目的と目標の違いが、わかったようでわからない」
「あらためて、定義をおさらいしたい」
という方は、スッキリ違いがわかって、もう迷わなくなります。
 
目的・目標を、仕事や勉強、人生に活用して、スムーズに成果を得られるようになりましょう。


1. 目的と目標の違い


さっそくですが、目的と目標の違いを解説していきます。

1-1. 目的と目標の図解

 目的と目標の違いを図解すると、以下のとおりです。

目的と目標
目的とは、実現しようとして目指す目当て、理想のことをいいます。目標は、目的を実現するために達成すべきことを指します。

目的ありたい姿・理想とする最終到達点
目標目的を達成するためにクリアすべきステップ、マイルストーン

1-2. 違いの比較表

目的と目標の違いを表にすると、以下のとおりです。

 目的目標
対象範囲広い狭い
行動全体的具体的
測定測定が難しい簡単に測定できる
時間軸長期短期または中期
要素理想、アイデアベース現実、ファクトベース
売上拡大今後3ヶ月で売上高を20%増加させる

続いて、目的・目標の意味を、それぞれ具体的に解説します。

1-3. 目的=ありたい姿・理想とする最終到達点

目的の意味は「実現しようとしてめざす事柄、行動の狙い、目当て」です(参考:デジタル大辞泉)。

「目的」の目標との違い

  • 目標よりも抽象的で、長期にわたる。
  • 具体的な数値よりも、意志の方向性(内容)に重点がある。
  • 定性的(数値で表せない)に表されることが多い。

目標に比べると、目的のほうが大きな概念となります。
 
▼ 目的と目標の例

目的健康になる
目標
  • 毎日30分以上の運動をする
  • 7時間以上の睡眠時間を確保する
  • 暴飲暴食をしない

別の表現をすると、目的とは「ありたい姿、理想とする最終的な到達点」を表すものです。

1-4. 目標=目的を達成するためにクリアすべきマイルストーン

目標には、
「そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの」
「行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準」

