「食べなければ簡単に痩せられるけど、食べないダイエットをしても大丈夫?」
「食べないダイエットは体に悪いと聞くけど、どんな悪影響があるの?」
なにも食べなければ簡単に体重を落とすことができるので、手軽に試せて効率的に思えますが、体に悪影響がある危険なダイエット方法です。ダイエット後に食事を再開すればリバウンドしてしまい、筋肉が減って痩せにくい体になってしまいます。
食べないダイエットをおこなう場合は、「なにも食べない」ではなく「食べないものを決める」ことが大切です。食べないものを決めておこなうダイエットであれば、健康を害さずストレスなく痩せることができます。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- なにも食べないダイエットの危険性
- 食べないダイエットのやり方
- カロリーの計算方法
- レコーディングダイエットについて
この記事を読むことで、食べないダイエットの正しいやり方がわかります。
また、ダイエットを成功させるためのカロリー計算や継続方法も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
また、同じ目標を持つ仲間と一緒にダイエットを続けるアプリ「みんチャレ」を使って痩せる習慣を継続し、ダイエットに成功されている方がたくさんいます。
実際にみんチャレを使ってダイエットに成功された方にインタビューしていますので、以下の記事を参考にしてみてください。
目次
1. なにも食べないダイエットは危険
なにも食べないダイエットは、食事さえ我慢すれば簡単に体重が落ちるので気軽に始められてしまいますが、リバウンドしやすく体にも悪い危険なダイエットです。そもそも、脂肪が落ちているわけではないのでダイエットにはならず、リバウンド後は元の体よりも脂肪が増えてしまう可能性があります。
まず、「なにも食べないダイエット」はなぜ危険なのかについて解説していきます。
1-1. なにも食べずに痩せるのは「ダイエット」ではない
なにも食べずにいると体重はどんどん減っていくので「効率的にダイエットできている」と感じられるかもしれません。しかし、それは間違いです。
たしかに身体は細くなり痩せるかもしれませんが、それは体脂肪が落ちているわけではないのでダイエットに成功しているわけではありません。
なにも食べずに体重が落ちる理由は、主に以下の3つです。
- 体内の食べ物が消化されて排出した分の体重が減少
- 糖質を含むものを食べないことで水分を維持するための糖質がなくなることで水分量が減少
- タンパク質を含むものを食べないことでタンパク質が不足し筋肉が減少
これらの理由で体重が落ちており、決して体脂肪が落ちているわけではないことを理解しておきましょう。
1-2. なにも食べないダイエットがリバウンドする理由
なにも食べない状態を継続することはできないので、ある程度痩せたら食事を再開するでしょう。
栄養が不足している飢餓状態の体は、食事を再開するとまた飢餓状態になっても耐えられるように栄養を溜め込もうとします。その結果、体が食べた栄養を脂肪にしやすい状態へと変化してしまうため、体脂肪が増えます。
つまり、なにも食べずに一時的に痩せたとしても、食事を再開すれば脂肪を溜め込んでしまい、さらに筋肉が減少していることで脂肪を代謝しきれず太りやすくなるということです。
2. なにも食べないダイエットで起こる体への悪影響
なにも食べないダイエットの悪影響は、筋肉量の低下やリバウンドだけではありません。
体にとって以下の悪影響があります。
- ホルモンバランスが乱れる
- 栄養失調になる
- 摂食障害を引き起こす
- 感染症にかかりやすくなる
では、これらの悪影響について詳しく解説していきます。
2-1. ホルモンバランスが乱れる
女性は特に気をつけたいのが、ホルモンバランスの乱れ。ホルモンは以下の2種類のバランスが取れていることが大切です。
- エストロゲン…月経から排卵の間に分泌するホルモン
- プロゲステロン…排卵から月経の間に分泌するホルモン
なにも食べないような無理なダイエットで痩せすぎると体や脳に負担がかかり、「エストロゲン」というホルモンの分泌量が減少します。
すると、ホルモンバランスが乱れて生理不順や排卵障害を引き起こします。
また、エストロゲン減少は更年期障害の原因のひとつです。20〜30代でも若年性更年期障害になる可能性があるので、注意しましょう。
2-2. 栄養失調になる
食事をしないということは、栄養をまったく摂らないということです。健康を維持するために必要な栄養は多く、栄養失調になるとさまざま不調を引き起こします。
ビタミンやミネラルが不足すると、肌や髪に潤いがなくなり乾燥し、免疫力が落ちます。鉄分不足は貧血を起こしやすくなり、カルシウム不足は将来的に骨粗しょう症の原因になります。
