習慣化アプリ「みんチャレ」は8周年を機に、習慣化・行動変容に関する理解、研究を深めるため『みんチャレ習慣化ラボ』を立ち上げました。初回の調査では三日坊主の実態を解明するため、その原因と習慣化の成功要因に関する調査・分析を実施しました。
<ポイント>
・調査対象706人のうち、9割が三日坊主経験あり
・三日坊主の原因第一位はサボってもいい「環境」
・仲間と一緒に習慣化に取り組んだ過半数が、21日以内に効果を実感
■調査結果
※以下①〜⑥の質問は、習慣化アプリ「みんチャレ」のユーザー(全国706人)を対象に行いました。
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございます。
目次
1. みんチャレ習慣化ラボについて
「みんチャレ習慣化ラボ」では、ラボ所員や専門家、有識者らとともに科学的なアプローチで「習慣化」の調査・分析に取り組んでいます。私たちは、「始められない」「続かない」という状態から行動変容し、生活の質を向上させる方法を探求します。習慣化のプロセスをウェルビーイングの一環と捉え、継続的な成長と心身の充実した状態へ導くステップを考えていきます。
2. 調査結果
2-1. 85%が経験あり!多くの人が三日坊主になっている
「これまで三日坊主になった経験はありますか」という質問に対し、全体の85%の方が「はい」と答えました。
習慣化アプリ「みんチャレ」を活用して習慣化に取り組んでいる人の多くが、過去に三日坊主の経験がありました。
2-2. 最も三日坊主の経験が多かったのは運動/トレーニング
三日坊主になったことがある習慣で最も多かったカテゴリーは「運動/トレーニング」で、全体の60%の方が回答しました。次いでダイエット(47%)、勉強(46%)の順に多くなりました。
運動/トレーニングの内訳をみると、「筋トレ」「宅トレ」「ジム通い」や「腹筋」「プランク」「腕立て」等のトレーニング、「ランニング」「ウォーキング」等の有酸素運動が目立ちました。
運動/トレーニングの挫折者が最も多くなったのは、始めるハードルが高いこと、時間がかかる等忙しい人ほど挫折しやすいこと、モチベーション以外の要素に左右されること、苦手な人にとっては「つらい」「苦しい」「疲れる」と感じる習慣であることなどが要因と考えられます。
<運動/トレーニングが三日坊主になりやすい原因>
・前後の着替えや場所の移動など、始めるハードルが高く、時間がかかる
・外で行う運動についてはモチベーション以外の要因である天候や季節など要因に左右される
・初心者や運動が苦手な人にとっては「つらい」「苦しい」「疲れる」と感じる
2-3. お風呂や歯磨きを挙げる人も!三日坊主の種類は多種多様
三日坊主になった経験があることの具体的な内容には「読書(157票)」や「日記・手帳(70票)」など、続けても変化が感じにくい習慣があがりました。中には「その日のうちにお風呂に入る」「食後に歯磨きをする」「寝る前にスマホを見ない」といった内容もありました。これは多忙で不規則な日常生活を送る方は、生活リズムを整えることが難しく、ルーティン化しづらいという背景があります。(有効回答数543)
2-4. 三日坊主の最大の敵はサボっても良い「環境」
三日坊主になった理由について最も回答が多かったのは「途中でやめてもペナルティがなかった」で、置かれている環境がサボっても良い状況だったことが最大の要因という結果となりました。
また、3位には「やらない言い訳を作ってしまった」4位に「継続しやすい環境を整えなかった」6位に「一緒に取り組む仲間がいなかった」がランクインしました。サボる言い訳ができる環境だった、周囲に人の目や励ましがなかったなど、習慣化に取り組む環境が整っていなかったことが原因として多く挙げられました。
2-5. 96%が仲間と一緒に取り組み習慣化に成功!過半数が21日以内に効果を実感