という意味があります(参考:デジタル大辞泉)。
 
目的に向かってブレずに前進するために定める、具体的な水準や目印が目標です。

「目標」の目的との違い

  • 目的よりも具体的。
  • 目指す地点・数値・数量などに重点がある。
  • 定量的(数値)に表されることが多い。

別の表現をすると、目標とは「目的を達成するためにクリアしなければならないマイルストーン、ステップ」のことです。

1-5. 「ドラクエの勇者」にたとえた例

具体的にイメージするための例として、ドラクエの勇者にたとえた「目的・目標の違い」をご紹介しましょう。

目的世界平和
目標魔王を倒す

「魔王を倒すのは目標であって目的ではない。真の目的は何だ?」という重要な問いです。
 
同じように、仕事で企画書などの書類を書く際、「目的 / 目標」の項目で悩んでしまう人は多いでしょう。
 
次章で詳しく見ていきましょう。


2. 目的と目標の違いが理解できていないと起きる失敗


目的と目標の違いを明確に理解できていないと、どんな失敗が起きるのでしょうか。具体例を交えながら、解説します。
 

2-1. 失敗1:目標を目的として設定してしまう

よくあるのが「目標を目的として設定してしまう」失敗です。
 
先ほどご紹介した勇者の事例も、
「本当の目的は、魔王を倒すことではないでしょう?」
という示唆でした。

目的を見失うと本当に望む結果は得られない

なぜ目標を目的として設定するとまずいのかといえば、本来の目的を見失ってしまうからです。
 
目的を見失うと、本当に望む結果は得られません。
 
“魔王を倒すこと”が目的化すると、「魔王が改心しようが、世界が壊滅しようが、魔王を倒せばそれでいい」という世界線になってしまいます。
 
ひとつ例を挙げましょう。
 
「幸せになりたい」と望んだとして、そのためには「ダイエットして10キロ痩せる必要がある」と思ったとします。

目的幸せになる
目標ダイエットして10キロ痩せる

整理すると上記のとおりなのですが、多くの人は「そもそも目的は何か?」を意識していないか、軽視しています。
 
本当は幸せになるためのマイルストーン(中間目標)としてのダイエットなのに、無理な食事制限で体を壊すかもしれません。
 
外見も心もボロボロになって、幸せから遠ざかってしまったら、本末転倒です。

2-2. 失敗2:適切な目標が設定できない

「適切な目標が設定できない」という失敗も、よく見受けられます。適切な目標とは「合理性」と「具体性」がある目標です。

目標には合理性が必要

目標とは目的達成のマイルストーンなので、第三者が客観的に見たときに、
「たしかにその目標をクリアすれば、目的が実現しますね」
という合理性が必要です。
 
たとえば、以下の目標を見てみましょう。

目的世界平和
目標魔王を倒す

魔王によって世界平和が妨害されているのが現状であれば、
「たしかに魔王を倒したら、世界平和が実現できますね」
と納得できます。
 
次に、以下の目標はどうでしょうか。

目的世界平和
目標ロトの剣を発見する

 「ロトの剣を発見したところで、本当に世界平和が実現するんですか?足りないのでは?」
と突っ込みたくなります。

目標には具体性が必要

もうひとつ、目標にかならず必要なものが「具体性」です。
 
目的は方向性を指し示しますが抽象的で、実現するには具体性が欠けています。具体性を補完するのが目標の役割です。
 
目的も目標も抽象的な状態では、両者の区別があいまいになります。
 
具体例を見てみましょう。

目的地方の伝統野菜の販路拡大
目標地方の農家を支援する

上記は、目標が抽象的なため、目的と混在しています。
 
目標は、目的を実現するために到達すべき具体的な水準を書かなければなりません。
 
▼ 修正した例

目的地方の伝統野菜の販路拡大
目標
  • 地方の農家と一般消費者を直接つなぐプラットフォームを開発する
  • 食べログ上位店との直接契約を推進する
  • 伝統野菜の認知度を拡大する

3. 目的と目標を設定して実行する4ステップ(OGSM)


目的と目標の違いをイメージできたら、実際に日々の業務や自分の生活に、目的と目標の設定を活かしていきましょう。
 
ここでは、マーケティングやその他のビジネスシーンでよく使われる「OGSM」のフレームワークに沿って解説します。OGSM

3-1. 【O】最終的に何を望んでいるのか?から描く

まずは目的(Objective)の設定です。
 
目的がうまく思い浮かばないときは、以下の質問を自分に投げ掛けてみてください。

目的を探るための質問

  • 目指したい“あるべき姿”は?
  • 自分(自分たち)は何を望んでいるのか?
  • 何を成し遂げたいのか?
  • 自分が行きたい場所はどこか?
  • どんな目的に向かって努力したいか?

勤務先で設定する目標であれば、経営方針などの上位概念が目的になることもあります。
 
目標と目的 
あるいは、プライベートの目的であれば、書籍『7つの習慣』で紹介されている「第2の習慣:終わりを思い描くことから始める」が参考になるでしょう。
 
このレッスンは「自分の葬儀の場面を、真剣に思い描く」ことから始まります。

これらの人たちに、あなた自身あるいはあなたの人生をどのように語ってほしいだろうか。
彼らの言葉で、あなたがどういう夫、妻、父、母だったと述べてほしいだろうか。
彼らにとって、あなたはどのような息子、娘、あるいはいとこだったのか、どのような友人だったのか、どのような同僚だったのか。
あなたは、彼らに自分がどのような人物だったのかを見てほしかったのか。
どういう貢献や功績を憶えておいてほしいのか。
その場に集まっている人たちの顔をよく見てもらいたい。
彼らの人生に、 あなたはどのような影響を及ぼしたかったのだろうか。

出典:スティーブン・R・コヴィー 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

 詳しくは「【要点まとめ】7つの習慣とは?基本の原則をわかりやすく解説」にてご確認ください。

3-2. 【G】目標として機能する目標を設定する

目的を掲げることができたら、次は目標(Goals)を設定します。
 
おさらいになりますが、目標は「これを達成すれば、目的の実現が保証される」というマイルストーンです。

分析する

目標設定は、頭で考えてひねり出すのではなく、分析して論理的に導き出すものです。
 
どんなマイルストーンを達成する必要があるのか、よく分析しましょう。
 
もしあなたが勇者で、「世界平和」を望むのなら、世界平和を達成するためには何をすべきか分析するところから始まります。
 
「魔王が世界征服をたくらんでいるらしい」という情報をつかんだら、「魔王を倒す」ことが目標になります。

SMARTに合わせてブラッシュアップする

目標として効果的に機能させるためには「SMART」に合わせるとうまくいきます。

  • Specific:具体的
  • Measurable:測定可能
  • Achievable:達成可能
  • Relevant:関連のある
  • Time-bound:期限がある

SMARTをチェックする
5つの質問

  • その目標は具体的ですか?
  • その目標は進捗を測定できますか?
  • その目標は達成できますか?
  • その目標は的外れではありませんか?
  • その目標はいつまでに達成しますか?

