「ダイエットのために遺伝子検査をしてみたいけど、本当に効果があるの?」
遺伝子検査は自分が太りやすい食事内容などを知ることができ、効率的にダイエットをおこなうことができます。ただし、遺伝子検査を受けたからといって痩せるわけではないので、結果を元に食事や運動などの生活習慣を改善できるかが重要です。
また、遺伝子検査の結果を元にダイエットをおこなう場合も、極端な食事制限などをすると余計に痩せにくい体になってしまうなどのリスクがあるため、ダイエット方法をしっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- 遺伝子検査ダイエットの効果
- 遺伝子検査でわかること
- ダイエットのために遺伝子検査をする方法
- 遺伝子検査の結果別ダイエット方法
- 遺伝子検査の注意点
この記事を読むことで遺伝子検査の検査内容や、どのようにして検査を受ければいいのかがわかります。
また、遺伝子検査の結果別で詳しいダイエット方法も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 遺伝子検査ダイエットは効果があるのか
ダイエット用の遺伝子検査は、自分自身の体は遺伝子によって太りやすいかどうかを確認するための検査です。検査をするには費用がかかるため、本当に効果があるのかを知りたいという人は多いでしょう。
まずはじめに遺伝子検査の効果と、どのようなことを知ることができるのかについて説明します。
1-1. 遺伝子検査の結果を元に正しくダイエットをおこなえば効果あり
遺伝子検査ダイエットは、検査結果を参考にしてダイエットを進めることで効果を発揮します。
肥満になりやすい遺伝子は複数存在しており、検査対象になることが多い代表的なものは以下のような遺伝子です。
遺伝子の種類 | 遺伝子を持つ人の傾向 |
FTO遺伝子 |
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ADRB3遺伝子 |
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UCP1遺伝子 |
|
遺伝子検査は、上記を含む肥満遺伝子やインスリン抵抗性関連遺伝子を調べ、検査した人がどのようなことで太りやすいか、どうすることで効率的に痩せることができるかといった結果を知ることができます。
遺伝子検査で肥満の傾向はわかるものの、ダイエットに役立つサプリや食事・運動のアドバイスなどの二次的なサービスについては、効果があると断言できるような科学的根拠はほとんど示されていません。遺伝子に基づく生活指導に効果があるのかの研究はまだ始まったばかりであるため、科学的根拠があるというには不十分だからです。
しかし、中には効果の有用性を示す学術的調査も行われています。遺伝子検査の結果を元に、6ヶ月間の栄養指導・保健指導をおこなった結果、被験者は体重や血圧が改善したそうです。
大切なのは、遺伝子検査によってどのようなことで太りやすいのか自分の体の傾向を知り、それに合わせてダイエットをどのようにおこなうかです。傾向を知ることでどのようなダイエットをすればいいのかがわかり、効率的にダイエットをおこなうことができるでしょう。
1-2. 遺伝子検査でわかること
検査キットによって内容は異なりますが、遺伝子検査を受けることで主に以下のようなことがわかります。
- どのようなことで肥満になりやすいか
- どのような食事がダイエットに効果的か
- どのような運動がダイエットに効果的か
- おすすめのサプリはなにか
どのようなことで肥満になりやすいかは、脂質や糖質で太りやすいタイプ、タンパク質が不足すると筋肉が落ちやすく痩せにくくなるタイプなど、いくつかのタイプに分けてアドバイスをする遺伝子検査が多いようです。
2. 遺伝子検査はダイエットが成功しやすい傾向を知るための手段
遺伝子検査を受けたからといって、簡単に痩せられるわけではありません。
例えば、脂質で太りやすいという結果が出たら「脂質を抜けば痩せられる」と思ってしまいますが、脂質以外のものを食べ過ぎてカロリーオーバーしてしまえば太ります。脂質をカットすることでダイエットを効率的におこなえるのは確かですが、一般的なダイエットと同様に1日の摂取カロリーは意識しなくてはなりません。
