糖質制限ダイエットとは、ご飯やパン、麺などの主食に多く含まれている「糖質」の摂取量を抑えることで減量を目指すダイエット法のことです。
「短期間で体重が減る」というわかりやすい効果が期待できるので、「興味がある」「取り組んでみたい」という人も多いのではないでしょうか。
一方で糖質制限ダイエットには、体調不良や筋肉減少による代謝の低下を招く可能性があるというデメリットもあります。
そこでこの記事では、糖質制限ダイエットに関心があるという人がメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、自分に合ったダイエットを選び実行することができるよう、以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること
- 糖質制限ダイエットの効果
- 糖質制限ダイエットのメリット
- 糖質制限ダイエットのデメリット
- 糖質制限ダイエットの正しいやり方
- 糖質制限ダイエットにおすすめの食品
- 糖質制限ダイエットにおすすめしない食品
この記事を最後までお読みいただくと、糖質制限ダイエットにはどのような効果があるのかがわかり、メリットとデメリットまで網羅的に知ることができます。
その上で、もし取り組みたい場合はどんなやり方で進めればいいのか、具体的には何を食べればいいのか、という点まで詳しく学べます。
さらに最後には、糖質制限ダイエットに取り組む上でよくあるQ&Aもお伝えしますので、必要な知識が身につき、気になる疑問を解消した上でダイエットを進めていくことができるようになるでしょう。
糖質制限ダイエットについて基礎から具体的な方法まで知ることで、自分に合ったダイエット方法を見つけ出していきましょう。
また、同じ目標を持つ仲間と一緒にダイエットを続けるアプリ「みんチャレ」を使って糖質制限をせずに食事や運動などの生活習慣を改善し、ダイエットに成功されている方がたくさんいます。
実際にみんチャレを使ってダイエットに成功された方にインタビューしていますので、以下の記事を参考にしてみてください。
目次
1. 糖質制限ダイエットとは
冒頭でもお伝えした通り糖質制限ダイエットとは、糖質の摂取量を抑えることで減量を目指すダイエット方法のことです。
糖質制限ダイエットとは
ご飯やパン、麺などの主食に多く含まれている「糖質」の摂取量を抑えることで減量を目指すダイエット方法のこと。比較的短期間で減量の成果が出やすいという特徴がある。
糖質は三大栄養素「炭水化物」の一部で、エネルギー源として重要な栄養素です。
しかし、たくさん摂りすぎると血糖値を急上昇させてしまい、脂肪蓄積を進めてしまうという側面もあります。
そのため「糖質の摂取量を減らすことで脂肪蓄積を防いでダイエットしていこう」というのが糖質制限ダイエットの考え方です。
2. 糖質制限ダイエットの効果
糖質制限ダイエットの概要についてはご理解いただけたと思いますので、次は痩せるメカニズムについて解説していきます。
「糖質制限ダイエットを実践したことで短期間のうちに大幅減量に成功した」という広告を目にしたことがある人も多いと思いますが、確かに糖質制限は正しく行うと一定の減量効果が見込める方法です。
そこでこの章では、糖質制限ダイエットをするとなぜ効果が期待できるのか、その理由として以下の2点をお伝えします。
糖質制限ダイエットで
効果が出る理由
- 体内の水分が減るから体重も落ちる
- 脂肪の合成を促進するホルモンの分泌を抑えられる
詳しく見ていきましょう。
2-1. 体内の水分が減るから体重も落ちる
糖質制限ダイエットに取り組むことで体重が減る理由の1つは「体内の水分が減るから体重も落ちる」というものです。
糖質は動くためのエネルギー源として使われる栄養素ですが、体内の糖の一部は備蓄用として「グリコーゲン」という物質に変換され、筋肉や肝臓で貯蔵されます。
このグリコーゲンは、以下のように自分の3~4倍の水分と結合するという性質を持っています。
グリコーゲンとは
体内で貯蔵される糖の種類。自分の3~4倍の水分と結合する性質を持つ。筋肉や肝臓に蓄えられ、空腹時や運動時に利用される。