目標設定について詳しくは「目標設定とはどうやる?書き方のコツと例文・テンプレート」もあわせてご覧ください。

3-3. 【S】目標を達成するための戦略を設定する

目標まで設定できたら、次にすべきことは戦略(Strategy)を立てることです。
 
「戦略とは選択と集中である」という言葉があります。
 
目標を達成するための方法は、たくさんあります。たくさんある選択肢の中から、最適な選択肢を選び出し、「これをやる」と決めるのが、戦略を立てるということです。
 
まずは、目標を実行するためにどんな選択肢があるのか、思い付く限りのすべてを洗い出しましょう。
 
自分の頭の中にあるアイデアだけで済ませるのではなく、たくさんのデータを見て、情報を収集し、人から話を聞きます。
 
選択肢を数多く洗い出したら、その中から、どの戦略を実践するのか選択しましょう。最も効率的に目標を達成できる策を選びます。

3-4. 【M】進捗状況の測定方法を決めておく

最後に、目的・目標の達成進捗を測定するための、定量的なベンチマーク(数値で表現できる指標)を設定します。
 
ここで設定した指標は、KPI(重要業績評価指標)として機能し、目標達成に向けての完遂力を高めます。
 
KPIをモニターすれば、効果的に戦略を実行できているか、確認できるからです。滞りや不調が見られれば軌道修正をして、目標達成に向けて進んでいきます。

3-5. OGSMの具体例

OGSMの具体的なイメージは、以下をご覧ください。

目的(Objective)

  • 高品質で手頃な価格のパーソナルジムを地域に定着させる

 
目標(Goals)

  • 顧客が支払う月額料金が1万円以下
  • 最初の2年間で市民10,000人以上の顧客を獲得する
  • 1年間の継続率は80%以上

 
戦略(Strategy)

  • コロナ禍で規模縮小を強いられているジムから高品質なマシンを低額で仕入れる
  • 市民スポーツ課と連携してイベントセミナーを毎月開催する
  • オンラインのプラットフォームを準備し自宅でもトレーニングを受けられるようにして習慣化を促す

 
測定(Measures)

  • 月間顧客数の推移
  • 顧客全体のチャーンレート

4. 目的と目標の違いに関する注意点


最後に、目的と目標の違いに関して、注意したいポイントをお伝えします。

4-1. 社内での定義を確認する

1つめの注意点は「社内での定義を確認する」です。
 
本記事では、一般的な意味合いでの目的・目標について解説していますが、同じ用語でも、会社によって異なる定義で活用されていることがあります。
 
あるいは英語だと、Purpose(パーパス)、Goals(ゴール)、Objectives(オブジェクティブ)は、文脈によっては、すべて「目的」と訳されることがあります。
 
目的・目標について正しく理解しているのに混乱することがあったら、
「自分の理解とは異なる、特殊な定義で使われているのかもしれない」
という視点を保ち、定義を確認するようにしましょう。

4-2. 目的・目標はレイヤー(階層)によって変わる

2つめの注意点は「目的・目標はレイヤー(階層)によって変わる」です。
 
「目標は、ある目的を達成するためのマイルストーン」という構造から、ある地点からは「目的」と見えていた事柄が、より上位概念から見ると「目標」ということが起こり得ます。
 
たとえば、勇者の視点から見ると「世界平和」が目的でした。

目的世界平和
目標魔王を倒す

しかし、神様の視点から見ると「世界平和」は、ある目的を達成するための目標(マイルストーン)かもしれません。

目的持続可能な世界の実現
目標世界平和
目標魔王を倒す

少々ややこしい話ではありますが、頭の片隅に入れておくと、類似現象で混乱したときに役立ちます。


5. まとめ

本記事では「目的と目標の違い」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。 

 目的目標
意味ありたい姿・理想とする最終到達点目的を達成するためにクリアすべきマイルストーン
対象範囲広い狭い
行動全体的具体的
測定測定が難しい簡単に測定できる
時間軸長期短期または中期
要素理想、アイデアベース現実、ファクトベース
売上拡大今後3ヶ月で売上高を20%増加させる

目的と目標を設定して実行する4ステップとしてOGSMをご紹介しました。

  • 【O】最終的に何を望んでいるのか?から描く
  • 【G】目標として機能する目標を設定する
  • 【S】目標を達成するための戦略を設定する
  • 【M】進捗状況の測定方法を決めておく

目的と目標の違いに関する注意点はこちらです。

  • 社内での定義を確認する
  • 目的・目標はレイヤー(階層)によって変わる

目的と目標の違いが明確になると、仕事でもプライベートでも、自分の望む結果を得やすくなります。目的と目標を、上手に使いこなせるようになるからです。
 
目的・目標を積極的に活用して、今までとの違いを体感していただければと思います。
 

 

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