「勉強を始めてもいつも途中で気が散ってしまう」「集中したいのについスマホをチェックしてしまい、長時間勉強を続けられない」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
「もともと勉強が大好きで仕方ない!」というわけでなければ、どうしても長時間勉強に集中するのは難しくなります。
しかし、それでも勉強に集中して成績を上げている同級生や先輩を進められる人がいるのも事実です。この違いは何かというと、「自分を勉強に集中させるための方法を知っているかどうか」という点です。
知っておいていただきたいのは「勉強に集中できるかどうかは生まれ持っての才能によって決まる」というわけではなく、「やり方さえ理解していれば誰でも実行できる」ということです。そのためこの記事では、勉強に集中したいと考えている人に向けて以下の内容を解説していきます。
この記事でわかること
- 勉強に集中できない理由
- 勉強に集中するためのコツ
さらに、実際に勉強への集中力を高めるために役立つスマホアプリも3つ紹介します。
この記事を最後までお読みいただくと、自分がなぜ勉強に集中できなかったのか、その理由を理解した上で、集中力を高めるために具体的に何をすればいいのかについて知ることができますよ。
勉強に集中するためのコツを身につけることで、理想的な状態を作っていきましょう。
目次
- 1 1.勉強に集中できない理由
- 2 2.勉強に集中するための16のコツ
- 2.1 2-1.自分が勉強する目的と必要性について心の底から納得する
- 2.2 2-2.全体の行動計画を立てる
- 2.3 2-3.何分で何をやるのか毎回決める
- 2.4 2-4.適度に学習内容を変える
- 2.5 2-5.学習内容に応じて勉強する時間帯を変える
- 2.6 2-6.能動的な作業を取り入れる
- 2.7 2-7.独自の集中スイッチを決める
- 2.8 2-8.机に鏡を置いて集中している自分を意識する
- 2.9 2-9.集中する時間と休憩する時間を細かく分ける
- 2.10 2-10.他人の目を意識できる場所に移動する
- 2.11 2-11.部屋の温度を少し低めに設定する
- 2.12 2-12.環境音を流す
- 2.13 2-13.スマホやマンガ、ゲームなどの誘惑を排除する
- 2.14 2-14.ストレッチや軽い筋トレなどで体を動かす
- 2.15 2-15.眠いときは15~30分ほど仮眠をとる
- 2.16 2-16.コーヒーのカフェインで注意力を高める
- 3 3.勉強の集中力を高めるために役立つ3つのアプリ
- 4 4.まとめ
1.勉強に集中できない理由
そもそも「勉強に集中できない理由は何なのか」ということを考えてみたことはありますか?
ゲームや漫画、趣味など好きなことなら集中して何時間でも続けられるのに、勉強には集中できないというのはなぜなのでしょうか。
理由が明らかになれば、「どうすればその原因を取り除いて勉強に集中できるようになるのか」がわかるようになります。
そこでこの章では、勉強に集中できない理由を2つ解説します。自分が勉強に集中できない理由を深掘りすることで、何を改善するべきなのか明確にしていきましょう。
1-1.そもそも人の本能が勉強の邪魔をしてしまう
まず前提として、本能的に人間が勉強に長時間集中するのはとても難しいことだということを理解しておく必要があります。
人間も動物の一種です。そうすると、生存していく上で最も優先すべきことは「安全を確保すること」になります。そのため人の脳は、基本的には食べることや寝ること、子孫を残すことを重要だと考える性質があるのです。
実際に脳の中には「理性」を担当する部分と「本能や欲望」を担当する部分が分かれているのですが、「本能や欲望」は生存本能に直結しているため、より強い影響力を持っています。
つまり理性が「集中して勉強しなきゃ」と考えていたとしても、本能は「お菓子を食べようよ」「今日は眠いから寝ちゃおうよ」「好きな人のSNSを確認しようよ」と誘惑するのです。
ただし、「それじゃあ勉強に集中するのは無理ないんだ」ということではありません。「勉強には集中できないけどゲームなら何時間でも集中できた」という経験のある人もいるように、誰にでも集中力そのものは備わっています。
これを発揮するためには、特定のコツを知っておくことが大切です。才能ではなく技術ですので、勉強に集中するためのコツさえつかめば、誰でも勉強に集中できるようになります
1-2.勉強する必要性を感じていない
「勉強に集中するためのコツを聞いて、いくつか実践したことはあるけどやっぱり集中できない」という人もいると思います。
そんな人は、そもそも勉強する必要性を感じられていないのではないでしょうか。
「あなたはなぜ勉強をするの?」と聞かれた時、すぐに答えることはできますか?
