「ささいなことで落ち込んでしまう」
「嫌な気持ちをいつまでも引きずってしまう」
ネガティブな感情が続くと、「自分はメンタルが弱いのでは?」と不安になりますよね。
「メンタルの弱さ=悪」ではありませんが、仕事や対人関係などで生きにくさを感じる場面もあるでしょう。
そこで本記事では、「メンタルが弱い人」について詳しく解説していきます。
メンタルが弱い人の特徴から強み、向いてる仕事に加えて、メンタルの弱さを克服する方法をお伝えします。
最後までお読みいただくと、「自分はメンタルが本当に弱いのか」「メンタルを強くするには何をすればいいのか」が理解できます。
本記事がおすすめの人
- メンタルが弱いと感じている
- メンタルが弱い自分がイヤだ
- メンタルが弱い自分を変えたい
メンタルの悩みから解放され、「自分は大丈夫!」と安心するためにも、早速読み進めていきましょう。
目次
1. メンタルが弱い人とは?共通する7つの特徴
メンタルが弱い人とは、「失敗をいつまでも引きずり、過剰に自分を責める人」です。
生きていれば、誰にだって失敗や後悔はあります。そんな時に、落ち込んだり、泣いたり、体調を崩したりするのは当然です。
メンタルが強い人と弱い人の違いは、次の2点にあります。
- 立ち直るまでにかかる時間
- 自分をどこまで責めるか
メンタルが弱い人は、失敗をずっと気にして、「自分はダメだ」と自己否定する人です。
失敗で落ち込んでも、数日間のうちに立ち直り、前を向ける人はメンタルが強いといえます。
では、メンタルが弱い人に見られる具体的な特徴を見ていきましょう。
1-1. 【特徴①】感受性が強い
メンタルが弱い人は、感受性が強い傾向があります。
感受性が強いと、ほかの人が気にしないことでも敏感に反応してしまうので、傷つくことが多くなるからです。
- ささいなことが気になって眠れない
- 必要以上に不安を感じる
- 不機嫌な人が近くにいると、影響を受けて感情が不安定になる
上記のいずれかに該当する人は、感受性が強い可能性があります。
感受性が強いと、感情の幅が大きくなります。落ち込みや悲しみなどの負の感情も大きくなりやすく、コントロールが難しいこともあります。
1-2. 【特徴②】ネガティブ思考
ネガティブ思考は、メンタルが弱い人によく見られる特徴の1つです。
「でも」「だって」が口癖の人は、ネガティブ思考といえるでしょう。
物事をネガティブに考える人は、「どうせできない」「失敗する」と決めつけ、「だから自分はダメだ」と自己否定につなげてしまいます。
ネガティブ思考が続くと、うつ症状を引き起こす恐れもあるので気をつけましょう。
1-3. 【特徴③】自信がない
メンタルが弱い人は、自分に自信がありません。
仕事やプライベートでも、「どうせ私なんて」「できるはずがない」と物事を否定的にとらえてしまいます。仮に、仕事の頑張りが評価されてリーダーに抜擢されても、素直に喜べないでしょう。
また、自信がない人は他人の意見に左右されがちです。
特に「自信がある人」「押しが強い人」に弱く、そのような人に大事な決断を任せる傾向があります。
1-4. 【特徴④】他人の評価が気になる
メンタルが弱い人は、周囲の評価をとても気にします。
「人からどう見られているか」ばかりが気になって、物事に集中できないことが多いです。
自分の努力よりも他人の評価を優先するので、期待した評価が得られないと激しく落ち込みます。自分の頑張りを自分で否定してしまい、立ち直るのに時間がかかってしまうのです。
1-5. 【特徴⑤】プライドが高い
意外ですが、プライドが高い人は、メンタルが弱い傾向にあります。
「できない人だと思われたくない」と人に弱みを見せられないので、何でも一人で抱え込んでしまうからです。
人に頼ればすぐに解決することでも、一人でこなそうとするため、うまくいかないことも少なくありません。プライドが高いからこそ、大きな失敗はしないものの、理想の自分と現実の自分とのギャップに傷つき、メンタルが弱くなる悪循環に陥ってしまうのです。
1-6. 【特徴⑥】他人と自分を比較する
メンタルが弱い人は、他人と自分を比較して、負の感情に支配されます。
比較という行為自体は、必ずしも悪いことではありません。
成績が上位の同僚と自分を比べて嫉妬しても、結果として「追い抜けるように頑張ろう」と前向きに考えられる人は、メンタルが強い人です。
メンタルが弱い人は、「自分は劣っているから無理」「運に恵まれてずるい」などと、自己否定・妬みの感情を抱き、そこから成長がありません。
「比較しても意味がない」と頭でわかっているのに、他人との比較がやめられずに苦しむ人も多いようです。
1-7. 【特徴⑦】目標がない
メンタルが弱い人には、目標がない人が多く見られます。
これまでご紹介した特徴にあるように、自信がなかったり、ネガティブだったりするので、「自分が成功する未来」が想像できないのです。
努力して何かを成し遂げる経験に乏しいことが影響していることが考えられます、
3. メンタルが弱い人の強みとは?