ということは、糖質制限を行うとどうなるでしょうか。貯蔵用に回すだけの糖質が不足するので、体内のグリコーゲンも減ることになります。
そうするとグリコーゲンが減った分、一緒に水分もその3~4倍減っていきます。そのため、「糖質制限をしたら体重がすぐに落ちた!」という効果を感じる人が多いのです。
「なんだ、体内の水分が減るだけで脂肪が減るわけではないのか…」と残念に思った人もいるかもしれません。
ただし以下の側面から見ると、水分だけでなく脂肪を減らす効果も期待できます。
2-2. 脂肪の合成を促進するホルモンの分泌を抑えられる
糖質制限ダイエットが脂肪を減らすのに役立つ2つ目の理由は、「糖質の摂取量を減らすことで、脂肪の合成を促進するホルモンの分泌を抑えられるから」です。
どういうことかというと、まず食事などから摂取した糖質は、血液中に移動していきます。
そうすると血液中の糖が通常時よりも増えるため、体は上がった血糖値を元に戻すため、以下のような働きを持っている「インスリン」というホルモンを分泌します。
インスリンとは
食後に血糖値が上昇すると、それに反応して膵臓から分泌されるホルモンの一種。血中の糖を細胞にとり込んでエネルギー源としたり、余った糖をグリコーゲンや中性脂肪に合成するのを促進する
インスリンには、上記のように「余った糖を脂肪として蓄えるのを促す」働きがありますので、血糖値の急上昇を防止できればその分脂肪蓄積も抑えられるということになります。
そのため、糖質の摂取量を制限することで血糖値の急上昇が抑えられると、脂肪の合成促進を防ぐことができるというわけなのです。
3. 糖質制限ダイエットのメリット
糖質制限ダイエットの効果について解説してきたので、「なぜ体重が落ちるのか」というメカニズムについてはご理解いただけたのではないでしょうか。
自分もとり入れてみようかなと関心を持った人もいると思いますので、次は糖質制限ダイエットのメリットとして以下の内容を紹介します。
糖質制限ダイエットのメリット
- 体重が落ちやすい
- 病気の予防になる
自分に合うメリットかどうかを知らないまま糖質制限ダイエットに取り組んでしまうと、後で「自分の目的には合っていないものだった…」と悔やんでしまうかもしれません。
そのため、このタイミングで糖質制限ダイエットのメリットをしっかり理解しておくようにしましょう。
3-1. 体重が落ちやすい
最もわかりやすいメリットは、前半でもお伝えしたように「体重が落ちやすい」という点です。
「最初に落ちるのは水分がほとんどなのであれば、本質的には意味がないのではないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、例え水分であろうと「体重が減る」という事実は、ダイエット中のモチベーション維持のためには有効なものです。
ダイエットを開始してもなかなか継続できないという人の中には、「結果が出ないからやる気が続かなかった」という経験がある人も多いのではないでしょうか。
人間は、何かに頑張って取り組んでもその成果が感じられなければ段々とやる気がなくなっていってしまう生き物です。
そのため、「すぐに結果を感じられる」という点はダイエットへのモチベーションを維持するための大きなメリットだといえるでしょう。
3-2. 生活習慣病の予防になる
2つ目のメリットは、糖質制限ダイエットをすると血糖値の急上昇を抑制できるため、生活習慣病の予防になるという点です。
普段から「ラーメンと炒飯のセット、更におやつでスイーツも」という風に糖質をたくさん食べる生活をしていると、食後の血糖値が高い状態が続くことになります。
そうすると、血管がダメージを受けて動脈硬化を引き起こしてしまい、脳卒中や心筋梗塞などにつながってしまう恐れがあります。また、糖尿病のリスクも高くなってしまいます。
しかし、食事で糖質を摂りすぎないようにする糖質制限ダイエットをしていれば、血管のダメージを抑えられるため、こういった生活習慣病のリスクを下げる効果が期待できるのです。