「成績が良いと偏差値の高い学校に行けるから」「学歴が良いほうがいいから」というような表面的な答えになってしまう人は要注意です。
「自分が本当に納得していないこと」のために辛いことを我慢して頑張れる人はほとんどいません。
特に以下のような考えを持っているなら、あなたの中にはまだ勉強に集中するための土台ができていないといえるでしょう。
勉強に集中するための土台ができていない人の考え方
- 今勉強することが具体的に何の役に立つのかわからない
- 心のどこかで勉強ができなくてもいいじゃんと思ってしまってい
- 勉強しなくても何とかなるんじゃないかと考えがちである
逆に、「将来は難病治療の薬の研究がしたいから絶対に薬学部に進みたい」「起業するために有益な人脈を作りたいので、周りのレベルが高い名門校に行きたい」という風に、自ら勉強の必要性を感じている人は、集中して勉強できないとその目標が達成できないことを知っています。
そのため、勉強の途中で遊んだり別のことに気持ちがいってしまうということがなくなるのです。
このように、「自分にとって勉強をすることは心の底から必要なことだ」と思えるようになることが、勉強に集中するための非常に大切な第一歩になります。
2.勉強に集中するための16のコツ
人の本能は勉強に集中することを邪魔してしまうため、それを克服するためのコツを知ることと、そもそも勉強する必要性を心の底から感じることが最も重要だということを解説してきました。
そこでこの章では「勉強に集中するためのコツ」として以下の内容を具体的にお伝えしていきます。
勉強に集中するための16のコツ
- 自分が勉強する目的と必要性について心の底から納得する
- 全体の行動計画を立てる
- 何分で何をやるのか毎回決める
- 適度に学習内容を変える
- 学習内容に応じて勉強する時間帯を変える
- 能動的な作業を取り入れる
- 独自の集中スイッチを決める
- 机に鏡を置いて集中している自分を意識する
- 集中する時間と休憩する時間を細かく分ける
- 他人の目を意識できる場所に移動する
- 部屋の温度を少し低めに設定する
- 環境音を流す
- スマホやマンガ、ゲームなどの誘惑を排除する
- ストレッチや軽い筋トレなどで体を動かす
- 眠いときは15~30分ほど仮眠をとる
- コーヒーのカフェインで注意力を高める
前の章でも述べましたが、勉強に集中できる人とできない人の差は「集中するための技術を知っているかいないか」で大きく分かれます。
勉強に集中するためのコツをしっかり学ぶことで、思い通りに学習を進めることができる理想の自分を目指していきましょう。
2-1.自分が勉強する目的と必要性について心の底から納得する
勉強に集中したいときに一番最初にやるべきことは「勉強する目的と必要性を明確にして、それについて自分の中で心の底から納得する」ということです。
「勉強する必要性がよくわからない」という人が勉強に集中するのはまず難しいでしょう。勉強しなければならない状況にいる人にとって、勉強の必要性を認識することは最も重要なことです。
どうしても目的や必要性がわからない…という場合は「勉強しないとどうなるのか?」を最悪の事態まで想像すると良いでしょう。
例えば大学受験を控えている人なら、こんな風にイメージをしていきます。
勉強をしなかったらどうなるのかイメージしていく例
- 勉強しないと偏差値の低い大学にしか合格できない
- 偏差値の低い大学では勉強が好きではない同級生が多そうなので、自分もそれに流されて遊んでしまうだろう
- そうすると勉強せずに遊んで単位を落とし、留年するかもしれない
- やる気のないそんな状態で就活をしても優良な会社は採用してくれないだろう
- 就職できないとアルバイトで何とか生計を立てていかなければならない
- 給料が少ないアルバイト生活では、好きなものも買えずにたくさんのことを我慢しなければならないだろう
- 趣味をするのにも友達と遊ぶのにもお金が足りない…
- 自分はそんな一生を過ごすことになってもいいのか?