メンタルが弱いからこその強みもあります。
ここでは、メンタルが弱い人の強みを2つご紹介します。
3-1. 行動が慎重で、失敗を回避しやすい
メンタルが弱い人は、「失敗しないためにはどうすればいいのか」を考えるので、行動が慎重です。
失敗回避のために、準備を入念に行ったり、綿密な計画を立てたりするのが得意で、行き当たりばったりの言動や無謀な挑戦はしません。
商品発注を例に考えてみましょう。
メンタルが強い人は「たくさん売る方法」を、メンタルが弱い人は「在庫を抱えない方法」を考えます。
売ることを優先してたくさんの商品を発注した場合、売れなかったら会社に大きな損害を与えるでしょう。
メンタルが弱い人は、常に「最悪のケース」を考えるので、大きな失敗をしにくいのです。
また、意外かもしれませんが、メンタルが弱い人は職場で信頼が蓄積されやすい傾向にあります。
仕事ぶりが丁寧で慎重なので、周囲の信用を得やすいのです。
「あの人ならきちんとやってくれる」と周囲から信頼を寄せられることが多く、業務が集中しがちです。本人としてはつらいところではありますが、職場では高く評価される部分もあります。
3-2. 人の気持ちに寄り添うことができる
メンタルの弱い人は、人の気持ちに配慮したり、察したりする能力が高い人です。
周囲の空気を敏感に感じ取れるからこそ、メンタルが弱くなってしまうのですが、職場や仲間内においては欠かせない存在といえるでしょう。
さまざまなタイプの人に対して、さりげなく寄り添い、フォローできるのが、メンタルの弱い人の強みです。
4. メンタルが弱い人に向いてる仕事
メンタルが弱い人は、仕事に苦痛を感じる人が多いようです。
ここでは、メンタルの弱い人が働きやすい「向いてる仕事」を見ていきましょう。
4-1. 一人での作業が多い仕事
一人での作業が多い仕事一例
- 翻訳家
- 小説家
- プログラマー
- webデザイナー
メンタルが弱い人は、一人での作業が多い仕事が最適です。
一人で完結する仕事は残念ながらありません。どのような仕事も、いずれかのタイミングで他者とのコミュニケーションが求められます。
そのため、「自分である程度、裁量を決められる」「作業自体は一人で行える」仕事を選ぶと、メンタルに負担をかけません。他人の目を気にすることなく仕事に没頭できると、ストレスがたまりにくいのでおすすめです。
4-2. ルーティン化している仕事
ルーティン化している仕事一例
- 事務員
- 受付業務
- 新聞配達員
- 飲食店のキッチンスタッフ
メンタルが弱い人は、ルーティン化している仕事も向いています。
やるべきことがあらかじめ決まっており、イレギュラーが少ない仕事だと、精神的な負担が少なくて済むからです。
ルーティン化している仕事は、こなしていくうちに、スムーズに作業できるのが特徴です。「これはどうやるの?」「合ってるだろうか?」と周囲に聞かずにできるようになるので、安定したメンタルで取り組めます。
マニュアルやパターン化されている仕事であれば、過度な不安に襲われることなく、仕事に集中できるでしょう。メンタルが弱い人は、自分のペースで進められる仕事がおすすめです。
4-3. 体力が必要な仕事
体力が必要な仕事一例
- 長距離ドライバー
- 引っ越し作業員
- 清掃員
- 工場の作業員
メンタルが弱い人は、体力が必要な仕事に向いています。
体力が必要な仕事は、当たり前ですが体を動かします。人間は体を動かすと、脳が活性化します。体を動かすことに意識が向くので、ネガティブな思考から離れることができます。
メンタルが弱い人は、体力が必要な仕事の中でも、「作業を淡々とこなす」仕事を選ぶといいでしょう。
5. メンタルが弱い人に向いてない仕事
残念ながら、メンタルが弱い人に向いてない仕事も存在します。
該当する仕事がすべてNGというわけではありませんが、心身に負担をかけてしまう恐れがあります。
ここでは、メンタルが弱い人に向いてない仕事をご紹介します。
5-1. 営業ノルマがある仕事
営業ノルマがある仕事一例
- 営業
- 販売
- テレホンアポインター
顧客に商品を購入してもらう「営業ノルマ」がある仕事は、メンタルが弱い人に不向きです。ノルマがプレッシャーとなり、能力を発揮できないからです。
営業ノルマがある仕事は、メンタルが弱い人の苦手な作業を多く含みます。