このように、「体重の減りを実感しやすくモチベーションを維持しやすい」という点と「血管のダメージを抑えられるので生活習慣病の予防になる」という点が、糖質制限ダイエットのメリットだということになります。
4. 糖質制限ダイエットのデメリット
糖質制限ダイエットのメリットについてお伝えしてきましたが、メリットがわかったら次はデメリットも気になるのではないでしょうか。
糖質制限ダイエットは効果が感じられやすいダイエット方法として注目されていますが、実はデメリットもあります。そのためやり方を間違えると逆に太りやすくなってしまったり、病気のリスクを上げてしまったりする可能性もあるのです。
ここでデメリットについてもしっかりと理解した上で、自分が取り入れるかどうか判断するようにしていきましょう。
糖質制限ダイエットのデメリットは以下の3点です。
糖質制限ダイエットのデメリット
- 体調不良を招く場合がある
- 筋肉が減りやすくなる
- 栄養バランスが崩れやすくなる
「せっかくダイエットを頑張ったのに、太りやすくなりリバウンドしてしまった…」という事態に陥らないよう、デメリットについてもしっかりと学んでいきましょう。
4-1. 体調不良を招く場合がある
デメリットの1つ目は、体調不良を招く場合があるという点です。
これは極端に糖質を制限してしまった場合に生じやすいもので、一般的には「疲れや頭痛、眠気、めまい」などの症状があらわれることがあるといわれています。
実際に、女性を対象に行ったあるアンケート調査では、糖質を制限したダイエットを行ったことで以下のような不調を感じたという意見も見られました。
糖質制限ダイエットで生じた体調の変化
- 集中力がなくなった
- 頭がぼーっとするなど、無気力になった
- イライラしやすくなった
- 便秘気味になった
- 肌がぼろぼろになった
- 冷え性になった
- 生理不順になった
- 寝る気が悪くなった/不眠になった
- 体臭や口臭が強くなった
この全ての原因が糖質を制限したことであるかどうかはわからず、因果関係がはっきりしているわけではありませんが、人によってはこのような体調の変化を感じることがあるようです。
そのため、もし糖質制限をやってみたいという場合でも、極端な制限はしないように注意することが大切です。
4-2. 筋肉が減りやすくなる危険性がある
2つ目のデメリットは「筋肉が減りやすくなる危険性がある」という点です。
これは、主食である糖質の摂取量を制限することで食事の全体量が減りすぎてしまい、必要な摂取エネルギーを補えなくなることから生じる問題です。
糖質は体を動かすためのエネルギー源として重要な栄養素です。しかし糖質制限をしてしまうとそれが不足してしまうので、体は生きていくためのエネルギーを生み出そうとして筋肉を分解してしまいます。
そのため、糖質制限をすると筋肉が減りやすくなってしまう危険性があるのです。
これを防ぐためには、最低限必要な量の糖質は摂取するということと、減らした分はたんぱく質や脂質など他の栄養をしっかりとることで、摂取エネルギーが不足し過ぎないようにするということが大切です。
詳しい食事方法については「5.糖質制限ダイエットの正しいやり方」で解説するので、そちらの章をご覧ください。
4-3. 栄養バランスが崩れやすくなる
3つ目のデメリットは、「栄養バランスが崩れやすくなる」という点です。
糖質の摂取量を減らすと、おのずとたんぱく質や脂質の摂取比率が高くなるため、厚生労働省の推奨している「健康的な栄養バランス」からはかけ離れていくことになります。
実際に、糖質の摂取量を制限したことで動物性食品の摂取が多くなると、病気のリスクが高くなるのではないかという研究もあります。
国立がん研究センターから発表された日本人を対象とした研究によると、動物性の食品の摂取が多いと、以下のように大腸がんや直腸がん、肺がんなどの罹患リスクが高くなるということがわかりました。
引用:国立がん研究センター 低炭水化物食とがん罹患のリスクとの関連について
植物性の食品の摂取が多いグループの場合は有意な差は見られなかったようなので、糖質を減らそうとして動物性の食品(例えばステーキや焼肉など)をたくさん食べていると、上記のような病気のリスクは高くなってしまうようです。