実際に人気漫画の「ドラゴン桜」でも、主人公の桜木建二が学生にこんなスピーチをして、勉強の必要性を自覚させたというエピソードがあります。
桜木建二のスピーチ内容
- 国は国民に……ただひたすら黙々と馬車を引く馬車馬であってほしいのだ
- 君たちも黙っているといずれこうなる 馬車馬になって搾り取られる存在に……
- ぼんやり過ごしているとそうなる なんとなく大学に入りなんとなく就職すると必ず……
スピーチを聞いた学生は、口々に「ふざけんな」「馬車馬になんかなってたまるか」という声を上げます。
このように「勉強をしていい大学に入ることで人から搾取されるのを避けたい」「好きなものを好きな時に買えないような人生は歩みたくない」という風に「勉強しないことで生じる不利益」を具体的にイメージして、それを避けたい!と心から感じられる状態を作りましょう。
人は心理的に損失を避けたいと考える傾向があり、これは「損失回避の法則」と呼ばれています。
そのため上記の図のように最悪な状態を具体的にイメージし、それを避けたい!と思うことで、勉強に集中しなきゃという気持ちを強くしていくことができるのです。
もし将来やりたいことが決まっている場合は「勉強をしないとそれを実現することができない」「そんなのは嫌だ」という風に考えていくのがスムーズです。
まだ将来やりたいことが決まっていないという場合は、将来どんな道でも選べるようにするために、何をするにも有利な偏差値の高い大学にとりあえず入っておくのが有効でしょう。
こんな風に、「あなたはなぜ勉強をするの?」と質問された時に、その理由をしっかりと答えられる状態を作っていきましょう。
2-2.全体の行動計画を立てる
自分が勉強すべき理由が明確になったら、もうあなたは勉強に集中しやすい心理状態になっています。そこで次にするべきことは、やみくもに勉強を始めることではなく、全体の行動計画を立てることです。
なぜかというと、全体の計画を立てないまま何となく勉強を始めても「この教科ばかりやっていいのかな」「あっちの問題集も解いてみようかな」と勉強中に気が散ってしまい、集中力を保つことができなくなってしまうからです。
長期的な目標(志望校に合格すること、など)を実現するための短期的な行動計画を明確にすることで、余計なことに気をとられず目の前の勉強だけに集中できる状態を作ることができます。
とはいえ「行動計画って何?」「どうやって立てればいいのかわからない」という人もいるでしょう。
そんな人のために、計画の立て方をお伝えしていきます。
例えば「受験日までにあと1年の期間があり、志望校に合格するためには苦手な英語で8割の点数をとる必要がある」というケースの場合、以下のように最終的な目標から逆算して短期的な行動計画に落とし込んでいきましょう。
短期的な行動計画を立てる手順
- 苦手な英語で8割の点数をとれるようにしたい
- そのためには英文法をしっかりと理解し、英単語をたくさん覚えるべきだ
- 本番試験直前の1カ月は復習する期間にしたいから、11カ月以内には範囲の学習を終わらせる必要がある
- 英文法の問題集は20章・英単語は1,700語あるから、11で割ると1カ月に終わらせるべき量は、問題集は8章、英単語は155語ずつとなる
- この量を週に落とすと、問題集は5章、英単語は約40語となる
- 問題集は土曜の午後に解き、英単語は平日の朝、通学の電車の中で8語ずつ覚えるようにしよう
このように最初は「英語の点数を上げたい」というざっくりとした目標でしたが、最終的には「毎週土曜の午後に問題集を解き、毎朝単語を8語ずつ覚える」というように自分のとるべき行動が明確になりました。
短期の行動計画を立てるときに避けたいのは、「できるだけ参考書を進める」「気が向いたら単語を覚える」というように、範囲や期間が曖昧な計画を立ててしまうことです。
なぜかというと、曖昧であればあるほど「今この勉強をやっていいのかな」「本当に範囲が終わるのかな」と余計な考えが生まれてきてしまい、勉強中に気が散る原因になるからです。
そのため曖昧な計画ではなく、以下のように「いつ・何を・どのくらいやるのか」を明確にできると良いでしょう。
良い行動計画の例
- 早起きして朝6時から毎日参考書を5ページずつ進める
- 夜寝る前に英単語を毎日10語覚える
- 日曜日の午前中は毎週過去問を1教科解く