筆者は以前ダイエットに無知だった頃、無理な減量をして1週間で5kg痩せました。しかし、ダイエット後はももから足首まで、脚全体に大きなあざがいくつもできてしまい、病院でビタミン不足を指摘されたことがあります。
このようなことにならないためにも、食べないダイエットに限らず栄養バランスを意識しながらダイエットすることが大切です。
2-3. 摂食障害を引き起こす
摂食障害には、食べることができなくなる「拒食症」と、食べることをやめられなくなる「過食症」があります。
拒食症は食べないことで痩せていき、「食べたら太る」という強迫観念から食事ができなくなる症状です。
対して、過食症は食べることを制限していたストレスからなる可能性があり、
- 食べ始めると止まらない
- 過食して嘔吐する
- 食欲が止まらず食べ過ぎることに落ち込みうつ症状がでる
などの症状がみられます。
どちらも体にとって非常に危険で、日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。
2-4. 感染症にかかりやすくなる
なにも食べないでいると、体温が低下して免疫力も下がります。
体温が低下する原因には2つあります。
まず前述したとおり、なにも食べないでいると筋肉量が減ります。1日の60%ほどの熱量は筋肉で作られるため、筋肉が減れば体温が低下します。
次に、食事をすると体内で栄養素が分解されて、その一部が体熱となって消費され代謝がよくなります。これを食事誘発性熱産生といい、食後に体が温まる要因です。つまり、なにも食べないでいると体温を上げることができないということです。
体温が下がると免疫力が低下することがわかっています。体温低下は血液の流れを悪くして、ウイルスや細菌が入り込んでも駆除してくれる白血球が集まりにくくなるので、結果として感染症にかかりやすくなります。
3. 食べないダイエットは「なにを食べないようにするか」が重要
ここまで解説したように、なにも食べないダイエットは危険です。しかし、食べないものを決めておくダイエットであれば、無理なく健康的に痩せることができます。
特におすすめの食べないダイエットは以下の3つです。
- 高脂質な食べ物を食べない
- 高GIの主食やおやつを食べない
- 夜は炭水化物を食べない
3つの食べないダイエットのやり方を解説します。
3-1. 高脂質な食べ物を食べない
脂質は、糖質やタンパク質と比べて2倍以上のカロリーがあるので、意識して摂らないようにすることで摂取カロリーを減らすことができます。
また、脂質量が多いとカロリーオーバーになりやすく、消費しきれなければ皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられてしまうため、脂質を減らすことは効果的にダイエットができるのです。
しかし、脂質の摂取量をゼロにすることは困難です。できたとしても食事の内容が偏ってしまうので、ゼロにするのではなく摂取量を減らすようにしましょう。1日の摂取カロリーの20%以下に抑えると効果的です。
たとえば、1日の摂取カロリーを1,800kcalに抑えたい場合は、脂質で摂取する目標カロリーは360kcal以下に抑えるということ。脂質は1gあたり9kcalなので、グラム換算すると40gです。
脂質の摂取量を減らすために、次の5つの決まりを守って食事しましょう。
3-1-1. 高脂質な肉類・加工肉を避ける
肉類はタンパク質を効率的に摂取できるのでダイエット中でも食べることをおすすめしますが、食べる肉の種類や部位は選びましょう。
例えば、同じステーキでも選ぶ部位によって以下のように脂質やカロリーが違います。
部位 | 脂質(100g) | カロリー(100g) |
サーロイン(脂身つき) | 23.7g | 273kcal |
かたロース(皮下脂肪なし) | 17.1g | 219kcal |
ヒレ | 4.8g | 123kcal |
参考:食品成分データベース
ヒレのように脂質が少ない赤身肉を選べば、肉類を食べても脂質を摂り過ぎることはありません。
ソーセージやベーコンなどの加工肉は、加工段階で脂や塩分を使用するため、脂質や塩分過多になりやすいという特徴があります。さらに加工肉にはトランス脂肪酸が多く含まれます。トランス脂肪酸は数々の健康被害だけでなく、内臓脂肪の増加も報告されているため、ダイエット中は避けるべきです。
肉類で特におすすめなのが、以下の6つです。
- 鶏胸肉
- 鶏ささみ
- 豚ヒレ肉
- 豚もも肉
- 牛ヒレ肉
- 牛肩もも肉
鶏肉の場合、皮は非常に高脂質なので必ず剥いで調理してください。
3-1-2. 油を使う調理方法は避ける
油を使う調理方法を避けるだけでも、脂質の摂取量は大きく変わります。揚げ物はもちろん、油を使った炒め物も避けましょう。