逆に動物性・植物性どちらが多い場合でも、糖質の摂取量が少ないと胃がんのリスクは下がっていました。
この理由としては、胃がんのリスクを高めるピロリ菌は、糖質の摂取量が多いと増殖・成長しやすいという特性を持っているので、糖質の少ない食事をしているとそれが抑えられてこのような結果になったのではないかという風に考えられています。
そのため糖質のとり過ぎはもちろん避けるべきですが、制限し過ぎることで動物性の食品を過剰に食べるなど栄養バランスが崩れると、長期的には健康を損なってしまうリスクがあるのです。
5. 糖質制限ダイエットの正しいやり方
お伝えしてきたように、糖質制限ダイエットには「体重が落ちやすい」というメリットがある一方で、「体調不良や筋肉の減少、長期的な病気のリスクが高まる」などのデメリットもあります。
短期的に体重を落としても、そのせいで健康を損なったりリバウンドしやすい体質になったりしてしまうと意味がありません。
そのため、健康的に痩せたいという場合は無理に糖質制限ダイエットにチャレンジするのではなく、バランスの良い食生活と運動を習慣化することでダイエットを進めていくのが良いでしょう。
健康的に痩せる方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:健康的なダイエットは食事・運動・睡眠が重要!確実に痩せる方法を解説
しかし「それでも自分の場合は糖質制限ダイエットが向いていると思うから実践してみたい」という人もいると思います。
この章では、そんな方が間違った糖質制限で健康を損ねることがないよう、糖質制限ダイエットの正しいやり方について解説していきます。
具体的なやり方は下記の通りです。
糖質制限ダイエットの
正しいやり方
- 1日の糖質量は70~130gを目安とする
- 特定の食品ばかりに偏らないようにする
- 糖質を極端に減らし過ぎないよう気を付ける
早速みていきましょう。
5-1. 1日の糖質量は70~130gを目安とする
1日の糖質の摂取量は、以下のような配分を意識して1日トータルで70~130gを目安とするのが良いといわれています。
1日の糖質摂取量の目安
- 朝 20~40g
- 昼 20~40g
- 夜 20~40g
- 間食 10g
→ 1日合計で70~130g
パーソナルジムの中には「1日の糖質を50g以下に制限する」という厳格な糖質制限を推奨しているところもありますが、これは「ケトジェニックダイエット」という方法で、ボディビルの大会に出場するようなハードな減量をしている方に向いているものです。
そのため、一般の人がダイエットを目的に行うということであれば、上記のような「緩やかな糖質制限」に取り組むのが良いでしょう。
この、1食20~40gというのはどのくらいなのかというと、たとえばコンビニのおにぎりは1つで約40gの糖質を含みます。そのため、「おにぎりなら1/2~1個」、「お茶碗によそったご飯なら1/3~2/3膳くらい」が糖質20~40gの目安となります。
ただし、運動をする日などはその分エネルギー源となる糖質が必要になりますので、その日の活動量に応じて多少増やしたり減らしたりして調整するのがおすすめです。
5-2. 特定の食品ばかりに偏らないようにする
糖質以外の食品は何を食べればいいのかな?という点が気になる人もいると思いますが、基本的にたんぱく質や脂質はあまり気にせずに摂取して良いといわれています。
ただし、糖質を減らすことで特定の食品ばかりを食べるようになってしまうと栄養バランスが崩れやすくなってしまいます。
そのため、「糖質を制限すれば他は何を食べてもいいんだよね!」といってステーキばかりを食べるようなことはせず、色々な食材をバランスよくとり入れるようにしましょう。
1日の食事のイメージとしては以下のようになります。
糖質制限中の食事量のイメージ
- 朝 ご飯1/2膳、納豆、目玉焼き、ほうれん草のおひたし、みそ汁
- 昼 コンビニおにぎり1個、サラダチキン、具沢山サラダ
- 夜 ご飯1/2膳、焼鮭、ニラ玉炒め、もずく酢
- 間食 素焼きナッツ