ただし、「1日で参考書を全部終わらせる」というように実現不可能な計画を立てるのもよくありません。
「こんなの絶対無理だ」という焦りから、さらに集中できなくなってしまうからです。
実現できるレベルの具体的な行動計画を立てることで、余計なことに気が散ってしまう状況に陥るのを避けて、勉強に集中しやすい状態を作っていきましょう。
2-3.何分で何をやるのか毎回決める
具体的な行動計画を立てることができたら、次は勉強をするときに実践するコツを学んでいきましょう。
まず実践したいのは、勉強を始めるときに毎回「何分で何をやるのか」を決めることです。
学生だけでなく大人も含め、多くの人は「締め切りギリギリまで勉強や仕事に取り掛からない」という性質を持っています。
そのため「この1時間で単語を3ページ分覚える」という風に締切を設けなければ、集中力が保てず途中でお菓子を食べたりスマホを見たりしながら、何時間もダラダラと机に向かう…という事態を招きやすくなってしまいます。
しかし「この時間でこれをしよう!」と決めれば、「時間内に終わらせなければ」という適度なプレッシャーがかかるため、集中力を保ちやすくなります。
何の勉強をするときにも役立つ方法ですので、毎回の習慣にしていきましょう。
2-4.適度に学習内容を変える
勉強中は、ずっと同じ教科だけをやり続けるのではなく適度に変えることも大切です。
人の脳は同じ作業が続くと飽きてきてしまう性質があるため、同じ教科ばかりを続けていると、どうしても途中で集中力を保てなくなってしまうからです。例えば以下のように学習内容を変えて進めていくのが良いでしょう。
学習内容を変えるときの例
- 得意科目の後に苦手科目をやる
- 暗記モノの後に計算問題をやる
- 文系科目の後に理系科目をやる
また、勉強を開始するまでになかなかやる気が出てこないという場合は、苦手科目よりも得意科目から始めるのが有効です。
勉強に取り掛かりやすくなるため、集中しやすい良い勉強のリズムが生まれます。
2-5.学習内容に応じて勉強する時間帯を変える
勉強する内容に応じて、時間帯を変更するのも有効です。
なぜかというと、以下のように勉強の内容によってその学習が向いている時間帯が異なるからです。
時間帯別 向いている学習内容
- 午前中:頭がスッキリしているので勉強に向いている時間帯。特に思考力が必要な数学や長文読解などを進めると良い
- 午後:昼食後で眠くなりやすい時間帯。得意科目をこの時間帯に持ってきたり、数学の計算問題など、手を動かすことが必要な勉強を行うと良い
- 夜:睡眠中に記憶が定着するため、暗記モノに向いている時間帯。英語や理科、社会などの単語の暗記を行うのがおすすめ
特に集中しやすいのは起床後や夕食前の2時間くらいだといわれていますので、集中して進めたい科目がある場合はその時間帯に勉強するようにしてみると良いでしょう。
2-6.能動的な作業を取り入れる
「能動的な作業を取り入れる」というのも、集中力を高めるためにはとても大切です。
例えば、読むよりも書く作業のほうが、聞くよりも話す作業の方が、集中しやすくなります。
これはなぜかというと、人は受け身のときよりも自分から何かの行動をとっているときのほうが集中する意識を保ちやすいからです。
学校で授業を受けている生徒が居眠りをしてしまうことはありますが、黒板に板書をしている先生が寝てしまうことはありません。
このように自分で体を動かして作業をすることを心がけると、集中しやすくなります。
例えば教科書の内容を覚えたい時は、ただパラパラとページをめくって読んでいくというやり方ではなく、ノートに図を書いていくなどして、自分の手を動かす時間を増やすようにしていきましょう。
覚えた内容を家族や友人に説明するというのも能動的な行動なのでおすすめです。
2-7.独自の集中スイッチを決める
「独自の集中スイッチを決める」というのも集中力を高めるために役立ちます。
これは、勉強する場所や服装、飲み物、手の動作、セリフなどなんでも構いません。「これをしたら自分は集中できる」という気持ちが高まるきっかけになれば良いのです。
「そんなおまじないみたいなものが本当に効果的なのかな」と思う人もいるかもしれませんが、実際に海外の研究で、テストの前に指を鳴らすようにしたところ成績が2割向上したという例もあります。