炒め物の場合、テフロン加工のフライパンで油を使わずに炒めれば、フライパンに食材がこびりつくことなく調理することができます。
揚げ物の場合は、ノンフライヤーで揚げずに調理するのがおすすめです。
どうしても揚げ物が食べたい場合は、エネルギーを消費しやすい朝か昼に食べ、夜は避けましょう。
3-1-3. ファストフードを食べない
ファストフードは高脂質なことが多いので、脂質の摂取量を減らす場合は避けましょう。
例えばハンバーガー店の場合、普通のハンバーガー1個で脂質は約10gほど。ポテトをセットにすると、Sサイズでも10gほどの脂質なので、子供向けの量が少ないメニューであっても多くの脂質を摂取してしまいます。
挟まれている具材やサイドメニューによっては、1食の脂質摂取量が40〜50gになることもあるでしょう。
牛丼などのご飯ものも、肉に脂身がついていたりするのでやはり脂質は多めです。
コンビニなら低脂質の食品が購入できるので、時間がない場合やご飯を手抜きしたい場合などは、ファストフードよりもコンビニがおすすめですよ。
3-1-4. マヨネーズやドレッシングの脂質に気をつける
マヨネーズやドレッシングは高脂質なものが多く、使い過ぎると脂質がほとんどないサラダでも高脂質食品に変えてしまう可能性があります。
例えば、マヨネーズは大さじ1杯で9.1gもの脂質を含むので、少しでも使い過ぎればかなりの脂質量を摂取してしまいます。
マヨネーズは避けるようにし、サラダを食べるならノンオイルドレッシングを選ぶようにしましょう。
3-1-5.おやつを食べるなら和菓子をえらぶ
どうしても甘いものが食べたいときは、洋菓子ではなく和菓子を食べましょう。
洋菓子は、クリームやバターが使用されているため高脂質なものが多く、脂質を減らしたい場合には向きません。
和菓子は小豆や米などが使用されており、脂質はあまり高くないのでたまに食べる程度であれば問題ありません。
3-2. 高GIの主食やおやつを食べない
GI値は食後の血糖値上昇度を表した指数で、GI値が高いほど血糖値が急上昇し、GI値が低いと血糖値が緩やかに上昇します。
GI値が高い食べ物を食べて血糖値が急上昇すると、膵臓から血糖値を下げるインスリンが多く分泌されます。インスリンは血糖値を下げるだけでなく、糖を脂肪に変えて溜め込み、脂肪の分解を抑制する働きがあるため、血糖値の急上昇は肥満に繋がるのです。
3-2-1. 低GIの主食
食品ごとにGI値がありますが、すべてのGI値を気にしていては食べられるものが限られてしまいます。なので、血糖値が上がりやすいご飯などの主食を低GIのものに変える方法が取り入れやすくおすすめです。
たとえば、白米を玄米に変えたり、うどんではなくそばを選ぶなどです。
主食のGI値は以下のように分類できます。
低GI(~55) | 中GI(56~69) | 高GI(70~) |
そば/オートミール/全粒粉パスタ/全粒粉パン/玄米/中華麺 | パスタ/おかゆ | 白米/食パン/うどん/そうめん/コーンフレーク |
野菜など他の食材のGI値まで把握するのは大変ですが、主食だけなら覚えられるでしょう。
米や小麦は精製度が高いものほどGI値が高くなります。そのため、ご飯やパンを食べる場合は玄米や全粒粉を選ぶようにしてください。
3-2-2. 低GIのおやつ
ダイエット中でもおやつは食べても大丈夫ですが、GI値が低いものを選びましょう。
ダイエットはおやつを我慢するイメージが強いかもしれませんが、間食をすることで空腹感がまぎれるので、食事のドカ食いを防ぐ効果があります。
低GI(~55) | 中GI(56~69) | 高GI(70~) |
生クリーム/チーズ/ヨーグルト/ナッツ類/ゼリー | アイスクリーム/プリン/カステラ | ドーナツ/キャラメル/フライドポテト/ショートケーキ/ |
生クリーム単体ではGI値が39と低いのですが、GI値99の上白糖を混ぜることが多いので、甘い生クリームは避けた方が無難です。ヨーグルトもプレーンのものは低GIですが、加糖ヨーグルトはGI値が上がります。
ナッツ類は低GIで手軽に食べることができるのでおすすめです。塩分を摂り過ぎないように無塩のものを選びましょう。
3-2-3. 食べ順にも注意
低GIの主食を食べることに加え、食事の食べる順番を守ることでより効果的に血糖値の急上昇を防ぐことができます。
食事を食べる順番は以下のとおりです。
- 食物繊維をたっぷり含む野菜やきのこ類
- 汁物
- 肉・魚
- 炭水化物
食物繊維を含む食材を始めに食べると、食物繊維が血糖値の上昇を抑えてくれます。
3-3. 夜は炭水化物を食べない
炭水化物を食べないダイエットをする場合、夜だけ抜いても効果があるのでおすすめです。
炭水化物は脳や体を動かすエネルギーとして消費されるので、まったく摂らないとエネルギー不足になります。しかし、夕食後はあまりエネルギーを消費することがないので、炭水化物を食べても消費しきれず、脂肪になってしまいます。