とはいえ食材の中には意外と糖質を多く含むものもあるため、何も気にしないで食べていると「ご飯の量は減らしていたけれど、実は他の食材から糖質を摂りすぎていた!」という事態を招いてしまうこともあります。
そこで、具体的に食べてもいい食品と避けたほうが良い食品については次の「6.糖質制限ダイエットにおすすめの食品」、「7.糖質制限ダイエットにおすすめしない食品」で解説をしていきます。
5-3. 糖質を極端に減らし過ぎないよう気を付ける
最後に気を付けていただきたいポイントは、「糖質を極端に減らし過ぎないよう気を付ける」という点です。
糖質制限ダイエットを始めようと考えている人の中には、「面倒だから全部の食事で主食を抜けばいいんでしょ」という風に思っている人もいるかもしれません。
しかし前半で何回かお伝えしてきた通り、糖質を減らし過ぎると「体調不良や筋肉の減少、長期的な病気のリスクが高まる」などのデメリットが生じる恐れがあります。
そのため「主食を完全に抜く」のではなく、「いつもの半分くらい」「普段より少なめ」にするという風に考えてみると良いでしょう。
痩せたくてダイエットを始めたのに、「糖質を減らし過ぎたせいで筋肉が減り、代謝が落ちて逆に太りやすくなってしまった」というのでは本末転倒です。
糖質制限ダイエットを始めたとしても「極端に制限し過ぎないようにする」という点には充分注意していきましょう。
6. 糖質制限ダイエットにおすすめの食品
糖質制限ダイエットのやり方についてお伝えしてきましたので、次は「じゃあ実際に何を食べればいいの?」という点について具体的に知りたくなったのではないかと思います。
糖質制限ダイエットにおすすめの食品は、以下の通りです。
糖質制限ダイエットに
おすすめの食品の例
- たんぱく質
牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、魚類、いか、たこ、えび、貝類、卵、納豆、豆腐、豆乳 など
- 野菜類
ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、小松菜、大根、枝豆、キャベツ、白菜、レタス、トマト、ピーマン、パプリカ、オクラ、かぶ、たまねぎ、チンゲンサイ、なす、にら、にんじん、ねぎ、きゅうり、もやし など
- きのこ類
しめじ、しいたけ、まいたけ、エリンギ、エノキ など全般
- 海藻類
わかめ、昆布、もずく、めかぶ など全般
- 芋類
こんにゃく
- ナッツなどの種実類
アーモンド、くるみ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ごま など
- 果物
アボカド、ラズベリーなど
- アルコール
焼酎やウイスキー など
- 嗜好飲料
砂糖を含まないコーヒーや緑茶、紅茶 など
- 調味料
塩、こしょう、酢、醤油、味噌(白味噌以外)、油全般 など
このように、たんぱく質やきのこ、海藻類に関しては、そこまで制限なくほとんどの食品を食べることができるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ただしいくら糖質の少ない食材であっても、砂糖たっぷりの照り焼きソースやケチャップなどで味付けをするとその分糖質の量は増えてしまうので、シンプルに塩こしょうで味付けをするなどして低糖質に仕上げると良いでしょう。
また、野菜類や芋類の中には一部糖質の多い食材もあります。食べる場合は上記を中心に選ぶようにしてみてください。
果物も糖質を多く含みますので、基本的には甘いものは避けるようにしましょう。
7. 糖質制限ダイエットにおすすめしない食品
糖質制限ダイエットにおすすめの食品をお伝えしましたので、次は逆におすすめしない食品についてもお伝えしていきます。
糖質制限ダイエットにおすすめしない食品は、以下の通りです。
糖質制限ダイエットに
おすすめしない食品の例
- 魚肉加工品
はんぺん、さつま揚げ、かまぼこ、ちくわなどの練り製品 など
- 野菜類
とうもろこし、かぼちゃ、れんこん など
- 芋類
じゃがいも、さつまいも、さといも、やまいも など全般
- 果物
バナナ、りんご、みかん、ぶどう、柿、マンゴー、ドライフルーツ など全般