どんなに良い商品・サービスであっても、購入を決めるのは顧客です。大切な部分(営業ノルマの達成)を自分でコントロールできないので、ストレスがたまります。
また、メンタルが弱い人は、人から拒否されることを極度に恐れます。
営業ノルマがある仕事の場合、断られるのが前提であることが多く、人によってはつらい体験になるかもしれません。
5-2. 高いコミュニケーション能力が必要な仕事
高いコミュニケーション能力が必要な仕事一例
- 美容師
- エステティシャン
- 教師
高いコミュニケーションが必要となる仕事は、メンタルが弱い人にあまりおすすめできません。
メンタルが弱い人は感受性が高く、ネガティブ思考なため、コミュニケーションを取る過程でストレスをためるからです。
コミュニケーション自体は問題なくとれるのですが、ちょっとしたことで「これで良かったのだろうか」「別の対応が正解だっただろうか」などと考え、ストレスを蓄積させていきます。
特に接客業はコミュニケーションの中で、顧客の要望を素早く察知し、期待に応えなければいけません。精神的にハードなので、メンタルが弱い人は苦しい思いをする可能性があります。
6. 【3STEP】メンタルの弱さを克服する方法
メンタルの弱さについて理解が深まると、「克服したい」と感じる人もいらっしゃるでしょう。
ここでは、心理カウンセラー・片田智也氏が提唱する2つの軸をベースとした克服法をご紹介します。
メンタルの弱さを
克服する3つのSTEP
- 自然の弱さを認める
- 弱さの意味を読み取る
- その意味に従って、行動を修正する
まずは、「自然な弱さ」とは何かから解説していきます。
参考書籍:『「メンタル弱い」が一瞬で変わる本 何をしてもダメだった心が強くなる習慣』片田智也(PHP研究所)
6-1. 自然な弱さとは?メンタルは2つの軸でとらえる
メンタルの弱さを克服するには、まずはメンタルに対する認識を変えましょう。
「メンタルが弱い=悪い」「メンタルが強い=良い」と、単純に考えないことです。
片田氏はメンタルの弱さには種類があり、メンタルが弱いことが悪ではないとしています。
片田氏が提唱するのは、メンタルを2つの軸でとらえる考え方です。
2つの軸とは、メンタルを「強い・弱い」ではなく、それらの強さが「自然かどうか」で分類するものです。
①自然な弱さ (例)
| ②自然な強さ 自然な弱さを消化し、「自分も頑張ろう」と思える |
③不自然な弱さ 自分はダメだと、根拠なく自己否定する | ④不自然な強さ (例) 同僚が出世して劣等感を抱いているのに、「自分は相手を尊敬している」と自然な弱さを認めずに強がる |
自然な弱さは、人間なら誰しもが抱く自然な感情です。
生きていれば誰だって、他人への妬みや悔しさなど、ネガティブな感情を持ちます。
ではメンタルの弱さを克服する3ステップを見ていきましょう。
6-2. 【STEP1】自然の弱さを認める
まずは、自然の弱さを認めましょう。
片田氏は自然な弱さを「安全に生きるための防御反応」だといいます。
たとえば、友人の成功を素直に喜べないケースで考えていきましょう。
友人が成功すると、「なぜ自分は成功できないのか」「あいつだけずるい」「自分は負けた」などのネガティブな感情が出てきますね。
この時に、「自分は友人の成功を素直に喜べないでいる」ことを認めると、友人に対して嫉妬・敗北感を持つ自分に気がつくでしょう。
6-3. 【STEP2】弱さの意味を読み取る
自分の弱さを認めたら、その弱さの意味を読み取りましょう。
先ほどの例で考えると、友人が成功したことを、「なぜ素直に喜べないのか」を考えます。
素直に喜べない理由
- 羨ましい
- 妬ましい
- 悔しい
- 敗北感 ……など
素直に喜べない理由をさらに、「なぜ、そう感じるのか」深掘りしていきます。
すると、「自分も成功したい」という本心に触れることができるでしょう。
自分の弱さを正直に認め、「なぜ」と感情を深掘りしていくことで、弱さが警告している意味を読み取ることができるのです。
6-4. 【STEP3】その意味に従って、行動を修正する
弱さの意味が分かったら、その意味に従って行動を修正します。
弱さの意味が「自分も成功したい」なら、成功するために必要な行動を実践しましょう。