このことから、夜だけ炭水化物を抜くことが効果的なのです。
前述した脂質を減らすダイエットや、低GIの主食を食べるダイエットと組み合わせるのもおすすめです。
4. 食べないダイエットの基本はカロリー計算
食べないダイエットは、摂取カロリーを抑える目的でおこなうことがほとんどです。しかし、いくら脂質を抑えたりしても、他のものを食べ過ぎて摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太ってしまいます。
反対に、なにも食べないダイエットや極端な食事制限は摂取カロリーが消費カロリーを下回るため痩せることはできます。しかし、基礎代謝分のカロリーは生命維持活動に必要なため、摂取しなければなりません。
摂取カロリーが基礎代謝を下回ると、体はエネルギー不足で「飢餓状態」と認識します。すると、体の防衛本能「ホメオスタシス」が働き、消費カロリーを少なくして摂取した栄養を溜め込みます。
その結果、体を動かしてもカロリーを消費しにくく太りやすくなるので、リバウンドしてしまうのです。
ダイエットをする場合、以下のようになるよう摂取カロリーを調整しましょう。
「消費カロリー>摂取カロリー>基礎代謝」
カロリー計算の流れは以下の3ステップでおこないましょう。
- STEP1. 基礎代謝の計算
- STEP2. 消費カロリーの計算
- STEP3. 摂取カロリーの計算
カロリーの詳しい計算方法は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
5. 食べないダイエットをするならレコーディングダイエットがおすすめ
レコーディングダイエットとは、飲食したものなどを記録するだけのダイエット方法です。毎日記録さえ付けていれば、カロリーを気にしなくても痩せられるので、どのようなダイエット方法よりも簡単に取り組めます。
「記録するだけで痩せられる」というのは根拠があり、飲食したものを記録として残して視覚化することに意味があります。
あまり食べていないはずなのに太ってしまう、または痩せていかない人は、気付かないうちに食べ過ぎている可能性があります。記録をすることで、「実は結構食べている」ということに気付けるようになるでしょう。
また、記録を見返すことで脳が食べ過ぎを認識します。すると、脳が食べ過ぎを防ぐための指令を出すので、食欲が抑えられる効果も期待できるのです。
どのようなダイエットでも、記録は大切です。毎日の体重測定の記録以外に食事内容も記録することで、体重が思ったように減らない場合に食事改善がしやすくなります。食べないダイエットとレコーディングダイエットを組み合わせて継続してみましょう。
レコーディングダイエットの詳しいやり方については、以下の記事で解説しています。
6. 食べないダイエットはルーティン化してリバウンドを防ぐ
食べないダイエットで体重が目標まで落ちても、そのあと食事を戻せば体重も元に戻ってしまいます。体重をキープしたいのであれば、消費カロリーと同程度の食事量に変えて、食事に気を使いましょう。
体重をキープさせたい場合は、ルーティン化させることが大切です。
例えば、朝と昼は以下のようなルーティンをおこないます。
朝のルーティン
- 起床後すぐに朝日を浴びる
- 体重を計る
- コップ1杯の水を飲む
- 運動は食事前におこなう
- 朝食は野菜とタンパク質を中心に摂る
夜のルーティン
- 夕食は20時までに食べる
- 炭水化物は食べない
- 就寝2時間前にお風呂に入る
- 就寝前にストレッチをおこなう
- 7〜8時間寝られる時間に就寝
これらはルーティン化しやすく、ひとつひとつにダイエット効果が期待できるので、ダイエット中から続けることをおすすめします。ルーティン化しておくことで目標体重に達した後も、無理なく継続することができますよ。
ダイエットルーティンの効果ややり方については、以下の記事で解説しています。
7. まとめ
なにも食べないダイエットは、体内の食べ物・水分・筋肉が減って体重が落ちるだけで、ダイエットにはなりません。筋肉が減ることで代謝が落ち、食事を復活させるとダイエット前よりも太る可能性があります。
その他にも、以下のような悪影響があるので、絶対にやめましょう。
- ホルモンバランスが乱れる
- 栄養失調になる
- 摂食障害を引き起こす
- 感染症にかかりやすくなる
食べないダイエットをおこなうのであれば、以下の方法がおすすめです。
- 高脂質な食べ物を食べない
- 高GIの主食やおやつを食べない
- 夜は炭水化物を食べない
なにを食べないようにするのかが重要なので、やり方を理解して実践しましょう。
また、カロリー計算が大変で続かない場合は、レコーディングダイエットを合わせておこなうと効果的です。