その動作自体には何の意味もないとしても、人には「これをすると集中できる」と思い込めば、集中力を高めていく力が備わっているのです。
独自の集中スイッチを決めるときのポイントは以下の2点です。
独自の集中スイッチを決めるときのポイント
- これをしたら絶対に集中すると決める
- 「動作→集中」のサイクルを頻繁に何度も繰り返す
動作そのものはどんなものでも構いません。
「スクワットを10回やる」「窓の外を20秒間見つめる」「ブラックコーヒーを飲む」など、特別なものを準備しなくても行える行動が手軽でしょう。
注意点としては、これは1回行うだけで身につくものではないということです。
少なくとも週に4回は行うことで自分のルーティンとして定着していきますので、勉強の前には毎回忘れずに行うようにしましょう。
2-8.机に鏡を置いて集中している自分を意識する
自分が映るように机の上に鏡を置くという方法もおすすめです。なぜかというと、鏡に映る自分の姿を見ることで、自分が集中しているかどうかがすぐにわかるようになるためです。
もし勉強中に何か他のことを始めてしまったら、そんな自分が鏡に映ります。
そうすると嫌でも「集中力が切れてしまった自分」を意識するため、「元の集中できていた状態に早く戻ろう」という気持ちになり、また勉強に戻ることができます。
誰でも「理想の自分でいたい」という気持ちがあると思いますが、そこで「集中できていないかっこ悪い自分」を鏡で見せられると、「これは自分ではない」「こんな自分は嫌だ」と思い、「集中しよう」という気持ちを強くすることができるのです。
100円均一ショップなどに売られている卓上ミラーで充分ですので、勉強机に鏡を置くことで、自然と集中力を高められる環境を作っていきましょう。
2-9.集中する時間と休憩する時間を細かく分ける
人はそもそも何時間も集中し続けることはできないため、集中する時間と休憩する時間を細かく分けることで適度に休みを入れることも重要です。
集中力を高めたいときに役立つ時間管理術に、「ポモドーロ法」というものがあります。
これは「25分間集中する→5分間休憩をとる」というサイクルを繰り返すことで、集中力を維持しながら勉強などのタスクを続けることができるという方法です。
具体的なやり方は以下の通りです。
ポモドーロ法のやり方
- 学習したい範囲を決める(単語帳を3ページ暗記する、など)
- タイマーで25分はかり、その間は集中してその勉強だけを行う
- 5分間の休憩を入れる
- これを4回繰り返したら、15~30分の休憩を入れる
この「ポモドーロ法」を成功させるためのポイントは、休憩時間にはしっかり脳を休ませるということです。この時間で別の勉強をしてしまうと、次の25分でうまく集中できなくなる恐れがあるためです。
休憩時間に行うと良いこととしては、以下のようなものがあります。
- 窓から外の景色を眺める
- 深呼吸やストレッチなどでリフレッシュする
- コーヒーやハーブティーなどを飲み一息つく
逆に、動画やテレビを見たりSNSやメールのチェックをしたりするのは集中を妨げる原因となるため避けましょう。
また、「25分」というのは目安であるため、絶対にこの時間でないといけないというわけではありません。人によって集中できる時間は異なりますので、自分に合う時間の単位を見つけると良いでしょう。
2-10.他人の目を意識できる場所に移動する
「自分1人の部屋で勉強していると、つい誘惑に負けて遊んでしまう…」という場合は、カフェや図書館に行く、リビングでやるなど、他の人の目を適度に意識できる場所で勉強するという方法も効果的です。
人はどうしても「誰にも見られていない」と思うと気が緩んでしまう性質を持っています。
そのため、あえて他の人の目がある場所に身を置くことによって以下のような気持ちになり、適度なプレッシャーを自分にかけることができるのです。
他の人の目がある場所に身を置くことで生まれる気持ち
- 他にも勉強している人がいるカフェで→「自分だけ集中していないと思われたらかっこ悪いかも」
- 塾の自習室で→「同級生も同じ自習室で頑張っているから置いていかれないように自分も頑張らなくては」
- 家のリビングで→「いつ家族が帰ってくるかわからないからサボれない」
自宅から移動できないという場合は、友人とテレビ通話をつないで無言で勉強するという方法もあります。