- アルコール
ビール、日本酒、梅酒、紹興酒、甘いカクテル など
- 嗜好飲料
コーラやサイダーのような砂糖入りの清涼飲料水、甘いコーヒーや紅茶、飲むヨーグルト、ココア、スムージー、フルーツジュース など
- 調味料
砂糖、ケチャップ、中濃ソース、みりん、白味噌 など
魚肉加工品の場合、主原料は魚なのでたんぱく質がとれそうですが、実は糖質が含まれていることがあるので注意が必要です。例えばはんぺんやかまぼこなどの原料は白身魚ですが、加工の工程でデンプンが添加されているため意外と糖質を含みます。
また芋類は糖質が多いので「サラダだからヘルシー」といってポテトサラダを食べていると糖質の摂りすぎになってしまうので注意が必要です。
果物は全般的に糖質が多いので極力控え、食べる場合は量を少なめにすることを意識できると良いでしょう。特にドライフルーツは水分が抜けて糖質の比率が高くなっているので避けるのがベターです。
市販の惣菜や加工食品は、上記の表に含まれる調味料(砂糖やケチャップ、ソースなど)がたくさん使用されている場合もあるので、購入するときは栄養成分表示をチェックするようにしましょう。
商品によっては「糖質」として表示されていない場合もあるので、その場合は以下のように「炭水化物」の値を参考にしてみてください。
厳密には「炭水化物=糖質+食物繊維」となるので炭水化物の量が糖質の量とイコールであるというわけではないのですが、大体の目安にはなります。
8. 糖質制限ダイエットに関するQ&A
糖質制限ダイエットの基礎知識から、食べてもいいもの、あまりおすすめしないものまで具体的に解説してきました。
しかし「やり方はわかったけれどまだ不安…」「まだ気になる疑問がある」という人もいるのではないでしょうか。
わからないことがある状態のままでは「さぁダイエットを始めよう!」という気持ちになれないと思います。
そのためこの章では糖質制限ダイエットにまつわる代表的な疑問として、以下の4つをQ&A形式でお伝えしていきます。
糖質制限ダイエットに関する
Q&A
- 糖質制限ダイエットって危険なの?
- 糖質制限ダイエットをしないほうがいい人はいる?
- 脂質制限やカロリー制限との違いは?
- 途中で痩せなくなることがあるって本当?
全ての疑問をクリアにした状態で、迷いなくダイエットをスタートできるようにしていきましょう。
8-1. Q.糖質制限ダイエットって危険なの?
A.やり方を間違えると健康を損ねてしまう可能性もあります。
前半でもお伝えしたように、糖質制限ダイエットを頑張ろうとするあまりに糖質の摂取量を減らし過ぎると、体が必要とする最低限の量の糖質も賄うことができなくなってしまいます。
そうすると、脳が効率よく働かなくなって常にぼーっとしてしまうようになったり、頭痛やめまいを生じてしまう場合もあります。
「糖質制限ダイエット」自体が危険なものというわけではありませんが、やり方を間違えると健康を害してしまう可能性もあるので、自分に合わないと思ったらすぐに中断して、通常のバランスの良い食事に戻すようにしていきましょう。
8-2. Q.糖質制限ダイエットをしないほうがいい人はいる?
A.病気の人や妊娠中の人、成長期の人はやめましょう。
現在何かの病気にかかっていて治療中である場合は、自己判断で糖質制限を始めることは避けて、主治医に必ず相談するようにしましょう。
体の状態や飲んでいる薬、治療の内容によっては、勝手に食事の糖質量を減らしてしまうと悪影響を及ぼす可能性があるためです。
また、妊娠中の人も自己判断で糖質制限をするのはやめて、関心がある場合は医師に相談しましょう。
お腹の赤ちゃんが成長するためには糖質が必要なので、糖質の摂取量を極端に減らすと赤ちゃんの成長に影響が出てしまうかもしれないからです。
さらに、子供や成長期の学生などの場合も糖質制限ダイエットはおすすめしません。
脳や体のエネルギー源となる糖質が不足すると、頭がうまく働かず授業に身が入らなくなってしまったり、運動したり遊んだりするための力が出なくなったりしてしまうリスクが考えられるためです。
8-3. Q.脂質制限やカロリー制限との違いは?
