「自己実現」という言葉は、今は
・理想や憧れの生活を送ること
・仕事もプライベートも充実させながら、目標に向かって進んでいくこと
といったように「充実した幸せな人生を送る」という意味で使われているケースが多いです。
しかし、自己実現はもともとは心理学用語であり、現在捉えられている意味とは異なります。
詳しくは後述しますが、自己実現の定義は様々な心理学者や哲学者などによって提唱されているため、それぞれ表現が異なるのですが、以下がその定義の一例です。
カール・ロジャーズ(アメリカの臨床心理学者)
自分の可能性を最大限に発揮するために努力をし、
その可能性を実現していくこと。
このことは、人生における究極の目標である。
トーマス・ヒル・グリーン(イギリスの哲学者)
本来持っている自我を完全に叶えること。
それが、人間の究極の目的である。
カール・グスタフ・ユング(スイスの精神科医・心理学者)
自分の強みや可能性を自律的に叶えて、
本来の自分になること。
カレン・ホーナイ(ドイツの精神科医・精神分析家)
真の自己が成長する過程のこと。
人は機会を与えられると自らの能力や可能性を自発的に発展させ、
この自発性が真の自己の力である。
アブラハム・マズロー(アメリカの心理学者)
自分の能力や可能性を最大限に活かして達成し、
本来あるべき自分になること。
人間が最後にたどり着く欲求。
人によって表現は異なりますが、自己実現というのは「人間が持つ高度な目的であり、自分のままで、自分の能力/強み/可能性を発揮・実現することを通して、自分らしい生き方をすること」であると捉えることができます。
自己実現を叶えているのは、次のような人ということができます。
自己実現を叶えている人の特徴 |
自分の気持ちに正直に生きている |
視野が広く創造力がある |
他人も自分もそのまま受け入れる |
自分の強みを活かしている |
自発的に行動し努力している |
自律性がある |
共同体感覚を持っている |
自己実現は、上記のような自己実現を叶えている人に近づくことで達成につながるということができます。そのポイントというのが、次の5つです。
自己実現を叶えている人に近づくポイント |
自分の価値観を理解する |
物事を新鮮に受け止める |
自分の能力や可能性を理解して仕事を見つける |
具体的な行動計画を立てて実行する |
当事者意識を持つ |
この記事では、以下の内容をまとめて説明していきます。
心理学における自己実現の意味
自己実現を叶えている人の特徴
自己実現を叶えている人に近づくポイント
自己実現で得られるメリット
自己実現で起こり得るデメリット
この記事を読んでいただくと、
自己実現とは何か
自己実現を叶えているのはどのような人なのか
自己実現を叶えるためにはどうすれば良いのか
自己実現を叶えるとどうなるのか
をお分かりいただけるようになります。自己実現に興味のある方は、ぜひご覧ください。
目次
1. 自己実現とは
冒頭でも説明した通り、「自己実現」という言葉は心理学用語であり、その心理学においては現在捉えられている意味「充実した幸せな人生を送る」とは異なる定義がされています。
現在捉えられている自己実現の定義を否定するわけではありませんが、自己実現とはどのような状態のことをいうのかを理解するためには、もともと定義があった心理学の視点で見ることが大切です。
そこでこの章では、自己実現とは何かについて、
- 心理学における自己実現とは何か
- 心理学において自己実現はどのように定義されたのか
- 現代にも影響を与えている心理学者・マズローが提唱する自己実現とは何か
の3つを踏まえながら心理学における定義を詳しく説明していきます。
1-1. 心理学における自己実現とは
心理学における自己実現の定義は、冒頭で取り上げたように心理学者や哲学者などによって表現は異なりますが、総じていうと人間が人生において成長していく過程で行き着くことであり、
- 自分のままでいること
- 自分の能力や可能性を発揮して実現していること
の2つを叶えることを通して、自分らしい生き方をすることです。他人と比べられない生き方をするともいえるかもしれません。
では、この自己実現という言葉はどのようにして生まれて概念化されていったのでしょうか。次の項目から説明していきましょう。
1-2. 心理学において自己実現が定義された経緯
「自己実現」の定義は、心理学の一派であるゲシュタルト心理学者(全体性や構造の観点から人間の精神を捉える心理学者)・脳病理学者であった、クルト・ゴルトシュタインが初めて提唱したといわれています。
ゴルトシュタインは第二次世界大戦への参戦によって脳が負傷した患者を治療・研究していく中で、
「人間は病気や障害の有無を問わず、今持っている能力で置かれている環境に適応することができる」
ということを見出したといわれています。ただ、ゴルトシュタインが見出したこの人間の能力は、当時は概念化されませんでした。
ゴルトシュタインが見出した人間の能力を概念化し、それを「自己実現」と表現したのがアメリカの臨床心理学者、カール・ロジャーズでした。ロジャーズは、ナチスの台頭でゴルトシュタインがアメリカに渡ったときに出会い、後にゴルトシュタインの弟子となった人物です。
ロジャーズはゴルトシュタインが見出した人間の能力をもとに