そうすると、みんなも頑張っているという意識と、見られているからサボれないという適度なプレッシャーを感じることができます。
自分が集中しやすい気持ちを作るため、1人で部屋にこもるのではなく、他の人からのゆるい監視状態に身を置くようにしていきましょう。
2-11.部屋の温度を少し低めに設定する
ここからは勉強に集中するための細かなテクニックをいくつかお伝えしていきます。
一つは「部屋の温度を少し低めに設定する」という方法です。
なぜかというと、暖房などを入れ過ぎて部屋が暖かすぎると頭がボーッとしてきてしまい、眠くなってしまうからです。
かといって逆に寒すぎる環境では手足が冷えて集中できなくなってしまうため、「暖かすぎないが寒すぎないくらい」の温度に設定すると良いでしょう。
具体的には、勉強を始めるときは普段の室温よりも1.5~3.0度ほど低めにすると良いでしょう。
実際に大手電機メーカーのパナソニックと京都大学が行った実験によると、室温を1.5度下げると集中力は10.8%、3度下げると11.3%上昇したという結果が出ているそうです。
急に3度下げると寒すぎるかもしれませんので、まずは1度ほど下げてみて、問題なさそうなら1.5度下げるという風に段階を踏んでいくと良いでしょう。
環境省が推奨する室温は、夏なら28度くらい、冬なら20度くらいとなっています。そのため、勉強に適した室温としては、夏は25~27度くらい、冬は17~19度くらいを目安とすると良いでしょう。
注意したい点としては「エアコンの設定温度と実際の室温は異なることがある」という点です。
部屋のサイズやエアコンの性能などによっては、設定した温度になりにくいということもありますので、「我が家の暖房は効きがよくない」という場合は高めの温度設定にするなどして、適宜調整していきましょう。
2-12.環境音を流す
騒がしい環境では気が散ってしまうので集中しにくくなりますが、実は人は静かすぎる環境でも集中しにくいという性質があります。
私たちの普段の環境では、意識していなくても実は様々な音が存在しているため、あまりにも静かすぎると、脳は何か音を探すことに注意を向けてしまうのです。
実際にマウスの実験でも、無音の環境では学習することができず、砂嵐のようなちょっとした雑音があるほうが学習が進むということがわかっています。
そのため静かすぎて集中できないというときは、あえて何かの音が自然と耳に入る環境を作ると良いでしょう。
最近ではYouTubeなどでも勉強の時に流すのに適した音を聞くことができる動画がたくさん公開されています。
具体的におすすめなのは以下のような環境音です。
おすすめの環境音
- 静かなカフェの雑音
- 雨音
- たき火の音
- 波の音
- 川のせせらぎ
- 鳥の声
ただし、音なら何でもいいというわけではありません。日本語の歌詞が入ったJ-POPなどは歌詞に意識が持っていかれやすく集中しにくくなるので、あくまでも環境音を選ぶようにしましょう。
2-13.スマホやマンガ、ゲームなどの誘惑を排除する
あなたが集中できないとき、最もその妨げになっているものは何でしょうか?多くの人の場合、スマホやゲーム、マンガなどが集中力を切ってしまう原因になっているのではないかと思います。
特にスマホには、友人からのメッセージやメール、SNSの投稿やそれに対するリアクションなど、様々な通知が届きます。
勉強中にそういった通知があったことを知ってしまうと、どうしてもチェックしたくなってしまい、気が散って集中力が途切れてしまいます。
そのため勉強を始めるときは、スマホは電源を切るか、家族に預かってもらうなどして「通知が届いているかどうか」が気にならない状況を作りましょう。
勉強をする場所では、勉強に関係ないものは一切目に入らないようにして誘惑を排除することが集中力をキープするために重要なのです。
部屋にゲームや漫画などがあるという場合は、勉強するときだけ他の部屋に移動させるか、段ボールに入れてガムテープを貼り、受験が終わるまで封印してしまうなどして、自分がそれを気軽に触れないような状況を作ると良いでしょう。
2-14.ストレッチや軽い筋トレなどで体を動かす
「ストレッチや軽い筋トレなどで体を動かす」のも集中力を高めるためには有効です。
体を動かすと血液の巡りがよくなりますが、そうすると脳にも栄養が届きやすくなり働きやすくなるのです。