A.どの栄養素に着目して食事量を減らすかの違いです。
糖質制限ダイエット以外にも、脂質制限ダイエットやカロリー制限ダイエットなど、様々なダイエット方法があるので違いがよくわからないという人もいると思います。
それぞれの違いは以下の通りです。
糖質制限と脂質制限、カロリー制限の違い
- 糖質制限ダイエット
栄養素の内、糖質の摂取量を減らすことで血糖値の急上昇を防ぎ、減量を目指す方法
- 脂質制限ダイエット
三大栄養素である「糖質・脂質・たんぱく質」の中で、最も1gあたりのカロリーが大きい脂質の摂取量を減らすことでトータルのカロリー摂取量を抑える方法
- カロリー制限ダイエット
特定の栄養素だけを減らすのではなく栄養バランスはそのままでカロリーを制限する方法
上記のように、それぞれの違いは、どの栄養素に着目するか(もしくはしないか)という点です。
カロリー制限ダイエットでは「特定の栄養素を減らす」という決まりはありませんが、一般的には最もカロリーの高い脂質の摂取量を減らすことでカロリー制限をするケースが多いので、脂質制限ダイエットとカロリー制限ダイエットはほぼ同じものだと捉えて良いでしょう。
8-4. Q.痩せない人もいるって本当?
A.やり方を間違えたり体質的に合っていなかったりすると痩せない可能性もあります。
「糖質制限ダイエットをしたけど痩せなかった」という声を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、以下のような場合は効果が得られないことも考えられます。
糖質制限ダイエットで
痩せない理由の例
- 実は糖質を摂りすぎている
主食を減らしていても、それ以外の糖質の多い食品(芋類やかぼちゃ、春雨など)をうっかり摂りすぎていると、「自分では糖質制限をしているつもりでもできていなかった」ということがあります。
- カロリーを摂りすぎている
「糖質を制限しているから大丈夫」と思ってたんぱく質や脂質を摂りすぎると、摂取カロリーが消費カロリーよりも多くなってしまい、痩せにくくなることがあります。
- 食事量を減らし過ぎている
食事から摂取する栄養が不足すると体が筋肉を分解するため代謝が落ち、脂肪が蓄積されやすくなります。
- 基礎代謝が低すぎる
通常、糖質制限ダイエットではカロリー制限を行いませんが、筋肉が少ないなど基礎代謝が低すぎる人の場合は糖質を減らすだけでは痩せない場合もあります。
糖質制限ダイエットで痩せない理由としては、上記のようなものが考えられます。
そのためなかなか痩せないなと思ったときは、まずは糖質のとり過ぎになっていないか、自分の基礎代謝や活動量よりもカロリーをとり過ぎていないか、食事量を減らし過ぎていないか、という点を振り返ってみるようにしましょう。
9. まとめ
この記事では、糖質制限ダイエットの基礎知識を詳しくお伝えしてきました。
まず、糖質制限ダイエットで痩せる理由として以下の2点を解説しました。
糖質制限ダイエットの効果
- 体内の水分が減るから体重も落ちる
- 脂肪の合成を促進するホルモンの分泌を抑えられる
次に、メリットとデメリットとして以下の内容をお伝えしました。
糖質制限ダイエットの
メリットとデメリット
- 糖質制限ダイエットのメリット
体重が落ちやすい
生活習慣病の予防になる
- 糖質制限ダイエットのデメリット
体調不良を招く場合がある
筋肉が減りやすくなる危険性がある
栄養バランスが崩れやすくなる
さらに糖質制限ダイエットのやり方は下記の通りでした。
糖質制限ダイエットのやり方
- 1日の糖質量は70~130gを目安とする
- 特定の食品ばかりに偏らないようにする
- 糖質を極端に減らし過ぎないよう気を付ける
また、糖質制限ダイエットにおすすめの食品とおすすめしない食品、よくあるQ&Aについても詳しくお伝えしました。
最後までお読みいただいたことで、糖質制限ダイエットについて詳しく理解することができたのではないでしょうか。
理想の体型を手に入れるため、自分に合った健康的なダイエットを実施していきましょう。