ウイングアーク1st株式会社
健康経営銘柄初認定!ウイングアーク1st社の禁煙推進とは?
- 名称
- ウイングアーク1st株式会社
- 設立年
- 2004年3月
- 代表者
- 田中 潤
- 従業員数
- 799人 (2023.2現在)
- 導入サービス
- みんチャレ禁煙
ウイングアーク1st株式会社は、Visionである「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future. 情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」の下、メンバーの健康と幸福を一番に考え、心身ともに最高のコンディションで業務にあたることができるよう様々なサポートをする企業を目指しています。
「楽しさ」を意識して、社員主体で進める取り組みが評価され、2023年初めて健康経営銘柄に認定された同社。2025年には喫煙者をゼロにすることを目標に掲げ、みんチャレ禁煙を導入しました。今回は喫煙者ゼロに向けた岩盤層への取り組みについて伺いました。
今回インタビューに応じていただいたのは、Wellness推進室・健康経営エキスパートアドバイザーの鳥越 美由紀さんです。
健康経営の取り組みについて
ウイングアーク1st株式会社は「楽しさ」を意識し、共感を呼ぶ健康施策を展開しています。その結果、2021年1月にはスポーツ庁が推進する「スポーツエールカンパニー」、 さらに同年3月には、経済産業省と日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人2021(大規模法人部門:ホワイト500)」、そして2023年3月は「健康経営銘柄2023」に認定され、着実に健康経営を進めています。
同社は、2020年2月より原則在宅勤務で業務を行っています。リモートワーク下でも楽しく運動×コミュニケーションを促進する健康施策として、自社製品を活用した全社ウォーキング大会や、毎週火曜日の全社オンラインMTG前にダイエットアドバイザーの資格を持つ社員によるストレッチなどを行っています。
これらの施策は、様々な部署のメンバーから構成されたウェルネスリーダーによるWellness委員会で決定されています。毎月の衛生委員会を兼ねたWellness委員会で、各施策の推進についてアイデア出しや活発なディスカッションを行い、運営側の楽しむ姿勢が社員の共感を広げているばかりでなく、健康関連の指標にも好影響を与えています。
同社の健康経営詳細は、こちらからご覧いただけます。
https://corp.wingarc.com/sustainability/humanrights/wellness.html
禁煙の取り組み
鳥越:健康関連データ分析の結果、ライフスタイルスコアが低い社員ほど肥満率や有所見率が高く、プレゼンティーズム・アブセンティーズムの損失割合が大きい状況となっていることがわかりました。このことから健康的な生活習慣を促進していくことが、心と体の健康、そして生産性にも好影響を与えると認識しています。
特に、喫煙者は新型コロナウイルス感染症をはじめとする多くの病気において重症化や死亡のリスクが高いことが、世界保健機関などの調査から明らかになっています。
当社は代表の田中をはじめ総勢10名在籍している常勤役員の喫煙率は0%を維持していますが、全社員を対象とした調査では喫煙率が20%台で推移していました。このことから喫煙には大きな課題意識を持っており禁煙施策を強化することを決め、喫煙率を国の目標を同じく、2023年3月末で12%まで引き下げる目標を立て、以下の禁煙施策を実施してまいりました。
5つの禁煙対策
1. ルール整備 | 就業時間中の禁煙(就業規則改定) |
2. 費用補助 | 禁煙外来の受診費用及び個人で購入した禁煙補助剤等の購入費用補助 |
3. サポーター設置 | ・マイスター制度:喫煙者の上長がマイスターとなり、1on1などを通して禁煙のモチベーション向上を応援 ・フレンド制度:過去に禁煙した社員や一緒に禁煙への取組みをスタートする社員に自社製品dejirenを利用して直接相談可能 |
4. 個別声掛け | ・喫煙者の家族に向けた当社代表からの手紙送付 ・全員健康面談で喫煙者に対して禁煙のメリットを伝える個別声掛け |
5. 意識啓発 | ・過去に禁煙に成功した社員による「卒煙体験発表会」や「卒煙アルバム」、禁煙に関するよくある質問 「禁煙Q&A」をいつでも見られるように社内ポータルサイトに掲示 ・喫煙者・非喫煙者を問わず、たばこの正しい知識習得を目的とした禁煙セミナーの開催 |