反対にずっと同じ姿勢で動かずにいると、脳の活動が停滞してしまい、集中力が低下しやすくなるといわれています。
そのため、勉強の合間に休憩をする際に軽く体を動かす習慣をつけられると良いでしょう。
カフェや図書館などではあまり大きな動きはとれないと思いますので、以下の図のように座ったまま伸びをするだけでも充分です。
自分の部屋などでたくさん動ける場合は、立ち上がって以下の図のようにスクワットをしたり、脚を伸ばすと良いでしょう。
トイレに行ったり飲み物を取りに行くという動きでもOKです。座りっぱなしではなく適度に動くことを意識していきましょう。
2-15.眠いときは15~30分ほど仮眠をとる
「どうしても眠くて集中できない」というときは、あえて仮眠をとったほうが脳がスッキリしてまた勉強に集中しやすくなります。
その際のポイントは以下の通りです。
仮眠をとるときのポイント
- 寝る時間は、深い眠りに到達してしまわないよう短時間(15~30分程度)にする
- 布団に入ると熟睡してしまう恐れがあるため机やソファなどで寝る
- 遅い時間に仮眠をとると夜眠れなくなるため15時までには終わらせる
また、仮眠の前にコーヒーなどからカフェインを摂取しておくのもおすすめです。ちょうど起きた頃のタイミングにカフェインが効いてきて、脳が覚醒しやすくなるためです。
2-16.コーヒーのカフェインで注意力を高める
即効性のある方法としては、コーヒーなどからカフェインを摂取するという方法もあります。
カフェインは眠気覚ましに役立つイメージがありますが、実はそれだけでなくアドレナリンを分泌させることで集中力を高める働きもあるためです。
実際に、カフェインを摂取した直後に認知機能をはかるテストを行ったところ、注意力や集中力が高くなったという研究もあります。
そのため、特に集中したいときはその前にコーヒーを飲んでおくと良いでしょう。
ただしカフェインを摂り過ぎると、耐性ができてしまい効果を発揮しなくなってしまったり、頭痛やめまいなどの不調を引き起こしたりすることもあるため、過剰摂取には注意が必要です。
特に未成年の場合は大人と同じ量を飲むと健康を害してしまう恐れがあります。未成年の摂取量の目安は以下の通りです。
未成年のカフェイン摂取量の目安
- 目安の摂取量:1日に3mg/kgまで
体重40kgの場合 120mg
体重50kgの場合 150mg
体重60kgの場合 180mg
体重70kgの場合 210mg
体重80kgの場合 240mg
コーヒー1杯に含まれるカフェインの量は、種類にもよりますがだいたい80~170mg程度です。
ただしコーヒー以外のもの(紅茶や緑茶、エナジードリンク、チョコレートなど)にもカフェインは含まれています。自分の体格に合わせて1日に飲む量を調整し、とり過ぎにならないように注意しましょう。
3.勉強の集中力を高めるために役立つ3つのアプリ
勉強の集中力を高めるための具体的なコツを紹介してきました。ここまできたら、次はこのコツを実践していくだけです。
そこでこの章では、実際に勉強の集中力を高めるために役立つアプリを3つ紹介していきます。
どんなに効果的な方法でも、実践して継続できなければ意味がありません。便利なツールを活用することで、勉強に集中できる状態を効率よく作っていきましょう。
3-1.適度に人の目が欲しい人に「StudyCast(スタキャス)勉強タイマー付き自習室アプリ 」
このアプリでは、リアルな友達とLIVEルームを作ったり、オープンルームに入ったりして、他の人と一緒に勉強をすることができます。
1人だと集中できないから誰かと一緒に勉強したいという人におすすめです。
このアプリでできること
- 全国のユーザーと一緒にオープンルームで勉強ができる
- 自宅にいながら、リアルな友達と一緒にLIVE勉強会ができる
- カメラや音声のON/OFF切り替え機能があるため、友達と一緒でも集中できる
- 勉強時間は、教科×期間別に自動で記録され、グラフで見ることができる
- 他のユーザーがどのくらい勉強しているのか、「タイムライン」でリアルタイムに見られる
さらに同じ学校を志望している人たちが集まる「志望校ルーム」や、他のユーザーの勉強時間がわかるランキング機能などもあるため、他の人を意識しながら勉強を進めることができます。
また以下のように学習した教科や時間がグラフで可視化されるので、モチベーションを高めやすいという特徴もあります。