「人間は自分の可能性を最大限に発揮するために努力をし、その可能性を実現していく。このことは、人生における究極の目標である」
と概念化し、このような状態を「自己実現」と定義したそうです。
自己実現については、冒頭でも挙げたようにゴルトシュタインやロジャーズの他にも様々な心理学者や哲学者などによって定義されています。以下は、広く知れ渡っている自己実現の定義の一部です。
自己実現の定義(一部)
トーマス・ヒル・グリーン(イギリスの哲学者)
本来持っている自我を完全に叶えること。
それが、人間の究極の目的である。
カール・グスタフ・ユング(スイスの精神科医・心理学者)
自分の強みや可能性を自律的に叶えて、本来の自分になること。
カレン・ホーナイ(ドイツの精神科医・精神分析家)
真の自己が成長する過程のこと。
人は機会を与えられると自らの能力や可能性を自発的に発展させ、
この自発性が真の自己の力である。
表現は異なりますが、ゴルトシュタインやロジャーズ、そして他の心理学者や哲学者の定義を総括すると、「1-1. 心理学における自己実現とは」で示したように自己実現は人間が持つ高度な目的であり、
- 本来の自分になること = 自分らしくなること
- 自ら行動して自分の能力/強み/可能性を発揮して実現すること
- 置かれた環境で自分の能力/強み/可能性を発揮して実現すること
の3つを達成すると叶うものであると定義付けることができます。
1-3. 現代にも影響を与えている心理学者・マズローが提唱する自己実現
自己実現の定義は様々な心理学者や哲学者によって提唱されましたが、その中で現代においても影響を与えている定義を提唱した心理学者がいます。それがアメリカの心理学者、アブラハム・マズローです。
マズローは、20世紀後半の心理学において多大な影響力を与えた人物として知られています。
マズローが提唱した自己実現というのは
「自分の能力や可能性を最大限に活かして達成し、本来あるべき自分になること」
というものです。
こうして見ると、マズローの定義は表現は異なりますが前述した心理学者や哲学者などの定義と同じといえます。
しかしマズローは、この自己実現を人間が達成するまでの過程も具体的に提唱しています。どのような過程かというと、
「自己実現にたどり着くまでに人間は4つの欲求を持ち、段階的にその欲求を満たしていく。自己実現は、人間が最後に行き着く欲求である」
というものです。以下が、マズローの唱える自己実現までに人間が満たしたいと思う欲求の過程を表したものです。
欲求の名称 | 概要 | |
① | 生理的欲求 | 生きていくための欲求 |
② | 安全欲求 | 安心して生きていくための欲求 |
③ | 社会的欲求 | 社会から認められたいという欲求 |
④ | 承認欲求 | 他人から認められ、自分自身の価値を認めたいという欲求 |
⑤ | 自己実現欲求 | 自分の能力や可能性を最大限に活かして達成し、 |
人間はまず①の生理的欲求を満たし、その後②以降の欲求が生まれて順に叶えていきたいと思うもの、とマズローは提唱しました。④の承認欲求が満たされた後に人間が叶えたいと思う欲求が自己実現であるとしています。
つまりマズローは
「人間は健康面や生活面において問題なく生き、社会や他人と関わって認められることを実現して初めて自己実現に向かう」
と提唱したということができます。単に自分の能力や可能性を発揮して本来の自分になるのが自己実現ではなく、生きる上で生じる欲求を満たしていく過程を経て実現していくのが自己実現と定義付けたのです。
マズローが唱える自己実現までの過程を具体的な例に示すとこのようになります。
欲求の名称 | 例 | |
① | 生理的欲求 | 健康上問題なく生きている |
② | 安全欲求 | 生活に困らず生きている |
③ | 社会的欲求 | 仲間や家族などの |
④ | 承認欲求 | 他人から評価されて認められ、 |
⑤ | 自己実現欲求 | 自分らしく生きている |
上記のような「健康面や生活面において問題なく生き、社会や他人と関わって認められることを実現」という過程を経て自己実現を達成している人は、
・他人も自分もありのままに受容する
・創造的な考えができる
・自律性がある
・共同体感覚があり、人類の幸福に関心がある
といった特徴があるともマズローは言っています。柔軟性を身に付けつつも揺らがない心を持って自分らしさを身に付け、社会貢献していくことも自己実現であるとマズローは唱えたと捉えられます。
マズローが唱えた自己実現の定義をまとめると、自己実現は人間が最後に行き着く欲求であり、
- 本来あるべき自分になること = 自分らしくなること
- 自分の能力や可能性を最大限に活かして達成すること
- 柔軟性を持って社会貢献すること
の3つを達成すると叶うものであるということができます。前述した心理学者や哲学者の定義では3つ目「柔軟性を持って社会貢献すること」については言及されていないものの、マズローの自己実現の定義は彼らと類似していることをお分かりいただけるでしょう。
マズローの唱える自己実現は人間の心理に基づいた提唱であるため、ビジネスや教育といった人間の気持ちや心を育てていくことが求められるシーンで現代でも応用されています。
ただ、自己実現の定義を説明されても、ピンと来ない方もいるかもしれません。