導入のきっかけ
鳥越:禁煙のみならずリモートワーク下での健康作りとコミュニケーション促進について全社で雰囲気を盛り上げていたこともあり、喫煙率は自然と低下していました。
ところが、全体的には各健康指標の改善が見られる中で、喫煙率に関しては下げ止まりが確認され、加えて新たに入社された方の中に喫煙者がいたことから喫煙率が増加してしまい、12%の目標達成に向け本腰を入れた施策が必要だと感じ始めていました。そんな矢先に、みんチャレ禁煙を運営するエーテンラボさんと出会いました。
みんチャレ禁煙は、これまでの禁煙外来のように1人で孤独に戦うのではなく、同じ境遇の仲間で支えあう点が、ウイングアークの社風にマッチすると思いました。
どのようなプロセスで実施したか
ー 告知方法
鳥越:元々の健康施策で、オンラインコミュニケーションでもお互いの顔を出しての参加がベースになっていたこともあり、喫煙対策についても全社ミーティングで禁煙に成功した方の体験談を語ってもらうなど、とりあえず申し込んでみよう。やってみようという気持ちになってもらえるように工夫しました。
加えて、社内イントラネットで健康テーマのブログを各社員が投稿する「HEALTH CARE リレー」を行っており、社員のヘルスリテラシーが高まっている土壌がありましたので、会社からの禁煙メッセージを発信する機会が増えることへの抵抗感はなかったと思います。
みんチャレ禁煙は当社専用のプログラム募集サイトを作成してくれたり、募集対象者向けの参加勧奨のツールを用意してくれるなどサポートが充実しているので、初めて導入する場合でも私達が何を行えば良いのか道順を示してくれました。
期間を区切って実施するイベント形式である点も、社内の盛り上がりを創出するのにぴったりな手法だと感じています。
導入成果
ー プログラム成果
鳥越:せっかくの機会でしたので対象となる喫煙者に声がけし、プログラムへの参加を個別に促していきました。中にはしぶしぶ参加したメンバーもいたと思いますが、なんと参加者の6割以上が禁煙に成功しました。そこまで禁煙の意欲が高くなかった人も成功に導けたことはとてもよかったと思いました。
みんチャレ禁煙は、募集からプログラム期間中に至るまで参加者の状況を定期的にモニタリングしてくれるので、安心してお任せできました。
ー 参加者の声:禁煙に成功した30代男性
Wellness委員会のメンバーから誘われ義務感で参加したのですが、まさか禁煙できるとは思っていませんでした。今までも禁煙しようと考えたことはあったのですが、実行に踏み出したのは今回が初めてでしたね。会社が始める新しい施策ということも、新しいもの好きの私には良いきっかけだったのかもしれません。
実際に取り組んでみると、最初の1〜2週間は身体的にきつかったです。解説通り補助薬を使うと効果を実感できましたので、正しい道を歩んでいる安心感がありました。
また、禁煙補助薬を使用する以外にもアプリやメールからの情報提供があるので、セルフマネジメントする方法を色々と学び乗り切ることができました。最初の山を越えるとあとは楽になると事前にわかっていましたので、楽な気持ちで過ごせました。
「失敗しても今の自分に戻るだけ」と気負わず始められた偶然もあるかもしれませんが、思っていたより楽な気持ちで禁煙できました。こんなに簡単にやめられるなら、もっと早く禁煙にチャレンジしていればよかったですね。家族に喜ばれましたし、ペットの犬も懐いてくれるようになりましたし、いいこと尽くしです!
今後の展望
鳥越: みんチャレ禁煙と当社の相性が良いことが確認できましたので、2023年6月からはみんチャレさんが提案してくださったプログラムのブラッシュアップ案に弊社独自のアイデアを加えて実行しています。
5月31日の世界禁煙デーには、弊社の社内ミーティングにおいて禁煙に成功したメンバーにインタビューして、全社員へメッセージを届けました。また、2025年喫煙者ゼロ宣言をプレスリリースし、社外からも多くの反響がありました。
これからも社内のコミュニケーション活性を絡めた禁煙施策を推進し、目標である喫煙者ゼロを達成したいと思います!
*2025年喫煙者ゼロ宣言
https://corp.wingarc.com/public/202305/news2577.html
取材・写真・文:日下拓也(みんチャレ編集部) (※文中の敬称略。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)