遺伝子検査はあくまでも自分の体の傾向を知るものなので、検査結果を元にどのようなダイエットをすれば効果的かを知り、どのようなダイエットをするかの判断基準にしましょう。
3. ダイエットのために遺伝子検査をする方法
遺伝子検査をおこなう方法は2つあります。
- 通販で購入
- クリニックで検査
これらの方法は、それぞれどのようにして遺伝子検査をおこなうのかについて、詳しく解説します。
3-1. ネットショッピングなどの通販で購入
遺伝子検査キットはメーカーのオンラインショップや、Amazon・楽天などから購入できます。
購入をすると自宅に検査キットが届くので、唾液などを採取して返送すると2〜3週間程度で結果が届く仕組みです。
ダイエット用の遺伝子検査キットは5,000円ほどのものが多いので、手軽に試すことができます。
3-1-1. ダイエット対策キット|DHC
出典:DHCの遺伝子検査 ダイエット対策キット
DHCのダイエット対策キットは、日本人の肥満に大きくかかわる肥満遺伝子3種類を検査します。遺伝子検査の結果により、以下4つのダイエットタイプに分けられます。
- りんご型:ご飯や甘いもので内臓脂肪が付きやすい
- 洋なし型:脂っこいもので下半身に皮下脂肪が付きやすい
- バナナ型:筋肉が付きにくく痩せにくい
- アダム・イヴ型:遺伝子よりも生活習慣が重要
ダイエットタイプに合わせた食事や運動、サプリのアドバイスも受けられます。よく知るメーカーの遺伝子検査を受けたい人におすすめです。
3-1-2. DNA SLIM ダイエット遺伝子検査キット|ハーセリーズ
出典:DNA SLIM ダイエット遺伝子検査キット
DNA SLIM は5種類の遺伝子を検査する遺伝子検査キットです。検査結果は243種類あり、それを10タイプに分類します。
無意識のうちに高カロリーなものを摂取してしまう体質かどうかもわかり、タイプに合わせて食事や運動のアドバイスが受けられます。
今までダイエットをしなければいけないのにカロリーオーバーしてしまっていた人は、それが体質によるものなのかがわかる遺伝子検査です。
3-1-3. ダイエット遺伝子検査キットUNIVADIET デラックス/confit
出典:Amazon|ダイエット遺伝子検査キット UNIVADIET デラックス WEBレポート版
こちらの遺伝子検査キットは太りやすい傾向だけでなく筋肉タイプがわかる遺伝子も検査し、その人に合った運動方法のアドバイスをしっかりと受けることができます。女性専用フィットネス監修の食事法や運動法がつめこまれた約60ページのレポートをもらえるので、「運動で美しく痩せたい」「かっこいい体型を手に入れたい」と考える女性に特におすすめです。
ダイエットのために運動をしているけれど、いまいち効果を感じられない場合にも役立つ遺伝子検査です。
3-2. 病院で検査
肥満外来などを扱う病院などでも、ダイエットの遺伝子検査を取り扱っている場合があります。通販で購入できるものと検査内容に大差はなく、検査結果が出るまでの時間も変わりません。
病院によっては直接食事や運動の指導をしてくれるところもあるようなので、対面で指導を受けたい人には病院での検査がおすすめです。
4. 遺伝子検査の結果別おすすめダイエット方法
遺伝子検査では、「お米で太る」「パンで太る」という具体的な食品名を出された結果ではなく、「糖質で太りやすい」「筋肉が減りやすくタンパク質の摂取が重要」といったような結果がでることがほとんどです。
遺伝子検査の結果に食事や運動の解説が記載されていますが、具体的にどのようなダイエットをすればいいのかがわかるように、ここでは結果別でダイエット方法を紹介します。
4-1. タンパク質リスクが高いと診断された場合
タンパク質リスクとは、筋肉がつきにくく一度太ると痩せにくい体質のことで、DHCの診断では「バナナ型」と分類されています。このタイプはタンパク質の合成が不得意なため、通常よりもタンパク質を多めに摂る必要があります。
このタイプの人がダイエットをするなら、タンパク質をしっかりと摂取する「タンパク質ダイエット」を始めてみましょう。
タンパク質ダイエットは、1日のPFCバランスを以下のように設定します。
- タンパク質(P):40%
- 脂質(F):20%
- 糖質(C):40%