そこで次章では、自己実現を達成できている状態についてより詳しく理解していただくために、自己実現を叶えている人の特徴を説明していきます。
2. 自己実現を叶えている人の7つの特徴
自己実現を叶えているのは、次の7つのような特徴を持っている人ということができます。
自己実現を叶えている人の特徴 |
自分の気持ちに正直に生きている |
視野が広く創造力がある |
他人も自分もそのまま受け入れる |
自分の強みを活かしている |
自発的に行動し努力している |
自律性がある |
共同体感覚を持っている |
2-1. 自分の気持ちに正直に生きている
「自分らしく」や「ありのままの自分」でいることが、自己実現を達成できている状態の1つに挙げられています。このため、自分の気持ちに正直に生きている人が自己実現を叶えているということができます。
他人と関わる社会で生きていくためには、
・やりたいことを我慢する
・周りの顔色を伺う
・本当の気持ちを隠す
といったように、自分の気持ちに反して行動しなければならない場面もありますよね。
しかし自己実現を叶えている人はこのようなことはせず、自分の気持ちと向き合ってその気持ちに嘘をつくことなく生きています。自分の能力や可能性を考慮し、それらを発揮できると考える活動(やってみたいこと)を素直に実行しているのです。
ここで「自分に正直になって生きていくことは、やろうと思えば誰でも実現できるのでは?」と思われた方もいるかもしれませんね。
確かに、自分の気持ちに正直に生きることはやろうと思えばできることです。しかし、自己実現を叶えている人はあいまいな気持ちで自分の気持ちに正直になって生きているわけではありません。
自己実現が叶っているといえるのは社会貢献ができている状態でもあるため、自己実現を叶えている人は責任を持った上で、正直に生きています。
歌手や画家といったアーティストや小説家などの文芸家といった芸術分野で活躍している人をイメージすると分かりやすいかもしれません。芸術分野で活躍している人は、全員が該当しないかもしれませんが多くが自分のやりたいことを実行し、自分が持っている能力を発揮して人の心を充実させる活動をしているといえるからです。
自分の気持ちに正直になり、その上で自身の行動が社会に与える影響に責任を持てる人が自己実現を叶えている人といえるのです。
2-2. 視野が広く創造力がある
自分の気持ちに正直に生きることは、周りの意見を全く聞かず、自分勝手に生きているということではありません。
自己実現を叶えている人は、視野を広く持っています。他人と関わる社会で生きていく中で周りには色々な意見があることを理解し、その意見を聞いて、かつ取り入れて生きています。視野が広いため、従来のやり方に縛られず新しい発想を創造することにも長けています。
「広い視野と創造力があることは自己実現に必要なの?」と思われるかもしれませんが、視野が広く創造力があれば柔軟性が養われているため、置かれたどのような環境においても自分らしく生きていくことができるようになります。マズローも、自己実現を叶えている人の特徴として「創造的な考えができる」ことを挙げています。
このため、視野が広く創造力を持つ人は自己実現を達成しているといえるのです。
2-3. 他人も自分もそのまま受け入れる
自己実現を叶えている人は広い視野と創造力があり柔軟性が備わっているため、他人のことをそのまま受け入れます。他人の良いところはもちろん、自分と異なっていることも否定することなく受容します。
「受容」というのは、単に受け入れることではありません。あるもの/ことの存在を許容して肯定する「承認」を得て、その存在そのものを丸ごと受け入れることをいいます。自己実現を叶えている人は、他人と関わる社会で生きていく中で周りの色々な意見に触れて理解している、つまり他人を承認するという過程を経ているといえます。
また、自分自身のこともそのまま受け入れているのも、自己実現を叶えている人の特徴です。自分の長所はもちろん、短所も理解し、ありのままの自分でいることを許容します。自分の気持ちに正直になって行動して「失敗した」と後悔することもありますが、自己実現を叶えている人はそのような失敗をするといった自分の短所も丸ごと受け入れるのです。
他人と自分の長所、そして短所までもそのまま受容して、比較することなく生きているのが自己実現を叶えている人といえるでしょう。
2-4. 自分の強みを活かしている
自己実現を達成できている状態として「自分の能力や可能性を発揮すること」も挙げられています。
後述することですが、「自分の能力や可能性」というのは「今持っている強みや伸ばしていきたい強み」ということができます。このため、自分の強みを活かしているのが自己実現を叶えている人といえます。
自分の強みというのは、
・得意なことやスキルなど
・他人が思う自分の強み
・自分の弱みから見える強み(弱みがあるからこそできること)
といったように、自分で自覚している強みと自覚していない強みの2つになります。自覚している強みは今の能力、自覚していない強みは可能性ということができますが、自己実現を叶えている人はこのような強みを発揮して社会に役立つことをしています。こちらも、芸術分野で活躍している人をイメージすると分かりやすいかもしれません。
自己実現を叶えている人は、自分のあらゆる強みを活かしながら社会貢献しているといえるでしょう。