「誰かと一緒に勉強するほうが集中できる」「何をどのくらい勉強したのか一目で確認したい」という人におすすめのアプリです。
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3-2.スマホをつい触ってしまうのを防ぎたい人に「スマホをやめれば魚が育つ」
このアプリは、勉強中にスマホをつい触ってしまうのを防ぐことができるアプリです。
このアプリでできること
- 集中したい時間を設定したタイマーをスタートさせると、スマホを触らなかった時間の分、魚のキャラクターがコインなどを集めてきてくれる
- 集めたコインで別の魚を入手できるため、色々な種類の魚を育てられる
- 集中した時間を週や月ごとにグラフで比較することができる
魚のキャラクターを集めたり早く育てていくためには、集中タイマーを開始した後にスマホを触ってはいけないので、「勉強中なのに何となく通知をチェックしてしまう」ということを防ぐことができます。
「スマホをどうしても触ってしまうのをやめたい」「育成系のゲームが好き」という人におすすめのアプリです。
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3-3.集中力を高める行動を習慣化したい人に「みんチャレ」
集中力を高めるための具体的なコツを解説してきましたが、どれも一度やるだけで効果が出るものではありません。
実際に集中力を高めて目標を実現させるためには、これらの方法を継続して実行し、習慣づけていくことが非常に大切です。
そのため最後は、習慣化に役立つおすすめのアプリ「みんチャレ」を紹介します。
このアプリでは同じ目標をもった仲間がいるグループに入り、みんなで一緒に習慣化を目指していくことができます。
このアプリでできること
- 自分の好きなグループを選び、既に良い習慣を身につけている人や、これから身につけたい人と一緒に頑張ることができる
- グループ内のチャットに証拠写真を送り、スタンプなどで互いに励まし合うことができる
- 記録を忘れているとアラームで教えてくれる
みんチャレでは、以下の画像のように数々のテーマの中から自分が習慣化したいものを選ぶことができます。
そうすると色々なチームが表示されるため、その中から自分に合いそうなところを探してメンバーになれば、あとはチームの皆と一緒に頑張るだけ。
もちろん、自分でチームを新しく作ってメンバーを募集することもできます。
※チーム名はイメージです
実際にひとりで頑張る場合と比べると、みんチャレを使うだけで習慣化達成率は8倍にも向上することもわかっています(21日間継続率で比較)。
「ひとりだとなかなか良い習慣を継続することができない」「同じ受験生同士で励まし合いながら取り組みたい」という人におすすめのアプリです。
4.まとめ
勉強に集中できない理由や、集中するためのコツを解説してきました。
具体的にお伝えした内容は以下の通りです。
勉強に集中できない理由
- そもそも人の本能が勉強の邪魔をしてしまう
- 勉強する必要性を感じていない
勉強に集中するための16のコツ
- 自分が勉強する目的と必要性について心の底から納得する
- 全体の行動計画を立てる
- 何分で何をやるのか毎回決める
- 適度に学習内容を変える
- 学習内容に応じて勉強する時間帯を変える
- 能動的な作業を取り入れる
- 独自の集中スイッチを決める
- 机に鏡を置いて集中している自分を意識する
- 集中する時間と休憩する時間を細かく分ける
- 他人の目を意識できる場所に移動する
- 部屋の温度を少し低めに設定する
- 環境音を流す
- スマホやマンガ、ゲームなどの誘惑を排除する
- ストレッチや軽い筋トレなどで体を動かす
- 眠いときは15~30分ほど仮眠をとる
- コーヒーのカフェインで注意力を高める
さらに、集中するためのコツを実践し、定着させるために役立つツールとして、おすすめのスマホアプリも3つ紹介しました。
最後までお読みいただいたことで、自分が勉強に集中できなかった原因がわかり、集中して学習を進めるための具体的なコツも理解できたのではないでしょうか。
勉強のための集中力を高めるために必要なのは才能ではなく、技術です。この記事で紹介した内容を参考にしていただき、勉強に集中できる理想の自分を実現して頂けると嬉しいです。