例えば、1,800kcalを1日の目標にする場合は、次のように栄養素ごとの目安を計算してみましょう。
- タンパク質:720kcal(180g)
- 脂質:360kca(70g)
- 糖質:720kcal(180g)
タンパク質と糖質はそれぞれ1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalで重さに換算できます。
1日のタンパク質摂取量が目標にとどかない場合は、プロテインドリンクなどを活用してみてください。
以下の記事では、タンパク質ダイエットの詳しいやり方だけでなく、役立つ高タンパク食材も紹介しています。タンパク質ダイエットの参考にしてみてください。
4-2. 脂質で太りやすいと診断された場合
脂質を代謝しにくく、脂質を多く摂ると太りやすいと診断された場合におすすめなのが「脂質制限」です。DHCの診断では洋なし型に分類されます。
脂質制限は、その名のとおり脂質の摂取量を抑えるダイエット方法なので、このタイプの人にもぴったりです。
脂質制限ダイエットは、1日のPFCバランスを以下のように設定します。
- タンパク質(P):30%
- 脂質(F):20%
- 糖質(C):50%
1,800kcalを1日の目標にする場合は、次のように栄養素ごとの目安を計算してみましょう。
- タンパク質:540kcal(135g)
- 脂質:360kca(70g)
- 糖質:900kcal(225g)
以下の記事では、脂質制限中に気を付けるべき食べ物やコンビニで買える低脂質メニューなどを紹介しています。脂質制限ダイエットに関してもっと詳しく知りたい場合は、参考にしてみましょう。
4-3. 糖質で太りやすい体質と診断された場合
糖質を代謝しにくく、糖質を多く摂ると太りやすいと診断された場合におすすめなのが「糖質制限」です。DHCの診断ではりんご型に分類されます。
糖質制限は糖質をまったく摂らないというわけではなく、糖質摂取量を控えめにするダイエット方法です。糖質自体はエネルギー源となる栄養素であるため、やり方を理解して適度に制限するようにしましょう。
糖質制限中は1日の糖質摂取量を70~130gに抑えます。
コンビニのおにぎりなら1個で糖質が40g程度なので、他の食べ物も糖質を含むことを考慮するとおにぎり1個でも糖質の摂りすぎになる可能性があるので、注意が必要です。
もちろん糖質が制限できていても、脂質の摂り過ぎなどでカロリーオーバーしていれば太ってしまいますので、カロリーも計算するようにしてください。
以下の記事では、糖質制限の詳しいやり方や食事のイメージなどを解説しています。糖質制限をおこなう際に参考にしてみてください。
5. 遺伝子検査ダイエットの注意点
遺伝子検査ダイエットをおこなう前に、理解しておくべき注意点は以下の2つです。
- 遺伝子検査によっては具体的な結果がわからない
- 遺伝子の傾向が分かっても継続できなければダイエットにならない
これらを理解していないと、遺伝子検査の結果が役に立たなかったり、遺伝子検査をしてもダイエットを成功させることができません。注意点を理解してから遺伝子検査を受けましょう。
5-1. 遺伝子検査によっては具体的な結果がわからない
遺伝子検査はさまざまな種類があります。
遺伝子検査によっては、調べた遺伝子は肥満に影響しないという結果があることも。そのため、どのような検査結果を知ることができるのかを確認してから購入しないと、思っていたような結果が得られず参考にならないことがあることを理解しておきましょう。
ネット通販なら、口コミやメーカーのホームページに掲載された結果例などを確認しましょう。病院の場合は、どこまで具体的にアドバイスしてもらえるのかを確認してから遺伝子検査を受けるのがおすすめです。
5-2. 遺伝子の傾向が分かっても継続できなければダイエットにならない
遺伝子検査の結果を元にダイエットをおこなっても、痩せたからといって食事を元に戻せば体重も元に戻ります。
ダイエットは継続することが重要で、目標の体重になったとしても完全に生活を元に戻してしまっては意味がありません。ダイエットが不要になっても元の体型に戻りたくないのであれば、「太らない生活」を送り体重をキープする必要があります。
