専門家監修の元に作成された、5人1組で続ける「習慣化アプリ」みんチャレでは、高齢者同士のチームが人気です。シニアの皆様には「みんチャレをきっかけにスマートフォンに慣れることができた」という声を多くいただいています。
スマホの習熟には、スマホを日常的に利用する機会やスマホでやりとりする相手が必要です。そこで、東京都墨田区や府中市では、みんチャレを活用し高齢者のスマホ習熟を支援する事業を実施しています。仲間とチャットで楽しく交流することで、毎日スマホに触れる機会を創出し自然とスマホが上達します。
「スマホを持っているけど使いこなせていない」「高齢者の方のスマホ習熟を支援する良い手立てはないか」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
- スマホの上達にみんチャレを活用
矢後 悦子さん(87歳・墨田区老人クラブ会員) - スマホに慣れるために、1年前にみんチャレを始めました。
老人クラブの仲間と日常の写真やコメントを送り合い、楽しく交流を続けています。スマホに慣れて文字入力と写真撮影が上達しました。
毎日歩数を投稿するので散歩の習慣もでき、健康維持にも役立っています。
取り組み内容
・老人クラブの仲間とチームを組み、地域の風景や毎日の歩数を投稿
・みんチャレを1年継続し、スマホが上達!
目次
1. スマホを購入したきっかけ
2021年の暮れに墨田区のICT講習会に参加し、初めてスマホを触りました。その時はまだガラケーでスマホを持っていなかったので、スマホをお借りして体験しました。変なところを押すと大変なことになると耳にしていたので、最初は怖かったです。
ただ元から機械をいじるのが好きだったので、夢中でやりました。スマホを使うと楽しい世界があるんだと知りました。その後、使用していたガラケーが使えなくなると知り、2022年3月に急いでスマホに買い替えました。
2. みんチャレを始めた目的と最初の苦労の乗り越え方
スマホを購入した1ヶ月後に、墨田区からみんチャレお試し講習会の案内をいただき、スマホに慣れたいと参加しました。老人クラブの仲間5人でチームに参加し、毎日写真と歩数を投稿することになりました。スマホを買ったばかりで、最初はどうやってタッチするかもわからず大変でした。
それでも大変さよりは楽しい気持ちが上回りました。子供がスマホゲームに夢中になるのと同じような感覚で、こういう楽しみがあるのだなとわかりました。チームメンバーは住んでいる地域が離れていたので、他の方が送ってくる写真を見ると、同じ墨田区でも知らない場所が多くすごく新鮮でした。
写真の送り方がわからなくて、仲間にメールして聞いたり、仲間同士でお互いわからないことを話し合ったりしました。仲間や墨田区の職員さんから丁寧に教えていただいて助かりました。2週間でみんチャレの操作を覚えることができました。
3. みんチャレチームでのミステリーな楽しい交流
2022年9月にみんチャレ講習会が再度開かれ、それまでのチームから同じ地区の3名のチームに組み変わりました。
最初は、名前も顔もお互い知りませんでした。今でも苗字やどこに住んでるかはわからない「ミステリー」な関係です。この方はどういう人なのだろうとミステリーを楽しみワクワクしながら交流しています。
チームメンバーのリョウさんやあけちゃんは、絵文字がお上手です。お二人に影響されて私も少し絵文字が使えるようになりました。スマホ友達になれて本当によかったです。
<チームメンバーの声>
リョウさん(70代男性)「利害関係がないので、笑われるなどと変に気を使わず、好きな内容を楽しんで送れます。手紙のように長文にならないよう、工夫してコメントをまとめるのが頭の体操になっています。」
あけちゃん(70代女性)「楽しんで写真を撮り、メッセージを読んでいます。ヤゴさんやリョウさんが活動的ですごいなと刺激をいただいています。」
4. みんチャレを使ってよかったこと
4-1. 文字入力と写真撮影が上達した
みんチャレを始めて2023年4月でちょうど1年になります。
毎日やるということが日記のようになっています。元々日記は好きだったのですが、毎日つけるのが億劫になっていました。そんな中、みんチャレを始めてからは、短い文章ではありますが毎日送れています。入力をするのが段々速くなってきました。また、毎日写真を撮るので写真撮影はこの1年で上達しました。
4-2. 散歩習慣ができ健康に良い
毎日歩くこと、それから写真を撮ることが習慣になったので体の健康にも良いです。仲間の歩数をみると、自分も歩かなくちゃと思います。
最初は少し頑張りすぎたのですが、途中からこれだと続かないなと思い「今日はちょっと休みます」とゆったりした気持ちに切り替えたことで今まで続いています。絶対無理をしないということが私のモットーです。
歩数が少ないことを気にした際に、仲間から「気にするのは一切やめましょう」と言っていただき、楽になりました。
4-3. マップやキャッシュレス決済が使えるようになった
マップ(地図)とバスや電車の時刻表がスマホで使えるようになりました。主にバスの乗り継ぎを確認しています。出かける際に無駄な時間をつかわないで済むようになりました。
スマホショップで教えていただき、auPAYも使えるようになりました。薬局での買い物時に便利でよく使っています。
5. 今後スマホをどのように活用していきたいか
孫がオーストラリアに永住していて、お互いにLINEや写真を送り合うことが楽しいです。ひ孫は神戸にいてスマホで連絡が取り合えることが嬉しいです。遠くにいる家族とのコミュニケーションに活用し続けたいと思います。
また、老人クラブの方々への連絡の際に、スマホでメールを送ることもあります。
みんチャレを今後も続けてコインを貯めて墨田区の寄付プロジェクトに寄付していきたいです。
矢後さんが参加した墨田区の取組について詳しくは下記をご覧ください。
また、この取り組みは、内閣官房デジタル田園都市国家構想の一環である「冬のDigi田甲子園」にてインターネット投票7位となりました。
取材・写真・文:渋谷 恵(みんチャレ編集部)
(※文中の敬称略。インタビュー内容は取材当時のものです。)