2-5. 自発的に行動し努力している
自己実現を叶えている人は、自発的に行動をしています。
自己実現というのは誰かに達成すべきといわれて実現するものではありません。自分の強みを発見したら、その強みを発揮できることに向かって行動に移しているのが自己実現を叶えられる人です。
自分の強み発揮できることを実行するには、その内容によっては社会貢献につながるまでに長い道のりを歩く必要があるかもしれません。困難があることが分かるとやりたいことを実行するのに躊躇するかもしれませんが、自己実現を叶えている人は強みを発揮できることを実現するために、能動的に努力をし続けます。
やりたいことを実行して社会貢献するために、自ら動き努力できる人が自己実現を叶えられているといえるのです。
2-6. 自律性がある
自発的に行動している自己実現を叶えている人は、自律性があるともいうことができます。
自律性とは、周りからの命令や強制に左右されることなく、自分の意志や規範(判断や行動の基準となるもの)に従って行動できることを表します。自己実現を叶えている人は自分らしくいることを実現するために自分の強みを信じて行動し、周りや社会の評価を気にすることがありません。
周りや社会の評価を気にしないことはやろうと思えば誰でもできることではありますが、自己実現を叶えている人は社会的環境からも独立、つまり社会という群れから離れて生きていくことも選んでいます。周りと違う考えを持ったり行動をしたりしても、恐れることがありません。
自分の行動が周りにどう映るかが気になることもあるかもしれませんが、自己実現を叶えている人は内部的な動機によって行動しているのです。
2-7. 共同体感覚を持っている
自己実現を叶えている人は自律性があっても他人には全く興味がないわけではなく、共同体感覚を持っています。
共同体感覚というのは、周りの人達を「仲間」と思うことです。共同体感覚を持っている人は、何かあれば周りの人達と助け合うことが当たり前と思っています。たとえば失敗してしまっても、共同体感覚を持っている人は深刻になったり、自分を責めたりすることがありません。周りの人達が失敗しても「同じ人間だから」という理由で助けようとします。
「周りと助け合うなんて、当たり前では?」と思うかもしれませんが、自己実現を叶えている人は周りの人達がどんな人であっても尊敬し助けようとします。人は皆仲間であり、その人の幸せに関心があって何かあれば助けようと思っているのです。
このような共同感覚が自己実現を叶えている人に備わっているため、周りの人達を「敵」と見ることがありません。周りの人達を信頼し、助けて貢献することに幸せを感じるため、周りと違う考えを持ったり行動をしたりしても揺るぎない自分でいられる、つまり自分らしく生きることができるのです。
3. 自己実現を叶えている人に近づく5つのポイント
自己実現は、自己実現を叶えている人に近づくことで達成につながると考えることができます。具体的には、以下5つが自己実現を叶えている人に近づくポイントになります。
自己実現を叶えている人に近づくポイント |
自分の価値観を理解する |
物事を新鮮に受け止める |
自分の能力や可能性を理解して仕事を見つける |
具体的な行動計画を立てて実行する |
当事者意識を持つ |
3-1. 自分の価値観を理解する
自己実現を叶えている人は自分の気持ちに正直に生きています。自分の気持ちに正直に生きるには、自分の価値観を理解することが大切です。
自分の価値観は、
・生きていく上で大切にしているもの/ことは何か
・自分の人生で絶対に必要なもの/ことは何か
(例:体と心の健康を保つこと/自分を必要とする人を大切にすること など)
・自分の人生で不要なもの/こと
・生きる上で避けたいもの/こと
(例:精神的にも身体的にも無理をすること など)
といったことを自分自身に問ていくと価値観は見えてきますが、自分の価値観を整理するのは難しいこともありますよね。
そこで活用すると良いのが、生涯のキャリア・プラニングやスムーズな就職を支援する厚生労働省の「ジョブ・カード制度」で提供されている「価値観診断」です。
ジョブ・カード制度の価値観診断では、大切にしたいことに関する全25問の質問に「よくあてはまる」と「あてはまる」、「あてはまらない」の3択の中から自分の気持ちに近いものを応えることで、自身が
- 専門志向(専門分野で能力を発揮したい)
- 経営管理志向(組織の中で高い地位にいたい)
- 自律志向(自分のやり方やペースを守って動きたい)
- 起業家志向(自分の創造性を発揮させたい)
- 生活重視志向(ワークライフバランスを実現したい)
の5つのどの志向が強いかを、各項目10点満点で評価することができます。10点に近い項目が、自分が持つ最も強い志向 = 価値観になります。
こちらの価値観診断は、自分の価値観が視覚的に分かりやすく理解できますし、簡単に整理できるため有効です。こうした価値観を知るテストを活用して、自分の価値観を理解してみましょう。
3-2. 物事を新鮮に受け止める
2つ目のポイントは、物事を新鮮に受け止めることです。これは、自己実現を叶えている人の、
・視野が広く創造力がある
・他人も自分もそのまま受け入れる
といった特徴に近づくためのポイントになります。自己実現を叶えている人は、これら2つの特徴があることで、