同じ目標をもつ仲間とチームを組んで習慣化に取り組む「みんチャレ」のユーザーは、「習慣化できたかどうか」という問いについて、96%の方が「かなり実感している」「まあまあ実感している」と回答しました。
また、習慣化できたと感じるようになったた期間については、3日が17%、17%が7日間、27%が21日間と回答し、みんチャレを使って仲間と習慣化に取り組んだ全体の過半数が21日間までに習慣化の効果を実感していることが分かりました。
2-6. 「仲間の励まし」が習慣化に最も効果的。程よい緊張感が得られるメリット
みんチャレを活用して習慣化に成功した思う理由については、「仲間の投稿やコメントに励まされた」が最も多く、全体の60%の方が回答しました。また、3位には「仲間の目や存在がプレッシャーになった」がランクインし、三日坊主を脱するには仲間がいる環境に身を置き、仲間に見られている状況やピアサポート*を活用することが効果が大きいことがわかりました。
また、4位に「少ししかできなかった日も仲間に報告した」5位には「チャレンジできない日も他のメンバーの投稿にリアクションした」がランクインし、自分が取り組めない日も同じ目標と仲間と接点を持つことで習慣が途絶えさせない効果があることがわかります。
*ピアサポート:「ピア」とは仲間を、「サポート」とは支援を意味しており、「ピアサポート」とは仲間や同輩が相互に助け合い課題解決する活動(出典「日本ピア・サポート学会」より)
2-7. 習慣化の成功が原動力となって、8割が新しいことに挑戦
「習慣化に成功すると、自己肯定感が上がった/前向きになったと感じますか?」という質問に対し、89%の方がはいと回答しました。
また、79%の方が「習慣化に成功すると、『新しいことに挑戦したい』と感じたと回答しました。(有効回答数:646)
習慣化アプリ「みんチャレ」では、1つの習慣を続けられるようになりチームを卒業した方の多くが新たな目標を見つけています。「ダイエットで体重記録が続くようになって今度は運動する」「資格試験でより上の点数を目指す」「早起きができるようになったので朝活で勉強してみる」などより高いレベルに挑戦する方、「ダイエットに成功したことが自信となり、資格所得を目指して勉強の習慣化に挑戦する」など全く違うジャンルの習慣化に挑戦される方も多くいます。実際にみんチャレで1つのチームを卒業された方の40%の方が、別のジャンルのチームに参加していることが分かっています。
【調査について】
・調査対象:習慣化アプリ「みんチャレ」ユーザー
・「習慣化に関するアンケート」 2023年10月アンケート実施 / 回答数:706人
・「みんチャレノイ体験談に関するアンケート」 2023年10月アンケート実施 / 回答数:79人
3. まとめ
■習慣化ラボ所員 長坂 剛コメント
三日坊主から脱却するためには、まず意思ではなく、置かれている環境を見直すことが重要です。そして仲間からの励ましや褒められることが効果的です。支え合う仲間を見つけることで習慣化の継続率が向上し、自己効力感も増します。
2019年、2型糖尿病・予備軍を対象に神奈川県と行った生活習慣改善の効果検証によれば、習慣化アプリ「みんチャレ」を活用したグループにおけるウオーキングの目標歩数達成率は、非使用群の約2倍という結果が出ています。仲間の存在(デジタルピアサポート*)が、継続率に貢献しているのです。
人間の脳は積極的に行動を起こすことで幸せを感じることがわかっています。習慣化によって得られた“結果”ではなく、“過程”の部分。グループで互いに励まし合ったり、情報交換しながら習慣化を目指すその過程こそ、ポジティブなサイクルを生み出します。1つの習慣化に成功すると、新たなチャレンジに挑戦したいという回答者が多いのもこういったサイクルの一環といえます。
*デジタルピアサポート:同じ境遇の仲間がアプリやWebサービスなどのオンラインで交流し、助け合うこと。「ピア」は仲間を、「サポート」は支援を意味している。