もし弱さの意味が、「自分にできるか不安」なら、自分ができるように入念な準備をすべきです。
片田氏は、自然な弱さは、私たちの行動を最適化してくれる警告システムだといいます。
自然な弱さを味方につけ、素直に行動を変えていけば、メンタルは自然な強さを身につけるとしていいます。
6-5. 注意!自然な弱さを無理やりポジティブ化してはいけない
嫉妬や妬みなどのネガティブな感情が、自然な弱さであるならば、「この考えはダメだ」と無理にポジティブ化してはいけません。
自然な感情を不自然に美化すると、ストレスがたまるだけでなく、自己否定につながるので、メンタルが弱くなってしまいます。
7. メンタルの弱い人がやってはいけないこと
最後に、メンタルの弱い人がやってはいけないことを2つご紹介します。
どれも無意識のうちにやりがちなので、気をつけましょう。
7-1. 環境を大きく変える
メンタルが弱っている時は、環境を大きく変えることは避けましょう。
環境を大きく変えることは大きなストレスになるからです。
メンタルが弱くなると、転職や引っ越しで心機一転したいと考えることもあるでしょう。
しかし、精神科医で作家の樺沢紫苑先生は、転職や引っ越しはメンタルが回復してからするべきだとしています。
メンタルが弱い人は、新しい環境や人間関係、仕事内容に適応していくのが苦手です。転職や引っ越しにはエネルギーが必要です。メンタルがある程度回復してからにしましょう。
参考:メンタルが弱い人は◯◯を避けろ!【精神科医・樺沢紫苑】
7-2. いつまでも悩み続ける
いつまでも悩み続けてしまう場合は、とにかく行動するようにしましょう。
悩みすぎると、心身状態がどんどん悪化するからです。頭の中でぐるぐる考えていても解決しません。
たとえば、絶対に遅刻できない用事があるときに、「明日起きれなかったらどうしよう」と不安になっても状況は変わりません。目覚まし時計を複数セットしたり、早く寝たりするなど、適切な行動で対処する方が建設的ですよね。
すぐに解決できそうにない仕事やプライベートな悩みの場合は、筋トレや散歩を行うのがおすすめです。体を動かすと、体に意識が向くので、悩みを考える余地がありません。
8. まとめ
この記事では、メンタルが弱いことについて解説しました。
最後に記事の内容をおさらいしましょう。
メンタルが弱い人とは、「失敗をいつまでも引きずり、過剰に自分を責めて追い詰める人」です。落ち込んでも自分を責めず、しばらくすると前を向ける人はメンタルが弱いとはいえません。
メンタルが弱い人に見られる特徴は次の7つです。
- 感受性が強い
- ネガティブ思考
- 自信がない
- 他人の評価が気になる
- プライドが高い
- 他人と自分を比較する
- 目標がない
メンタルが弱い人は、次の2つが強みです。
- 行動が慎重で、失敗を回避しやすい
- 人の気持ちに寄り添うことができる
メンタルが弱い人に向いてる仕事は次のとおりです。
一例 | |
一人での作業が多い仕事 |
|
ルーティン化している仕事 |
|
体力が必要な仕事 |
|
メンタルが弱い人に向いてない仕事は次のとおりです。
一例 | |
営業ノルマがある仕事 |
|
高いコミュニケーション能力が必要な仕事 |
|
メンタルの弱さを克服するには、メンタルに対する認識を変えることが重要です。
心理カウンセラーの片田智也氏は「メンタルは2つの軸でとらえる」ことを推奨しています。
①自然な弱さ (例)
| ②自然な強さ 自然な弱さを消化し、「自分も頑張ろう」と思える |
③不自然な弱さ 自分はダメだと、根拠なく自己否定する | ④不自然な強さ (例) 同僚が出世して劣等感を抱いているのに、「自分は相手を尊敬している」と自然な弱さを認めずに強がる |
嫉妬や悔しさなど、ネガティブな感情は、人間なら誰もが抱く自然な弱さです。
自然な弱さを否定し、無理やりポジティブになると、メンタルはどんどん弱っていきます。
大切なのは、自然な弱さと向き合い、「なぜ自分はそう感じたのか」を考えることです。
自分の中で、自然な弱さを消化できた分だけ、メンタルは強くなっていきます。
メンタルが弱いことにつらさを感じたら、行動するようにしましょう。
頭の中でいくら考えても、行動しなければ何も変わりません。つらくなったら、体を動かしてみるだけでも、気持ちは楽になるはずです。