・柔軟性がある → 置かれたどのような環境でも自分らしく生きられる
・比較しない → ありのままの自分で生きられる
といったようなことができるため、自己実現に必要な「自分らしく生きる」を可能にしています。このために必要なのが、物事を新鮮に受け止めることなのです。
物事を新鮮に受け止めるとはどういうことかというと「先入観を持たないこと」と言い換えられます。
たとえば仕事で資料を作って「こうした方が分かりやすい」とから上司から注意を受けたとき、「前に作ったときは問題ないと言ってくれたのに…」のように自分が以前得た経験などに縛られるのが先入観を持つことですが、「こういう視点があるのか!今後取り入れよう」と視点を変えて「学び」と捉えるようにするのが先入観を持たないということになります。
このように先入観を持たないようにすると、物事を新鮮に受け止められるようになります。物事を新鮮に受け止められるようになると、
周りから色々な視点の学びを得られる → 新しい発想を創造できる → 自分らしく生きるためのヒントを得られる
といったように、自分のままで生きることを叶える自己実現に近付くことが可能になります。
・他人に言われたことは視点を変えて「学び」と捉えるようにする
・自分が知っていることや他人に言われたことに「本当にそういえるのか?」と疑問を持つ
・物事の良い面と悪い面の両方を見る
といったことをするのが、先入観をなくす一歩になります。
自己実現を叶えるためには、物事に対して先入観を持たず、新鮮な気持ちで受け止めることは大切です。
3-3. 自分の能力や可能性を理解して仕事を見つける
3つ目のポイントは、自分の能力や可能性を理解して仕事を見つけることです。自己実現を叶えている人の特徴「自分の強みを活かしている」を達成するために必要となります。
「自分の能力や可能性」というのは「今持っている強みや伸ばしていきたい強み」と言い換えられます。この2つの強みを洗い出すことで、自分の能力や可能性を理解する手がかりとなります。強みを知ったら、その強みを発揮する仕事を見つけていきます。
詳しく説明していきましょう。
3-3-1. 今持っている強みを知る
「今持っている強み」というのは、
・得意なこと
・苦にならないこと
・楽しいと思うこと
・身に付けたこと
といったようなことです。今、自分がどのようなことを得意としているのか、やっていて楽しいと思うのかを洗い出してみましょう。
「そんなものない…」と思われる方は、次の2つの視点で考えてみましょう。
- 他人が思う自分の強みは何か?
- 自分の弱みを強みに変えられないか?
「1. 他人が思う自分の強みは何か?」は、以下を考えると思い浮かびやすいです。
・人からお願いされることが多いこと
・人から評価されること
この視点で共通しているのは、自分では自覚していない強みであることです。つまり、自分では強みと思っていなくても、他人から見ると「すごい」と思われていることは強みとなるのです。
上記のような視点でも思い浮かばない場合は、信頼のおける友人や家族など身近な人に聞いてみるのもおすすめです。第三者からの視点で自分の強みを知る手掛かりとなります。
「2. 自分の弱みを強みに変えられないか?」は、今自分が弱みと思っていることを、視点を変えて強みを見出すことになります。
たとえば、弱みと思っていることが「仕事が遅い」だとしたら「仕事を丁寧に行う」といった強みに置き換えられます。自分の強みは中々思い浮かばなくても、弱みであれば思い浮かぶという人は「こういう弱みを持っているからこそ、こんなことができる」といったような視点で考えると、それは強みになります。
・今持っている強み
・他人が思う自分の強み
・自分の弱みから見える強み
の視点で自分の強みを洗い出してみましょう。
3-3-2. 伸ばしていきたい強みを知る
「伸ばしていきたい強み」というのは、「5-2-1. 今持っている強みを知る」で洗い出した自分の強みの中で
・さらに伸ばしていきたい強み
・活かされていない強み
ということができます。こうした強みは、自分の可能性を見出す材料になります。
「今持っている強みを知れば、自己実現への一歩を踏み出せるのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
確かに、今持っている強みを理解することだけでも自己実現への一歩を踏み出せますが、自己実現というのはその強みだけではく「自分の可能性を最大限に発揮する状態」であることも必要です。つまり、今持っている強みだけでなく、伸ばしていきたい強みも活かすことが重要なのです。
伸ばしていきたい強みも発揮することは、本来の自分が持っていること全てを活かす=本来の自分で生きることにつながります。
こうした自己実現を達成するためにも、伸ばしていきたい強みを洗い出すことは必要です。
3-3-3. ストレングスファインダーを活用する
自分の強みは「ストレングスファインダー(R)」を活用して知るのも有効です。
ストレングスファインダー(R)とは、世論調査などを手がけるアメリカのギャラップ社が開発した個人の才能を診断するツールのことです。177問の質問に答えることで、自分の強みのもとである才能を知ることができます。
ストレングスファインダー(R)において才能は