太らない生活とは、体重をキープする生活であるためダイエット中よりは食事制限を緩やかにしても大丈夫ですが、その生活を続けるためにもダイエット中から食生活や運動の習慣化が重要です。
6. 遺伝子検査ダイエットを継続させるための方法
遺伝子検査ダイエットは遺伝子検査の結果が出てからが勝負です。今までダイエットが長続きしたことがないという人は、以下の継続方法を試してみましょう。
- 食事・運動の記録を付ける
- 人に宣言する
- ダイエット仲間を作る
これらの方法は難しいものではないので、すぐに取り組むことができます。やり方を解説しますので、ダイエットに取り入れてみましょう。
6-1. 食事・運動・体重の記録を付ける
ダイエット中は自分の変化を知るためにも記録が欠かせません。特に重要なのが以下の3つの記録です。
- 食事
- 運動
- 体重
記録することは、自分の頑張りを目に見えるようにすることです。頑張りを可視化することで、「せっかくここまで頑張ったんだからもう少し頑張ろう」と思えるようになります。
食事内容は遺伝子検査ダイエットの結果にあった食事ができているかを振り返ることができ、なかなか体重が落ちない場合に食事内容を見直すことができるようになります。文字で入力すると面倒になる可能性があるので、写真に撮って記録できるダイエットアプリを活用してみましょう。
運動内容も記録することで、どれだけ運動を継続できているかを見返すことができます。運動量の把握だけでなく継続することでモチベーションのアップにも繋がるため、かならず記録しましょう。
体重は毎日記録しますが、起床後にトイレに行ってから計るのがおすすめです。空腹状態なため食事や水分による増減が影響しにくく、体重の変化が把握しやすいからです。体重の変化は1日ごとの増減を見るのではなく、1週間・1ヶ月間などある程度まとまった期間で減っているかを見るようにしましょう。
6-2. 人に宣言する
SNSや身近な人にダイエットを宣言するのも効果的です。心理学で「宣言効果」といい、人に宣言することで自分自身にプレッシャーをかけてモチベーションを上げ、目標を達成しやすくします。
ひとりでこっそりダイエットをしていた場合は失敗しても誰にも気付かれませんが、宣言すると失敗した際に人にダイエットできなかったことが知られてしまいます。そのため、「失敗したら恥ずかしい」「言ったからにはやり遂げなくては」といったように、自分に対していいプレッシャーとなるのです。
ダイエットを始めたら、ぜひ周囲に宣言してみてください。SNSなどで定期的に経過を報告するのもおすすめです。
6-3. ダイエット仲間を作る
ダイエット仲間を作り、毎日どのようにダイエットに取り組んだのかを報告し合うのもおすすめです。同じ仲間が頑張っていることを知ることで、「自分だけサボるわけにはいかない」といういいプレッシャーを感じることができます。
また、取り組んだことを報告することは、自分自身を監視してもらうことと同じです。人は何かを達成した際にご褒美を与えられるよりも、監視をされている状態の方が習慣化できる確率が上がることがハーバードビジネススクールの研究によって証明されています。
仲間を見つけるのは難しいものです。しかし、習慣化アプリ「みんチャレ」を利用すれば、すぐにダイエット仲間を見つけてダイエットを開始することができます。ダイエット仲間探しに、ぜひ利用してみてください。
7. まとめ
ダイエットのための遺伝子検査は肥満の原因となる遺伝子を調べ、どのような食事で太りやすいかを知るための検査です。通販でキットを購入するか、病院で検査を受けることができます。
太りやすい食事や痩せるためにはどうすればいいかを知るための検査なので、その後のダイエットは頑張る必要があることを覚えておきましょう。
遺伝子検査の結果ごとにおすすめのダイエット方法は以下のとおりです。
- タンパク質リスクが高い:タンパク質ダイエット
- 脂質で太りやすい:脂質制限ダイエット
- 糖質で太りやすい:糖質制限ダイエット
それぞれ結果に合わせたダイエットに取り組んでください。
遺伝子検査ダイエットは食事や運動を継続する必要があります。ダイエットを習慣にして継続する場合は以下の方法を試してみましょう。
- 食事・運動・体重の記録を付ける
- 人に宣言する
- ダイエット仲間を作る
これらをおこなうことで、習慣化できる確率を上げることができますよ。