- 実行力の資質(何かを完遂したいという資質)
- 影響力の資質(人の心を動かしたいという資質)
- 人間関係力の資質(人とつながって関係性を築きたいという資質)
- 思考力の資質(考えたり分析したりしたいという資質)
の4つの資質に分類しており、それぞれの資質には関連する複数の資質があります。その資質は合わせて34個あるのですが、ストレングスファインダー(R)を受けるとその34の資質の中にある自分が最も持つ資質5つを知ることができます。
【ストレングスファインダー(R)で分かる34の資質】
実行力の資質(9つ) | 影響力の資質(8つ) |
・達成欲 | ・活発性 |
人間関係力の資質(9つ) | 思考力の資質(8つ) |
・適応性 | ・分析思考 |
※引用元:クリフトンストレングスの34の資質とは? | JA – ギャラップ
ストレングスファインダー(R)は、質問に答えることで自分の資質(才能)を強みとして分かりやすく理解できるため、
・自力では強みを見つけられない
・自分の強みが分からない
といった方が強みを知るのに有効です。
ストレングスファインダー(R)は、以下の3つの方法で受けることができます。
- 書籍『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』に付属のアクセスコードを使って受ける
- ギャラップ社の公式サイトでアクセスコードを買って受ける
- ストレングスファインダー(R)の公式アプリを使って受ける
1と2はパソコンのブラウザ、3はスマートフォンで手軽に受けられるので、ご自身のやりやすい方法を選んで実施してみてください。
3-3-3. 価値観と強みを活かせる仕事を見つける
自分の強みを見つけたら、価値観と強みを活かせる仕事を見つけていきます。以下は、強みとその強みを活かせる仕事の例です。
価値観(例) | 強み(例) | 活かせる仕事(例) |
ワークライフバランスを実現したい | ・どんな人ともコミュニケーションを取ることができる ・人が気付かないような細かいことを発見できる | フリーランスのコンサルタント |
専門分野で能力を発揮したい | ・一から新しいことを学ぶことに意欲が沸く ・何事も継続できる | エンジニア |
とはいえ、価値観と強みを活かせる仕事を見つけるのは難しいこともありますよね。そんなときは、「3-1. 自分の価値観を理解する」で取り上げた厚生労働省のジョブ・カード制度で提供されている支援ツール「仕事を理解する」を活用するのがおすすめです。
こちらのツールでは、主に次の内容を知ることができます。
・主な職業の一覧
・主な職業別の必要とされる能力
興味のある仕事に携わるための能力を理解するツールではありますが、今持っている強みから活かせる仕事を見つけ出すのにも有効です。強みを活かせる仕事が分かったら、価値観も実現できるかを考えてみましょう。
価値観と強みを活かせる仕事が分からない場合は、キャリアカウンセリングを受ければ見つけられる可能性が高まります。キャリアカウンセリングは、厚生労働省が提供しているキャリアコンサルタント検索でコンサルタントを見つけて探すことができるため、ご覧になってみてください。
3-4. 具体的な行動計画を立てて実行する
4つ目のポイントは、強みを活かせる仕事が分かったら、その仕事に携わるために具体的な計画を立てて実行することです。
自己実現というのは他人に依頼されて達成するものではありません。自分の価値観と発揮したい強みを活かせる仕事が見つかったら、
・いつまでに何をどの程度やるのか
・どこで何をやるのか
といったように具体的な言葉や数字にして計画を自ら立てていくことが重要です。
たとえば、自分の価値観と発揮したい強みを活かせるのが国際看護師である場合は、
・XX年〇月までに看護師以外で必要な資格の情報を集める
・XX年〇月までに国際看護師に求められる英語の資格で◇点を取る
・XX年〇月までに看護師留学に必要な資金を毎月◇円溜めて達成する
といった具体です。ここでは国際看護師を例に挙げましたが、やりたいことや仕事の内容問わず、自己実現達成までに取り組むべきことやどのように行動すれば達成に向かっていくかを考えていくということになります。このようにすれば、自己実現までに行うべきことが明確になり、行動に移しやすくなります。
自己実現は価値観や強みを活かせる仕事によっては叶うのに時間を要することもあるため、
・すぐに叶いそうにないなら意味がない
・大きな失敗をしないか不安
といったマイナスな気持ちになることもあるでしょう。
しかし、行動を避けていては、自己実現の一歩も踏み出せません。実際に行動に移すと分かることもあるため、計画を立てたら行動することが非常に重要です。
実際に行動に移したら、その中で分かったことや気付いたことを書き留めておきましょう。これらは、新たな本来の自分や強みを見出すきっかけにもなり、自己実現を達成するための一材料となり得ます。
本当の自分のままで強みを活かして生きていくためにも、具体的な計画と実行は大切です。
3-5. 当事者意識を持つ
5つ目のポイントは、当事者意識を持つことです。これは、自己実現を叶えている人の、
・自発的に行動し努力している
・自律性がある
・共同体感覚を持っている
といった特徴に近づくためのポイントになります。
当事者意識を持つというのは、何事に対しても自分事として捉えることを意味します。一見すると自分には関係のない他人の事に対しても、自分の事として考えて対応することです。
当事者意識を持っている人と持っていない人の違いは、上司にお願いされた仕事でミスをしたときの対応を例に挙げると以下の通りです。
・当事者意識を持っている人…ミスの原因を突き止めて「どうすればよいか?」を考え、責任を持って対応する
・当事者意識を持っていない人…「言われた通りにやっただけ」と他人に責任を負わせる
上記の通り、当事者意識を持っていない人は何か問題が起きると他人のせいにして、被害者意識を持つ傾向にあります。周りの人達を「敵」と見てしまい、その人達の目を気にし過ぎるあまりに他人の意見や行動に合わせて行動してしまうため自分事に捉えられないことがあるのです。
一方当事者意識を持っている人は、問題が起きたときにどうすれば良いかを自発的に考えます。他人のせいにせず、自分のミスとして捉えて「今後はどうすべきか?」と考えられるため、必要以上に自分を責めることがありません。この姿勢が成長につながるため心の余裕が生まれ、他人の問題に対しても当事者のように親身になって対応することができるのです。
また、他人の事に対しても動くようになるため、自分らしく生きるためにどう動くべきか、周りの環境のせいにせず自分で意思決定して責任を持った行動できるようにもなるため、自律性が高まります。結果として、周りを気にすることなく自分に正直に、自分の強みを活かしながら自分らしく生きることができるようになります。
ここで、「自分とは無関係のことを自分事として捉えることは難しい場合もあるのでは?」と思われた方もいるかもしれません。
確かに、海外で起きている政治の問題など内容によっては自分事と捉えることは難しい場合もあります。
何事に対しても自分事と捉えて解決に導く必要はありませんが、当事者意識を持つことで自分の価値観を強みを発揮できることが見つかったとき、「自分はこの方向に進む!」と自らの意思で行動できるようになります。
・何か物事を始めるときは小さいことから始めて成功体験を積み、最後まで人に頼らずやり遂げる意識を持つ
・できないことに対して諦めるのではなく、「どうすればできるようになるか?」と意識的に考える
といったことをすると、当事者意識を高められます。自己実現を叶えている人が持っている自発性と自律性、共同体感覚を養うためにも当事者意識を持てるようになることは大切です。
4. 自己実現までに生じる欲求を満たしてアプローチすることも有効
自己実現は、「自己実現までに生じる欲求を満たしていく」という方法でアプローチしていく方法もあります。
これは「1-3. 現代にも影響を与えている心理学者・マズローが提唱する自己実現」で紹介したマズローが提唱する自己実現までの過程を応用したものになります。
マズローは、人間は以下4つの欲求を持ち、①を満たしていくと②、②を満たしていくと③…というように、自己実現までには下の欲求から順に満たしていくものであると唱えたことを説明しました。④の承認欲求が満たされた後、最後に生じるのが自己実現をしたいという欲求です。
欲求の名称 | 概要 | |
① | 生理的欲求 | 生きていくための欲求 |
② | 安全欲求 | 安心して生きていくための欲求 |
③ | 社会的欲求 | 社会から認められたいという欲求 |
④ | 承認欲求 | 他人から認められ、 |
⑤ | 自己実現欲求 | 自分の能力や可能性を |
このマズローが考える自己実現までに生じる欲求を1つずつ満たしていくことで、自己実現を達成していくという方法になります。
具体的には、まず今の自分が上記4つのうちどの欲求を満たしているのかを把握します。それぞれの欲求を満たしているかの判断材料となる例は、以下の通りです。
欲求の名称 | 判断材料(例) | |
① | 生理的欲求 | 健康上問題なく生きている |
② | 安全欲求 | 収入があり、健康上問題なく |
③ | 社会的欲求 | 周りから必要とされている |
④ | 承認欲求 | 他人から十分に評価されており、 |
それぞれの欲求を満たしているかの判断材料を見て、該当しない場合はその欲求を満たす方法を考えて実行していきます。
欲求の名称 | 満たす方法(例) | |
① | 生理的欲求 | 元気な状態で生きられる環境を見つける |
② | 安全欲求 | 生活に困らず、元気な状態で働けるような |
③ | 社会的欲求 | 自分が必要とされていると感じる |
④ | 承認欲求 | ・他人から尊敬されたり、認められたりしてもらえる環境を見つける ・自分自身を認める |
マズローが考える自己実現達成までの過程を応用すると、
・どのような状態であれば自分は健康といえるか
・どのような経済状態であれば自分は安心できるか
・どのような社会にいれば自分は心が満たされるのか
・どのような状態であれば自分は他人から認められるのか
といったように自分と向き合い、自分のことを知って達成しながら自己実現に向かっていくため、自己実現に必要なありのままの自分でいることを叶えられる可能性が高まります。その上で、自分の価値観や強み、これらを活かせる仕事を見つけていけば、自己実現は叶うでしょう。
マズローの唱える自己実現はあくまで1つの定義であるため、このアプローチが正解ではありませんし、欠乏欲求を満たしていけば必ず自己実現が叶うとも限りません。しかし、自己実現を叶える手がかりを見出すことが可能になるため、活用することも有効といえます。
5. 自己実現で得られるメリット
ここまで、
・自己実現とは何か
・自己実現を叶える人の特徴
・自己実現を叶えるポイント
を説明してきましたが、実際に自己実現を達成するとどのようなメリットを得られるのでしょうか?それは、次の2つが挙げられます。
メリット
- 自分らしくいられる
- モチベーションを保って生きられる
5-1. 自分らしくいられる
1つ目は、自分らしくいられることです。自己実現を叶えると自分の気持ちに正直になって強みを活かして生きていくことができますから、ありのままの自分でいることが可能になります。
もちろん、自分の気持ちに正直になって行動しても生きていく上では他人との関りを持ちますが、自己実現を達成している状態では「2-2. 視野が広く創造力がある」や「2-3. 他人も自分もそのまま受け入れる」でも説明した通り、他人を受け入れながらも自分の存在も受容しているため、他人と比較することなく自分のままで日々過ごせます。
自分らしくいられると心が満たされ、充実した毎日を送れるでしょう。
5-2. モチベーションを保って生きられる
2つ目は、モチベーションを保って生きられることです。
自分の苦手なことや他人に指示されたことを行っていると、社会貢献はできてもモチベーションは保ちにくいですよね。
しかし、自己実現では自分のままで強みを活かしながら生きていくことができ、それが社会貢献となります。自分の好きなことに関わって、社会の役に立つわけですから、モチベーションは自然と上がります。
自分の強みを活かして社会貢献することでもモチベーションを維持できることもありますが、自分らしくいられなければ心の充実度は下がるでしょう。
自己実現をしてモチベーションが上がれば、やる気に満ち溢れた日々を送ることも可能になるのです。
6. 自己実現で起こり得るデメリット
自己実現を叶えると自分らしく、そしてモチベーションを保ちながら生きることができるのは確かですが、自己実現では良いことばかりが起こるわけではありません。
自己実現で起こり得るデメリットとしては、次の2つが挙げられます。
デメリット
- 実現までに時間を要することがある
- 経済的に苦労することがある
6-1. 実現までに時間を要することがある
1つ目は、強みを発揮できることの内容によっては、自己実現が叶うまで時間を要するということです。
自分の強みを発揮して社会貢献することは可能ですが、「自分のまま」という条件を加えると難易度が上がります。自分の気持ちに正直になって生きることが自己実現ですから、意に反したことをして社会に役立ってもそれは自己実現とはいえません。
自己実現を達成している人はもちろんいます。しかし、短期間で自己実現を達成することは難しいこともあり、努力を続ける覚悟がいることは念頭に置く必要があるでしょう。
6-2. 経済的に苦労することがある
2つ目は、経済的に苦労する場合があることです。
自己実現では、自分の気持ちに正直になって、能力や可能性を発揮できることを実現していくわけですが、実行する内容によっては社会貢献に成功するまでに十分な収入を得られないかもしれません。
これまで人が達成した実績のないことをやってみたい場合など、社会に貢献しつつ生活できるまでに到達するのが難しいことは多大なお金が必要となる場合もあります。
もちろん、経済的に苦労しても自己実現したいと思うのは良いことです。
しかし、そのように自己実現をしても、経済的に苦労したことで困窮してしまってはモチベーションを保って生きていくことは難しいでしょう。他の収入源を作るなど、自己実現を達成するために経済的な対策が必要になる場合もあるという心の準備をしておくことも大切になります。
まとめ
「自己実現」という言葉は心理学用語であり、その心理学においては「人間が持つ高度な目的であり、自分のままで、自分の能力/強み/可能性を発揮・実現することを通して、自分にしかできない生き方をすること」を意味します。
具体的には次のような特徴を持つ人が「自己実現を叶えている」ということができます。
自己実現を叶えている人の特徴 |
自分の気持ちに正直に生きている |
視野が広く創造力がある |
他人も自分もそのまま受け入れる |
自分の強みを活かしている |
自発的に行動し努力している |
自律性がある |
共同体感覚を持っている |
自己実現を叶えている人に近づくポイントは、以下の5つです。
自己実現を叶えている人に近づくポイント |
自分の価値観を理解する |
物事を新鮮に受け止める |
自分の能力や可能性を理解して仕事を見つける |
具体的な行動計画を立てて実行する |
当事者意識を持つ |
実際に自己実現を叶えると次のようなメリットを得られますが、デメリットも起こり得ることもあります。自己実現を叶えたいと考える場合は、メリットとデメリットを念頭に置いて行動する必要があるでしょう。
メリット | デメリット |
自分らしくいられる | 実現までに時間を要することがある |
モチベーションを保って生きられる | 経済的に苦労することがある |
この記事が、あなたの人生を豊かにするヒントとなれば幸いです。